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中堅戦、決着
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武舞台の上では、にらみ合いが始まった。まず、大太刀使いの男性プレイヤーは先ほどの戦いでうかつな攻撃を行えば弾かれた後に容赦ない追撃を受けると学んだ。故に攻撃を仕掛けるタイミングを見計らっているという所だろう。一方でダイヤモンドゴーレムの方は、獲物がレイピアとパーリングダガーと言う事で射程が短い。ゆえにどうやって潜り込むか、もしくは攻撃を誘ってそれをはじく行為を狙えるかという感じか。
にらみ合ってはいるが、両者ともにじりじりと間合いを詰めている。両者ともに敵に対しての攻撃を決める切っ掛けを生み出すべく、足の動きや獲物を用いたフェイント合戦も行われ始めた。前に出そうで出ない、攻撃を振りそうで振らない。一歩踏み込んですぐに引くなどの揺さぶりなどだ。まるで対人戦そのものだ。
そのまま一分が経過。どっちもフェイントには引っかからず、状態は完全に硬直していた。こういう硬直が起きると、一度動き出せばそのまま流れが決まってしまう事は多々ある。ましてや、片方は斬撃に関してはトップクラスの大太刀。もう片方は鎧を容易く貫くダイヤモンドのレイピア。最高の一撃が入ったら、その瞬間が決着となる可能性は十分にある。
さらにそこから三十秒ほどたったころだろうか? ついに焦れた大太刀使いの男性プレイヤーが突きのモーションでダイヤモンドゴーレムに対して突っ込んだ。ダイヤモンドゴーレムはぎりぎりまで動かずに引き付けて、パーリングダガーで弾く動きを見せる──が、そのぎりぎりで大太刀使いの男性プレイヤーは急ブレーキをかけて無理やり止まる。
一方でダイヤモンドゴーレムの方は止まることが出来ず、パーリングダガーによる弾き行為は空を切る。その隙を当然逃すような事はなく、大太刀使いの男性プレイヤーは渾身の突きをダイヤモンドゴーレムに見舞う。硬い音と共にダイヤモンドゴーレムの体に大太刀の先端が突き刺さる。が。
「貫けない!?」
想定以上の硬さだったのだろう。大太刀の先は数センチしか刺さっていない。その動きが止まった所に、ダイヤモンドゴーレムがレイピアで反撃を試みてくる。大太刀使いの男性プレイヤーは仕方なく大太刀から手を放して後ろに大きく飛び跳ねる事でレイピアを回避する。しかし、これで彼は獲物を失ってしまった。
自分の体に突き刺さった大太刀を、ダイヤモンドゴーレムは引き抜いた後に自分の後ろへと放り投げた。大太刀はそのまま武舞台の上を転がり、端っこまで行ってようやく止まった。あれだけ離れてしまっては、獲物の回収は難しいかもしれない。ダイヤモンドゴーレムは当然回収を邪魔するだろうし。
一方で、数センチとはいえ大太刀の切っ先が刺さったダイヤモンドゴーレムのダメージはどうだろうか? 確かに削れてこそいるが、ヒビが一切確認できない。大したダメージになってはいない? そうだとしたらかなり辛いぞ……彼はどうするつもりだ? そう考えた自分への答えはこれだ、とばかりに、大太刀を失った男性プレイヤーは鎧の小手部分を操作。小手から鋭利な刃物が飛び出してきた。
(なるほど、そう言う隠し武器がまだあるって訳か。あの刃の形からすると、ジャマダハルを連想させるな)
やや細長い三角型の形をした重厚な黒い刃は、鈍く光っている。それだけでも、独特の威圧感を感じさせる。大太刀使いから暗器に切り替えた彼は、どっしりと構えてダイヤモンドゴーレムを再び見据える。ダイヤモンドゴーレムもそんな彼の動きを見て、再びレイピアを構え直してにらみ合った。
