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耐え忍ぶ形を取るしかない
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この戦いを表現する言葉は、我慢比べが一番適切だろうか。互いに牽制して好きを誘いあい、隙を見せたらそこを狩る。やってる事はこれだけなのだが、その狩れるだけの隙はお互いそうそう出さず、当然隙のように見せる誘いもまた繰り広げられている。本当に隙なのか、それとも誘いなのかをしっかりと見定めて、出来る限り最小限の動きで倒すのだ。
お互い六人パーティ状態なので、大ぶりな攻撃技はすぐさまカバーが入って阻止されるためまず通らない。これは分身体の状態が大きく関係していて、騎士剣に盾を持つというタンカー色が強いために攻撃よりも防御に重きを置いている。そのため、相手の攻撃を止める事や相手の攻撃から仲間を庇う事を得意としているのだ。
一応アタッカーとしては弓を背負っていてたまに使ってくるのだが……何というか、そこそこの経験を積んだレベルでしかないのに装備品だけは豪華という感じだ。引き絞る速度も遅いし、命中率も実はあんまり……である。それでも装備の性能はかなり良いようで、味方に付いてくれた分身体に命中した時は鎧を容易く突き破っていた。
矢を受けた分身体は下がらせて、回復させている。それからは弓を持ち出した分身体を確認した時はこちらもすかさず八岐の月を持ち出して、相手の矢を叩き落としている。もちろん、余裕があれば相手の弓そのものを矢で攻撃して叩き折る事も挑戦している。かなり頑丈なのだが、クリティカルヒットが出ると一撃で武器破壊につながり、使い物にならないようにできる。
(多分この武器破壊は、この分身体との戦い限定の話かな? できればいいな、という願望込みでやってみたが──ちょっと冷静に考えれば、今まで武器が壊れて失われるってのはよっぽど酷使してぶっ壊すか、真同化のように力を使い果たして壊れるかぐらいしか無かった筈。PvPはほとんどやってこなかったから、もしかしたら自分が知らないだけでずっと前からある話だったのかもしれないけれど)
弓さえなくなれば、装備条件は五分五分。そうなると後はどちらが適切な攻撃と誘いを行って相手の隙を誘えるかの我慢比べとなる。この手の戦いが苦手な人にはつらいだろうな。忍耐力が問われる展開だから……だが、こちらの中身はそれなりの忍耐を必要とされる社会人だ。この程度の我慢など、当然なれている。
それに我慢と言っても、相手を殴れるのだからずいぶんましである。世の中には殴りたくても殴れない事柄など、山ほど転がっている事は中学生ぐらいになれば嫌でもわかるだろう。明らかに他者に迷惑を過剰にかけているのに平然とのさばっている奴がいるのに、何もできない事に苛立たしさを覚えた人は非常に多いはずだ。
だが、この場においては戦っている相手を直接殴れる。相手を崩せばそこから倒す展開に持っていける。そうして相手を倒す事で直接自分自身が前進している事を感じられるのだから我慢を強いられても、ストレスはあまりたまらない。現実に比べれば、はるかに気が楽だと言えるだろう。
(そう言う面もあるから、ゲームが好きな人ってのは常に一定数いるんだろうな。もちろんそこに自分も含まれる訳だが)
ゲームに限った話ではないな。どんなことでも頑張ればその分の成果が目に見えて出るというのであれば、その行為を好むようになるのはおかしい話ではない。それが人によって違うだけ……困った事に、これが悪事に繋がる人もいるのは事実だ。だが、それは今考える事じゃない。目の前の戦闘に集中しないといけない。なのにこんなことを時々考えてしまうのは自分の悪い所だろう。
だが、それでも体が動いているのはこれまでの経験が大きい。相手の動き、そしてこれまでの動きから振ってくる剣の軌跡を大体でいいから予測。予測が当たればいなしたりして相手の隙を作り、外れれば回避や防御に専念する。カザミネのレベルには届いていないのだろうが、それでもここまでくれば大半のプレイヤーが無意識に似た様な事をやっているはずだ。
特にまともに攻撃を受けず、盾や武器を用いた受け流しを行うタンカー色の人はその傾向が強いだろう。大きなモンスターの一撃を、いくら大盾を使ってもまともに受けていたら盾と自分が持たない。だからこそ少しでもいいから受け流して相手の力をまともに受けないようにする。そのためには、相手が力を乗せてくる方向を読まなければならない。
