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痛みを知ってもらう
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カウントダウンが終わると同時に、自分に向かって突っ込んでくる相手。上段からのまっすぐな一撃だが、自分はこれを横に軽く飛んで回避。振り下ろされた大太刀は地面にぶつかって金属特有の音を立てる。では反撃をと行動に移ろうとした瞬間、相手は何と大太刀の腹で殴りつけるように振るってきた。
まだ反撃に移り切ってはいなかったので行動を中止し、回避行動をとった。しかし、ずいぶんと乱暴すぎる攻撃のやり方だ。あんな扱いをしていたら、大太刀が泣くぞ。一方で相手は自分が手を出せずに回避に専念しているように見えたのか、気を良くしたようで次々と大太刀を振るってくるのだが──
(何この人。大太刀というか、刃のある武器の基本すらできていない?)
何というか、大太刀を鉄パイプとでも勘違いしているような……刃を相手に向けずにとにかく振り回してくるのである。それが大太刀の腹だろうが峰だろうが一切お構いなし。あまりにもその酷い剣技と表現したくもない振り回し方に内心で自分は呆れてしまっていた。
(こんな使い方をしていたら、大太刀にいくら耐久力があったってすぐにがたが来るよ。あまりにもひどすぎる、なんでこんな人が塔に登っている? 塔に登る前に、基礎を覚えるべきじゃないのか? それとも、このやり方でも登ってこれるだけの何かを持っていると言う事なのか?)
振り回される大太刀をガナードで丁寧に受け流したりはじき返しながらも一応警戒。そのまま数合遣り合った後、相手は後ろに大きく飛んで距離を取った。何か、するつもりか?
「そろそろ起きろ。血を吸わせてやるからよ!」
相手がそう言うと、大太刀に変化が現れた。柄から三本追加で刃が生えてきたのである。生えてきた刃は元の刃の上と左右に展開。これで四方向どの向きにも刃がある大太刀……の様な武器となった。あれも、魔剣の能力なのか? 正直妖刀だろう……血を吸わせる、なんてことまで言っていたしな。
「さて、準備運動はここまでだ。こいつの本領を見せてやるよ! なに、痛いのはそう長くないから安心しろ!」
言うが早いか、またしても突っ込んでくる相手。が、こちらとしては素直に着られてやる理由もないしぶっ飛ばすと決めている。ならば、そろそろ本格的に反撃してもいいだろう。ここまでの戦いで相手の力量はある程度把握できた。カザミネに比べると数段落ちる、というかこんな奴と比べたらカザミネに失礼だよね。ごめんなカザミネ。
突き攻撃を放ってきたので左に回避しながら、ガナードを一旦鞘に納めた。自分が回避した方向に向かって、突き攻撃の硬直が解けた相手が大太刀のような四枚刃の武器を自分に向けて振るってくる──が、遅すぎる。振り切られる前に、鞘に納めたガナードを抜き放ちながらカウンターの一閃を放ちつつ相手から見て左側を駆け抜けた。
「ぐおっ!?」
反撃されるとは思っていなかったのだろう、もろに自分の攻撃を受けた相手が苦悶の声を上げる。すかさず振り返ると、斬られた部分に左手をあてている……隙だらけ。当然自分はガナードを伸ばし、相手の脳天めがけて突き刺す。これが直撃し、相手の頭部を貫通。引き抜くときに捻じるような回転を加えて追撃のダメージを増やした。
「なん、だと?」
そんな疑問の声を出し、彼は倒れて消えた。まず、これで一本目。痛みを覚えたからと言って、あんな隙を晒すとは……さて、今回はこれで終わりではない。もう一本取らなきゃ終わらないんだよね。今度はレガリオンで行こう……二つのスネークソードを合体させて、レガリオンへと変化させる。
