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66:いつも見ているから
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「伊藤! 何度言えば分かるんだ! 服装をちゃんとしろ! スカート丈を膝下、もしくは膝上にしろ!」
「もう! しつこい! いい加減にしてください!」
「おい、待て! まだ、話が終わってないぞ!」
「……」
「もうもうもう! 先輩、しつこい! 先生だってあそこまで言わないから! 何様なの!」
「「……」」
「どったの、明日香、るりか? 何も話さないと放送事故だと思われるじゃん?」
「いや……」
「もう……」
「「飽きたし、その話し」
「ええええ! 共感してくれたじゃん!」
「あのね、ほのか……自分の委員会、忘れてない?」
「忘れるわけないじゃん。風紀委員だよ」
「だったら……」
「服装くらい……」
「「ちゃんとしろ」」
「ええええっ~~~! 二人も私に注意するわけ? 信じられないんですけど!」
「……藤堂先輩はプレイベートでも服装に口出ししてくるし?」
「流石にそれはないよ。そこまで空気読めない人じゃないから」
「委員会以外のときは?」
「最初は言われたけど、もう何も言われなくなった。お昼ご飯一緒に食べているときは楽しくおしゃべるしてるし」
「つまり、委員会の時だけ言われてるわけ?」
「そうだよ」
「……大人になるし、ほのか。自分から委員会に入っておいて、規則破るとかほのかの方が悪いし」
「だよね。ほのかが委員会の時だけ制服をちゃんとすればいいだけじゃん。先輩に逆らってもすることなの? 体育会系なら歯を食いしばれものだよ」
「……私悪くないもん。丈を長くしたら笑われるし、可愛くない」
「それは分かる」
「けど」
「「自重しなよ。あまり無視していると嫌われるから」」
「……ううっ、明日香にもるりかにも文句言われた……でもでも、そんなに悪い事なの? 短すぎるわけじゃないし、自由にさせてよ。それにもっと指導することがあるでしょ? おかしいよ……でも、嫌われたくないし」
「おい、伊藤!」
「せ、先輩……(ええっ……まさか、追いかけてきてまで説教する気? ウザい……)」
「よかった……心配したぞ」
「えっ? 心配ってなんで?」
「今日は学校周りの掃除だろ? 集合場所にいなかったから探したんだ……」
(わ、忘れてた! ヤバ!)
「そ、そのなんだ……少し言い過ぎたか? けど、分かってくれ。伊藤も子供じゃないし、社会に出れば必要最低限のマナーを……って悪い、説教になったな。ただ、これだけは言わせてくれ。俺は伊藤のやる気を買っている。だから、アドバイスがしたいだけなんだ」
「やる気?(えっ? 別にやる気なんてあまりないんですけど……)」
「いつも俺よりも早く集合場所に来ているだろ? それに俺とは違うスタンスで揉め事を解決してくれている。伊藤がいてくれて左近も助かっているって言ってたぞ」
「……先輩はどうなんですか? 私がいて、よかったって思ってくれますか?」
「……言わないとダメか?」
「ハッキリ言ってください」
「……助かってる。あまりテレくさいこと言わせるな」
「……」
「伊藤?」
「……ほら、早く行きましょう! さっさと掃除を終わらせなきゃ!」
「おいおい! 手を引っ張るな!」
(先輩って私のこと、ちゃんといつも見てくれているんだ。でも、勘違いしてる。私は先輩と一秒でも早く会いたいから早く集合場所に来ているだけだし、先輩の役に立ちたいから私の出来ることで頑張っているだけですから。私もずっと先輩のこと、見てますからね)
「もう! しつこい! いい加減にしてください!」
「おい、待て! まだ、話が終わってないぞ!」
「……」
「もうもうもう! 先輩、しつこい! 先生だってあそこまで言わないから! 何様なの!」
「「……」」
「どったの、明日香、るりか? 何も話さないと放送事故だと思われるじゃん?」
「いや……」
「もう……」
「「飽きたし、その話し」
「ええええ! 共感してくれたじゃん!」
「あのね、ほのか……自分の委員会、忘れてない?」
「忘れるわけないじゃん。風紀委員だよ」
「だったら……」
「服装くらい……」
「「ちゃんとしろ」」
「ええええっ~~~! 二人も私に注意するわけ? 信じられないんですけど!」
「……藤堂先輩はプレイベートでも服装に口出ししてくるし?」
「流石にそれはないよ。そこまで空気読めない人じゃないから」
「委員会以外のときは?」
「最初は言われたけど、もう何も言われなくなった。お昼ご飯一緒に食べているときは楽しくおしゃべるしてるし」
「つまり、委員会の時だけ言われてるわけ?」
「そうだよ」
「……大人になるし、ほのか。自分から委員会に入っておいて、規則破るとかほのかの方が悪いし」
「だよね。ほのかが委員会の時だけ制服をちゃんとすればいいだけじゃん。先輩に逆らってもすることなの? 体育会系なら歯を食いしばれものだよ」
「……私悪くないもん。丈を長くしたら笑われるし、可愛くない」
「それは分かる」
「けど」
「「自重しなよ。あまり無視していると嫌われるから」」
「……ううっ、明日香にもるりかにも文句言われた……でもでも、そんなに悪い事なの? 短すぎるわけじゃないし、自由にさせてよ。それにもっと指導することがあるでしょ? おかしいよ……でも、嫌われたくないし」
「おい、伊藤!」
「せ、先輩……(ええっ……まさか、追いかけてきてまで説教する気? ウザい……)」
「よかった……心配したぞ」
「えっ? 心配ってなんで?」
「今日は学校周りの掃除だろ? 集合場所にいなかったから探したんだ……」
(わ、忘れてた! ヤバ!)
「そ、そのなんだ……少し言い過ぎたか? けど、分かってくれ。伊藤も子供じゃないし、社会に出れば必要最低限のマナーを……って悪い、説教になったな。ただ、これだけは言わせてくれ。俺は伊藤のやる気を買っている。だから、アドバイスがしたいだけなんだ」
「やる気?(えっ? 別にやる気なんてあまりないんですけど……)」
「いつも俺よりも早く集合場所に来ているだろ? それに俺とは違うスタンスで揉め事を解決してくれている。伊藤がいてくれて左近も助かっているって言ってたぞ」
「……先輩はどうなんですか? 私がいて、よかったって思ってくれますか?」
「……言わないとダメか?」
「ハッキリ言ってください」
「……助かってる。あまりテレくさいこと言わせるな」
「……」
「伊藤?」
「……ほら、早く行きましょう! さっさと掃除を終わらせなきゃ!」
「おいおい! 手を引っ張るな!」
(先輩って私のこと、ちゃんといつも見てくれているんだ。でも、勘違いしてる。私は先輩と一秒でも早く会いたいから早く集合場所に来ているだけだし、先輩の役に立ちたいから私の出来ることで頑張っているだけですから。私もずっと先輩のこと、見てますからね)
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