606 / 741
連載
立ちはだかる壁を崩す
しおりを挟む
とにかく、一当てしてみよう。そんな考えしか出てこなかったのだが、一当てしてみて相手の出方を伺うのは十分にありだろう。八岐の月を構えて、回避運動をしながら数本の矢を放ってみた。当然大盾の前に弾かれる、これは当たり前の光景だから気にも留めていないが──それでも、分かった事がある。
(攻撃の一割ちょっとぐらい、通っている感じがするな。頑丈なのは間違いないがこちらの攻撃を完全無効化する事は出来ていない? ならば回避行動をとりつつ射撃を一点集中する事で突破口をこじ開けるか)
完全にシャットアウトされているなら、こんな手ごたえは感じない。ならば、やりようはある。まずは一か所に射撃を集中して盾を持っていると思われる分身体を排除する。そうなればわずかな間だが穴が開く、そこに強化オイルと蛇炎オイルをぶち込んで燃やせば相当なダメージを稼げるはずだ。ファランクス状態で固まっているのだから、この手の範囲攻撃は効果絶大の筈だし。
一つの盾に集中して、いくつもの矢を放つ。七発目を当てたあたりから、盾の震えが大きくなってきているように感じられる……持っている奴がかなりダメージを受けているんだろう。もう一押しとばかりに三連射で攻撃すると、予想通りに盾の壁に穴が開いた。すかさず空いた穴に強化オイルと蛇炎オイルを遠慮なく投げ込んだ。
これも狙い通りの効果を発揮する。爆発音と炎が吹き上がる状態を、盾の開いた隙間から確認できた。そして一気に抜け落ちるかのように複数の盾が崩れ落ちる──とほぼ同時に陣形を立て直したのか、穴が埋まってしまう。穴が開いた処を見計らって突撃し、ファランクスの裏を取りたかったのだがそこまではさせてくれないようだ。
(この戦法は、オイルがなくなったら取れなくなってしまう。強化オイル、蛇炎オイルのストックはまだあるが無限と言う訳じゃない。二手、三手目を考えないとここの突破は難しいな)
一枚の盾を抜くのに矢を十回放ち、十枚前後の盾を取り除くのに強化オイルと蛇炎オイルをそれぞれ二本ずつ使用した。このペースだと矢はともかく盾の壁を三分の一削るかどうかぐらいの所でオイルはアイテムボックスから無くなってしまう。これでは効率が悪すぎるので、もう少し盾を効果的に減らせる手段を探らなければならない。
(遠距離を試したんだから次は近接も試すべきか。パイクによるカウンターに気を付けて接近し、盾に一当てだな。その手ごたえ次第では、近接メインで動く事も考えよう)
八岐の月の爪攻撃、レガリオンによる攻撃、蹴り全般。これらのうちどれか一つでも有効なものがあるならば、それを主軸に戦いの計画を立てられる。降り注ぐやと魔法を回避しつつ──多少被弾もしてしまったが、これは装備のお陰でほぼ無効化できた。だが、装備に頼りきりでは流石によろしくないので回避運動を取る事は継続しているが。
次々と盾に対して近接攻撃を叩き込む。その結果、攻撃が通じている手ごたえを得られたのは蹴り。一方で八岐の月やレガリオンでは、ほぼ手ごたえを感じることが出来なかった。どうやら斬撃系の攻撃はほぼ通じない様だ。だが、ちゃんと相手の防御を抜く事が出来る手段が存在している事が分かっただけでも十分な収穫だ。飛んでくるパイクの攻撃を回避しつつ、盾に何度も蹴りを当てていく事をメインの動きにすることに決めた。
キック系統のアーツも試してみた所、蹴り技の〈剛蹴〉の時に覚えていた《開門》と言うアーツが一番有効だと言う事も判明。久々に使う蹴り技のアーツだが、一発目の攻撃で相手の防御を崩したり、動きを止めた所にもう一回蹴るという技である。ただ、一発目の攻撃を放つために溜めが必要であり、動きが止まってしまうので使いどころをミスれば手痛いダメージを受ける事になる一面がある。
