594 / 745
連載
試練の決着は
しおりを挟む
ドラゴンは、こちらを殺意を向けてくるが……妙だな。殺意の中に敬意が混ざったような雰囲気がある。単純に自分の勘違いか? いや、長くワンモアをやってきてこの手の感覚の読み取りを違えた事はまずない──もしかしてこれ、汝を敵として捉えるにふさわしい、みたいな感じか?
最初は一方的に倒せる、要は敵として認識するに値しないみたいな感じだったのかもしれない。が、《七つの洛星》を受けた事によって明確なダメージを受けた。そのことで目の前にいる人間は、遊び半分で相対していい存在ではない。そう捉えたのかもしれない。
「グルル……ウオオオオオオ!」
と、ここでドラゴンが咆哮を上げると同時に自分を中心に水色をした球形の幕を張る。が、ただの膜ではない。膜の表面には水が海の波のように立っているのが見えるからだ。そして、ドラゴンはその膜を維持したまま今度は先ほどとは違って突撃してきた。
「おおっと!?」
何せドラゴンはでかい。更にそのドラゴンが張っている膜はさらに大きい。なので回避するとなるとかなり大きく、素早く動かなければならない。その回避行動をするついでに、自分は一本の鉄の矢をドラゴンを包んでいる膜に軽く投げつけてみた。あの幕がどんな意味を持つのかを調べるには、何かをぶつけてみるのが一番手っ取り早いと考えたからだ。
その結果……膜にぶつかった──違う。それは正しい表現ではない。膜に触れようとした鉄の矢は、膜に多数立っている波に触れるや否や……会社にある水圧で硬い金属を切るために使うウォータージェットを使ったかのように鋭く切り刻まれたのである。
(あの波一つ一つが鋭い水の刃って事か! で、そんなものをもろに食らったら、一瞬で下手なスプラッター映画よりグロい死体が出来上がりそうだな!? 本気でこちらを倒しに来たって事だな)
ウォータージェットというのは例えであって、それぐらいすっぱり切れたと言う事だ。この手の話をすると物理常識を持ち出す連中が必ずいるが、魔法がある世界で地球の常識が丸々通じるはずがないのである。だからこそ、このドラゴンの様なとんでもない形の力が成立してしまったりする。
とにかく、あの幕を何とかしないとどうしようもない。ドラゴンが再びこちらに向かって突進の準備を整える前に、自分は三本の矢を番えて放つ。アーツこそ使っていないが、本気で射殺すための射撃だったのだが……膜は容易く矢を防いだ。いや、厳密には水の膜の波が矢の勢いを殺し、膜そのものが受け流すような役割を担ったと言うべきか。
(トップクラスに厄介だなこれ!? 近距離は危険すぎて、遠距離は軽減する。他のプレイヤーはこんな試練をすでに超えているのか?)
このドラゴン、本当に厄介だ。魔法障壁に水の膜と、自分を包んで防御を維持しながら攻撃してくる能力が非常に高い。自分の手持ちでは──あれぐらいしか有効打が無いような気がする。貰ったばっかりの能力をもう使うのも気が引けるが……使ってこそ技術は意味があるともいうし、いいか。
もう一回ドラゴンの突進を何とか回避した自分は、五〇〇階の試練の突破した時にもらった瞑想のチョーカーにある能力の一つ、《ジェルスパーク》を使用する。五〇〇階で散々苦戦させられた雷撃入りの水球である。あのブルードラゴンの水の膜に触れても、電撃ならば通るはず。もちろん、あの幕が超純水という水の不純物を取り除いた絶縁体だったら効かないが……
三個浮かんだ《ジェルスパーク》を、三回目のブルードラゴンの突進に合わせて放つ。何せ的自体はでかい。なんなら発射せずにドラゴンの突進してくると予想されているライン上に置いておくだけでもいいほどだ。さて、後は効いてくれるかどうかだが……《ジェルスパーク》が当たったと同時に、膜の表面に無数の雷撃が走った。
それだけで終わった。ドラゴンの絶叫なども聞こえてこない。こりゃ不発か? そう思ったのだが、ポン! と軽い音と共に水の膜が破裂した。なるほど、雷系のダメージがあの幕に行くと割れるっていう弱点があったんだな。自分は単純に、水に通じるなら雷系か? という軽いイメージだったんだが……なんにせよ、あの幕が無いのであれば!
