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五階に突入
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最後の五階に突入する前に、蕎麦を食えなかった二人には蕎麦を渡しておいた。もちろん今すぐ食べ始められては困るのでアイテムボックス内に納めてもらったが。
「じゃ、頼むな。ここをクリアすればようやく試練突破だ」「ええ、一気に片を付けましょう」
最後の同行者となった軽鎧の彼の獲物は、右手にタルワール(インドなんかにある曲剣の一つ)、左手にシミターという曲剣二刀流だった。更に背中には一本の槍を背負っており、槍は大物との戦いで使用するらしい。なお、魔法は完全に切り捨てているそうな。そして2人そろって五階のダンジョンに足を踏み入れる。
「とりあえず付近に罠はありません」「よし、じゃあさっさと進むか。難易度が下がっているとしても、何があるか分からない以上は出来るだけ先を急ぎたい」
入った直後にいきなりの罠による大歓迎構成は無かった。なので前へと歩を進める。流石にある程度歩けばいくつもの罠があったが、それらはすべて自分が見切ってスルー。とりあえず序盤は嫌らしい配置などはない……難易度低下の影響かな?
「スムーズだな、それでいて罠にかかる事もない」「まあ、これぐらいなら罠の見逃しはあり得ないですね」
今の所、罠は軽く見ただけで場所が分かるから苦戦する要素が無い。これも難易度低下による影響と思われるが、この階層の罠が一番簡単に発見できる。これなら、同行者たちの試練突破はもう目前かな? だからと言って油断して自分が足を引っ張るような事になったら申し訳が立たないので、気持ちはしっかりを引き締めておくけれど。
「部屋が無いな」「足止めされないから楽と言えば楽ですけどね。でもここまでないと、逆に不安にもなります」
モンスターが沸く部屋も全く見つからない。お陰で自分と同行者はサクサク進める。多分今までの体幹で半分は踏破できたと思う。何というか、あっさり過ぎる……いくら難易度低下があったとはいえ、こうもあっさり行くのは気味が悪くなる。
「なあ、このままクリアできると思うか?」「ワンモアが、そんなすんなりとクリアさせてくれると思いますか?」「だよなぁ」
同行者も同じことを考えていたらしい。質問を質問で返してしまったが、言いたい事は十分に伝わってくれたようだ。それでも罠なりモンスターなりが現れないなら、自分達はひたすら前に向かって突き進むしかやる事が無い。後半に入って罠はある程度増えてきたが、まだまだかわいい物。回避は楽々だ。
体感で八割ぐらい過ぎたか? そう思った所でそれは来た。見通しの良い一本道の通路なので、複数の部屋がある事がわかる。もちろんこの部屋全てでモンスターが沸くのだろう……もし難易度低下が起きていなかったら、ここに来るまでに足止めされる場所が複数あったのかもしれない。
「いよいよ、本番という感じだな」「全部の部屋でモンスターが沸くとみるべきでしょうね。でも、進む以外の選択肢はありません」
そんな言葉を交わした後、お互いに頷きあって最初の部屋に足を踏み入れる。やはり入り口が閉ざされた。そして現れたモンスターは、錆びたショートソードを持つゴブリンの外見をしていた。ただ、数が多い。うじゃうじゃいるという表現がぴったりだろう。ざっと見るだけでたぶん百以上。部屋が大きいとはいえ……よくもまあここまで数をそろえた事。
「ゴブリンか、数が多いが……前に出る、打ち漏らしの始末だけ頼めるか?」「了解!」
そう言うと、同行者の彼はゴブリンに向かって突っ込んだ。右手のタルワールがゴブリンの体を切り裂き、左手のシミターで首を飛ばす。一振で確実に一殺している。そんな彼の後ろに回りこうもとするゴブリンを、自分が射貫く。とにかく大半は彼に任せればいい、自分は彼が戦いやすい様に状況を整えればいい。そうすればすぐに終わる。
多分三分かかってない、この部屋のゴブリンを全部始末するのにかかった時間は。大きな獲物で薙ぎ払うのもいいが、次々と相手を切り裂いて手早く片付ける戦士もまた格好が良い物だと再認識する戦いでもあった気がする。流れるように動き、反撃を貰うことなく次々とゴブリンを始末する彼の動きは一種の舞踏だった。
「終わったな、支援ありがとよ!」「お疲れ様です。いえ、大したことはやってませんよ」
多分撃破率は四:一だな。もちろん自分が一。でもまあ、それでいい。あくまで自分は助っ人、この試練において主人公は向こうなんだから。さて、次の部屋に進むと……今度はオークタイプか。ただ数がこれまた多い! 更にオーク達は両腕に斧を持っている……もたもたしてると押しつぶされるぞ!?
