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バトルメイジのスタイル
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インファイト攻撃を続ける騎士に対し、魔法使いの女性プレイヤーはまだその状況を打開できていなかった。距離を何とか開けても、両手剣を振るう前に懐に入られてしまうのでろくに振るえず。かといって攻撃魔法を放っても黄色の騎士のパンチやキックで弾き飛ばされてしまっている。更に言うなら、最初に出た魔法使いの女性プレイヤーよりも攻撃魔法の質が一ランク落ちるのも通じない理由の一つだろう。
もはや両手剣の間合いにはどうやってもさせて貰えないと武舞台の上にいる魔法使いの女性プレイヤーも考えた様で、両手剣を消してしまった。その代わり、両手に魔力で作った大きなグローブを纏った。剣がダメならば間合いが同じ打撃戦に移行する事で解決するつもりなのだろうか? 黄色の騎士は望む所だとばかりに再び間合いを詰めて右腕のストレートパンチを繰り出した──そのパンチを、魔法使いの女性プレイヤーは左手のグローブで受け止めて。
「せーの!」
右手をすかさず右手でつかんだ直後に黄色の騎士をぶん投げた。先ほどの動きの中で、パンチを受け止められた黄色の騎士が不自然に体を硬直させていた……この状況は格闘ゲームで見たことがある。そう、当身投げと呼ばれる相手の打撃を受け止めてから反撃で投げる事でダメージを与える技が決まった時の動きだ。
投げられた黄色の騎士が地面に落ちると同時に、騎士の体が爆発した。投げると同時に、相手の体にそう言う魔法を仕込んだのだろうか? 爆発によって騎士は受け身がまともに取れず、数回程横転した。なるほど、こういうバトルスタイルもとれるのか。
「彼女は、まあ、その、何だ。『魔法使いでありながら接近戦に特化するってかっこいいよねー、剣技に槍に体術に魔法を組み合わせて戦うのって気持ちいいんだー』と常日頃から言っていてな。とはいえ普段は両手剣を使うスタイルをメインで戦うんだが、それではどうにもならないとあの格闘スタイルに切り替えた様だ。なお、スキル振りがどうなっているのかは謎だ。付き合いの長い私でも、さっぱり分からん」
確かに、ちょっと想像できない。何をどうすればあんなバトルスタイルを確立できるのか……恐らく彼女も、Wikiには載っていないか、乗っていてもマイナーなスキルを組み合わせて新しいスキルを発現させて今のスタイルを作っていったんだろう。Wikiを始めとした情報に一切頼れないわけだから、あそこまで来るのは大変だっただろう。
さて、そんな彼女だが。今度は黄色い騎士のミドルキックをドラゴンスクリューでカウンターしていた。強制的に転倒させられた黄色の騎士は、突然吹き上がった炎にあぶられていた。それでもすぐさま黄色の騎士は立ち上がって炎を振り払い、今度はタックルを仕掛けてきたが……それを魔法使いの女性プレイヤーはするりと回避しながら足を引っかけて転ばす。転ばした先には氷の槍が三本生成されており、騎士の鎧を僅かではあったが貫いていた。
(投げと魔法のデュエットとは。こんな魔法の使い方もOKだというのがすごいな。無論、それを使いこなす彼女もまたすごいのだが)
その戦い方につい見入ってしまった。黄色の騎士のパンチやキックを次々と受け流したり受け止めたりした後に容赦なく投げて、追撃の魔法でさらなるダメージを蓄積させていく。本当に、いろんな戦い方があるもんだ。こんな戦い方、自分には想像する事すらできなかった。外見は完全に魔法使いなのに。
一方で、今度は黄色の騎士の攻めが鈍ってきた。ことごとく自分の打撃を返されて一方的にダメージを受ける状況に今度は自分が陥った事で、どうすればいいかの模索をしている為だろう。当然それを、対戦相手である魔法使いの女性プレイヤーが逃すはずがない。魔法のグローブで次々と殴り掛かる。
が、それらの攻撃を黄色の騎士はスウェーで、ダッキングで、ヘッドスリップで躱す躱す。魔法使いの女性プレイヤーの攻撃は決して鈍くはない。だが、それらのキレのあるパンチをすべて黄色の騎士は掻い潜る。そして、ついに反撃のカウンターを振るって──ぶっ飛ばされた。
(カウンターにカウンターを合わせて取ったぁ!?)
