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32:雨と傘
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「先輩、先輩。雨降ってますよ。傘、ささないんですか?」
「少しだろ? さすまでもない」
「でも、濡れちゃいますよ?」
「別にこれくらい問題ない」
「男の子ってどうして傘をささないんでしょうね。でもでも、禿げますよ?」
「バカ! 禿げるわけないだろ! いい加減なことを言うな!」
「いや、先輩。必死すぎですから。私の傘、取り上げないでください」
「それよりも雨に濡れたら禿げる根拠を言え」
「いや、雨って空気中にある酸性汚染物質や二酸化炭素、黄砂、火山灰、工場の煙、排気ガスが混じってるからばっちいじゃないですか。そんなものが髪についたら、髪が傷んで禿げるでしょ?」
「迷信だな。日本の雨は弱酸性だ。肌と変わらない性質だから、問題ない。それに禿げるほどの酸性の雨なら皮膚もヤバいだろ? 伊藤の話は全く根拠がない」
「マジレスっすか。でもでもでも、高温で湿った梅雨の時期に髪を放置していたら、雑菌が繁殖して、髪は薄くなるってパパンが……」
「大丈夫だ。常にタオルは常駐してる」
「いや、真剣すぎですから。それより、何か傘に関して、役に立つ知識はありませんか?」
「……警察官は傘をさせないとか?」
「いや、役に立つ知識っす。それはただの雑学です。前回、読者様にも役に立つ情報を提供するって言ってたじゃないですか」
「それなら、伊藤が言ってみろ」
「ええっ~。そ、そうっすね……ありの行列を見たら雨になる?」
「ことわざか!」
「し、仕方ないじゃないですか! いきなり思いつくわけないでしょうが!」
「だな。さっさと傘をさして帰るか」
「ううっ……傘をさす先輩が小さく見えます」
「少しだろ? さすまでもない」
「でも、濡れちゃいますよ?」
「別にこれくらい問題ない」
「男の子ってどうして傘をささないんでしょうね。でもでも、禿げますよ?」
「バカ! 禿げるわけないだろ! いい加減なことを言うな!」
「いや、先輩。必死すぎですから。私の傘、取り上げないでください」
「それよりも雨に濡れたら禿げる根拠を言え」
「いや、雨って空気中にある酸性汚染物質や二酸化炭素、黄砂、火山灰、工場の煙、排気ガスが混じってるからばっちいじゃないですか。そんなものが髪についたら、髪が傷んで禿げるでしょ?」
「迷信だな。日本の雨は弱酸性だ。肌と変わらない性質だから、問題ない。それに禿げるほどの酸性の雨なら皮膚もヤバいだろ? 伊藤の話は全く根拠がない」
「マジレスっすか。でもでもでも、高温で湿った梅雨の時期に髪を放置していたら、雑菌が繁殖して、髪は薄くなるってパパンが……」
「大丈夫だ。常にタオルは常駐してる」
「いや、真剣すぎですから。それより、何か傘に関して、役に立つ知識はありませんか?」
「……警察官は傘をさせないとか?」
「いや、役に立つ知識っす。それはただの雑学です。前回、読者様にも役に立つ情報を提供するって言ってたじゃないですか」
「それなら、伊藤が言ってみろ」
「ええっ~。そ、そうっすね……ありの行列を見たら雨になる?」
「ことわざか!」
「し、仕方ないじゃないですか! いきなり思いつくわけないでしょうが!」
「だな。さっさと傘をさして帰るか」
「ううっ……傘をさす先輩が小さく見えます」
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