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嵐の前の静けさがまたやってきた……
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翌日ログインし、塔の中へ。そこにはすっきりした表情の守護者さんと疲れ切った表情の試験官さんがいた。だが、なぜそうなったかは尋ねない……話が長くなりそうだからだ。
「来たわね、では進みましょうか」「はい、今日もお願いします」
試験官さんにお辞儀をした後に八〇〇階を出発した。そこから九〇〇階までは語るべき事は何もない。なにせ、守護者さんが分身と共に突撃し、出会うモンスターをことごとく殲滅。自分はその後をついていくだけでほぼノンストップ。二五階ごとの試験も意味を成していない……戦闘系ばっかりだったため、守護者さんのごり押しで全て終わってしまったのだ。
「手ごたえがないわねぇ」
そりゃそうでしょうよ……ワンサイドゲームよりもひどい。一方的にぶん殴って一方的に吹き飛ばして終わりにしてしまうのだから。そもそも、守護者さんが試験に乗り込んでくるなんて事を想定してあるはずもない。各階の試験官役ノンナさんはさっさと先に進んでくれと表情で自分に訴えてきている。守護者さんに向けられない分、矛先をこっちに向けたって事か。
(気持ちはまあ、分かるよ。こんな無茶ぶりにどうしろってんだ、って叫ぶ事は現実でもあったもんな)
現実でも二回だけ、営業が仕事を取る為に現在の仕事のスケジュールを無視した無茶な仕事を取ってきたことがあった。その営業はいい仕事を取ってきたぞと実にいい笑みで提出してきたのだが……あくまでそれは今の仕事が八割以上片付いていれば問題なく回せるといった内容だった。
当然仕事をしている現場からはふざけるな、とか何考えてんだ! と言う声が多数上がった。うちの会社はホワイトな会社だし、ちゃんとスケジュールを練ったうえで多少の無理で済むぐらいにしている。これは工場長の手腕によるものなのだけれど──だがこの営業は、社長との報連相を軽視していたんだ……と思う。
それでも契約が結ばれてしまっている以上どうしようもなく……ホワイトなうちの会社からすれば非常に珍しいブラックな仕事内容をするしかなくなってしまった。そんな内容になっても皆がちゃんとやったのは工場長の人柄だろう。工場長に罪はない、あるのは馬鹿な営業だとみんなの意見が一致したからな……
で、その時の営業に向けられた目が各階の試験官役が向けてくる目と一致するのだ。なので自分は、守護者さんがこちらを見ていないタイミングで何度も頭を下げて謝っていた。なお、先の話に出てきた営業は数年後に同じことももう一回やらかして、営業を下ろされて工場勤務になった。そして工場勤務に耐えられなくなったのか、二年後に退職して他の職場に移っていった……で話が終わらなかったんだよ、これが。
他の職場で再び営業に返り咲いたという噂が職場内を流れ、その数か月後にうちでやった事をまたやらかしたという噂まで流れてきたのだ。どこから噂が仕入れられたのかは確かめる気力も沸かなかったが、そっちの方では取り返しがつかないミスだったらしく──そこから先の、彼の話は一切聞いていない。なんでこうも、同じ失敗を繰り返すかねぇと当時の職場では呆れた声と一緒に話題になった。
(もう数年前の事なのに、こんな形で思い出すなんてなぁ)
頭の痛い記憶をこちらが掘り起こされているとも知らず、守護者さんは殲滅、撃滅、皆殺しみたいな勢いで出てくるモンスターを消し飛ばしながら進んでいる。おまけの高笑いもついてくる……これ、味方によっては十分ホラー系統では? そんなくだらない事で少々? 現実逃避をしながらも突き進み、遂に九〇〇階にたどり着いた。早いなぁ……
「入るわよー!」
言うが早いか、すでに扉を開けてポータルを起動させようとしている守護者さんに慌てて続き、九〇〇階へと移動。そんな自分と守護者さんを出迎えたのは女性を模した守護者さんだった。
「ようこそ、九〇〇階の試練へ。と言いたいところだったのですが……正直に申し上げます。守護者である貴女の前ではどんな試験も一瞬で突破されてしまうと判断しています。ですので、こちらからの試練とも言えない内容ですが……課すのは一日だけここで足止めされてくださいと言う事になります」
一日だけ足止め? まあ、それをされても時間的な問題はない。そもそも守護者さんがあり得ない速度で白の塔を突き進んでくれているので、明日には塔の最上階に到着するだろうと思う──九九五階の試練次第だけど。
「なんで一日だけここで足止めさせたいの? 理由次第では……私は飲んでも良いわ」「まあ、そこは確かに気になるね。一日だけ足止めされて欲しいという理由は教えて欲しい」
守護者さんの言葉に自分も乗っかってみた。理由ぐらいは知りたいよね……試験を課さずに一日だけ待ってくれってのは今まで無かったパターンだ。
