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PvP決着、がそのあともぐだぐだと
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エリザの詠唱時間を稼ぐべく、相手二人の注意をとにかく引く。時々カウンターを挟んで更に相手の敵愾心を煽っていく。ダメージはさほどでもない……様にしているので、相手からしてみれば大して痛くはないが非常にうっとうしいと感じるだろう。そんな攻防を続けることしばし、遂にその時が来た。
「お待たせしましたわ!」
エリザの声に自分はすぐさま反応し、二人の体勢をほぼ同時に崩してから旋風脚のような形で二人を軽く吹き飛ばし大きく左斜め後ろに飛びのいた。これでエリザの魔法を邪魔する事はない。当然エリザもこちらの動きを見てからすぐさま魔法を発動した。
「《エターナル・アイスコフィン》!」
猛吹雪が吹き飛ばされて体勢をまだ立て直しきれていなかった二人を襲う。回避できない二人はあっという間に氷でできた棺に納められてしまい──棺の中から二人の絶叫が響き渡る。そして棺が砕け散った訳だが……二人の姿はなかった。どうやら即死が決まったらしい。この氷でできた棺に納めて相手を殺すという水系統最上位魔法が、エリザの切り札の一つであるのだろう。
当然、対戦結果もアース&エリザ WIN! と表示される。これで間違いなく決着がついた。PvPエリアが解除され、外に戻ってきたわけだが──まあ、負けた二人がしおらしくなっているとは思っていなかった。そして予想通りだった訳なのだ……
「おいお前! どう考えたっておかしいだろ! 左右から挟んでいるのになんで防御や反撃が出来るんだよ!」「チート使ってんだろ! GM呼ぶぞ!」
と、エリザには見向きもせず、自分にばかり当たってきた。まあ、エリザの魔法である《エターナル・アイスコフィン》はWikiにも載ってるしそっちはおかしくないと判断したんだろうが──だからと言って、こっちに矛先を向けてきただけでなくチーター扱いしてくるのは流石に腹立たしくもなってくる。
「いい加減にしてくださいまし! この方はそのような事をするような方ではありませんわ!」
エリザも腹を立てたのだろう。そう口にして自分を擁護してくれるが目の前の二人は止まらない。勝手な想像からくる決めつけの様な暴言を次と吐き、謝罪を要求してくる。流石にそれに応えるような事はしないが……ここでもし謝罪でもすれば、彼らの言っている事が正しいと言う事になってしまうからだ。故に下手に出るわけにはいかない。
「言いたい事は分かったが、だからと言ってチートを使用して先ほどのPvPに勝ったと言われてもそんな事を認めるわけにはいかない」「いいや、チート使わずにあんなことできるわけねえだろ。お前らもそう思うだろ!」
と、さらには先ほどのPvPを見ていた周囲まで巻き込みだす始末。周囲も「まあ、確かにすごすぎたが」「チートと言われればそうかもしれないけど」みたいな反応だ。この場からさっさと立ち去る事は簡単だが、そうすると掲示板などで何を言われるか分かった物じゃない。キャラネームも目いっぱいバレているし、エリザやブルーカラーに迷惑をかけかねない。
さて、どうした物かを思っているとGMさんが目の前に現れた。どうやら誰かが呼び出したらしい。まあこちらはいくらでも調べてもらって構わないし、GMさんに調べてもらわないとこの水掛け論は終わらないだろうなとも思い始めていたので手間が省けた。さて、当然GMさんが現れたとなれば注目をさらに浴びる訳で……多くの視線が向けられているのを感じる。
「失礼ながら、貴方がチート行為を行っているとの事で通報がございました。失礼ですが調べさせていただいてもよろしいでしょうか?」「はい、もちろんです」