つまり、格闘ゲームで言うガードを無理やり破壊する系統の技だ。ガードブレイク系、と言えば伝わるかもしれない。溜めが必要と言う事で普段は自分の戦闘スタイルとかみ合わない事が多いため使わないアーツなのだが、今回は相手は動かず壁を形成している事から、非常に有用である。
(よし、これだけ情報を得られれば後はいかに効率よく相手を崩していけるかだ。何せ相手の数が数だ、あれこれ使える手段を組み合わせていかないと終わらないぞ)
とにかくダメージを蓄積させて壁に穴をあけて、タイミングを見計らって突入、背後から斬りかかって一気に数を減らすという感じでやらないと時間がかかり過ぎる。時間がかかればそれだけ自分自身の集中力などが落ちる、そうなれば当然その後に待っているのは倒される結末しかない。
蹴りをメインに、八岐の月とレガリオンは降り注いでくる矢と魔法を弾くために運用すると決めて戦闘を続けている。時々パイクをよけ切れないと思った時は素直に後ろに下がり、八岐の月で射撃を行う。タイミングを見計らって再び蹴りを中心に戦う。これが一つの流れとして出来上がりつつあった。
が、この流れに水を差したくなったと思われる分身体たちが新しい動きを見せた。持っているパイクの穂先から、威力はあまり高くないが弾速が速い雷撃を放ち始めたのだ。どうやらあのパイク、魔剣を模した物だったらしい──なんて悠長な事は言っていられない。何せ敵の数はいっぱい、当然使われているパイクの数もいっぱい。それらが一斉に射撃を開始したと言う事は──
「あらららららら!?」
まるで某怪盗のアニメのように自分に対して弾丸が自分の周囲に降り注ぐ光景が完成してしまった。当然更に頭上からは矢や魔法が降ってくる状況も継続されている。こうなると流石に全てを回避、もしくは防ぎきれるレベルではない。怪盗アニメだとすべて回避しているけど、流石に自分には無理! それに一発い一発の威力が低くても、飛んでくる量が多い為被弾し続ければ相当に痛い。
防具の特殊能力はもちろん発揮されている──と言うかこれが無かったら、とっくにHPがゼロになって死んでいる。大幅に防具が当たった攻撃を軽減or反射してくれているおかげでこんな無茶苦茶な状態でもHPが一瞬で減ってしまうという事態は回避できているのだ。HP回復系のポーションを自分にかけつつ、出来るだけ回避運動を取る。
(凄まじい一斉砲撃だが、こんな勢いで攻撃を放てばガス欠は免れないはず。ここは回避と盾をフル活用してとにかく凌ぐことだけを考えよう!)
両手に付けている小盾も利用して、少しでも被弾を減らす。普段は回避運動で済ますから出番が少ないが、こういう時には非常に頼りになる。耐え始めてどれぐらいたったのだろうか? 時間の感覚が当てにならないが──それでも必死で耐え続けて、遂にパイクの先から電撃が出てくる状況が収まる。
(ガス欠したか? だが、油断だけはしないで行こう)
ポーションを飲んで回復し、再び壁に接近。突き出されるパイクを回避し、盾の一つに思いっきり《開門》を突き刺した。その結果、相手が盾ごと吹き飛んだではないか。当然、その後に大きな隙間が出来る──これはこちらがパワーアップしたからではない。向こうがパワーダウンしたからこんなことが起きたと考える方が自然だ、つまり……
(今こそ好機! 盾を持った連中が明確に弱体化している今こそ一気に削るべき時だ。やっぱり、あのパイクの先から電撃をあれほど放ち続けていたんだ、当然それだけの反動があってしかるべきだからな。それが、この状況!)