すごいものを見た。見事な黄色の騎士の右カウンターを左でカウンターした。右を振るう、そこに顔面を狙った黄色の騎士のカウンターが飛んでくる、が、そのカウンターを左に体を傾けながら回避し、左腕でフック気味に相手の頭の側頭部をぶん殴ったのだ。あんなカウンター有りなのか? いやしかし、目の前で現実に決めて見せたのは事実。
(こんな攻撃が出来るのに、何でミノタウロスの時はあんな危ない勝ち方をしたんだろう?)
という疑問も浮かび上がる、あんなカウンターをやれるなら、ミノタウロス戦はもっと安全かつ確実な勝ち方が出来たはずなのに。そんな疑問を抱いたことを見抜いたのか、大太刀使いの女性プレイヤーが教えてくれた。
「あの子は、かなり集中力にムラがある。だが、真に集中している時の彼女を相手にした時、私も相当に追い詰められた。あの状態の彼女は強いぞ、あんな無茶苦茶なカウンターすいら出来るぐらいにな」
ふむ、ムラがあると言うよりは本当に本気を出さなきゃいけない時だけ集中するタイプなのだろう。序盤は様子を見て、それからどれぐらい集中するかを本能的に決めている、とか。で、ミノタウロスの時はその集中予想よりもミノタウロスの方が上を行っていたみたいな感じなのだろうと予想してみる。これは自分の勝手な想像だけれども。
武舞台の上では黄色の騎士が再び立ち上がったが、明らかにダメージが見て取れる。足にかなり来ているようだ……あのカウンターをカウンターで取られたことが相当に応えたのかも。それでも戦意は失われておらず、戦いを続行するつもりのようだ。再び黄色の騎士の攻撃が行われたわけなのだ、が。
(む、あのパンチは)
かつて黄龍様との試練の時に受けた、実際の腕の長さよりもより伸びて当たるという攻撃方法を黄色の騎士が行ってきた。その攻撃に対処できず、この戦いで初めて武舞台上の魔法使いの女性プレイヤーの顔面に攻撃がまともな形で突き刺さってしまう。そのたった一発だけで、彼女の足がぐらりと揺れる。
続けての黄色の騎士のパンチが飛んできて、そのパンチを当て身しようとした魔法使いの女性プレイヤーだったが、当身出来ずに隙を晒す。その隙を逃すはずもない黄色の騎士が、再び魔法使いの女性プレイヤーの顔面にパンチを叩き込んだ。急に間合いが変わった事で、一転して攻守が入れ替わってしまった。
(しかも、明確に足に来てしまっている。あの状態で集中が切れたらそこで終わりだろう。持たせることが出来るだろうか?)
やはり、耐久力は一般的な魔法使いと変わらないようだ。そんな彼女が戦士の攻撃をまともに二回も受けると言うのはかなり致命的である。だが、その表情は恐怖や混乱に侵されておらず、しっかりと相手を見据えている。あのような顔が出来るのなら、まだ大丈夫か。だが、黄色の騎士はポーションでの回復は左遷とばかりに、再び襲い掛かってくる。
伸びる判定の攻撃を行っている為、一発一発の攻撃回転速度は下がっているようだ。それをすぐに理解したと思われる魔法使いの女性プレイヤーは、騎士の攻撃を回避することに専念していた。よけきれない攻撃は、魔法のグローブでしっかりどガードし手被害を最小限に抑える。
彼女は今、黄色の騎士の攻撃をもう一度学びなおしているのだろう。もう一度当身を決められるタイミングを掴むために。黄色の騎士の猛攻で忘れそうになるが、あちらも足に来ていたことを隠しきれていなかった。それなりのダメージは蓄積しているはずなのだ。そう考えると、この猛攻も苦し紛れという側面もあるのではないか? という考えも浮かんでくる。
(ひとつ、確実な事は……決着の時はもうすぐそこまで来ていると言う事だろうな)