GMさんが自分に話しかけてきたので、自分は快く応じる。むしろこれ以上潔白を証明できるものは無いだろう。一方で自分の言葉は予想外だったのか、先ほどPvPをした二人は驚きの表情を浮かべていたが。そのまま自分は動かず、GMさんは何やらあれこれしていたようだが……数分後、GMさんが口を開いた。
「数ヶ月ほど遡って貴方のデータを調べさせていただきましたが、あらゆるチート行為やバグを悪意をある方法で利用した形跡は全くございません。よって、貴方は問題なしと宣言させていただきます」
この宣言に、周囲はどよめいた。特にごく一部の人が信じられないというような表情を浮かべていたが──あの人達は自分がチートをしているからこそ先ほどのPvPの様な動きが出来ると信じて疑わなかったのだろう。が、こちとら雨龍師匠、砂龍師匠を始めとしたさまざまな方々の訓練や修行を受けてきた身だ。これぐらい出来なきゃ怒られるじゃすまない。
対多数戦は、自分は出来なきゃ始まらなかった。それがソロで行動し続けるって事だからね……まあ、この考えも一種の狂気であるのは事実。だからまあ、周囲の反応も分からなくはない。普通じゃないってのは当然自覚しているけど、ここに至るまで歯には相当の積み重ねもあるが故にチートの一言でかたずけられたら流石にイラっと来る。
「本当にチートを使っていないんですか!?」「はい、間違いございません。今も確認を行っておりますが、チート行為などを使うと明確なおかしな部分や痕跡が必ず見つかるのです。しかし、こちらの方にはそれらの後が一切ございません。また、先ほどの通報理由となる戦いの方も送られてきたので複数のGMによる解析も行いましたが──こちらの方も問題ございませんでした」
GMさんの言葉に、どよめきが大きくなる。誰もかれも──いや、エリザだけは違うか。これぐらいはやってもおかしくありませんわ、とばかりに謎のどや顔をしている。普通自分がするものではないだろうか、こういう状況なら。
「じゃあ、じゃああんな動きをすることが可能と言う事ですか!?」「はい、こちらの方はかなり特殊な訓練を多数行ってこられたようです。単独行動を主として動いておられるようで、そう言った状況での生き延びられるように様々な修行をしてきた記録が多数ありますね」
なんか、過去をほじくり出されてきたけどまあそれぐらいの情報を流さないと納得はしてもらえないか。しかし、GMさんからも修行と言われてしまったか……訓練の範疇では収まらないと言う事なんだろうな。そんな話を聞いて周囲がますます騒がしくなってくるんですが。
「どんな訓練だよ」「いや、いまGMは修行って言ったぞ? 訓練じゃなくて修行って。一体何やってきたんだよ」「でもGMが調べに調べてチート使ってないって言うんだろ? 信じるしかないだろ」「複数のGMが調べておかしい所は無いって言うんだろ? じゃあチートは一切してないって事だろ」「ワンモアのチーター対策はトップクラスだし、そのGMの目を複数人ごまかすってのは無理だ」
色んな声が飛び交ってるなぁ、なんて考えていたらこちらに近づいてくる一団が。あ、ツヴァイ達ブルーカラーの初期メンバーだ。エリザが呼んだのかもしれない。ツヴァイが手をあげて挨拶をしてきたので、こちらも応える。
「アース、また面倒事に巻き込まれたのか。お前も大変だな」「いや、今回はチーター扱いを受けたんでGMさんに調べてもらってるだけ。二人同時相手に立ち回ったらチート使ってるんだろうって言われちゃって」
なんてツヴァイと談笑していると、また周囲からの視線が変わった。ああー、そうか……プルーカラーはトップギルドだもんな。そこのギルドマスターであるツヴァイとこう気安く話をしていればそりゃ気になるわな。
「アースさんがチーター、ですか」「よっぽど見る目が無い人がいるんだねえ……チートを使った動きってのは不自然になりやすいんだよねぇ。他のゲームの例えで申し訳ないけど、どう考えても当たっていないのにあたっているとか、命中しているのにノーダメージとかね。アース君はそう言う事一切ないもんね」
カザミネの呆れ声とロナちゃんの言葉も加わった。トップギルドの面々の言葉を聞いて、また周囲がざわめいた。と、ここでGMさんから声をかけられる。