そのにらみ合いの時間は短く、今度はダイヤモンドゴーレム側が攻撃を仕掛けた。レイピアの切っ先を素早く連続で指し穿つ。その攻撃を、両腕の刃で対処する男性プレイヤー。当たらない事に少々イラついたのか、より早く、力強い一撃をダイヤモンドゴーレムは放つ──が、それを待っていたとばかりに、男性プレイヤーはその切っ先を回避しながら少しだけ前に潜り込み、パーリングダガーのように左腕でそのレイピアを大きく弾いた。
今度は先ほどとは立場が逆になり、大きく体勢を崩したダイヤモンドゴーレムに対して男性プレイヤーが追撃をかける。最初の大太刀によって突き刺した場所にジャマダハルの先端を全力で穿つ。すごい衝撃音が周囲に響くが、まだ男性プレイヤーの攻撃は終わっていなかった。さらにそこから右腕を回転させながら突き入れた。
「うおおおおおおおお!!」
そんな叫びと共に放たれた一撃は、まるでボクシングのコークススクリュー・ブローを思わせる。小規模な横回転の竜巻を生み出しつつダイヤモンドゴーレムを吹き飛ばし、武舞台の上を二回、三回とバウンドしたのちに転がっていくダイヤモンドゴーレム。が、ダイヤモンドゴーレムもすぐさま起き上がって戦闘態勢を取る。
(が、流石にさっきの一撃は効いているようだな)
ダイヤモンドゴーレムの胴体に、えぐられたような傷と、そこから広がる日々が無数にある事が確認できた。間違いなく相当なダメージを与えている。先ほどの相手の攻撃をはじいてからの追撃は、戦っている男性プレイヤーにとっての奥義の一つだったのかもしれない。それとも、さっきダイヤモンドゴーレムにやられた事への意趣返しなのかも。
再び勝者が向き合ったが、先ほどからビシリピシリという音が聞こえてくる。音の元は、当然ダイヤモンドゴーレムからだ。どうやら戦っている男性プレイヤーの一撃は想像以上にダメージを与えていたようで、音がするたびダイヤモンドゴーレムの体のヒビは広がっていく。これ、後は時間が経てばダイヤモンドゴーレムは自壊するのではないだろうか?
その推論は正解だ、とばかりにダイヤモンドゴーレムは攻める。自壊する前に相手を倒そうとしているのだろう。が、明らかに先ほどまでと違って、その攻撃は手数だけの重みが感じられない攻撃だ。当然そんな攻撃を受けるような男性プレイヤーではない。両腕のジャマダハルのような刃で全てをいなし、時には頭部や胴体に軽い反撃を加えてさえいる。
そのような攻防で、ますますダイヤモンドゴーレムの体のヒビは大きく広がっていく。もはや攻撃の手数すら明確に減っており、全ての攻撃を男性プレイヤーに回避されて反撃を貰っている。誰がどう見ても、男性プレイヤーが勝利する事はほぼ決まった様な物……と考えているのはこの場にはいなかっただろう。他の人の表情はまだ何かあると予想している人間の物だったからだ。
(武舞台の上に立っている彼が、一番そう思っている事だろう。反撃は入れているが、深追いは一切していない。何を仕掛けられても即座に対応できるように、ダイヤモンドゴーレムの全体をしっかり見ている)
ゴーレム体形の時に行って来たビームやレーザーの照射と言った行為を、女性型フィギュアのような姿になったとたん一回も行っていない。はてさて、これは『できない』のか? それとも『出来るが今はやらないだけ』なのか? その答えはまだ出ていない。更に可能性として挙げるなら、最後の自爆に全力を注いで道連れを狙ってくる嫌らしい行為があるな。
