藤堂正道と伊藤ほのかのおしゃべり

18:成人式

「いや～、今年の成人式もすごかったですよね、先輩。紋付袴姿の団体が会場から出てきたとき、どこぞやのマルＢかと思いましたよ」
「青島の伝統だな。成人になる不良共は毎年、成人式会場には紋付袴でビシッと決める。大人の世界に堂々と仲間入りするために気合いを入れているのだろうな」
「でも、髪型はリーゼントや金髪、パンチパーマでしたけどね。今年もいつものごとくいきましょうか。成人式はどうして、一月の第二月曜日なんでしょうか？」
「成人式は元々、古来からある成人を祝う風習で、小正月に元服の儀式が行われたわけだが、小正月が一月十五日を示すので成人の日は一月十五日になったわけだな。そこからハッピーマンデー制度導入に伴って平成十二年に第二月曜日になったわけだ。第三月曜日でないのは一月十七日の阪神淡路大震災の日と重複しないためだな」
「ハッピーマンデー万歳って気がしますけど、公務員の連休確保の為に風習を変えてしまうのはいいのかなって思うんですけどね」
「いいんじゃないか。地方によっては成人式は正月の三が日や五月、お盆に成人式を開催しているしな」
「豪雪地では一月に成人式なんてやってられませんからね。ちなみに、先輩は大人になったら何をしたいですか？」
「お酒を飲みたい。祖父と杯を交わして、仕事の話をして……一人前だと認められたい」
「先輩は真面目ですね。私は就職して、お給料をもらって、海外旅行に行きたいですね。後、一人暮らし！　遅くに帰ってもママンやパパンに文句言われませんし、夜更かししても注意されませんし、愚弟がいないのがいい！　夢が広がりますよね～」
「その分、責任も伴うがな。メリットもデメリットも受け入れて、一人前の大人になりたいものだ」
「ですよね～。でも、まだ先のお話ですし、今を楽しむのが一番だと私は思いますけどね。高校生活なんて三年しかありませんから」
「同感だ。俺達が行動できるのは今だけだ。将来を見据えつつ、今を一生懸命頑張るのみ。気合い入れて見回りへ行くか」
「その後は喫茶店でお茶しましょうね！　メリハリは大切ですよ、先輩」
「だな。今日もよろしく頼むな、相棒」
「はい！」