「念の為、全てのデータを確認させていただきましたが改めて申し上げます。不自然な所は一切ございませんでした。ですので、貴方様のチート使用疑惑は間違いであり、潔白であると宣言させていただきます。ご協力ありがとうございました」
GMさんによる完全白宣言。これで自分がチーターであるという可能性は完全に消えた。これで明日からも安心してログインできる。ま、調べられたら困る事なんて一切やってこなかったから当然の結果なんだけどね。仕事を終えたGMさんはすぐさま消えたのだが……周囲のざわめきは一切収まらなかった。
「俺達はアースの戦いを近くで見る機会が何度もあったからチートを使っているなんて疑う事は全くないんだが……」「まあ、人によっては疑うのも無理はないかしらね。でも、アースが積み上げてきた物を見てる側としては、チート扱いされるのは腹立たしくなるわね」
レイジとノーラからもそんな言葉を貰う。付き合いも長くなったもんなぁ……最序盤からこの終盤まで付き合いが続いたからな。自分を間違いなく見てきた時間が長いのはブルーカラーの初期メンバーだ。だからこそそう言った評価をしてもらえるんだろう。
「むしろ、抑えていましたよね? 私に華を持たせてくれたのでしょう?」
こちらは先ほど一緒に戦ったエリザの言葉だ。ま、バレるよね。エリザも長く自分を見たプレイヤーの一人だし。
「ま、それはエリザも同じだろ? もっとうまくやれるのに、相手の心を折るためにわざと派手かつえげつないとどめの入れ方をするための選択だったんだろうし」
と、こちらが言葉を発するとエリザはやっぱりバレていましたかとばかりに苦笑を浮かべた。と、ここで時間を確認するとログアウトするべき時間をかなり超えてしまっていた。まあ、しょうがない。でも流石に今日はログアウトしよう。
「じゃ、自分はこの辺で。そろそろ寝ないと明日がマズイ……」「あー、明日も平日だもんな。俺達も落ちないとダメだな」
自分の言葉にツヴァイもそんな言葉を口にした。こうして、ログアウト直前に面倒事があったこの日のプレイは終わりを告げた。掲示板の方ではあれこれ書かれそうだなと思いながら……
****
ここの所、更新休みがちで申し訳ありません。
「お待たせしましたわ!」
エリザの声に自分はすぐさま反応し、二人の体勢をほぼ同時に崩してから旋風脚のような形で二人を軽く吹き飛ばし大きく左斜め後ろに飛びのいた。これでエリザの魔法を邪魔する事はない。当然エリザもこちらの動きを見てからすぐさま魔法を発動した。
「《エターナル・アイスコフィン》!」
猛吹雪が吹き飛ばされて体勢をまだ立て直しきれていなかった二人を襲う。回避できない二人はあっという間に氷でできた棺に納められてしまい──棺の中から二人の絶叫が響き渡る。そして棺が砕け散った訳だが……二人の姿はなかった。どうやら即死が決まったらしい。この氷でできた棺に納めて相手を殺すという水系統最上位魔法が、エリザの切り札の一つであるのだろう。
当然、対戦結果もアース&エリザ WIN! と表示される。これで間違いなく決着がついた。PvPエリアが解除され、外に戻ってきたわけだが──まあ、負けた二人がしおらしくなっているとは思っていなかった。そして予想通りだった訳なのだ……
「おいお前! どう考えたっておかしいだろ! 左右から挟んでいるのになんで防御や反撃が出来るんだよ!」「チート使ってんだろ! GM呼ぶぞ!」
と、エリザには見向きもせず、自分にばかり当たってきた。まあ、エリザの魔法である《エターナル・アイスコフィン》はWikiにも載ってるしそっちはおかしくないと判断したんだろうが──だからと言って、こっちに矛先を向けてきただけでなくチーター扱いしてくるのは流石に腹立たしくもなってくる。
「いい加減にしてくださいまし! この方はそのような事をするような方ではありませんわ!」
