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なんて、言い続けると思ったか
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明確に自分についていた分身体が下がったので、相手はさぞ積極的に攻めてくるだろうと予想はしていた。しかし、その予想は完全に外れる事になる……確かに攻めては来る、来るのだが積極性はあまり感じられない。攻撃も突き攻撃がメインで、斬撃の比率は非常に少ない。何故だろう……こっちは一人向こうは六人。攻めるなら今が良い機会だと思うのだが? こちらの分身体は一息で詰められる距離にはいないのだから、積極的に攻めればいいはずなのに。
こちらとしては、助かる話ではある。もちろんこの状態が向こうの作戦だとしても時間を稼げるのであれば乗らせてもらうだけ。現時点ではこれといった怪しい動きを相手がしていないので、全体をやや俯瞰するような視点を維持しながら相手の攻撃に対処する。向こうが繰り出してくる突きの攻撃は早いが、対処は十分可能だし。ただ隙が少ないから、こちらも切り込めないのだが。
(何らかのきっかけを自分と向こうの両方が欲している、という感じかな。お互い切り込みたい、倒したい。しかし、その最初の一歩が見つからない。自分としてはこのまま時間を稼いでこっちについてくれた分身体の復帰を待ってもいい。だが向こうはこっちが単独で動いているという絶好のチャンス……と考える筈。ならば何かしらの手を打って自分を倒す、もしくは大きなダメージを与えて後続にいい感じにバトンタッチしたい、と考えるだろう)
少しずつだが、向こうの六体から苛立っている感情を感じ取る。無理もないだろう、たった一人に攻撃を仕掛けても切り崩せない状態のまま時間だけが過ぎていくのだから。数は力、なのにそれをこうも活かせないのであれば苛立ちも募ろうという物。が、突き出された攻撃は全部八岐の月に付けている爪部分とレガリオンではじき返している。このぐらいの攻撃なら、二時間でも三時間でも平気で耐えられる。だが、それでいいのか?
今までに立ち向かって来たきた厳しい戦いは何回あっただろうか? ゲヘナクロスとの戦争、各地の難所、雨龍師匠、砂龍師匠との修行、そして羽根持つものことロスト・ロスとの戦い。それらの経験が血となり肉となった。それらに比べれば、数で負けているなど大したハンデにもなりはしない。敵対している分身体は確かに一体一体が強いが、その経験してきた苦境に今ここで行われている戦いの状況は並ぶほどの苦境では決してない。
──ならばこちらが攻めるか。このままただ時間稼ぎしているだけというのは、本来の自分の姿じゃない。無論、相手のカウンター行動には注意を払わなければならないが……元々は、自分一人でこの四〇〇〇体と遣り合わなければならなかったのだ。それが予想外の仲間を得た事で少々消極的になっていたのかもしれない。時間を稼げば良い、という思考そのものがまさにそれではないか。
(そうよ。元々一人で大半を旅してきたのだ。時間を稼ぐだけに終始してどうする。気持ちを切り替えろ、意識を改めろ。この程度の状況に、いまさら右往左往するような人間でもないだろうが)
そう決まれば後は早い。向こうが踏み出してこないのならばこちらから行くまで。自分が今までには見せなかった一歩を踏み出した瞬間──それを待っていたとばかりに一斉に自分に向かって六つの騎士剣が自分の体めがけて突きこまれる。その攻撃を自分は《大跳躍》で回避しながら相手の背面に回り込む。
当然相手も振りむこうとはしたいだろう。だが、今までの牽制重視の突きではなく先程の突きは鎧事貫かんとする力のこもった突き。当然そのような攻撃を行えば、すぐには動けない。当然、その硬直を見逃してあげる理由は自分にあろうはずがない。分身体の体の大きさは同じなので……同じ高さにレガリオンの刃を一閃。六つの首が胴体から離れて転がり落ちた。
「来い!」