「俺が負けた? いや、一回はまぐれって言葉もある! それにお前の手の内も知れた、次はもう引っかからねえぞ! って、なんだよその武器」
復活した相手がやかましい。応える義務なんて当然ないので、カウントダウンが始まるまで無言を貫かせてもらう。そしてカウントダウンが始まると、相手もやっと静かになった。はあ、よくもまああれだけ喋れるものだと逆に感心する。さて、再び始まったPvPだが、流石に今度は開いても突っ込んでこない。カウンターを警戒するぐらいは流石にしてくるよな。
(なら、今度はこちらから攻めるべきだな)
レガリオンを一回軽く振り、相手に向かって進む。速度は小走りするぐらいの速度だろうか? ある程度間合いが詰まったところで、相手は突きを繰り出してきた。なるほど、置いてきたか。が、モーションが丸見えかつ遅い。ぎりぎりまで引き付けてから回避し、レガリオンで素早く数回相手を切り付ける。
「ぐあああああっ!?」
一瞬で複数個所を切り刻まれた相手は大きな声を上げた。が、自分はそこにさらに数回追加で相手を切り刻む。わざと手加減した威力で。ツヴァイに嫌な思いをさせたんだし、このラウンドを取ったらPvPが終わってしまうからちょっと意図的に長引かせたいのだ。痛みを味わってもらわないとね。
「てめえっ!」
痛みをこらえつつも反撃を繰り出してくる相手だが、攻撃の型も何もあったもんじゃない、滅茶苦茶な攻撃を繰り返すばかり。そんなただ子供が棒きれをただ振り回すかのような攻撃が、いまさら通じるはずもない。特に振りの角度が悪くて勢いがなさそうな一撃を狙ってはじき返し、生まれた隙にまた数回軽めに攻撃をあてる。
この時点で相手はあちこちから出血しており、赤い甲冑は血まみれとなってどす黒い赤い色へと変色していた。息も絶え絶えで、自分を睨みつけてくる。
「なんでだ……こんな弱そうな、ぼろきれみたいな外套を羽織っている奴が何で……」
それは、あんたの人を見る目が曇り切っているからじゃないのかね? 恐らく、グラッドなんかの有名どころは抑えているんだろうが、それ以外のあまり表に出てこない人を見る目は無いんだろうなぁ。だから、自分のような人間を弱いと判断するんだろう。後、ぼろきれのように見えているこの外套はそう言う認識阻害効果がかかっている為にそう見えるだけだ、無論教えたりしないが。
「認めねえぞ、俺の方がこんな奴よりはるかに──」「もう静かにして欲しい」
ぎゃあぎゃあうるさいので、とどめを刺してしまった。首を刎ねてしまったのである。まあいいか、十分に痛めつけられたし。これ以上は流石にやり過ぎだろう。後は相手の負け惜しみの一言でも聞いて見送ればいい……そう思っていたのだが、更にこいつはPvP終了後に自分に向かって突っかかってきた。
「おかしい! お前の様な奴がなぜ俺に勝てる! チートかクラックでもしてんじゃねえだろうな!」
おいおい、負けたからって今度はこちらをチーター扱いですか。流石にこんな事まで言われたらこちらも黙ってはいられない。ゲームマスターを呼び出して、自分が不正に手を染めていない事を宣言してもらおうとした所で、聞き覚えのある声が飛んできた。
「そいつはチートなんかしてねえぞ。純粋に実力の差だな。むしろ、かなり手加減してたぞ」
その声が聞こえてきた方に振り向くと、そこにはグラッドのパーティメンバーであるレンジャーのジャグドと魔法使いのガルがいた。もしかして、PvP前に失笑していたのはこの二人か? この二人には、自分の実力は完全に把握されている。だから、かなり手加減していたって事もバレバレだ。
