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変化球にも程がある
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五つ目の部屋へと歩を進める。当然のように出入り口が封鎖されてモンスターが現れるのだが……姿を現したのは、一人の幼い少女。武器などは一切持っていない……暗器を持っている可能性はあるから油断はできないが。純白のショートカット、服は龍の国の一般の人が来ていたような着物姿。目はエメラルドのように輝き、ここだけが妙に派手だ。
「ようこそ、いつつめの部屋へ。ここでは私と戦ってもらう訳だけど、ここの勝負方法を行う前に準備があるからちょっとだけ待ってね」
なんでこんな幼い少女……幼女が出てきたのか? という自分とおそらく同行者が同時に抱いた大きな疑問など知った事かとばかりに、幼女がこの部屋の突破条件を話し始める。用意されたのは一つの木箱。そしてその木箱の前後に座布団。その上に叩くとピコッと音がするあのハンマーと、工事作業員が身に着けるようなヘルメットが置かれる。まさか、これは。
「私とじゃんけんをして、勝ったらこのハンマーでたたく。負けたらヘルメットをかぶって防御する。それを繰り返して三回私にたたかれる前に私をたたけたらそちらのお兄ちゃんたちの勝利。簡単でしょ? もちろんお兄ちゃん達が勝ったら素直に部屋の扉を開けるよ」
うわあ、いろんな言い方はあるが有名なゲームをここで持ち出してくるとは。しかも相手は幼女、人によっては叩く事を躊躇してしまうだろう。そう、NOタッチな文化を持つ方々は特に。
「──ルールは分かったが……何か罠がある可能性は?」「罠はないです……ね。ですが、彼女のルールに従わなかった場合は、どうなるかわかりません。ここは大人しく、ルールに従った方が良いと思います」
現時点では、同行者に伝えた通り一切の罠はない。だが、彼女のルールに従わず武器で攻撃したりしたらどうなるかは分からない。ここは素直にルールに従って、突破を狙った方がよさそうだと判断する。
「じゃあ、先に俺が行く。こんなルールを出してきたんだ、絶対あのゲームには自信があるタイプだ。油断はできないな」
と、同行者が武器をしまった後に座布団へと腰を下ろした。自分は右斜め後ろぐらいの場所に陣取って勝負を見守る事にした。
「じゅんびは良いのかな? あ、言い忘れてたけどこのハンマーでたたかれるとかなりいたいよ? だからちゃんとじゃんけんに負けたら防ぎょした方が良いって言っておくね」
うわぁ、始める直前にそんな事を。だが、そうするとあのハンマーは見た目通りの物じゃないのか? 気になったので待ったを掛けさせてもらった。
「そのハンマー、勝負の前にちょっとだけ触らせてもらえないかな?」「いいよー?」
許可が出たので持ってみる。軽く振ってみる。うん、軽い。おもちゃのハンマーとたぶん重量は変わらないんじゃないかな……ただ、殴った時に何らかの効果が出るタイプなのかもしれない。確認できたので、同行者に手渡して彼にも確認してもらう。
「うん、普通のおもちゃにあるハンマーだな……こうやって持つ分には。だが、これで叩いたら、もしくは叩かれたら何かあるって事か」
そして、彼はハンマーを箱の上に置いた。自分は後ろに下がって今度こそ勝負を見まもる。
「じゃ、始めて良いかな?」「ああ、確認もしたし心の準備もできた。始めようぜ」
そして行われるじゃんけん。今回勝ったのは同行者。すばやくハンマーを掴んで幼女の頭にピコッと一撃。見事に決まった! が、一撃を受けた幼女は地面をゴロゴロと転がりながら頭を押さえている。オーバーリアクション? それとも本当に痛い?