お互いに、何か強烈な一撃が決まればそれが決着の一撃となるはずだ。問題は、その一撃を決めることが出来るのがどちらであるかがさっぱり分からない事だろう。互いに切っていない札が何枚あるのか、そこが勝敗を分けるだろう。武舞台上の彼女が負ければ、次は自分の出番が回ってくる。そろそろ、心の準備をしておくべきかね。
もはや両手剣の間合いにはどうやってもさせて貰えないと武舞台の上にいる魔法使いの女性プレイヤーも考えた様で、両手剣を消してしまった。その代わり、両手に魔力で作った大きなグローブを纏った。剣がダメならば間合いが同じ打撃戦に移行する事で解決するつもりなのだろうか? 黄色の騎士は望む所だとばかりに再び間合いを詰めて右腕のストレートパンチを繰り出した──そのパンチを、魔法使いの女性プレイヤーは左手のグローブで受け止めて。
「せーの!」
右手をすかさず右手でつかんだ直後に黄色の騎士をぶん投げた。先ほどの動きの中で、パンチを受け止められた黄色の騎士が不自然に体を硬直させていた……この状況は格闘ゲームで見たことがある。そう、当身投げと呼ばれる相手の打撃を受け止めてから反撃で投げる事でダメージを与える技が決まった時の動きだ。
投げられた黄色の騎士が地面に落ちると同時に、騎士の体が爆発した。投げると同時に、相手の体にそう言う魔法を仕込んだのだろうか? 爆発によって騎士は受け身がまともに取れず、数回程横転した。なるほど、こういうバトルスタイルもとれるのか。
「彼女は、まあ、その、何だ。『魔法使いでありながら接近戦に特化するってかっこいいよねー、剣技に槍に体術に魔法を組み合わせて戦うのって気持ちいいんだー』と常日頃から言っていてな。とはいえ普段は両手剣を使うスタイルをメインで戦うんだが、それではどうにもならないとあの格闘スタイルに切り替えた様だ。なお、スキル振りがどうなっているのかは謎だ。付き合いの長い私でも、さっぱり分からん」
確かに、ちょっと想像できない。何をどうすればあんなバトルスタイルを確立できるのか……恐らく彼女も、Wikiには載っていないか、乗っていてもマイナーなスキルを組み合わせて新しいスキルを発現させて今のスタイルを作っていったんだろう。Wikiを始めとした情報に一切頼れないわけだから、あそこまで来るのは大変だっただろう。
さて、そんな彼女だが。今度は黄色い騎士のミドルキックをドラゴンスクリューでカウンターしていた。強制的に転倒させられた黄色の騎士は、突然吹き上がった炎にあぶられていた。それでもすぐさま黄色の騎士は立ち上がって炎を振り払い、今度はタックルを仕掛けてきたが……それを魔法使いの女性プレイヤーはするりと回避しながら足を引っかけて転ばす。転ばした先には氷の槍が三本生成されており、騎士の鎧を僅かではあったが貫いていた。
(投げと魔法のデュエットとは。こんな魔法の使い方もOKだというのがすごいな。無論、それを使いこなす彼女もまたすごいのだが)
その戦い方につい見入ってしまった。黄色の騎士のパンチやキックを次々と受け流したり受け止めたりした後に容赦なく投げて、追撃の魔法でさらなるダメージを蓄積させていく。本当に、いろんな戦い方があるもんだ。こんな戦い方、自分には想像する事すらできなかった。外見は完全に魔法使いなのに。
一方で、今度は黄色の騎士の攻めが鈍ってきた。ことごとく自分の打撃を返されて一方的にダメージを受ける状況に今度は自分が陥った事で、どうすればいいかの模索をしている為だろう。当然それを、対戦相手である魔法使いの女性プレイヤーが逃すはずがない。魔法のグローブで次々と殴り掛かる。
が、それらの攻撃を黄色の騎士はスウェーで、ダッキングで、ヘッドスリップで躱す躱す。魔法使いの女性プレイヤーの攻撃は決して鈍くはない。だが、それらのキレのあるパンチをすべて黄色の騎士は掻い潜る。そして、ついに反撃のカウンターを振るって──ぶっ飛ばされた。
(カウンターにカウンターを合わせて取ったぁ!?)