「そうだね、スネークソードだけしか使ってなかったし……変則二刀流すらしてなかった。本気のほも出してない感じだったね」
と、ガルが先ほどの戦いの自分はそう表現した。まあ、その通りなんだけど。
「え、なんでグラッドパーティの二人がこんな場所に……というか、どうしてそんな事が言える!」「そりゃ、ジャグドとはPvPをやった事があるからだな。PvPだけじゃなく共闘経験もある」
PvPの相手として戦っていた男性プレイヤーの言葉に、自分がそう返答した。その自分の返答を聞いて、男性プレイヤーだけじゃなく周囲のプレイヤーがジャグドを見るが……
「ああ、その通りだ。ちなみにPvPをやった時は俺が負けた。あの時の俺に対して使った戦い方に比べれば、目いっぱい手加減したやり方だったと俺が保証してやるよ」
ニヤリと口元を歪めたジャグドの言葉に、今度は自分に視線が集まった。あちこちから「あのジャグドに勝った!?」「マジかよ」「俺も勝負してもらったが、何もさせて貰えずに負けたぞ」なんて声が飛び交い始める。あの時は負けられない戦いだったので、健在だった真同化の能力をフルに使っただまし討ちみたいなもんだったけどな。
「ま、そう言う訳だ。それでも信じられねえってんなら──今度は俺がPvPの相手になるぜ? 一〇〇回でも一〇〇〇回でもいい、お前の心が折れる場で遠慮なく擦り潰させてもらうぜ?」
なんて言葉を、ジャグドが自分と戦っていた男性プレイヤーに向けて威圧感と共に発したもんだから……向こうは一目散に逃げだしてしまった。やれやれ、逃げ足だけは異様に速いな。なんにせよ、これで終わったか。
「ジャグド、済まない。助かったよ」「何言ってんだ、お前が本気でやれば俺以上のえぐい手段で袋叩きにできるだろうが」
ジャグドにお礼を言うと、そんな事を言われてしまった。うーん、そこまで言われるほどの手段が自分の中にあるかな……魔王になってボコれば、かなりひどい絵面になるとは思うけれど。そしてまたジャグドの言葉によって、周囲から「あれ以上……」「ジャグドがそこまで言うのか」なんて声がまた聞こえてくる。
「まさかたまたま通りがかった場所で、こんな面白いものが見れるなんてね。それじゃ僕達は行くよ。アース、またね」
ガルの言葉にジャグドも頷き、二人は再び塔に入っていった。ここに居たのは消耗品の買い出しだったのだろう。さて、自分もログアウトしようか。ここに居たら、好奇の目で見られ続ける事にしかならんし。それに明日はいよいよ五〇〇階に挑むんだ。そっちの方に集中しないとね。
まだ反撃に移り切ってはいなかったので行動を中止し、回避行動をとった。しかし、ずいぶんと乱暴すぎる攻撃のやり方だ。あんな扱いをしていたら、大太刀が泣くぞ。一方で相手は自分が手を出せずに回避に専念しているように見えたのか、気を良くしたようで次々と大太刀を振るってくるのだが──
(何この人。大太刀というか、刃のある武器の基本すらできていない?)
何というか、大太刀を鉄パイプとでも勘違いしているような……刃を相手に向けずにとにかく振り回してくるのである。それが大太刀の腹だろうが峰だろうが一切お構いなし。あまりにもその酷い剣技と表現したくもない振り回し方に内心で自分は呆れてしまっていた。
(こんな使い方をしていたら、大太刀にいくら耐久力があったってすぐにがたが来るよ。あまりにもひどすぎる、なんでこんな人が塔に登っている? 塔に登る前に、基礎を覚えるべきじゃないのか? それとも、このやり方でも登ってこれるだけの何かを持っていると言う事なのか?)