「ええ、それなんですが……九九五階の担当から、彼を一日だけそこにとどめて欲しいという連絡が入ったのです。彼と、もう一組の試練をやるのにちょうどいいからと言う話でして」
九九五階の試験担当者からの要望、ね。自分と守護者さんはお互いに顔を見合わせる。
「どういう方か、知っているかな?」「ごめんね、全く面識はないわ。しかし、面白そうな話ではあるわね……どうする? 私としては一日待ってあげてもいいような気がするわ。ちょっと面白い事が起きそうな予感がしてきたし」
一〇〇〇階手前の最終試練で、もう一組の試練をやるのに丁度いいと来たか。そうすると協力か、もしくは対戦かって話になるのかね? なんにせよ、一筋縄ではいかない試練を課されると言う事だけは確かか……
「面白いかどうかはともかく。守護者さんのスピードがあれば明日で九九五階まで行くのは容易いでしょうし……じゃあ、明日ここを出る。それでいいんですよね?」
確認を取ると、九〇〇階の守護者さんは頷いた。と言う訳で、今日の塔の攻略……いや、攻略なんて言っちゃダメだな。守護者さんの無双時間が終了と言うべきだわ。自分は何にもやってないもん……ただでさえ強い守護者さんが、分身の数を絞って強い分身を出し、そして突撃すると全てが終わる。それを後ろから見ていただけだったし。
「じゃあ、のんびりするしかないわねぇ……それとも、手合わせでもする?」「そうだね、ただ時間が過ぎるのをのんびり待つよりはその方が良いかも。それに今日はただ歩いているだけだったし……少し手合わせの一つでもやってもらって、体を動かしておいた方が良いかもし」
と言う訳で、九〇〇階の試験官さんに許可を取ってから守護者さんとログアウトする時間の少し前までみっちりと手合わせをさせて貰った。改めて戦ったが、やっぱり強いわ……上手く攻めきれず、ただしデカい一発を貰う事もなかった。それが逆に守護者さんには効いたらしく……
「ああもう、本命の一発が全部当たらない! するするとあれもこれも避けられるぅー!!」
と、かなりお冠だった。だからと言って喰らってあげる訳にはいかない。ワンモアの痛覚システムで、相当な痛みを覚える事になるのは目に見えているからね……そんな痛みを味わいたくなんかない。しかし、明日は何があるんだ? どんな試練が課されるんだ? それが寝るまでずっと頭から離れる事はなかった。
******
暑いですね、皆様無事にお過ごしでしょうか? 筆者はちょっとお疲れ気味です。
今日の執筆もお休みしたい衝動をこらえつつ何とか書きました。
水分補給と睡眠。そして冷房をケチらないことが大事ですね。
「来たわね、では進みましょうか」「はい、今日もお願いします」
試験官さんにお辞儀をした後に八〇〇階を出発した。そこから九〇〇階までは語るべき事は何もない。なにせ、守護者さんが分身と共に突撃し、出会うモンスターをことごとく殲滅。自分はその後をついていくだけでほぼノンストップ。二五階ごとの試験も意味を成していない……戦闘系ばっかりだったため、守護者さんのごり押しで全て終わってしまったのだ。
「手ごたえがないわねぇ」
そりゃそうでしょうよ……ワンサイドゲームよりもひどい。一方的にぶん殴って一方的に吹き飛ばして終わりにしてしまうのだから。そもそも、守護者さんが試験に乗り込んでくるなんて事を想定してあるはずもない。各階の試験官役ノンナさんはさっさと先に進んでくれと表情で自分に訴えてきている。守護者さんに向けられない分、矛先をこっちに向けたって事か。
(気持ちはまあ、分かるよ。こんな無茶ぶりにどうしろってんだ、って叫ぶ事は現実でもあったもんな)
現実でも二回だけ、営業が仕事を取る為に現在の仕事のスケジュールを無視した無茶な仕事を取ってきたことがあった。その営業はいい仕事を取ってきたぞと実にいい笑みで提出してきたのだが……あくまでそれは今の仕事が八割以上片付いていれば問題なく回せるといった内容だった。
当然仕事をしている現場からはふざけるな、とか何考えてんだ! と言う声が多数上がった。うちの会社はホワイトな会社だし、ちゃんとスケジュールを練ったうえで多少の無理で済むぐらいにしている。これは工場長の手腕によるものなのだけれど──だがこの営業は、社長との報連相を軽視していたんだ……と思う。
それでも契約が結ばれてしまっている以上どうしようもなく……ホワイトなうちの会社からすれば非常に珍しいブラックな仕事内容をするしかなくなってしまった。そんな内容になっても皆がちゃんとやったのは工場長の人柄だろう。工場長に罪はない、あるのは馬鹿な営業だとみんなの意見が一致したからな……
で、その時の営業に向けられた目が各階の試験官役が向けてくる目と一致するのだ。なので自分は、守護者さんがこちらを見ていないタイミングで何度も頭を下げて謝っていた。なお、先の話に出てきた営業は数年後に同じことももう一回やらかして、営業を下ろされて工場勤務になった。そして工場勤務に耐えられなくなったのか、二年後に退職して他の職場に移っていった……で話が終わらなかったんだよ、これが。