そんな策に嵌められたら、この先が厳しくなる。だから、武舞台の上の彼は深追いを一切しないのだ。すぐに後ろに下がれるような体勢を常に維持して戦いを続けている。勝利を前にして、冷静に勝ちを急がずに戦える。その慎重さは、とても素晴らしいものだ。やろう、心がけようとしても、これがなかなかに難しい。
もしそんなの簡単だ、と口にするのならば是非死にゲーと呼ばれるものをプレイしてもらいたい。あの手のゲームのボス戦は、残り一割まで追い詰めてからのとどめを刺すのが相当に難しい。早く終わりにしたい、と考えて安易な攻撃を振るうと、まるでそれを読んだかのように強烈な一撃でこちらを殺しに来るのだ。
それはさておき──ついに、ダイヤモンドゴーレムの動きが止まった。胴体から生まれたヒビはもはや両手両足に広がり、あと少しでも無理に動けば一気に自壊するだろう。なのに、そんなダイヤモンドゴーレムからまだ何らかの威圧感を感じる。やっぱり、まだ何か札を一枚隠し持っているようだ。
しかしダイヤモンドゴーレム側は動かないし、司会者のそこまで! という決着を伝える声も届かない。ならば結局罠とわかっていても攻撃を加えるしかなさそうなのだが──たぶん自分と同じ結論に達した武舞台上の男性プレイヤーは、武舞台の端っこに転がっていた自分の大太刀を拾った。更に両腕の小手から出て居た刃を収めた。
そこから、大太刀ではあるが居合のようなモーションに入る。右手一本で大太刀を持っているので、結構辛そうなのだが何とかやれるようだ。目を閉じて、集中している様子がうかがえる。さて、繰り出すのは居合切りであるは間違いないだろうが、ただの居合切りではないだろう。
「《妖刀・冥府鎮め》」
そのアーツの宣言と共に、ダイヤモンドゴーレムを居合一閃。見事に切り裂いた。斬られたダイヤモンドゴーレムは、突如威圧感を失い灰になって消えてゆく。これで決着か?
『そこまで! ダイヤモンドゴーレムの最後の策を見事に切り裂いたか。実に見事な戦いだった! それでは次は副将戦となるが、続行するか否かを教えてくれ!』
勝利宣言が出たな。そうなるとさっきのアーツは、自爆などの技を発動させずにとどめを刺す技なのだろうか? 道連れとかが得意なやつが相手でも、安全にとどめが刺せるってのは、かなり便利なアーツだな。これでこちらの三勝か、あと二勝をできるだけ少ない被害に抑えて勝たなきゃいけない。
『続行で良いのか? 間違いないな? 了解、では次の相手を呼ぶぞ!』
ふうむ、続行するのか……先ほどの戦いで思いっきり貫かれていたのだが、そのダメージはポーションで癒した。その後は目立った被弾が無かったから続行するという判断になったのだろう。吉と出るか凶と出来るかは、次の相手を見てみない事には何とも言えない。ロック、アイアン、ダイヤモンドと来て……次は何が出てくる?
にらみ合ってはいるが、両者ともにじりじりと間合いを詰めている。両者ともに敵に対しての攻撃を決める切っ掛けを生み出すべく、足の動きや獲物を用いたフェイント合戦も行われ始めた。前に出そうで出ない、攻撃を振りそうで振らない。一歩踏み込んですぐに引くなどの揺さぶりなどだ。まるで対人戦そのものだ。
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一方でダイヤモンドゴーレムの方は止まることが出来ず、パーリングダガーによる弾き行為は空を切る。その隙を当然逃すような事はなく、大太刀使いの男性プレイヤーは渾身の突きをダイヤモンドゴーレムに見舞う。硬い音と共にダイヤモンドゴーレムの体に大太刀の先端が突き刺さる。が。