エリザも腹を立てたのだろう。そう口にして自分を擁護してくれるが目の前の二人は止まらない。勝手な想像からくる決めつけの様な暴言を次と吐き、謝罪を要求してくる。流石にそれに応えるような事はしないが……ここでもし謝罪でもすれば、彼らの言っている事が正しいと言う事になってしまうからだ。故に下手に出るわけにはいかない。
「言いたい事は分かったが、だからと言ってチートを使用して先ほどのPvPに勝ったと言われてもそんな事を認めるわけにはいかない」「いいや、チート使わずにあんなことできるわけねえだろ。お前らもそう思うだろ!」
と、さらには先ほどのPvPを見ていた周囲まで巻き込みだす始末。周囲も「まあ、確かにすごすぎたが」「チートと言われればそうかもしれないけど」みたいな反応だ。この場からさっさと立ち去る事は簡単だが、そうすると掲示板などで何を言われるか分かった物じゃない。キャラネームも目いっぱいバレているし、エリザやブルーカラーに迷惑をかけかねない。
さて、どうした物かを思っているとGMさんが目の前に現れた。どうやら誰かが呼び出したらしい。まあこちらはいくらでも調べてもらって構わないし、GMさんに調べてもらわないとこの水掛け論は終わらないだろうなとも思い始めていたので手間が省けた。さて、当然GMさんが現れたとなれば注目をさらに浴びる訳で……多くの視線が向けられているのを感じる。
「失礼ながら、貴方がチート行為を行っているとの事で通報がございました。失礼ですが調べさせていただいてもよろしいでしょうか?」「はい、もちろんです」
GMさんが自分に話しかけてきたので、自分は快く応じる。むしろこれ以上潔白を証明できるものは無いだろう。一方で自分の言葉は予想外だったのか、先ほどPvPをした二人は驚きの表情を浮かべていたが。そのまま自分は動かず、GMさんは何やらあれこれしていたようだが……数分後、GMさんが口を開いた。
「数ヶ月ほど遡って貴方のデータを調べさせていただきましたが、あらゆるチート行為やバグを悪意をある方法で利用した形跡は全くございません。よって、貴方は問題なしと宣言させていただきます」
この宣言に、周囲はどよめいた。特にごく一部の人が信じられないというような表情を浮かべていたが──あの人達は自分がチートをしているからこそ先ほどのPvPの様な動きが出来ると信じて疑わなかったのだろう。が、こちとら雨龍師匠、砂龍師匠を始めとしたさまざまな方々の訓練や修行を受けてきた身だ。これぐらい出来なきゃ怒られるじゃすまない。
対多数戦は、自分は出来なきゃ始まらなかった。それがソロで行動し続けるって事だからね……まあ、この考えも一種の狂気であるのは事実。だからまあ、周囲の反応も分からなくはない。普通じゃないってのは当然自覚しているけど、ここに至るまで歯には相当の積み重ねもあるが故にチートの一言でかたずけられたら流石にイラっと来る。
「本当にチートを使っていないんですか!?」「はい、間違いございません。今も確認を行っておりますが、チート行為などを使うと明確なおかしな部分や痕跡が必ず見つかるのです。しかし、こちらの方にはそれらの後が一切ございません。また、先ほどの通報理由となる戦いの方も送られてきたので複数のGMによる解析も行いましたが──こちらの方も問題ございませんでした」
GMさんの言葉に、どよめきが大きくなる。誰もかれも──いや、エリザだけは違うか。これぐらいはやってもおかしくありませんわ、とばかりに謎のどや顔をしている。普通自分がするものではないだろうか、こういう状況なら。
「じゃあ、じゃああんな動きをすることが可能と言う事ですか!?」「はい、こちらの方はかなり特殊な訓練を多数行ってこられたようです。単独行動を主として動いておられるようで、そう言った状況での生き延びられるように様々な修行をしてきた記録が多数ありますね」
なんか、過去をほじくり出されてきたけどまあそれぐらいの情報を流さないと納得はしてもらえないか。しかし、GMさんからも修行と言われてしまったか……訓練の範疇では収まらないと言う事なんだろうな。そんな話を聞いて周囲がますます騒がしくなってくるんですが。
