藤堂正道と伊藤ほのかのおしゃべり

72:梅雨最長期間

「長秀クン。私、天下取りで忙しいから宿題やっておいて」
「自分でやれ、馬鹿者が！」

　びしっ！

「あ痛ぁ！　って、ええええ～、先輩？　どうして、先輩が戦国時代に……」
「寝ぼけているのか、伊藤？」
「い、いえ！（もう、ややこしい！　今は戦国時代じゃなくて、現代ってわけね）」
「伊藤、今日は町内のゴミ清掃だから、ちゃんと雨具を用意しておけよ」
「ええっ～、雨の日にも清掃、やるんですか～って、もう七月終わりじゃないですか～。夏休み～」
「今年はコ○ナがあって、八月まで登校日だろろうが」
「ぶ～ぶ～」
「文句はコロ○と梅雨に言え」

「梅雨？　あれ？　まだ梅雨明けしてませんでしたっけ？」
「しているところもあるが、近畿や東海、関東甲信はまだだな」
「去年とは大違いですね。九州は大雨でしたし、不幸な事って続くますよね」
「全くだ。ちなみに梅雨の最長記録って知ってるか？」
「確か82日くらいでしたっけ？ ５月 13 日から8 月1日までだった気がします」
「らしいな。後、今年は七月に台風の発生はゼロだって知ってたか？」
「あっ、そうなんですか？　言われてみれば……台風自体もまだ二号までですよね？」
「そうだ。ちなみにこのまま台風が発生しなければ観測史上初みたいだな」
「す、すごいのかな～？　微妙。七月だけですもんね」

「まあ、記録に残されるだろうな。そろそろ、いくぞ。マスクと水分補給できるモノもちゃんと用意しておけ。今年は猛暑になる可能性が高いし、熱中症で病院に搬送された人達は去年の十倍って聞くからな。しんどくなったらすぐに言えよ」
「は～い。みんなも気をつけてね！」