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「そろそろ起きろ。血を吸わせてやるからよ!」
相手がそう言うと、大太刀に変化が現れた。柄から三本追加で刃が生えてきたのである。生えてきた刃は元の刃の上と左右に展開。これで四方向どの向きにも刃がある大太刀……の様な武器となった。あれも、魔剣の能力なのか? 正直妖刀だろう……血を吸わせる、なんてことまで言っていたしな。
「さて、準備運動はここまでだ。こいつの本領を見せてやるよ! なに、痛いのはそう長くないから安心しろ!」
言うが早いか、またしても突っ込んでくる相手。が、こちらとしては素直に着られてやる理由もないしぶっ飛ばすと決めている。ならば、そろそろ本格的に反撃してもいいだろう。ここまでの戦いで相手の力量はある程度把握できた。カザミネに比べると数段落ちる、というかこんな奴と比べたらカザミネに失礼だよね。ごめんなカザミネ。
突き攻撃を放ってきたので左に回避しながら、ガナードを一旦鞘に納めた。自分が回避した方向に向かって、突き攻撃の硬直が解けた相手が大太刀のような四枚刃の武器を自分に向けて振るってくる──が、遅すぎる。振り切られる前に、鞘に納めたガナードを抜き放ちながらカウンターの一閃を放ちつつ相手から見て左側を駆け抜けた。
「ぐおっ!?」
反撃されるとは思っていなかったのだろう、もろに自分の攻撃を受けた相手が苦悶の声を上げる。すかさず振り返ると、斬られた部分に左手をあてている……隙だらけ。当然自分はガナードを伸ばし、相手の脳天めがけて突き刺す。これが直撃し、相手の頭部を貫通。引き抜くときに捻じるような回転を加えて追撃のダメージを増やした。
「なん、だと?」
そんな疑問の声を出し、彼は倒れて消えた。まず、これで一本目。痛みを覚えたからと言って、あんな隙を晒すとは……さて、今回はこれで終わりではない。もう一本取らなきゃ終わらないんだよね。今度はレガリオンで行こう……二つのスネークソードを合体させて、レガリオンへと変化させる。
「俺が負けた? いや、一回はまぐれって言葉もある! それにお前の手の内も知れた、次はもう引っかからねえぞ! って、なんだよその武器」
復活した相手がやかましい。応える義務なんて当然ないので、カウントダウンが始まるまで無言を貫かせてもらう。そしてカウントダウンが始まると、相手もやっと静かになった。はあ、よくもまああれだけ喋れるものだと逆に感心する。さて、再び始まったPvPだが、流石に今度は開いても突っ込んでこない。カウンターを警戒するぐらいは流石にしてくるよな。
(なら、今度はこちらから攻めるべきだな)
レガリオンを一回軽く振り、相手に向かって進む。速度は小走りするぐらいの速度だろうか? ある程度間合いが詰まったところで、相手は突きを繰り出してきた。なるほど、置いてきたか。が、モーションが丸見えかつ遅い。ぎりぎりまで引き付けてから回避し、レガリオンで素早く数回相手を切り付ける。
「ぐあああああっ!?」
一瞬で複数個所を切り刻まれた相手は大きな声を上げた。が、自分はそこにさらに数回追加で相手を切り刻む。わざと手加減した威力で。ツヴァイに嫌な思いをさせたんだし、このラウンドを取ったらPvPが終わってしまうからちょっと意図的に長引かせたいのだ。痛みを味わってもらわないとね。
「てめえっ!」
痛みをこらえつつも反撃を繰り出してくる相手だが、攻撃の型も何もあったもんじゃない、滅茶苦茶な攻撃を繰り返すばかり。そんなただ子供が棒きれをただ振り回すかのような攻撃が、いまさら通じるはずもない。特に振りの角度が悪くて勢いがなさそうな一撃を狙ってはじき返し、生まれた隙にまた数回軽めに攻撃をあてる。
この時点で相手はあちこちから出血しており、赤い甲冑は血まみれとなってどす黒い赤い色へと変色していた。息も絶え絶えで、自分を睨みつけてくる。
「なんでだ……こんな弱そうな、ぼろきれみたいな外套を羽織っている奴が何で……」