自分の声に触発されたように、新しい六人が走って自分の所にまでやってくる。その勢いのまま三人が一列に並んで騎士剣を突き出してくる──一方で残り三人はカバーするために盾を構えていた。一斉攻撃を仕掛けた六人全員が首を一瞬で飛ばされた所を見れば、そういう動きになるのは当然だな。だが、それは逆に言えば攻撃の厚みが半減している事にもなる。
今回は突き出してくる攻撃を回避せずに、自分から見て右の分身体の突きの先端をレガリオン、左の突きを八岐の月の爪でいなし、中央の切っ先の先端を足で蹴り上げてバランスを崩してから、上げた足を分身体の脳天に踵落としの形でめり込ませた。そこからさらに力任せにこちらに向かって引きずり倒すような形で地面に倒れこませてから追撃を頭部に踏みつける形で行う。手ごたえあり。
さらに自分はクラネス師匠が強化してくれたマリン・レッグセイヴァー・クラネスパワーを履いている。この足に装備している装具のお陰で普通の蹴りでは済まないダメージが入るのだ。それを頭部に二回も食らえば耐えられまい。この予想通り、立ち上がることなく蹴られた分身体はチリとなって消えた。
「何と言う剛脚……それを今まで温存していたのか!?」
向こうの分身体から、そんな言葉が漏れる。ここまでは出番が無かっただけのこと……出番があれば当然こうやって遠慮なく振るう。それに、まだ蹴りのアーツは全然見せていないからな。まだまだ全力じゃない。こちらの引き出しを全部出せたなんて、思わないで欲しいね。しかし、この蹴りを見せた事で、ますます相手が護りを重視するようになってしまった。盾をしっかり構えて体を隠し、待ちの体勢に入っていく。
でもそれは、悪手なんだよね。当然自分は強化オイルと蛇炎オイルをそんな分身体の頭上や背後に落ちるように調整して山なりに投げる。この強化オイルにも、制作してからずっと世話になっているな。だが、この手の防御を重視する相手を崩すにはもってこいなのだ。爆炎による衝撃、炎に燃やされるという痛みは、よほど耐火性と衝撃に対する防御を整えていないと防ぎきれるものではない。
炎が広がり、相手を焦がす。だが、それでも武器を取り落さないのは敵ながら見事だ。大抵は炎を消そうと転がるか、パニックを起こしてしまうかなのに。でも、体を焼かれる事で受けるダメージと痛覚は無視できないだろう……防御の構えに乱れが見える。そこに、左手の盾の内部に仕込んであるアンカーに魔力を回して射出。一番防御に乱れが出た分身体の頭部に食らいつかせる。
その後は当然至近距離の風魔法を三連発頭部にめがけてお見舞いだ。自分の魔力じゃ、普通に魔法を撃ったら相手にダメージなんかろくに入らない。だがこいつはクラネス師匠にいろいろ手を入れてもらったおかげで、貫通性が非常に高い強力な風魔法を自分でも放てる砲塔が付いているんだ。爪で拘束されたところにこの風の砲弾による三連発を頭部に叩き込めば、必殺の一撃となりうる火力が出せる。
防御主体の戦法では崩せないどころかひどい目に合わされるだけと痛感したのだろう、向こうも最初とは打って変わって積極的に攻めてくるようになった。やはり炎で焼かれるのはいくら分身体と言えど勘弁してほしいのだろう。盾を構えはするが積極的に攻めに使ってくるように、つまりシールドバッシュのような鈍器としての使い方を重視するような動きになってきた。
だが、真っ向から攻めてくるならこちらも真っ向から受けて立つ。ここで変に引けば、今度はペースが相手に傾く事になるのは今までの経験から考えなくても分かる事だ。ここで引かず、しっかりと相手の攻めに対応した防御と反撃をしていく事こそが肝要だ。八岐の月とレガリオンの性能を駆使して相手の剣をいなし、盾による攻撃は縁に爪や伸ばしたレガリオンの先を引っ掛けるような形で力の流れを変えて妨害する。
だが、相手も引かない。お互いに戦いに熱がよりこもってきた事を感じる。やられても後がいる、だから少しでも自分の引き出しを開けて後続に託すという気迫を明確に感じられるようになってきた。確かに倒せて入るが、あれこれとこちらの引き出しを開けられているのもまた事実である。少しでも気おされたら、この気迫に押し切られてしまうかもしれない。
(だが、だからこそ戦い甲斐があるという物。この程度の熱で、気迫で怯むほどこちらも軟じゃない!)