更に数枚の盾を蹴り飛ばし、壁の穴をより大きくしたところで穴に突入。分身達が作り出した盾の壁の裏に回り込む。なるほど、肩を足場にしてその上にさらに乗るという行為で壁となる人員を積み上げていたわけだ。しかし、自分が裏に回った今、その体勢。はただの的でしかない。遠慮なく、レガリオンで無防備な背中を切り裂かせてもらう。
なお、壁を突破したした事で弓矢部隊、魔法部隊の姿も見えたのだが……自分に対して攻撃して、回避されると味方に当たる可能性がある事を考慮してか、攻撃が一時的に止んでいた。もちろん、その状況を自分が利用しない理由などない。こっちは一人、相手は四〇〇〇。卑怯なのはどう考えても圧倒的に数で勝る相手の方なのだから、こっちとしては動けない相手を切り裂いても心が全く痛まない。
盾に阻まれて苦しめられた鬱憤を晴らすべく、レガリオンを振るって次から次へと分身体を切り裂いていく。無論壁を作っていた分身体も自分の動きに対応すべく動こうとはしているのだが……自分は足場となっている下側にいる分身体を意図的に倒している。そのため、形成していた壁の状態が崩れ落ちたりしている為、自分に対して攻撃をするどころではない、と言う状況を作り上げているのだ。
そんな動きを続けていると、遂に弓矢部隊や魔法部隊が攻撃を再開した。やっぱり味方ごと消し飛ばすしかないと判断したか……だが、それでも回避運動を中心にしつつ、八岐の月やレガリオン、蹴りで弱体化している壁を形成していた分身体達を討ち取る行動に支障はない。それがどうやら焦りを読んだようで、命中率よりも手数を重視した攻撃になっていく。
でも、それは悪手だ。誤射攻撃で、壁を形成していた分身体たちが倒されていく。当然、これも最大限に利用させてもらう。次々と分身体を倒してさらに後衛部隊の焦りを誘い、飛んでくる攻撃を回避してより誤射を増やすようにしていく。敵も使い様であると言う事だ──まあ、流石にこれはうまくいきすぎだけど。
やがて、壁を作っていた分身体たちは全滅。残されたのは自分と後衛の分身体たち。ただ、腰にはロングソードや魔法の触媒と言うよりは〈杖術〉の為の杖が腰に下げられているから近接戦が出来ないわけではないだろう。それでも厄介な壁は乗り越えた、残りの分身体たちも確実に倒していこう。
(攻撃の一割ちょっとぐらい、通っている感じがするな。頑丈なのは間違いないがこちらの攻撃を完全無効化する事は出来ていない? ならば回避行動をとりつつ射撃を一点集中する事で突破口をこじ開けるか)
完全にシャットアウトされているなら、こんな手ごたえは感じない。ならば、やりようはある。まずは一か所に射撃を集中して盾を持っていると思われる分身体を排除する。そうなればわずかな間だが穴が開く、そこに強化オイルと蛇炎オイルをぶち込んで燃やせば相当なダメージを稼げるはずだ。ファランクス状態で固まっているのだから、この手の範囲攻撃は効果絶大の筈だし。
一つの盾に集中して、いくつもの矢を放つ。七発目を当てたあたりから、盾の震えが大きくなってきているように感じられる……持っている奴がかなりダメージを受けているんだろう。もう一押しとばかりに三連射で攻撃すると、予想通りに盾の壁に穴が開いた。すかさず空いた穴に強化オイルと蛇炎オイルを遠慮なく投げ込んだ。
これも狙い通りの効果を発揮する。爆発音と炎が吹き上がる状態を、盾の開いた隙間から確認できた。そして一気に抜け落ちるかのように複数の盾が崩れ落ちる──とほぼ同時に陣形を立て直したのか、穴が埋まってしまう。穴が開いた処を見計らって突撃し、ファランクスの裏を取りたかったのだがそこまではさせてくれないようだ。
(この戦法は、オイルがなくなったら取れなくなってしまう。強化オイル、蛇炎オイルのストックはまだあるが無限と言う訳じゃない。二手、三手目を考えないとここの突破は難しいな)
一枚の盾を抜くのに矢を十回放ち、十枚前後の盾を取り除くのに強化オイルと蛇炎オイルをそれぞれ二本ずつ使用した。このペースだと矢はともかく盾の壁を三分の一削るかどうかぐらいの所でオイルはアイテムボックスから無くなってしまう。これでは効率が悪すぎるので、もう少し盾を効果的に減らせる手段を探らなければならない。