「さっきの感じで頼む! 戦いやすかった」「了解!」
今回も支援する形でやればいいか。ふむ、彼の火力も十分に足りているようだし、こちらはそんな彼の動きを邪魔するべく行動している奴と、自分に向かって持っている斧を投げてくる奴らを対処していればいいだろう。ちょいちょいと援護を送りながら、飛んでくる斧は八岐の月に付いている爪で弾き飛ばしておく。こうすれば矢を射る手を休めることなく戦える。
そして今回も三分はかからなかったんじゃないだろうか? オークレベルでも同行者の彼が持つ曲剣は一振りでオークを倒せていたからな……でも、次からはそうはいかないかもな。
「ゴブリン、オーク……そうすると次はオーガか?」「多分そこら辺でしょうねぇ。その次がエティンあたりでしょうか?」
流石にオーガランクとなれば、首を刎ねない限り一撃とはいかないだろう。まあ、ここまで同行者はアーツを一切使っていないので、アーツ次第でこちらの予想が変わる可能性は十分にある。とにかく進み、次の部屋に足を踏み入れると、予想通りにオーガが現れた。ただ体躯が大きい為、数は流石にゴブリンやオークほどの数は出てこなかったが。
「流石にそろそろアーツを使わなきゃならないか……援護は頼んだ!」「そちらの動きも分かってきたのでできるだけ合わせます! そちらはお好きにやってください!」
流石にオーガ相手に通常攻撃だけではきついか。この塔に出てくるモンスターは外の連中より強化されてるようだし……二本の曲剣が、輝きながらオーガ達の皮膚を食い破る。時には剣の先から闘気の刃も打ち出しているのが見える。アーツの声出しは小声でやっているんだろうか? 戦闘の音に紛れてうまく聞き取れない。
(まあ、それは良いか、自分もお仕事お仕事)
自分はまだまだオーバーキルな火力が出せるので──もちろん装備のお陰である──アーツはまだまだ使うつもりはない。同行者の邪魔をしようとするオーガの脳天を打ち抜き、自分に向かってきた奴は八岐の月の爪で頸動脈辺りを掻っ切る。オーガのパワーは流石だが、俊敏性はイマイチだな。自分の爪による爪攻撃があっさりと決まりまくる。
殲滅にはたぶん六分ぐらいかかっただろう。流石にオーガ相手となると多少時間がかかる。数が少なくても質は間違いなくオーガの方が上だからね。ま、こちらは被害はほぼ無しで今回も乗り切った。同行者の彼が一発だけ顎付近に攻撃を貰ってしまい、軽くふらつくシーンがあったが……持ち直してくれた。
「ちょっと危ない所があったな……焦っただろう、すまん」「気にしないでくださいよ、数がいる以上ああいう事故は仕方がないです」
オーガとオーガの隙間から、狙った……と言う訳じゃないだろうな。とにかく攻撃を振ってみたらたまたま当たってしまったという感じのオーガの一撃だからね、彼が顎に攻撃を貰ったのは。でも、ふらついたところを見てチャンスとばかりに攻め立てようとした奴らは自分がぶち抜いて阻止させてもらった。そのわずかな時間で彼はふらつきから復帰して戦いを継続した。十分過ぎる立ち回りだろう。
「気合を入れなおさせてもらうよ。さて、残りの部屋は……見た感じだと後三つか?」「三つですね、その奥はまた一本道になっているようです」
ここからは後半戦という感じだろう。さて、問題は何が出てくるかだ。少なくとも前半より厄介なのが出てくるだろう……同行者だけじゃなく自分もまた、気合を入れなおそう。何が出てきても問題なく打ち倒すために。
「じゃ、頼むな。ここをクリアすればようやく試練突破だ」「ええ、一気に片を付けましょう」
最後の同行者となった軽鎧の彼の獲物は、右手にタルワール(インドなんかにある曲剣の一つ)、左手にシミターという曲剣二刀流だった。更に背中には一本の槍を背負っており、槍は大物との戦いで使用するらしい。なお、魔法は完全に切り捨てているそうな。そして2人そろって五階のダンジョンに足を踏み入れる。
「とりあえず付近に罠はありません」「よし、じゃあさっさと進むか。難易度が下がっているとしても、何があるか分からない以上は出来るだけ先を急ぎたい」
入った直後にいきなりの罠による大歓迎構成は無かった。なので前へと歩を進める。流石にある程度歩けばいくつもの罠があったが、それらはすべて自分が見切ってスルー。とりあえず序盤は嫌らしい配置などはない……難易度低下の影響かな?