すかさず五本の矢を番えて放つ。ドラゴンもこちらの攻撃に気が付いて回避行動をとったが、五本中三本がドラゴンの鱗を貫いて体に突き立った。かなり深く刺さったので、ドラゴンの表情がゆがむ。ただ刺さった場所が胴体部分だったためなのか、悲鳴を上げさせるほどのダメージは無かったらしい。
だが有効打には違いない。再び自分は矢を番えて放つが、流石にそれは食らいたくないとばかりに再び膜を展開するブルードラゴン。ふむ、あの幕をはがせるのは大体三十秒ぐらい? で、またあの幕をはがすために雷属性の魔法を膜に当てなきゃいけない、と。こっちの雷系魔法は《ジェルスパーク》しかない。上手くやらないと、次は当たってくれないだろうな。
まあ、それは向こうも同じだったようで。幕こそ張ったは良いが、むやみと突進すればあの雷撃を喰らって守りが解ける。膜が解ければ己の鱗を破る矢が飛んでくる。そうなればいつかは自分が倒される、故にあの雷撃を受ける訳にはいかない──そうなれば当然、にらみ合いになってしまう。
お互いにちょっとした魔法や矢は打ち合うが……先ほどまでの戦いから完全に変わって、停滞した戦いになってしまった。お互いに決め手はあるんだが、その手に対してのカウンターが存在するためうかつに仕掛けられない。自分も向こうも、ここからどう自分にとって有利な状況にもっていくべきかと考える。
しかし、ここで待ったがかかった。かけたのは当然この七〇〇階の試練の管理者だ。当然自分も、ドラゴンも彼女を見る。
「そこまでです。これ以上はお互いが見合って動かないだけになると判断しました。それに、戦いぶりから貴方はこの先に進むに値する人物であると判断できるだけの材料も得ました。よって、七〇〇階の試練を突破したと判断します」
あれ、合格? てっきりこのブルードラゴンを倒さなければダメだって判断されると思っていたんだが。
「やっぱり貴方は色々とおかしい。上からの指示に従って、普通より二回りほどレベルを上げた子を投入したわけですが……なぜここまでソロでやれるんですか。水の膜を割った《ジェルスパーク》、それを伝授されているのもおかしいですし……このまま続ければ、きっと貴方は時間はかかれどあの子を倒してしまうでしょう。それは困ります、今後の試練でもあの子には頑張ってもらわなければならないのですから」
なるほど、試験に重要な役割を担うドラゴンの消耗を嫌ったという点もあるのか。確かに自分の矢はドラゴンの鱗を貫ける。なので、戦いの展開によっては自分が戦っていたドラゴンにトドメを入れる結末もありうる。が、それをされると今後の試練に響くからやめてくれって事ね……まあ、こちらは突破できれば文句はないよ。
殺気を完全になくしたドラゴンが自分の近くに顔を寄せてから軽く頭を下げてきたので、自分も一礼。お互いに敬意を払った。だが、正直あそこでストップがかからずに戦い続けたら、自分は勝てただろうか? 正直、過去に戦ったあのグリーンドラゴンの長老とは比べること自体失礼になるぐらい強かった。こちらが負けた可能性も十分にある。
「正直、なぜそれが出来るのか訳が分かりません……いくら殺気を収めたと言っても相手はドラゴンですのに……ここに来た皆さんの大半はい突破しないしたに関わらず、戦いの後でもドラゴンに怯えるような方が大半でしたのに。しかもパーティを組まずソロという心細さもあるはずですのに……」
小声で言ってるようだけど、聞こえているからねー。あと、ドラゴン以上の化け物と戦った事がある上に、ソロにもう完全になれているから心細さなんてものがハナからないってのも、こうやってドラゴンを目の前にしても敬意を払いあえる理由じゃないかな……そもそも、レッドドラゴンの王様と直接話をしたことも一回や二回じゃきかないからね。