それは、あんたの人を見る目が曇り切っているからじゃないのかね? 恐らく、グラッドなんかの有名どころは抑えているんだろうが、それ以外のあまり表に出てこない人を見る目は無いんだろうなぁ。だから、自分のような人間を弱いと判断するんだろう。後、ぼろきれのように見えているこの外套はそう言う認識阻害効果がかかっている為にそう見えるだけだ、無論教えたりしないが。
「認めねえぞ、俺の方がこんな奴よりはるかに──」「もう静かにして欲しい」
ぎゃあぎゃあうるさいので、とどめを刺してしまった。首を刎ねてしまったのである。まあいいか、十分に痛めつけられたし。これ以上は流石にやり過ぎだろう。後は相手の負け惜しみの一言でも聞いて見送ればいい……そう思っていたのだが、更にこいつはPvP終了後に自分に向かって突っかかってきた。
「おかしい! お前の様な奴がなぜ俺に勝てる! チートかクラックでもしてんじゃねえだろうな!」
おいおい、負けたからって今度はこちらをチーター扱いですか。流石にこんな事まで言われたらこちらも黙ってはいられない。ゲームマスターを呼び出して、自分が不正に手を染めていない事を宣言してもらおうとした所で、聞き覚えのある声が飛んできた。
「そいつはチートなんかしてねえぞ。純粋に実力の差だな。むしろ、かなり手加減してたぞ」
その声が聞こえてきた方に振り向くと、そこにはグラッドのパーティメンバーであるレンジャーのジャグドと魔法使いのガルがいた。もしかして、PvP前に失笑していたのはこの二人か? この二人には、自分の実力は完全に把握されている。だから、かなり手加減していたって事もバレバレだ。
「そうだね、スネークソードだけしか使ってなかったし……変則二刀流すらしてなかった。本気のほも出してない感じだったね」
と、ガルが先ほどの戦いの自分はそう表現した。まあ、その通りなんだけど。
「え、なんでグラッドパーティの二人がこんな場所に……というか、どうしてそんな事が言える!」「そりゃ、ジャグドとはPvPをやった事があるからだな。PvPだけじゃなく共闘経験もある」
PvPの相手として戦っていた男性プレイヤーの言葉に、自分がそう返答した。その自分の返答を聞いて、男性プレイヤーだけじゃなく周囲のプレイヤーがジャグドを見るが……
「ああ、その通りだ。ちなみにPvPをやった時は俺が負けた。あの時の俺に対して使った戦い方に比べれば、目いっぱい手加減したやり方だったと俺が保証してやるよ」
ニヤリと口元を歪めたジャグドの言葉に、今度は自分に視線が集まった。あちこちから「あのジャグドに勝った!?」「マジかよ」「俺も勝負してもらったが、何もさせて貰えずに負けたぞ」なんて声が飛び交い始める。あの時は負けられない戦いだったので、健在だった真同化の能力をフルに使っただまし討ちみたいなもんだったけどな。
「ま、そう言う訳だ。それでも信じられねえってんなら──今度は俺がPvPの相手になるぜ? 一〇〇回でも一〇〇〇回でもいい、お前の心が折れる場で遠慮なく擦り潰させてもらうぜ?」
なんて言葉を、ジャグドが自分と戦っていた男性プレイヤーに向けて威圧感と共に発したもんだから……向こうは一目散に逃げだしてしまった。やれやれ、逃げ足だけは異様に速いな。なんにせよ、これで終わったか。
「ジャグド、済まない。助かったよ」「何言ってんだ、お前が本気でやれば俺以上のえぐい手段で袋叩きにできるだろうが」
ジャグドにお礼を言うと、そんな事を言われてしまった。うーん、そこまで言われるほどの手段が自分の中にあるかな……魔王になってボコれば、かなりひどい絵面になるとは思うけれど。そしてまたジャグドの言葉によって、周囲から「あれ以上……」「ジャグドがそこまで言うのか」なんて声がまた聞こえてくる。
「まさかたまたま通りがかった場所で、こんな面白いものが見れるなんてね。それじゃ僕達は行くよ。アース、またね」
ガルの言葉にジャグドも頷き、二人は再び塔に入っていった。ここに居たのは消耗品の買い出しだったのだろう。さて、自分もログアウトしようか。ここに居たら、好奇の目で見られ続ける事にしかならんし。それに明日はいよいよ五〇〇階に挑むんだ。そっちの方に集中しないとね。
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