それと同じことを、ほとんどここまでくる間ソロで活動してきた自分も学んでいる。更に数々の師匠達の訓練でより磨かせてもらった。そう言った経験が積み重なっているからこそ、ほぼ無意識でそう言った行動がとれる。考え事をしてしまっても、目と体は反応し続ける。それが出来なきゃ、戦いの中で作戦を考える時間が取れないのだ。
だが、今回はここまでの戦いから得た情報を含めてあれこれ考えた結果が、我慢比べするしかないという答えだ。相手は高いレベルでまとまっており、六人パーティとしてみても連携に大きな乱れや突きやすい隙など存在しない。こういう手合いには、あまり搦め手が通じない。完全に予想がつかない事なら別だが……
(それを引き起こせる妖精系のアーツは、消耗が激しすぎるから却下するしかない。一度に戦える相手の数が四〇〇〇体ならまだやる価値はある。だが、今回は六体まで……六体を倒すためにMPを使い果たすような行為を行えばその後が続かない。数で押されるのも辛いが、こうして小出しに持久戦を強いられる戦いじゃ、その手の一発系の技は使い勝手が悪すぎる)
だから、我慢比べ。コツコツと積み上げて、コツコツと倒していく。それが最適というか唯一の手段だと結論を出すしかなかった。そしておそらく、その忍耐力と持久力をこの試練は見たいのだろう。だからこそ戦力をこうして逐次投入するという此方を一気に押しつぶさない形を取っている。
あくまで戦力の逐次投入がダメというのは、相手を倒すならちまちま投入していても精々出来る事は現状維持に留まり、相手を倒すには至らずこちらの被害を増やすからという観点からの話であり、忍耐力や持久力を見たいのであれば、いつ終わるのか分からない戦いの連続というのは、戦っている側からすればかなりきついのだ。
(それを今、身をもって理解している……倒した数など数えるのは始めからやっちゃいない。ただ気が滅入るだけだって分かっているからな……目の前にいる六体が居なくなるまで戦い抜く、それだけを考えつつ、激しい消耗を避けながら戦う他ない。相手を倒せてはいるんだ。そのペースは遅いかもしれないが、こちらはダメージを受けた分身体を下げて回復した分身体と入れ替わる事で維持している状態。無理をすれば、一気に瓦解する)
分身体を失って完全ソロになれば、相手の隙をついて倒す戦法も取りずらくなって不利になる。強化オイルや蛇炎オイルだって限りがある、それらだけで突破は出来ない。もちろんレガリオンや八岐の月と言った武器を駆使してアクロバティックに戦うという手段もあるが……それはそれで消耗が激しくなる。そう言った手段はまた取っておきたい。
そんな事を裏で考えつつ、とにかく目の前にいる六体に対してひたすら戦いを挑み続ける。剣同士がぶつかる音だけじゃなく、盾を鈍器として扱う音も、そして被弾して短いうめき声をあげる声も入り混じった持久戦が続く。だが、やはり押されだした。こちらについてくれた十二体の分身体の耐久力が危険水域に入りだしている。
(後ろで回復している面子もボロボロだ。今まえに出てきてもらっている面子も多分──残り四割前後って所か? だが、これだけ長く戦い、味方を庇う為に時折無理に割って入るような動きをしてきた以上仕方が無いだろう。決して分身体自身が弱い訳じゃないんだ。これだけ戦えば、疲れない方がおかしい。実際自分も結構疲れてきているしな)
このままでは、持たないか……自分は意を決して、口を開いた。一旦全員下がって回復に努めてくれと。
「し、しかし!? それでは貴方が一気に苦しくなりますよ!?」「構わない! そちらがある程度立て直すまでの時間稼ぎぐらいは何とかする! それ以上深手を負ってしまえば、余計回復が大変な事になるだろう? 今のうちに下がって回復するんだ!」
本末転倒、守護者にはそう思われるだろうか? それでも、たとえ分身体と言っても協力してくれる面子を使い潰すのは主義じゃない。それに、ここまで戦ってきたおかげで相手の動きのレベルも十分把握できた。防御に八を割り振る感じで立ち回れば……耐えきるのは十分可能だと判断した上での発言だ。
「──すみません、できるだけ早く復帰します!」「ああ、だが中途半端な回復で戻らないでくれ! この戦いはまだまだ続く……しっかり回復してから戻って来てくれればいい!」