他の職場で再び営業に返り咲いたという噂が職場内を流れ、その数か月後にうちでやった事をまたやらかしたという噂まで流れてきたのだ。どこから噂が仕入れられたのかは確かめる気力も沸かなかったが、そっちの方では取り返しがつかないミスだったらしく──そこから先の、彼の話は一切聞いていない。なんでこうも、同じ失敗を繰り返すかねぇと当時の職場では呆れた声と一緒に話題になった。
(もう数年前の事なのに、こんな形で思い出すなんてなぁ)
頭の痛い記憶をこちらが掘り起こされているとも知らず、守護者さんは殲滅、撃滅、皆殺しみたいな勢いで出てくるモンスターを消し飛ばしながら進んでいる。おまけの高笑いもついてくる……これ、味方によっては十分ホラー系統では? そんなくだらない事で少々? 現実逃避をしながらも突き進み、遂に九〇〇階にたどり着いた。早いなぁ……
「入るわよー!」
言うが早いか、すでに扉を開けてポータルを起動させようとしている守護者さんに慌てて続き、九〇〇階へと移動。そんな自分と守護者さんを出迎えたのは女性を模した守護者さんだった。
「ようこそ、九〇〇階の試練へ。と言いたいところだったのですが……正直に申し上げます。守護者である貴女の前ではどんな試験も一瞬で突破されてしまうと判断しています。ですので、こちらからの試練とも言えない内容ですが……課すのは一日だけここで足止めされてくださいと言う事になります」
一日だけ足止め? まあ、それをされても時間的な問題はない。そもそも守護者さんがあり得ない速度で白の塔を突き進んでくれているので、明日には塔の最上階に到着するだろうと思う──九九五階の試練次第だけど。
「なんで一日だけここで足止めさせたいの? 理由次第では……私は飲んでも良いわ」「まあ、そこは確かに気になるね。一日だけ足止めされて欲しいという理由は教えて欲しい」
守護者さんの言葉に自分も乗っかってみた。理由ぐらいは知りたいよね……試験を課さずに一日だけ待ってくれってのは今まで無かったパターンだ。
「ええ、それなんですが……九九五階の担当から、彼を一日だけそこにとどめて欲しいという連絡が入ったのです。彼と、もう一組の試練をやるのにちょうどいいからと言う話でして」
九九五階の試験担当者からの要望、ね。自分と守護者さんはお互いに顔を見合わせる。
「どういう方か、知っているかな?」「ごめんね、全く面識はないわ。しかし、面白そうな話ではあるわね……どうする? 私としては一日待ってあげてもいいような気がするわ。ちょっと面白い事が起きそうな予感がしてきたし」
一〇〇〇階手前の最終試練で、もう一組の試練をやるのに丁度いいと来たか。そうすると協力か、もしくは対戦かって話になるのかね? なんにせよ、一筋縄ではいかない試練を課されると言う事だけは確かか……
「面白いかどうかはともかく。守護者さんのスピードがあれば明日で九九五階まで行くのは容易いでしょうし……じゃあ、明日ここを出る。それでいいんですよね?」
確認を取ると、九〇〇階の守護者さんは頷いた。と言う訳で、今日の塔の攻略……いや、攻略なんて言っちゃダメだな。守護者さんの無双時間が終了と言うべきだわ。自分は何にもやってないもん……ただでさえ強い守護者さんが、分身の数を絞って強い分身を出し、そして突撃すると全てが終わる。それを後ろから見ていただけだったし。
「じゃあ、のんびりするしかないわねぇ……それとも、手合わせでもする?」「そうだね、ただ時間が過ぎるのをのんびり待つよりはその方が良いかも。それに今日はただ歩いているだけだったし……少し手合わせの一つでもやってもらって、体を動かしておいた方が良いかもし」
と言う訳で、九〇〇階の試験官さんに許可を取ってから守護者さんとログアウトする時間の少し前までみっちりと手合わせをさせて貰った。改めて戦ったが、やっぱり強いわ……上手く攻めきれず、ただしデカい一発を貰う事もなかった。それが逆に守護者さんには効いたらしく……
「ああもう、本命の一発が全部当たらない! するするとあれもこれも避けられるぅー!!」
と、かなりお冠だった。だからと言って喰らってあげる訳にはいかない。ワンモアの痛覚システムで、相当な痛みを覚える事になるのは目に見えているからね……そんな痛みを味わいたくなんかない。しかし、明日は何があるんだ? どんな試練が課されるんだ? それが寝るまでずっと頭から離れる事はなかった。
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暑いですね、皆様無事にお過ごしでしょうか? 筆者はちょっとお疲れ気味です。
今日の執筆もお休みしたい衝動をこらえつつ何とか書きました。
水分補給と睡眠。そして冷房をケチらないことが大事ですね。
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