この試練も乗り越えて見せる。消極的な方法じゃなく、今まで自分がやってきたやり方で。まだまだ相手の数はいるけど……そんなのはいつもの事。この程度で負けていられない。
こちらとしては、助かる話ではある。もちろんこの状態が向こうの作戦だとしても時間を稼げるのであれば乗らせてもらうだけ。現時点ではこれといった怪しい動きを相手がしていないので、全体をやや俯瞰するような視点を維持しながら相手の攻撃に対処する。向こうが繰り出してくる突きの攻撃は早いが、対処は十分可能だし。ただ隙が少ないから、こちらも切り込めないのだが。
(何らかのきっかけを自分と向こうの両方が欲している、という感じかな。お互い切り込みたい、倒したい。しかし、その最初の一歩が見つからない。自分としてはこのまま時間を稼いでこっちについてくれた分身体の復帰を待ってもいい。だが向こうはこっちが単独で動いているという絶好のチャンス……と考える筈。ならば何かしらの手を打って自分を倒す、もしくは大きなダメージを与えて後続にいい感じにバトンタッチしたい、と考えるだろう)
少しずつだが、向こうの六体から苛立っている感情を感じ取る。無理もないだろう、たった一人に攻撃を仕掛けても切り崩せない状態のまま時間だけが過ぎていくのだから。数は力、なのにそれをこうも活かせないのであれば苛立ちも募ろうという物。が、突き出された攻撃は全部八岐の月に付けている爪部分とレガリオンではじき返している。このぐらいの攻撃なら、二時間でも三時間でも平気で耐えられる。だが、それでいいのか?
今までに立ち向かって来たきた厳しい戦いは何回あっただろうか? ゲヘナクロスとの戦争、各地の難所、雨龍師匠、砂龍師匠との修行、そして羽根持つものことロスト・ロスとの戦い。それらの経験が血となり肉となった。それらに比べれば、数で負けているなど大したハンデにもなりはしない。敵対している分身体は確かに一体一体が強いが、その経験してきた苦境に今ここで行われている戦いの状況は並ぶほどの苦境では決してない。
──ならばこちらが攻めるか。このままただ時間稼ぎしているだけというのは、本来の自分の姿じゃない。無論、相手のカウンター行動には注意を払わなければならないが……元々は、自分一人でこの四〇〇〇体と遣り合わなければならなかったのだ。それが予想外の仲間を得た事で少々消極的になっていたのかもしれない。時間を稼げば良い、という思考そのものがまさにそれではないか。
(そうよ。元々一人で大半を旅してきたのだ。時間を稼ぐだけに終始してどうする。気持ちを切り替えろ、意識を改めろ。この程度の状況に、いまさら右往左往するような人間でもないだろうが)
そう決まれば後は早い。向こうが踏み出してこないのならばこちらから行くまで。自分が今までには見せなかった一歩を踏み出した瞬間──それを待っていたとばかりに一斉に自分に向かって六つの騎士剣が自分の体めがけて突きこまれる。その攻撃を自分は《大跳躍》で回避しながら相手の背面に回り込む。
当然相手も振りむこうとはしたいだろう。だが、今までの牽制重視の突きではなく先程の突きは鎧事貫かんとする力のこもった突き。当然そのような攻撃を行えば、すぐには動けない。当然、その硬直を見逃してあげる理由は自分にあろうはずがない。分身体の体の大きさは同じなので……同じ高さにレガリオンの刃を一閃。六つの首が胴体から離れて転がり落ちた。
「来い!」
自分の声に触発されたように、新しい六人が走って自分の所にまでやってくる。その勢いのまま三人が一列に並んで騎士剣を突き出してくる──一方で残り三人はカバーするために盾を構えていた。一斉攻撃を仕掛けた六人全員が首を一瞬で飛ばされた所を見れば、そういう動きになるのは当然だな。だが、それは逆に言えば攻撃の厚みが半減している事にもなる。