「どんな訓練だよ」「いや、いまGMは修行って言ったぞ? 訓練じゃなくて修行って。一体何やってきたんだよ」「でもGMが調べに調べてチート使ってないって言うんだろ? 信じるしかないだろ」「複数のGMが調べておかしい所は無いって言うんだろ? じゃあチートは一切してないって事だろ」「ワンモアのチーター対策はトップクラスだし、そのGMの目を複数人ごまかすってのは無理だ」
色んな声が飛び交ってるなぁ、なんて考えていたらこちらに近づいてくる一団が。あ、ツヴァイ達ブルーカラーの初期メンバーだ。エリザが呼んだのかもしれない。ツヴァイが手をあげて挨拶をしてきたので、こちらも応える。
「アース、また面倒事に巻き込まれたのか。お前も大変だな」「いや、今回はチーター扱いを受けたんでGMさんに調べてもらってるだけ。二人同時相手に立ち回ったらチート使ってるんだろうって言われちゃって」
なんてツヴァイと談笑していると、また周囲からの視線が変わった。ああー、そうか……プルーカラーはトップギルドだもんな。そこのギルドマスターであるツヴァイとこう気安く話をしていればそりゃ気になるわな。
「アースさんがチーター、ですか」「よっぽど見る目が無い人がいるんだねえ……チートを使った動きってのは不自然になりやすいんだよねぇ。他のゲームの例えで申し訳ないけど、どう考えても当たっていないのにあたっているとか、命中しているのにノーダメージとかね。アース君はそう言う事一切ないもんね」
カザミネの呆れ声とロナちゃんの言葉も加わった。トップギルドの面々の言葉を聞いて、また周囲がざわめいた。と、ここでGMさんから声をかけられる。
「念の為、全てのデータを確認させていただきましたが改めて申し上げます。不自然な所は一切ございませんでした。ですので、貴方様のチート使用疑惑は間違いであり、潔白であると宣言させていただきます。ご協力ありがとうございました」
GMさんによる完全白宣言。これで自分がチーターであるという可能性は完全に消えた。これで明日からも安心してログインできる。ま、調べられたら困る事なんて一切やってこなかったから当然の結果なんだけどね。仕事を終えたGMさんはすぐさま消えたのだが……周囲のざわめきは一切収まらなかった。
「俺達はアースの戦いを近くで見る機会が何度もあったからチートを使っているなんて疑う事は全くないんだが……」「まあ、人によっては疑うのも無理はないかしらね。でも、アースが積み上げてきた物を見てる側としては、チート扱いされるのは腹立たしくなるわね」
レイジとノーラからもそんな言葉を貰う。付き合いも長くなったもんなぁ……最序盤からこの終盤まで付き合いが続いたからな。自分を間違いなく見てきた時間が長いのはブルーカラーの初期メンバーだ。だからこそそう言った評価をしてもらえるんだろう。
「むしろ、抑えていましたよね? 私に華を持たせてくれたのでしょう?」
こちらは先ほど一緒に戦ったエリザの言葉だ。ま、バレるよね。エリザも長く自分を見たプレイヤーの一人だし。
「ま、それはエリザも同じだろ? もっとうまくやれるのに、相手の心を折るためにわざと派手かつえげつないとどめの入れ方をするための選択だったんだろうし」
と、こちらが言葉を発するとエリザはやっぱりバレていましたかとばかりに苦笑を浮かべた。と、ここで時間を確認するとログアウトするべき時間をかなり超えてしまっていた。まあ、しょうがない。でも流石に今日はログアウトしよう。
「じゃ、自分はこの辺で。そろそろ寝ないと明日がマズイ……」「あー、明日も平日だもんな。俺達も落ちないとダメだな」
自分の言葉にツヴァイもそんな言葉を口にした。こうして、ログアウト直前に面倒事があったこの日のプレイは終わりを告げた。掲示板の方ではあれこれ書かれそうだなと思いながら……
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