「よーしゃないー」「過去、この世界の幼女にはひどい目にあわされたからな。敵として出てくるなら加減などしないぜ」
何があったんだ、彼の過去のワンモアに。自分がこの世界で見た幼女って言うと、龍ちゃんとか龍の試練に出てきたあの神龍様の欠片とか……ああうん、自分も幼女だからって加減する事など出来そうにないわ。
それはさておき、次の勝負。勝ったのは幼女側。同行者は急いでヘルメットをかぶろうとしたが、兜をかぶったままなので少しもたついた。もちろん、それを逃がしてくれるような幼女ではない。ハンマーのピコっとした一撃が彼の頭に命中する。すると──
「うああああ!? めっちゃ痛いぞこれええええええ!?」
今度は彼が頭を押さえて転がりまわる。一方でハンマーをあてた幼女はどや顔でこう一言。
「だから言ったでしょー? このハンマーでたたかれたらかなり痛いよって」
どうやら最初の幼女の行動はオーバーリアクションでも何でもなく、本当に痛かったからこそ行ってしまった行為である様だ。現に、同行者の彼が居たくないのであるなれば、あそこまで痛い痛いと言いながら転がり廻る理由が無い。それから数秒後、痛みが引いたようで彼は再び座布団に座った。
「かなりじゃすまない痛さだったんだが。なんにせよ、兜をつけたままってのを失念してたぜ……脱がなきゃまずいな」
そう口にした後、彼は兜を脱ぐ。うお、すごい超絶美形なアバターだ。少女漫画に出てきそうな整った目鼻立ちに、切れのある長めの目。そして髪は美しく輝く銀髪のロング。これはイケメンじゃなきゃ許されない髪型だな。
「これで良し。それじゃあ続けようか」「おにーちゃんも本気になってきたね? 良いよ、勝負は本気でやってこそ面白いんだもん。じゃあいくよ!」
この幼女、好戦的である。なんにせよ次だ。二回あいこになった後、三回目で同行者がじゃんけんに勝利。すかさずハンマーで叩こうとするが、ここは幼女のヘルメット防御に阻まれる。その次は幼女がじゃんけんに勝ったが、同行者がヘルメットで防御する事に成功した。あの様子から、あのハンマーによる一撃は相当痛いんだなと嫌でも理解させられる。
「お兄ちゃん、いい防御だね」「もう一回なぐられるのは絶対に嫌だからな! そりゃ本気になるさ!」
二人の間に漂うオーラがマジである。お互いじゃんけんに負けたり買ったりしているが、全力の防御が展開されており、均衡がなかなか破られない。だが、遂に打ち破る一撃が同行者に命中した。頭を押さえて転がる同行者、鼻息荒くどや顔をする幼女。
「い、一回目より痛いぞこんちくしょう……」「これで私の勝利にリーチだよ! 後一回私がお兄ちゃんの頭を叩けたら勝ちだもんね!」「絶対勝つ……痛てえよぅ……」
そこから、同行者の彼が放つオーラがまさに鬼気迫るモノだと表現するに相応しいものだった。じゃんけんから攻撃、防御に至るまですべてにおいて本気を越えた本気と言われても納得するぐらいの気迫、そして行動速度。その甲斐あって、幼女に二回目の攻撃を叩き込むことに成功した。
「んにゃあああああああ!!!」
そんな奇声を発しながら頭を押さえてひたすら地面を転がる幼女。一方で同行者の彼は左手で右腕の力こぶが出来るあたりを抑えながら右手でガッツポーズを決めていた。そして、顔はどうよ? と言わんばかりのドヤ顔。どうやら幼女がどや顔をしていたのを見ていたらしい……意趣返しと言う事だろう。
「お兄ちゃん、容赦なさすぎ……」「そっちだって同じだろうが。絶対加減なんかしねえ」
幼女からの精神攻撃? をバッサリカットする同行者。やっぱりあのハンマー、殴られたらくっそ痛いんだな。自分もあれで殴られたくはないなぁ……なんにせよ、これで何方も勝利までリーチか。次にハンマーの一撃を叩き込めた方が勝者である。