「貫けない!?」
想定以上の硬さだったのだろう。大太刀の先は数センチしか刺さっていない。その動きが止まった所に、ダイヤモンドゴーレムがレイピアで反撃を試みてくる。大太刀使いの男性プレイヤーは仕方なく大太刀から手を放して後ろに大きく飛び跳ねる事でレイピアを回避する。しかし、これで彼は獲物を失ってしまった。
自分の体に突き刺さった大太刀を、ダイヤモンドゴーレムは引き抜いた後に自分の後ろへと放り投げた。大太刀はそのまま武舞台の上を転がり、端っこまで行ってようやく止まった。あれだけ離れてしまっては、獲物の回収は難しいかもしれない。ダイヤモンドゴーレムは当然回収を邪魔するだろうし。
一方で、数センチとはいえ大太刀の切っ先が刺さったダイヤモンドゴーレムのダメージはどうだろうか? 確かに削れてこそいるが、ヒビが一切確認できない。大したダメージになってはいない? そうだとしたらかなり辛いぞ……彼はどうするつもりだ? そう考えた自分への答えはこれだ、とばかりに、大太刀を失った男性プレイヤーは鎧の小手部分を操作。小手から鋭利な刃物が飛び出してきた。
(なるほど、そう言う隠し武器がまだあるって訳か。あの刃の形からすると、ジャマダハルを連想させるな)
やや細長い三角型の形をした重厚な黒い刃は、鈍く光っている。それだけでも、独特の威圧感を感じさせる。大太刀使いから暗器に切り替えた彼は、どっしりと構えてダイヤモンドゴーレムを再び見据える。ダイヤモンドゴーレムもそんな彼の動きを見て、再びレイピアを構え直してにらみ合った。
そのにらみ合いの時間は短く、今度はダイヤモンドゴーレム側が攻撃を仕掛けた。レイピアの切っ先を素早く連続で指し穿つ。その攻撃を、両腕の刃で対処する男性プレイヤー。当たらない事に少々イラついたのか、より早く、力強い一撃をダイヤモンドゴーレムは放つ──が、それを待っていたとばかりに、男性プレイヤーはその切っ先を回避しながら少しだけ前に潜り込み、パーリングダガーのように左腕でそのレイピアを大きく弾いた。
今度は先ほどとは立場が逆になり、大きく体勢を崩したダイヤモンドゴーレムに対して男性プレイヤーが追撃をかける。最初の大太刀によって突き刺した場所にジャマダハルの先端を全力で穿つ。すごい衝撃音が周囲に響くが、まだ男性プレイヤーの攻撃は終わっていなかった。さらにそこから右腕を回転させながら突き入れた。
「うおおおおおおおお!!」
そんな叫びと共に放たれた一撃は、まるでボクシングのコークススクリュー・ブローを思わせる。小規模な横回転の竜巻を生み出しつつダイヤモンドゴーレムを吹き飛ばし、武舞台の上を二回、三回とバウンドしたのちに転がっていくダイヤモンドゴーレム。が、ダイヤモンドゴーレムもすぐさま起き上がって戦闘態勢を取る。
(が、流石にさっきの一撃は効いているようだな)
ダイヤモンドゴーレムの胴体に、えぐられたような傷と、そこから広がる日々が無数にある事が確認できた。間違いなく相当なダメージを与えている。先ほどの相手の攻撃をはじいてからの追撃は、戦っている男性プレイヤーにとっての奥義の一つだったのかもしれない。それとも、さっきダイヤモンドゴーレムにやられた事への意趣返しなのかも。
再び勝者が向き合ったが、先ほどからビシリピシリという音が聞こえてくる。音の元は、当然ダイヤモンドゴーレムからだ。どうやら戦っている男性プレイヤーの一撃は想像以上にダメージを与えていたようで、音がするたびダイヤモンドゴーレムの体のヒビは広がっていく。これ、後は時間が経てばダイヤモンドゴーレムは自壊するのではないだろうか?