「スムーズだな、それでいて罠にかかる事もない」「まあ、これぐらいなら罠の見逃しはあり得ないですね」
今の所、罠は軽く見ただけで場所が分かるから苦戦する要素が無い。これも難易度低下による影響と思われるが、この階層の罠が一番簡単に発見できる。これなら、同行者たちの試練突破はもう目前かな? だからと言って油断して自分が足を引っ張るような事になったら申し訳が立たないので、気持ちはしっかりを引き締めておくけれど。
「部屋が無いな」「足止めされないから楽と言えば楽ですけどね。でもここまでないと、逆に不安にもなります」
モンスターが沸く部屋も全く見つからない。お陰で自分と同行者はサクサク進める。多分今までの体幹で半分は踏破できたと思う。何というか、あっさり過ぎる……いくら難易度低下があったとはいえ、こうもあっさり行くのは気味が悪くなる。
「なあ、このままクリアできると思うか?」「ワンモアが、そんなすんなりとクリアさせてくれると思いますか?」「だよなぁ」
同行者も同じことを考えていたらしい。質問を質問で返してしまったが、言いたい事は十分に伝わってくれたようだ。それでも罠なりモンスターなりが現れないなら、自分達はひたすら前に向かって突き進むしかやる事が無い。後半に入って罠はある程度増えてきたが、まだまだかわいい物。回避は楽々だ。
体感で八割ぐらい過ぎたか? そう思った所でそれは来た。見通しの良い一本道の通路なので、複数の部屋がある事がわかる。もちろんこの部屋全てでモンスターが沸くのだろう……もし難易度低下が起きていなかったら、ここに来るまでに足止めされる場所が複数あったのかもしれない。
「いよいよ、本番という感じだな」「全部の部屋でモンスターが沸くとみるべきでしょうね。でも、進む以外の選択肢はありません」
そんな言葉を交わした後、お互いに頷きあって最初の部屋に足を踏み入れる。やはり入り口が閉ざされた。そして現れたモンスターは、錆びたショートソードを持つゴブリンの外見をしていた。ただ、数が多い。うじゃうじゃいるという表現がぴったりだろう。ざっと見るだけでたぶん百以上。部屋が大きいとはいえ……よくもまあここまで数をそろえた事。
「ゴブリンか、数が多いが……前に出る、打ち漏らしの始末だけ頼めるか?」「了解!」
そう言うと、同行者の彼はゴブリンに向かって突っ込んだ。右手のタルワールがゴブリンの体を切り裂き、左手のシミターで首を飛ばす。一振で確実に一殺している。そんな彼の後ろに回りこうもとするゴブリンを、自分が射貫く。とにかく大半は彼に任せればいい、自分は彼が戦いやすい様に状況を整えればいい。そうすればすぐに終わる。
多分三分かかってない、この部屋のゴブリンを全部始末するのにかかった時間は。大きな獲物で薙ぎ払うのもいいが、次々と相手を切り裂いて手早く片付ける戦士もまた格好が良い物だと再認識する戦いでもあった気がする。流れるように動き、反撃を貰うことなく次々とゴブリンを始末する彼の動きは一種の舞踏だった。
「終わったな、支援ありがとよ!」「お疲れ様です。いえ、大したことはやってませんよ」
多分撃破率は四:一だな。もちろん自分が一。でもまあ、それでいい。あくまで自分は助っ人、この試練において主人公は向こうなんだから。さて、次の部屋に進むと……今度はオークタイプか。ただ数がこれまた多い! 更にオーク達は両腕に斧を持っている……もたもたしてると押しつぶされるぞ!?