(遠距離を試したんだから次は近接も試すべきか。パイクによるカウンターに気を付けて接近し、盾に一当てだな。その手ごたえ次第では、近接メインで動く事も考えよう)
八岐の月の爪攻撃、レガリオンによる攻撃、蹴り全般。これらのうちどれか一つでも有効なものがあるならば、それを主軸に戦いの計画を立てられる。降り注ぐやと魔法を回避しつつ──多少被弾もしてしまったが、これは装備のお陰でほぼ無効化できた。だが、装備に頼りきりでは流石によろしくないので回避運動を取る事は継続しているが。
次々と盾に対して近接攻撃を叩き込む。その結果、攻撃が通じている手ごたえを得られたのは蹴り。一方で八岐の月やレガリオンでは、ほぼ手ごたえを感じることが出来なかった。どうやら斬撃系の攻撃はほぼ通じない様だ。だが、ちゃんと相手の防御を抜く事が出来る手段が存在している事が分かっただけでも十分な収穫だ。飛んでくるパイクの攻撃を回避しつつ、盾に何度も蹴りを当てていく事をメインの動きにすることに決めた。
キック系統のアーツも試してみた所、蹴り技の〈剛蹴〉の時に覚えていた《開門》と言うアーツが一番有効だと言う事も判明。久々に使う蹴り技のアーツだが、一発目の攻撃で相手の防御を崩したり、動きを止めた所にもう一回蹴るという技である。ただ、一発目の攻撃を放つために溜めが必要であり、動きが止まってしまうので使いどころをミスれば手痛いダメージを受ける事になる一面がある。
つまり、格闘ゲームで言うガードを無理やり破壊する系統の技だ。ガードブレイク系、と言えば伝わるかもしれない。溜めが必要と言う事で普段は自分の戦闘スタイルとかみ合わない事が多いため使わないアーツなのだが、今回は相手は動かず壁を形成している事から、非常に有用である。
(よし、これだけ情報を得られれば後はいかに効率よく相手を崩していけるかだ。何せ相手の数が数だ、あれこれ使える手段を組み合わせていかないと終わらないぞ)
とにかくダメージを蓄積させて壁に穴をあけて、タイミングを見計らって突入、背後から斬りかかって一気に数を減らすという感じでやらないと時間がかかり過ぎる。時間がかかればそれだけ自分自身の集中力などが落ちる、そうなれば当然その後に待っているのは倒される結末しかない。
蹴りをメインに、八岐の月とレガリオンは降り注いでくる矢と魔法を弾くために運用すると決めて戦闘を続けている。時々パイクをよけ切れないと思った時は素直に後ろに下がり、八岐の月で射撃を行う。タイミングを見計らって再び蹴りを中心に戦う。これが一つの流れとして出来上がりつつあった。
が、この流れに水を差したくなったと思われる分身体たちが新しい動きを見せた。持っているパイクの穂先から、威力はあまり高くないが弾速が速い雷撃を放ち始めたのだ。どうやらあのパイク、魔剣を模した物だったらしい──なんて悠長な事は言っていられない。何せ敵の数はいっぱい、当然使われているパイクの数もいっぱい。それらが一斉に射撃を開始したと言う事は──
「あらららららら!?」
まるで某怪盗のアニメのように自分に対して弾丸が自分の周囲に降り注ぐ光景が完成してしまった。当然更に頭上からは矢や魔法が降ってくる状況も継続されている。こうなると流石に全てを回避、もしくは防ぎきれるレベルではない。怪盗アニメだとすべて回避しているけど、流石に自分には無理! それに一発い一発の威力が低くても、飛んでくる量が多い為被弾し続ければ相当に痛い。
防具の特殊能力はもちろん発揮されている──と言うかこれが無かったら、とっくにHPがゼロになって死んでいる。大幅に防具が当たった攻撃を軽減or反射してくれているおかげでこんな無茶苦茶な状態でもHPが一瞬で減ってしまうという事態は回避できているのだ。HP回復系のポーションを自分にかけつつ、出来るだけ回避運動を取る。
(凄まじい一斉砲撃だが、こんな勢いで攻撃を放てばガス欠は免れないはず。ここは回避と盾をフル活用してとにかく凌ぐことだけを考えよう!)