今回は突き出してくる攻撃を回避せずに、自分から見て右の分身体の突きの先端をレガリオン、左の突きを八岐の月の爪でいなし、中央の切っ先の先端を足で蹴り上げてバランスを崩してから、上げた足を分身体の脳天に踵落としの形でめり込ませた。そこからさらに力任せにこちらに向かって引きずり倒すような形で地面に倒れこませてから追撃を頭部に踏みつける形で行う。手ごたえあり。
さらに自分はクラネス師匠が強化してくれたマリン・レッグセイヴァー・クラネスパワーを履いている。この足に装備している装具のお陰で普通の蹴りでは済まないダメージが入るのだ。それを頭部に二回も食らえば耐えられまい。この予想通り、立ち上がることなく蹴られた分身体はチリとなって消えた。
「何と言う剛脚……それを今まで温存していたのか!?」
向こうの分身体から、そんな言葉が漏れる。ここまでは出番が無かっただけのこと……出番があれば当然こうやって遠慮なく振るう。それに、まだ蹴りのアーツは全然見せていないからな。まだまだ全力じゃない。こちらの引き出しを全部出せたなんて、思わないで欲しいね。しかし、この蹴りを見せた事で、ますます相手が護りを重視するようになってしまった。盾をしっかり構えて体を隠し、待ちの体勢に入っていく。
でもそれは、悪手なんだよね。当然自分は強化オイルと蛇炎オイルをそんな分身体の頭上や背後に落ちるように調整して山なりに投げる。この強化オイルにも、制作してからずっと世話になっているな。だが、この手の防御を重視する相手を崩すにはもってこいなのだ。爆炎による衝撃、炎に燃やされるという痛みは、よほど耐火性と衝撃に対する防御を整えていないと防ぎきれるものではない。
炎が広がり、相手を焦がす。だが、それでも武器を取り落さないのは敵ながら見事だ。大抵は炎を消そうと転がるか、パニックを起こしてしまうかなのに。でも、体を焼かれる事で受けるダメージと痛覚は無視できないだろう……防御の構えに乱れが見える。そこに、左手の盾の内部に仕込んであるアンカーに魔力を回して射出。一番防御に乱れが出た分身体の頭部に食らいつかせる。
その後は当然至近距離の風魔法を三連発頭部にめがけてお見舞いだ。自分の魔力じゃ、普通に魔法を撃ったら相手にダメージなんかろくに入らない。だがこいつはクラネス師匠にいろいろ手を入れてもらったおかげで、貫通性が非常に高い強力な風魔法を自分でも放てる砲塔が付いているんだ。爪で拘束されたところにこの風の砲弾による三連発を頭部に叩き込めば、必殺の一撃となりうる火力が出せる。
防御主体の戦法では崩せないどころかひどい目に合わされるだけと痛感したのだろう、向こうも最初とは打って変わって積極的に攻めてくるようになった。やはり炎で焼かれるのはいくら分身体と言えど勘弁してほしいのだろう。盾を構えはするが積極的に攻めに使ってくるように、つまりシールドバッシュのような鈍器としての使い方を重視するような動きになってきた。
だが、真っ向から攻めてくるならこちらも真っ向から受けて立つ。ここで変に引けば、今度はペースが相手に傾く事になるのは今までの経験から考えなくても分かる事だ。ここで引かず、しっかりと相手の攻めに対応した防御と反撃をしていく事こそが肝要だ。八岐の月とレガリオンの性能を駆使して相手の剣をいなし、盾による攻撃は縁に爪や伸ばしたレガリオンの先を引っ掛けるような形で力の流れを変えて妨害する。
だが、相手も引かない。お互いに戦いに熱がよりこもってきた事を感じる。やられても後がいる、だから少しでも自分の引き出しを開けて後続に託すという気迫を明確に感じられるようになってきた。確かに倒せて入るが、あれこれとこちらの引き出しを開けられているのもまた事実である。少しでも気おされたら、この気迫に押し切られてしまうかもしれない。
(だが、だからこそ戦い甲斐があるという物。この程度の熱で、気迫で怯むほどこちらも軟じゃない!)
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