「まあ、その、なんといいますが。私はこの塔の外でやってきた冒険でも、周囲の人からお前はおかしいと言われるような事を多々やってきてしまっていますので」
自分の返答を聞いて、自分が小声とはいえ口にしてしまった事を聞かれていたことを察して、顔を覆う管理者。何も言わない方が良かったかな……意地悪をしたつもりはなかったんだけど。
「はあ。でも、理解できました。きっと私達の主が願っている事を叶えてくれるのはきっと貴方のような方なのでしょう。残り三〇〇階ですが、貴方なら登り切れると信じています。ソロで、ね」
その言葉と共に、球体の記録装置が姿を現した。後はあの装置に触れば今日の塔攻略はお終いとなる。
「個人的に応援させていただきますよ。私には貴方に渡せるような力はありませんが……応援ぐらいは出来ますので。それでは、記録だけはお忘れになりませんように」
そんな彼女とドラゴンの目の前で記録し、塔を出る。出る直前まで、管理者の彼女と、ブルードラゴンが自分に手を振ってくれていた。どうやら彼女だけでなくドラゴンも自分を応援してくれるようだ。ならあと三〇〇階、期限内に必ず登り切らなければ格好という物がつかないな。頑張らなきゃ。
******
年末が迫ってきました。年を越すために様々な作業に追われております。
ですので、今後はしばらく不定期更新とさせていただきます、ご了承ください。
最初は一方的に倒せる、要は敵として認識するに値しないみたいな感じだったのかもしれない。が、《七つの洛星》を受けた事によって明確なダメージを受けた。そのことで目の前にいる人間は、遊び半分で相対していい存在ではない。そう捉えたのかもしれない。
「グルル……ウオオオオオオ!」
と、ここでドラゴンが咆哮を上げると同時に自分を中心に水色をした球形の幕を張る。が、ただの膜ではない。膜の表面には水が海の波のように立っているのが見えるからだ。そして、ドラゴンはその膜を維持したまま今度は先ほどとは違って突撃してきた。
「おおっと!?」
何せドラゴンはでかい。更にそのドラゴンが張っている膜はさらに大きい。なので回避するとなるとかなり大きく、素早く動かなければならない。その回避行動をするついでに、自分は一本の鉄の矢をドラゴンを包んでいる膜に軽く投げつけてみた。あの幕がどんな意味を持つのかを調べるには、何かをぶつけてみるのが一番手っ取り早いと考えたからだ。
その結果……膜にぶつかった──違う。それは正しい表現ではない。膜に触れようとした鉄の矢は、膜に多数立っている波に触れるや否や……会社にある水圧で硬い金属を切るために使うウォータージェットを使ったかのように鋭く切り刻まれたのである。
(あの波一つ一つが鋭い水の刃って事か! で、そんなものをもろに食らったら、一瞬で下手なスプラッター映画よりグロい死体が出来上がりそうだな!? 本気でこちらを倒しに来たって事だな)
ウォータージェットというのは例えであって、それぐらいすっぱり切れたと言う事だ。この手の話をすると物理常識を持ち出す連中が必ずいるが、魔法がある世界で地球の常識が丸々通じるはずがないのである。だからこそ、このドラゴンの様なとんでもない形の力が成立してしまったりする。
とにかく、あの幕を何とかしないとどうしようもない。ドラゴンが再びこちらに向かって突進の準備を整える前に、自分は三本の矢を番えて放つ。アーツこそ使っていないが、本気で射殺すための射撃だったのだが……膜は容易く矢を防いだ。いや、厳密には水の膜の波が矢の勢いを殺し、膜そのものが受け流すような役割を担ったと言うべきか。
(トップクラスに厄介だなこれ!? 近距離は危険すぎて、遠距離は軽減する。他のプレイヤーはこんな試練をすでに超えているのか?)