「行くよ、お兄ちゃん」「来い、絶対に勝つ!」
バトル漫画なら、間違いなく二人は何らかの目に見える形のオーラを四方八方に放っている表現が用いられるだろう。それぐらい、これから殺し合いを始めると言われても納得してしまう闘気のぶつけ合いがそこには存在した。その勝負内容が、遊びの様なものであったとしても、あの二人には関係ないのだろう。
そして、じゃんけんによる勝負が再び行われる。両者ともに次で確実に落とすというさっきに近い闘気を感じる。そしてすかさず買った側がハンマーを振るい、負けた側は必至でヘルメットをかぶって防御する。ハンマーがヘルメットによって防御される度、なぜか先ほどまでは無かったすさまじい衝撃音と衝撃波が発生している。
(自分は何を見ているんだろう)
深く考えたら負けという先人の言葉に従い、そこら辺をバッサリ斬り捨ててただ二人の勝負を見守る。そして、何十合にもわたる戦いについに決着がつく。勝ったのは──
「ふにゃああああああ!」「よっしゃあああああ!」
同行者の彼であった。両手をまっすぐ挙げてのガッツポーズ。うん、そう言うガッツポーズを取ってもおかしくない死闘だったよ。その右手に持っているハンマーが無ければ、もっと映えたと思うんだけどね。そう自分が感想を抱いたタイミングで部屋の封鎖が解かれる。
「負けたから、やくそくどおり部屋のふうさを解いたよー……ううう、痛いよう……」
まだ痛みが続いているようで、幼女が恨めしそうな声を出す。一方で兜をかぶりなおした同行者は立ち上がった。
「とてもつらい戦いだった。だが、俺達はここで止まる訳にはいかない。進もうぜ」
うん、いいセリフなんだけど──戦った相手と内容がなぁ。そうして、自分と同行者は蹲っている幼女を後にして次の部屋へ。ホントに、この試練はいろんな意味で容赦ないな。
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現時点では、同行者に伝えた通り一切の罠はない。だが、彼女のルールに従わず武器で攻撃したりしたらどうなるかは分からない。ここは素直にルールに従って、突破を狙った方がよさそうだと判断する。
「じゃあ、先に俺が行く。こんなルールを出してきたんだ、絶対あのゲームには自信があるタイプだ。油断はできないな」
と、同行者が武器をしまった後に座布団へと腰を下ろした。自分は右斜め後ろぐらいの場所に陣取って勝負を見守る事にした。
「じゅんびは良いのかな? あ、言い忘れてたけどこのハンマーでたたかれるとかなりいたいよ? だからちゃんとじゃんけんに負けたら防ぎょした方が良いって言っておくね」
うわぁ、始める直前にそんな事を。だが、そうするとあのハンマーは見た目通りの物じゃないのか? 気になったので待ったを掛けさせてもらった。
「そのハンマー、勝負の前にちょっとだけ触らせてもらえないかな?」「いいよー?」
許可が出たので持ってみる。軽く振ってみる。うん、軽い。おもちゃのハンマーとたぶん重量は変わらないんじゃないかな……ただ、殴った時に何らかの効果が出るタイプなのかもしれない。確認できたので、同行者に手渡して彼にも確認してもらう。
「うん、普通のおもちゃにあるハンマーだな……こうやって持つ分には。だが、これで叩いたら、もしくは叩かれたら何かあるって事か」
そして、彼はハンマーを箱の上に置いた。自分は後ろに下がって今度こそ勝負を見まもる。
「じゃ、始めて良いかな?」「ああ、確認もしたし心の準備もできた。始めようぜ」
そして行われるじゃんけん。今回勝ったのは同行者。すばやくハンマーを掴んで幼女の頭にピコッと一撃。見事に決まった! が、一撃を受けた幼女は地面をゴロゴロと転がりながら頭を押さえている。オーバーリアクション? それとも本当に痛い?