その推論は正解だ、とばかりにダイヤモンドゴーレムは攻める。自壊する前に相手を倒そうとしているのだろう。が、明らかに先ほどまでと違って、その攻撃は手数だけの重みが感じられない攻撃だ。当然そんな攻撃を受けるような男性プレイヤーではない。両腕のジャマダハルのような刃で全てをいなし、時には頭部や胴体に軽い反撃を加えてさえいる。
そのような攻防で、ますますダイヤモンドゴーレムの体のヒビは大きく広がっていく。もはや攻撃の手数すら明確に減っており、全ての攻撃を男性プレイヤーに回避されて反撃を貰っている。誰がどう見ても、男性プレイヤーが勝利する事はほぼ決まった様な物……と考えているのはこの場にはいなかっただろう。他の人の表情はまだ何かあると予想している人間の物だったからだ。
(武舞台の上に立っている彼が、一番そう思っている事だろう。反撃は入れているが、深追いは一切していない。何を仕掛けられても即座に対応できるように、ダイヤモンドゴーレムの全体をしっかり見ている)
ゴーレム体形の時に行って来たビームやレーザーの照射と言った行為を、女性型フィギュアのような姿になったとたん一回も行っていない。はてさて、これは『できない』のか? それとも『出来るが今はやらないだけ』なのか? その答えはまだ出ていない。更に可能性として挙げるなら、最後の自爆に全力を注いで道連れを狙ってくる嫌らしい行為があるな。
そんな策に嵌められたら、この先が厳しくなる。だから、武舞台の上の彼は深追いを一切しないのだ。すぐに後ろに下がれるような体勢を常に維持して戦いを続けている。勝利を前にして、冷静に勝ちを急がずに戦える。その慎重さは、とても素晴らしいものだ。やろう、心がけようとしても、これがなかなかに難しい。
もしそんなの簡単だ、と口にするのならば是非死にゲーと呼ばれるものをプレイしてもらいたい。あの手のゲームのボス戦は、残り一割まで追い詰めてからのとどめを刺すのが相当に難しい。早く終わりにしたい、と考えて安易な攻撃を振るうと、まるでそれを読んだかのように強烈な一撃でこちらを殺しに来るのだ。
それはさておき──ついに、ダイヤモンドゴーレムの動きが止まった。胴体から生まれたヒビはもはや両手両足に広がり、あと少しでも無理に動けば一気に自壊するだろう。なのに、そんなダイヤモンドゴーレムからまだ何らかの威圧感を感じる。やっぱり、まだ何か札を一枚隠し持っているようだ。
しかしダイヤモンドゴーレム側は動かないし、司会者のそこまで! という決着を伝える声も届かない。ならば結局罠とわかっていても攻撃を加えるしかなさそうなのだが──たぶん自分と同じ結論に達した武舞台上の男性プレイヤーは、武舞台の端っこに転がっていた自分の大太刀を拾った。更に両腕の小手から出て居た刃を収めた。
そこから、大太刀ではあるが居合のようなモーションに入る。右手一本で大太刀を持っているので、結構辛そうなのだが何とかやれるようだ。目を閉じて、集中している様子がうかがえる。さて、繰り出すのは居合切りであるは間違いないだろうが、ただの居合切りではないだろう。
「《妖刀・冥府鎮め》」
そのアーツの宣言と共に、ダイヤモンドゴーレムを居合一閃。見事に切り裂いた。斬られたダイヤモンドゴーレムは、突如威圧感を失い灰になって消えてゆく。これで決着か?
『そこまで! ダイヤモンドゴーレムの最後の策を見事に切り裂いたか。実に見事な戦いだった! それでは次は副将戦となるが、続行するか否かを教えてくれ!』
勝利宣言が出たな。そうなるとさっきのアーツは、自爆などの技を発動させずにとどめを刺す技なのだろうか? 道連れとかが得意なやつが相手でも、安全にとどめが刺せるってのは、かなり便利なアーツだな。これでこちらの三勝か、あと二勝をできるだけ少ない被害に抑えて勝たなきゃいけない。
『続行で良いのか? 間違いないな? 了解、では次の相手を呼ぶぞ!』
ふうむ、続行するのか……先ほどの戦いで思いっきり貫かれていたのだが、そのダメージはポーションで癒した。その後は目立った被弾が無かったから続行するという判断になったのだろう。吉と出るか凶と出来るかは、次の相手を見てみない事には何とも言えない。ロック、アイアン、ダイヤモンドと来て……次は何が出てくる?
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