このドラゴン、本当に厄介だ。魔法障壁に水の膜と、自分を包んで防御を維持しながら攻撃してくる能力が非常に高い。自分の手持ちでは──あれぐらいしか有効打が無いような気がする。貰ったばっかりの能力をもう使うのも気が引けるが……使ってこそ技術は意味があるともいうし、いいか。
もう一回ドラゴンの突進を何とか回避した自分は、五〇〇階の試練の突破した時にもらった瞑想のチョーカーにある能力の一つ、《ジェルスパーク》を使用する。五〇〇階で散々苦戦させられた雷撃入りの水球である。あのブルードラゴンの水の膜に触れても、電撃ならば通るはず。もちろん、あの幕が超純水という水の不純物を取り除いた絶縁体だったら効かないが……
三個浮かんだ《ジェルスパーク》を、三回目のブルードラゴンの突進に合わせて放つ。何せ的自体はでかい。なんなら発射せずにドラゴンの突進してくると予想されているライン上に置いておくだけでもいいほどだ。さて、後は効いてくれるかどうかだが……《ジェルスパーク》が当たったと同時に、膜の表面に無数の雷撃が走った。
それだけで終わった。ドラゴンの絶叫なども聞こえてこない。こりゃ不発か? そう思ったのだが、ポン! と軽い音と共に水の膜が破裂した。なるほど、雷系のダメージがあの幕に行くと割れるっていう弱点があったんだな。自分は単純に、水に通じるなら雷系か? という軽いイメージだったんだが……なんにせよ、あの幕が無いのであれば!
すかさず五本の矢を番えて放つ。ドラゴンもこちらの攻撃に気が付いて回避行動をとったが、五本中三本がドラゴンの鱗を貫いて体に突き立った。かなり深く刺さったので、ドラゴンの表情がゆがむ。ただ刺さった場所が胴体部分だったためなのか、悲鳴を上げさせるほどのダメージは無かったらしい。
だが有効打には違いない。再び自分は矢を番えて放つが、流石にそれは食らいたくないとばかりに再び膜を展開するブルードラゴン。ふむ、あの幕をはがせるのは大体三十秒ぐらい? で、またあの幕をはがすために雷属性の魔法を膜に当てなきゃいけない、と。こっちの雷系魔法は《ジェルスパーク》しかない。上手くやらないと、次は当たってくれないだろうな。
まあ、それは向こうも同じだったようで。幕こそ張ったは良いが、むやみと突進すればあの雷撃を喰らって守りが解ける。膜が解ければ己の鱗を破る矢が飛んでくる。そうなればいつかは自分が倒される、故にあの雷撃を受ける訳にはいかない──そうなれば当然、にらみ合いになってしまう。
お互いにちょっとした魔法や矢は打ち合うが……先ほどまでの戦いから完全に変わって、停滞した戦いになってしまった。お互いに決め手はあるんだが、その手に対してのカウンターが存在するためうかつに仕掛けられない。自分も向こうも、ここからどう自分にとって有利な状況にもっていくべきかと考える。
しかし、ここで待ったがかかった。かけたのは当然この七〇〇階の試練の管理者だ。当然自分も、ドラゴンも彼女を見る。
「そこまでです。これ以上はお互いが見合って動かないだけになると判断しました。それに、戦いぶりから貴方はこの先に進むに値する人物であると判断できるだけの材料も得ました。よって、七〇〇階の試練を突破したと判断します」
あれ、合格? てっきりこのブルードラゴンを倒さなければダメだって判断されると思っていたんだが。
「やっぱり貴方は色々とおかしい。上からの指示に従って、普通より二回りほどレベルを上げた子を投入したわけですが……なぜここまでソロでやれるんですか。水の膜を割った《ジェルスパーク》、それを伝授されているのもおかしいですし……このまま続ければ、きっと貴方は時間はかかれどあの子を倒してしまうでしょう。それは困ります、今後の試練でもあの子には頑張ってもらわなければならないのですから」