すごいものを見た。見事な黄色の騎士の右カウンターを左でカウンターした。右を振るう、そこに顔面を狙った黄色の騎士のカウンターが飛んでくる、が、そのカウンターを左に体を傾けながら回避し、左腕でフック気味に相手の頭の側頭部をぶん殴ったのだ。あんなカウンター有りなのか? いやしかし、目の前で現実に決めて見せたのは事実。
(こんな攻撃が出来るのに、何でミノタウロスの時はあんな危ない勝ち方をしたんだろう?)
という疑問も浮かび上がる、あんなカウンターをやれるなら、ミノタウロス戦はもっと安全かつ確実な勝ち方が出来たはずなのに。そんな疑問を抱いたことを見抜いたのか、大太刀使いの女性プレイヤーが教えてくれた。
「あの子は、かなり集中力にムラがある。だが、真に集中している時の彼女を相手にした時、私も相当に追い詰められた。あの状態の彼女は強いぞ、あんな無茶苦茶なカウンターすいら出来るぐらいにな」
ふむ、ムラがあると言うよりは本当に本気を出さなきゃいけない時だけ集中するタイプなのだろう。序盤は様子を見て、それからどれぐらい集中するかを本能的に決めている、とか。で、ミノタウロスの時はその集中予想よりもミノタウロスの方が上を行っていたみたいな感じなのだろうと予想してみる。これは自分の勝手な想像だけれども。
武舞台の上では黄色の騎士が再び立ち上がったが、明らかにダメージが見て取れる。足にかなり来ているようだ……あのカウンターをカウンターで取られたことが相当に応えたのかも。それでも戦意は失われておらず、戦いを続行するつもりのようだ。再び黄色の騎士の攻撃が行われたわけなのだ、が。
(む、あのパンチは)
かつて黄龍様との試練の時に受けた、実際の腕の長さよりもより伸びて当たるという攻撃方法を黄色の騎士が行ってきた。その攻撃に対処できず、この戦いで初めて武舞台上の魔法使いの女性プレイヤーの顔面に攻撃がまともな形で突き刺さってしまう。そのたった一発だけで、彼女の足がぐらりと揺れる。
続けての黄色の騎士のパンチが飛んできて、そのパンチを当て身しようとした魔法使いの女性プレイヤーだったが、当身出来ずに隙を晒す。その隙を逃すはずもない黄色の騎士が、再び魔法使いの女性プレイヤーの顔面にパンチを叩き込んだ。急に間合いが変わった事で、一転して攻守が入れ替わってしまった。
(しかも、明確に足に来てしまっている。あの状態で集中が切れたらそこで終わりだろう。持たせることが出来るだろうか?)
やはり、耐久力は一般的な魔法使いと変わらないようだ。そんな彼女が戦士の攻撃をまともに二回も受けると言うのはかなり致命的である。だが、その表情は恐怖や混乱に侵されておらず、しっかりと相手を見据えている。あのような顔が出来るのなら、まだ大丈夫か。だが、黄色の騎士はポーションでの回復は左遷とばかりに、再び襲い掛かってくる。
伸びる判定の攻撃を行っている為、一発一発の攻撃回転速度は下がっているようだ。それをすぐに理解したと思われる魔法使いの女性プレイヤーは、騎士の攻撃を回避することに専念していた。よけきれない攻撃は、魔法のグローブでしっかりどガードし手被害を最小限に抑える。
彼女は今、黄色の騎士の攻撃をもう一度学びなおしているのだろう。もう一度当身を決められるタイミングを掴むために。黄色の騎士の猛攻で忘れそうになるが、あちらも足に来ていたことを隠しきれていなかった。それなりのダメージは蓄積しているはずなのだ。そう考えると、この猛攻も苦し紛れという側面もあるのではないか? という考えも浮かんでくる。
(ひとつ、確実な事は……決着の時はもうすぐそこまで来ていると言う事だろうな)
お互いに、何か強烈な一撃が決まればそれが決着の一撃となるはずだ。問題は、その一撃を決めることが出来るのがどちらであるかがさっぱり分からない事だろう。互いに切っていない札が何枚あるのか、そこが勝敗を分けるだろう。武舞台上の彼女が負ければ、次は自分の出番が回ってくる。そろそろ、心の準備をしておくべきかね。
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