自分の横にいた五体が素早く引き、これで一対六の図式となる。だが、この状況は今までの旅と同じ状態だ。むしろ五人も仲間がいる状況が、自分にとってはレアな状態だったのだ。頭の中にあるスイッチを切り替えてから再び心を新たに武器を握りしめる。
「遠慮は無用、続けよう」
自分の言葉に呼応して、六体の分身体が自分にじりじりと迫る。さあ、この戦いを続けよう。
お互い六人パーティ状態なので、大ぶりな攻撃技はすぐさまカバーが入って阻止されるためまず通らない。これは分身体の状態が大きく関係していて、騎士剣に盾を持つというタンカー色が強いために攻撃よりも防御に重きを置いている。そのため、相手の攻撃を止める事や相手の攻撃から仲間を庇う事を得意としているのだ。
一応アタッカーとしては弓を背負っていてたまに使ってくるのだが……何というか、そこそこの経験を積んだレベルでしかないのに装備品だけは豪華という感じだ。引き絞る速度も遅いし、命中率も実はあんまり……である。それでも装備の性能はかなり良いようで、味方に付いてくれた分身体に命中した時は鎧を容易く突き破っていた。
矢を受けた分身体は下がらせて、回復させている。それからは弓を持ち出した分身体を確認した時はこちらもすかさず八岐の月を持ち出して、相手の矢を叩き落としている。もちろん、余裕があれば相手の弓そのものを矢で攻撃して叩き折る事も挑戦している。かなり頑丈なのだが、クリティカルヒットが出ると一撃で武器破壊につながり、使い物にならないようにできる。
(多分この武器破壊は、この分身体との戦い限定の話かな? できればいいな、という願望込みでやってみたが──ちょっと冷静に考えれば、今まで武器が壊れて失われるってのはよっぽど酷使してぶっ壊すか、真同化のように力を使い果たして壊れるかぐらいしか無かった筈。PvPはほとんどやってこなかったから、もしかしたら自分が知らないだけでずっと前からある話だったのかもしれないけれど)
弓さえなくなれば、装備条件は五分五分。そうなると後はどちらが適切な攻撃と誘いを行って相手の隙を誘えるかの我慢比べとなる。この手の戦いが苦手な人にはつらいだろうな。忍耐力が問われる展開だから……だが、こちらの中身はそれなりの忍耐を必要とされる社会人だ。この程度の我慢など、当然なれている。
それに我慢と言っても、相手を殴れるのだからずいぶんましである。世の中には殴りたくても殴れない事柄など、山ほど転がっている事は中学生ぐらいになれば嫌でもわかるだろう。明らかに他者に迷惑を過剰にかけているのに平然とのさばっている奴がいるのに、何もできない事に苛立たしさを覚えた人は非常に多いはずだ。
だが、この場においては戦っている相手を直接殴れる。相手を崩せばそこから倒す展開に持っていける。そうして相手を倒す事で直接自分自身が前進している事を感じられるのだから我慢を強いられても、ストレスはあまりたまらない。現実に比べれば、はるかに気が楽だと言えるだろう。
(そう言う面もあるから、ゲームが好きな人ってのは常に一定数いるんだろうな。もちろんそこに自分も含まれる訳だが)
ゲームに限った話ではないな。どんなことでも頑張ればその分の成果が目に見えて出るというのであれば、その行為を好むようになるのはおかしい話ではない。それが人によって違うだけ……困った事に、これが悪事に繋がる人もいるのは事実だ。だが、それは今考える事じゃない。目の前の戦闘に集中しないといけない。なのにこんなことを時々考えてしまうのは自分の悪い所だろう。
だが、それでも体が動いているのはこれまでの経験が大きい。相手の動き、そしてこれまでの動きから振ってくる剣の軌跡を大体でいいから予測。予測が当たればいなしたりして相手の隙を作り、外れれば回避や防御に専念する。カザミネのレベルには届いていないのだろうが、それでもここまでくれば大半のプレイヤーが無意識に似た様な事をやっているはずだ。
特にまともに攻撃を受けず、盾や武器を用いた受け流しを行うタンカー色の人はその傾向が強いだろう。大きなモンスターの一撃を、いくら大盾を使ってもまともに受けていたら盾と自分が持たない。だからこそ少しでもいいから受け流して相手の力をまともに受けないようにする。そのためには、相手が力を乗せてくる方向を読まなければならない。
それと同じことを、ほとんどここまでくる間ソロで活動してきた自分も学んでいる。更に数々の師匠達の訓練でより磨かせてもらった。そう言った経験が積み重なっているからこそ、ほぼ無意識でそう言った行動がとれる。考え事をしてしまっても、目と体は反応し続ける。それが出来なきゃ、戦いの中で作戦を考える時間が取れないのだ。