両手に付けている小盾も利用して、少しでも被弾を減らす。普段は回避運動で済ますから出番が少ないが、こういう時には非常に頼りになる。耐え始めてどれぐらいたったのだろうか? 時間の感覚が当てにならないが──それでも必死で耐え続けて、遂にパイクの先から電撃が出てくる状況が収まる。
(ガス欠したか? だが、油断だけはしないで行こう)
ポーションを飲んで回復し、再び壁に接近。突き出されるパイクを回避し、盾の一つに思いっきり《開門》を突き刺した。その結果、相手が盾ごと吹き飛んだではないか。当然、その後に大きな隙間が出来る──これはこちらがパワーアップしたからではない。向こうがパワーダウンしたからこんなことが起きたと考える方が自然だ、つまり……
(今こそ好機! 盾を持った連中が明確に弱体化している今こそ一気に削るべき時だ。やっぱり、あのパイクの先から電撃をあれほど放ち続けていたんだ、当然それだけの反動があってしかるべきだからな。それが、この状況!)
更に数枚の盾を蹴り飛ばし、壁の穴をより大きくしたところで穴に突入。分身達が作り出した盾の壁の裏に回り込む。なるほど、肩を足場にしてその上にさらに乗るという行為で壁となる人員を積み上げていたわけだ。しかし、自分が裏に回った今、その体勢。はただの的でしかない。遠慮なく、レガリオンで無防備な背中を切り裂かせてもらう。
なお、壁を突破したした事で弓矢部隊、魔法部隊の姿も見えたのだが……自分に対して攻撃して、回避されると味方に当たる可能性がある事を考慮してか、攻撃が一時的に止んでいた。もちろん、その状況を自分が利用しない理由などない。こっちは一人、相手は四〇〇〇。卑怯なのはどう考えても圧倒的に数で勝る相手の方なのだから、こっちとしては動けない相手を切り裂いても心が全く痛まない。
盾に阻まれて苦しめられた鬱憤を晴らすべく、レガリオンを振るって次から次へと分身体を切り裂いていく。無論壁を作っていた分身体も自分の動きに対応すべく動こうとはしているのだが……自分は足場となっている下側にいる分身体を意図的に倒している。そのため、形成していた壁の状態が崩れ落ちたりしている為、自分に対して攻撃をするどころではない、と言う状況を作り上げているのだ。
そんな動きを続けていると、遂に弓矢部隊や魔法部隊が攻撃を再開した。やっぱり味方ごと消し飛ばすしかないと判断したか……だが、それでも回避運動を中心にしつつ、八岐の月やレガリオン、蹴りで弱体化している壁を形成していた分身体達を討ち取る行動に支障はない。それがどうやら焦りを読んだようで、命中率よりも手数を重視した攻撃になっていく。
でも、それは悪手だ。誤射攻撃で、壁を形成していた分身体たちが倒されていく。当然、これも最大限に利用させてもらう。次々と分身体を倒してさらに後衛部隊の焦りを誘い、飛んでくる攻撃を回避してより誤射を増やすようにしていく。敵も使い様であると言う事だ──まあ、流石にこれはうまくいきすぎだけど。
やがて、壁を作っていた分身体たちは全滅。残されたのは自分と後衛の分身体たち。ただ、腰にはロングソードや魔法の触媒と言うよりは〈杖術〉の為の杖が腰に下げられているから近接戦が出来ないわけではないだろう。それでも厄介な壁は乗り越えた、残りの分身体たちも確実に倒していこう。
125
お気に入りに追加
26,945
あなたにおすすめの小説
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
ちょっとエッチな執事の体調管理
mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。
住んでいるのはそこらへんのマンション。
変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。
「はぁ…疲れた」
連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。
(エレベーターのあるマンションに引っ越したい)
そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。
「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」
「はい?どちら様で…?」
「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」
(あぁ…!)
今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。
「え、私当たったの?この私が?」
「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」
尿・便表現あり
アダルトな表現あり
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。