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01:梅雨
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「先輩、先輩。今日も湿気が酷いですよね。そのせいで髪がうまくまとまらなくて」
「梅雨だからな」
「相変わらず空気の読めない、会話の幅が広がらない相づちですね。ちなみに梅雨の語源を知っています?」
「……いや、ちょっと待て。俺と伊藤が出会ったのは九月の始めだよな? それに俺達は……」
「先輩。野暮はなしですよ? パラレルワールドなんで」
「いいのか、それで」
「いいんです。誰も不幸になりませんので」
「……確か、梅雨の語源だったな。確か、梅の熟す時期に長雨がふることから梅雨……だったか?」
「流石です、先輩。他にも長雨で黴が生えやすいから黴雨=梅雨の説。長雨で葉っぱや木の枝に露がつくから梅雨になったとちょっと強引な説もありますが、やはり梅の関連が強いですね。それにしても、先輩って雑学ありますよね。どこで覚えるんですか? 私は中学の頃、本で読みました」
「俺はネットだな。暇なとき、ちょくちょくな」
「……先輩ってやることないんですか? 友達いないんですか?」
「うっさい」
「でも、今は私がいますから、ネットを見る時間も減りますよね?」
「生意気だ」
「あっ痛っ! もう、先輩! 女の子にデコピンするなんて最低ですから!」
「……」
「な、なんですか! また、お説教ですか!」
「いや……伊藤は俺なんかと一緒にいて楽しいのか?」
「楽しいですよ」
「……」
「あっ、テレました?」
「やかましい! さっさと見回りにいくぞ」
「ま、待ってくださいよ、先輩! 先輩!」
「……ありがとな、相棒」
「梅雨だからな」
「相変わらず空気の読めない、会話の幅が広がらない相づちですね。ちなみに梅雨の語源を知っています?」
「……いや、ちょっと待て。俺と伊藤が出会ったのは九月の始めだよな? それに俺達は……」
「先輩。野暮はなしですよ? パラレルワールドなんで」
「いいのか、それで」
「いいんです。誰も不幸になりませんので」
「……確か、梅雨の語源だったな。確か、梅の熟す時期に長雨がふることから梅雨……だったか?」
「流石です、先輩。他にも長雨で黴が生えやすいから黴雨=梅雨の説。長雨で葉っぱや木の枝に露がつくから梅雨になったとちょっと強引な説もありますが、やはり梅の関連が強いですね。それにしても、先輩って雑学ありますよね。どこで覚えるんですか? 私は中学の頃、本で読みました」
「俺はネットだな。暇なとき、ちょくちょくな」
「……先輩ってやることないんですか? 友達いないんですか?」
「うっさい」
「でも、今は私がいますから、ネットを見る時間も減りますよね?」
「生意気だ」
「あっ痛っ! もう、先輩! 女の子にデコピンするなんて最低ですから!」
「……」
「な、なんですか! また、お説教ですか!」
「いや……伊藤は俺なんかと一緒にいて楽しいのか?」
「楽しいですよ」
「……」
「あっ、テレました?」
「やかましい! さっさと見回りにいくぞ」
「ま、待ってくださいよ、先輩! 先輩!」
「……ありがとな、相棒」
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