だが、今回はここまでの戦いから得た情報を含めてあれこれ考えた結果が、我慢比べするしかないという答えだ。相手は高いレベルでまとまっており、六人パーティとしてみても連携に大きな乱れや突きやすい隙など存在しない。こういう手合いには、あまり搦め手が通じない。完全に予想がつかない事なら別だが……
(それを引き起こせる妖精系のアーツは、消耗が激しすぎるから却下するしかない。一度に戦える相手の数が四〇〇〇体ならまだやる価値はある。だが、今回は六体まで……六体を倒すためにMPを使い果たすような行為を行えばその後が続かない。数で押されるのも辛いが、こうして小出しに持久戦を強いられる戦いじゃ、その手の一発系の技は使い勝手が悪すぎる)
だから、我慢比べ。コツコツと積み上げて、コツコツと倒していく。それが最適というか唯一の手段だと結論を出すしかなかった。そしておそらく、その忍耐力と持久力をこの試練は見たいのだろう。だからこそ戦力をこうして逐次投入するという此方を一気に押しつぶさない形を取っている。
あくまで戦力の逐次投入がダメというのは、相手を倒すならちまちま投入していても精々出来る事は現状維持に留まり、相手を倒すには至らずこちらの被害を増やすからという観点からの話であり、忍耐力や持久力を見たいのであれば、いつ終わるのか分からない戦いの連続というのは、戦っている側からすればかなりきついのだ。
(それを今、身をもって理解している……倒した数など数えるのは始めからやっちゃいない。ただ気が滅入るだけだって分かっているからな……目の前にいる六体が居なくなるまで戦い抜く、それだけを考えつつ、激しい消耗を避けながら戦う他ない。相手を倒せてはいるんだ。そのペースは遅いかもしれないが、こちらはダメージを受けた分身体を下げて回復した分身体と入れ替わる事で維持している状態。無理をすれば、一気に瓦解する)
分身体を失って完全ソロになれば、相手の隙をついて倒す戦法も取りずらくなって不利になる。強化オイルや蛇炎オイルだって限りがある、それらだけで突破は出来ない。もちろんレガリオンや八岐の月と言った武器を駆使してアクロバティックに戦うという手段もあるが……それはそれで消耗が激しくなる。そう言った手段はまた取っておきたい。
そんな事を裏で考えつつ、とにかく目の前にいる六体に対してひたすら戦いを挑み続ける。剣同士がぶつかる音だけじゃなく、盾を鈍器として扱う音も、そして被弾して短いうめき声をあげる声も入り混じった持久戦が続く。だが、やはり押されだした。こちらについてくれた十二体の分身体の耐久力が危険水域に入りだしている。
(後ろで回復している面子もボロボロだ。今まえに出てきてもらっている面子も多分──残り四割前後って所か? だが、これだけ長く戦い、味方を庇う為に時折無理に割って入るような動きをしてきた以上仕方が無いだろう。決して分身体自身が弱い訳じゃないんだ。これだけ戦えば、疲れない方がおかしい。実際自分も結構疲れてきているしな)
このままでは、持たないか……自分は意を決して、口を開いた。一旦全員下がって回復に努めてくれと。
「し、しかし!? それでは貴方が一気に苦しくなりますよ!?」「構わない! そちらがある程度立て直すまでの時間稼ぎぐらいは何とかする! それ以上深手を負ってしまえば、余計回復が大変な事になるだろう? 今のうちに下がって回復するんだ!」
本末転倒、守護者にはそう思われるだろうか? それでも、たとえ分身体と言っても協力してくれる面子を使い潰すのは主義じゃない。それに、ここまで戦ってきたおかげで相手の動きのレベルも十分把握できた。防御に八を割り振る感じで立ち回れば……耐えきるのは十分可能だと判断した上での発言だ。
「──すみません、できるだけ早く復帰します!」「ああ、だが中途半端な回復で戻らないでくれ! この戦いはまだまだ続く……しっかり回復してから戻って来てくれればいい!」
自分の横にいた五体が素早く引き、これで一対六の図式となる。だが、この状況は今までの旅と同じ状態だ。むしろ五人も仲間がいる状況が、自分にとってはレアな状態だったのだ。頭の中にあるスイッチを切り替えてから再び心を新たに武器を握りしめる。
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