「よーしゃないー」「過去、この世界の幼女にはひどい目にあわされたからな。敵として出てくるなら加減などしないぜ」
何があったんだ、彼の過去のワンモアに。自分がこの世界で見た幼女って言うと、龍ちゃんとか龍の試練に出てきたあの神龍様の欠片とか……ああうん、自分も幼女だからって加減する事など出来そうにないわ。
それはさておき、次の勝負。勝ったのは幼女側。同行者は急いでヘルメットをかぶろうとしたが、兜をかぶったままなので少しもたついた。もちろん、それを逃がしてくれるような幼女ではない。ハンマーのピコっとした一撃が彼の頭に命中する。すると──
「うああああ!? めっちゃ痛いぞこれええええええ!?」
今度は彼が頭を押さえて転がりまわる。一方でハンマーをあてた幼女はどや顔でこう一言。
「だから言ったでしょー? このハンマーでたたかれたらかなり痛いよって」
どうやら最初の幼女の行動はオーバーリアクションでも何でもなく、本当に痛かったからこそ行ってしまった行為である様だ。現に、同行者の彼が居たくないのであるなれば、あそこまで痛い痛いと言いながら転がり廻る理由が無い。それから数秒後、痛みが引いたようで彼は再び座布団に座った。
「かなりじゃすまない痛さだったんだが。なんにせよ、兜をつけたままってのを失念してたぜ……脱がなきゃまずいな」
そう口にした後、彼は兜を脱ぐ。うお、すごい超絶美形なアバターだ。少女漫画に出てきそうな整った目鼻立ちに、切れのある長めの目。そして髪は美しく輝く銀髪のロング。これはイケメンじゃなきゃ許されない髪型だな。
「これで良し。それじゃあ続けようか」「おにーちゃんも本気になってきたね? 良いよ、勝負は本気でやってこそ面白いんだもん。じゃあいくよ!」
この幼女、好戦的である。なんにせよ次だ。二回あいこになった後、三回目で同行者がじゃんけんに勝利。すかさずハンマーで叩こうとするが、ここは幼女のヘルメット防御に阻まれる。その次は幼女がじゃんけんに勝ったが、同行者がヘルメットで防御する事に成功した。あの様子から、あのハンマーによる一撃は相当痛いんだなと嫌でも理解させられる。
「お兄ちゃん、いい防御だね」「もう一回なぐられるのは絶対に嫌だからな! そりゃ本気になるさ!」
二人の間に漂うオーラがマジである。お互いじゃんけんに負けたり買ったりしているが、全力の防御が展開されており、均衡がなかなか破られない。だが、遂に打ち破る一撃が同行者に命中した。頭を押さえて転がる同行者、鼻息荒くどや顔をする幼女。
「い、一回目より痛いぞこんちくしょう……」「これで私の勝利にリーチだよ! 後一回私がお兄ちゃんの頭を叩けたら勝ちだもんね!」「絶対勝つ……痛てえよぅ……」
そこから、同行者の彼が放つオーラがまさに鬼気迫るモノだと表現するに相応しいものだった。じゃんけんから攻撃、防御に至るまですべてにおいて本気を越えた本気と言われても納得するぐらいの気迫、そして行動速度。その甲斐あって、幼女に二回目の攻撃を叩き込むことに成功した。
「んにゃあああああああ!!!」
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「お兄ちゃん、容赦なさすぎ……」「そっちだって同じだろうが。絶対加減なんかしねえ」
幼女からの精神攻撃? をバッサリカットする同行者。やっぱりあのハンマー、殴られたらくっそ痛いんだな。自分もあれで殴られたくはないなぁ……なんにせよ、これで何方も勝利までリーチか。次にハンマーの一撃を叩き込めた方が勝者である。
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そして、じゃんけんによる勝負が再び行われる。両者ともに次で確実に落とすというさっきに近い闘気を感じる。そしてすかさず買った側がハンマーを振るい、負けた側は必至でヘルメットをかぶって防御する。ハンマーがヘルメットによって防御される度、なぜか先ほどまでは無かったすさまじい衝撃音と衝撃波が発生している。
(自分は何を見ているんだろう)
深く考えたら負けという先人の言葉に従い、そこら辺をバッサリ斬り捨ててただ二人の勝負を見守る。そして、何十合にもわたる戦いについに決着がつく。勝ったのは──
「ふにゃああああああ!」「よっしゃあああああ!」
同行者の彼であった。両手をまっすぐ挙げてのガッツポーズ。うん、そう言うガッツポーズを取ってもおかしくない死闘だったよ。その右手に持っているハンマーが無ければ、もっと映えたと思うんだけどね。そう自分が感想を抱いたタイミングで部屋の封鎖が解かれる。
「負けたから、やくそくどおり部屋のふうさを解いたよー……ううう、痛いよう……」
まだ痛みが続いているようで、幼女が恨めしそうな声を出す。一方で兜をかぶりなおした同行者は立ち上がった。
「とてもつらい戦いだった。だが、俺達はここで止まる訳にはいかない。進もうぜ」
うん、いいセリフなんだけど──戦った相手と内容がなぁ。そうして、自分と同行者は蹲っている幼女を後にして次の部屋へ。ホントに、この試練はいろんな意味で容赦ないな。
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