なるほど、試験に重要な役割を担うドラゴンの消耗を嫌ったという点もあるのか。確かに自分の矢はドラゴンの鱗を貫ける。なので、戦いの展開によっては自分が戦っていたドラゴンにトドメを入れる結末もありうる。が、それをされると今後の試練に響くからやめてくれって事ね……まあ、こちらは突破できれば文句はないよ。
殺気を完全になくしたドラゴンが自分の近くに顔を寄せてから軽く頭を下げてきたので、自分も一礼。お互いに敬意を払った。だが、正直あそこでストップがかからずに戦い続けたら、自分は勝てただろうか? 正直、過去に戦ったあのグリーンドラゴンの長老とは比べること自体失礼になるぐらい強かった。こちらが負けた可能性も十分にある。
「正直、なぜそれが出来るのか訳が分かりません……いくら殺気を収めたと言っても相手はドラゴンですのに……ここに来た皆さんの大半はい突破しないしたに関わらず、戦いの後でもドラゴンに怯えるような方が大半でしたのに。しかもパーティを組まずソロという心細さもあるはずですのに……」
小声で言ってるようだけど、聞こえているからねー。あと、ドラゴン以上の化け物と戦った事がある上に、ソロにもう完全になれているから心細さなんてものがハナからないってのも、こうやってドラゴンを目の前にしても敬意を払いあえる理由じゃないかな……そもそも、レッドドラゴンの王様と直接話をしたことも一回や二回じゃきかないからね。
「まあ、その、なんといいますが。私はこの塔の外でやってきた冒険でも、周囲の人からお前はおかしいと言われるような事を多々やってきてしまっていますので」
自分の返答を聞いて、自分が小声とはいえ口にしてしまった事を聞かれていたことを察して、顔を覆う管理者。何も言わない方が良かったかな……意地悪をしたつもりはなかったんだけど。
「はあ。でも、理解できました。きっと私達の主が願っている事を叶えてくれるのはきっと貴方のような方なのでしょう。残り三〇〇階ですが、貴方なら登り切れると信じています。ソロで、ね」
その言葉と共に、球体の記録装置が姿を現した。後はあの装置に触れば今日の塔攻略はお終いとなる。
「個人的に応援させていただきますよ。私には貴方に渡せるような力はありませんが……応援ぐらいは出来ますので。それでは、記録だけはお忘れになりませんように」
そんな彼女とドラゴンの目の前で記録し、塔を出る。出る直前まで、管理者の彼女と、ブルードラゴンが自分に手を振ってくれていた。どうやら彼女だけでなくドラゴンも自分を応援してくれるようだ。ならあと三〇〇階、期限内に必ず登り切らなければ格好という物がつかないな。頑張らなきゃ。
******
年末が迫ってきました。年を越すために様々な作業に追われております。
ですので、今後はしばらく不定期更新とさせていただきます、ご了承ください。
153
お気に入りに追加
26,943
あなたにおすすめの小説
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
元聖女だった少女は我が道を往く
春の小径
ファンタジー
突然入ってきた王子や取り巻きたちに聖室を荒らされた。
彼らは先代聖女様の棺を蹴り倒し、聖石まで蹴り倒した。
「聖女は必要がない」と言われた新たな聖女になるはずだったわたし。
その言葉は取り返しのつかない事態を招く。
でも、もうわたしには関係ない。
だって神に見捨てられたこの世界に聖女は二度と現れない。
わたしが聖女となることもない。
─── それは誓約だったから
☆これは聖女物ではありません
☆他社でも公開はじめました
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。