「さっきの感じで頼む! 戦いやすかった」「了解!」
今回も支援する形でやればいいか。ふむ、彼の火力も十分に足りているようだし、こちらはそんな彼の動きを邪魔するべく行動している奴と、自分に向かって持っている斧を投げてくる奴らを対処していればいいだろう。ちょいちょいと援護を送りながら、飛んでくる斧は八岐の月に付いている爪で弾き飛ばしておく。こうすれば矢を射る手を休めることなく戦える。
そして今回も三分はかからなかったんじゃないだろうか? オークレベルでも同行者の彼が持つ曲剣は一振りでオークを倒せていたからな……でも、次からはそうはいかないかもな。
「ゴブリン、オーク……そうすると次はオーガか?」「多分そこら辺でしょうねぇ。その次がエティンあたりでしょうか?」
流石にオーガランクとなれば、首を刎ねない限り一撃とはいかないだろう。まあ、ここまで同行者はアーツを一切使っていないので、アーツ次第でこちらの予想が変わる可能性は十分にある。とにかく進み、次の部屋に足を踏み入れると、予想通りにオーガが現れた。ただ体躯が大きい為、数は流石にゴブリンやオークほどの数は出てこなかったが。
「流石にそろそろアーツを使わなきゃならないか……援護は頼んだ!」「そちらの動きも分かってきたのでできるだけ合わせます! そちらはお好きにやってください!」
流石にオーガ相手に通常攻撃だけではきついか。この塔に出てくるモンスターは外の連中より強化されてるようだし……二本の曲剣が、輝きながらオーガ達の皮膚を食い破る。時には剣の先から闘気の刃も打ち出しているのが見える。アーツの声出しは小声でやっているんだろうか? 戦闘の音に紛れてうまく聞き取れない。
(まあ、それは良いか、自分もお仕事お仕事)
自分はまだまだオーバーキルな火力が出せるので──もちろん装備のお陰である──アーツはまだまだ使うつもりはない。同行者の邪魔をしようとするオーガの脳天を打ち抜き、自分に向かってきた奴は八岐の月の爪で頸動脈辺りを掻っ切る。オーガのパワーは流石だが、俊敏性はイマイチだな。自分の爪による爪攻撃があっさりと決まりまくる。
殲滅にはたぶん六分ぐらいかかっただろう。流石にオーガ相手となると多少時間がかかる。数が少なくても質は間違いなくオーガの方が上だからね。ま、こちらは被害はほぼ無しで今回も乗り切った。同行者の彼が一発だけ顎付近に攻撃を貰ってしまい、軽くふらつくシーンがあったが……持ち直してくれた。
「ちょっと危ない所があったな……焦っただろう、すまん」「気にしないでくださいよ、数がいる以上ああいう事故は仕方がないです」
オーガとオーガの隙間から、狙った……と言う訳じゃないだろうな。とにかく攻撃を振ってみたらたまたま当たってしまったという感じのオーガの一撃だからね、彼が顎に攻撃を貰ったのは。でも、ふらついたところを見てチャンスとばかりに攻め立てようとした奴らは自分がぶち抜いて阻止させてもらった。そのわずかな時間で彼はふらつきから復帰して戦いを継続した。十分過ぎる立ち回りだろう。
「気合を入れなおさせてもらうよ。さて、残りの部屋は……見た感じだと後三つか?」「三つですね、その奥はまた一本道になっているようです」
ここからは後半戦という感じだろう。さて、問題は何が出てくるかだ。少なくとも前半より厄介なのが出てくるだろう……同行者だけじゃなく自分もまた、気合を入れなおそう。何が出てきても問題なく打ち倒すために。
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