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8巻
8-3
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やがて、戦場から逃げ出すオーガも出始めた。逃げ出した奴は深追いするなという隊長の指示に従い、自分達は襲い掛かってくる個体のみを倒し続けた。その結果、戦場に残ったオーガは、オーガリーダーの後ろで明らかに戦意をなくしている。オーガリーダーを全滅させれば、すぐさま逃げ出すだろう。
──だが、そのオーガリーダーは五匹とも健在であった。しかも最初に炎を食らって再生能力が低下したはずの二匹の内一匹は、なんとすっかり回復してしまっていた。前衛も炎の魔法使いも必死で攻撃を加えているが、効果的な一撃は出ていないようだ。
その上、こっちも炎の魔法を使う魔法使い達の大半が力なく座り込んでいる。理由はMP切れである。もちろんMP回復のポーションも飲んでいたにせよ、飲み過ぎれば[ポーション中毒]になり、命に関わる。回復を促進するスキルを使いながら少しでも休息を取り、自然回復を待つしかない状況なのだろう。とにかく彼らのMPが回復するまで、前衛がこらえ続けなければならない状態に追い込まれつつあった。
しかし、ここまで戦ってきた疲労で集中力が低下しているのか、一人、また一人とオーガリーダーの一撃で吹き飛ばされる前衛の姿が、MPを回復中の自分の目に嫌でも入ってくる。
それでも、アイテムや魔法で回復させてやれる範囲ならまだいい。即死して蘇生薬を投与されている者もいるし、更には受けたダメージがあまりにも重過ぎて、蘇生薬を投与してもらっても光となって消えていく者も残念ながら見受けられた。
プレイヤーの蘇生方法は未だ不明のままで、この蘇生薬投与を受けられるのはこっちの世界の人だけだ。しかも成功しても、プレイヤーの死に戻りと同じく蘇生直後は能力が下がるようで、戦闘には復帰できない。こうして、前衛の数は確実に削られていった。
「まだMPは戻らないか!?」
隊長もかなり焦って座り込んでいる魔法使い達に呼びかけるが、それに応えて立ち上がる者はごく僅か。そうして少しでも前衛を助けようとあがいても、オーガ相手に無双していたときとは状況が違い、徐々に嫌な空気が立ち込めてくる。
「くっ、せめて未だ肌を焼け爛れさせているあのオーガリーダーを屠ることができれば、展望が見えてくるのだが……!」
隊長は悔しそうにそう声を漏らす。衛兵のほとんどは戦闘不能状態になるか完全に死亡してしまっていて、生き残りはごく僅か。現時点で戦線を支えているのはプレイヤーと龍人である。
いよいよという状況になって、MPを回復した自分はアイテムボックスにしまっておいた【強化オイル】を使う決意をした。またこいつに頼ることになってしまうが、ここで押し込まれたらオーガ達に勢いがついて、北門からファストの街に入られてしまう。北門を崩すにも時間が足りない。
街の人々が蹂躙されるなんて展開は回避しないと、ここまで戦ってきた意味がないし、死んでしまった人も報われない。【強化オイル】を惜しむわけではないが、後衛担当の自分が前に出ることは連携的によくないし、爆発の衝撃で味方を吹き飛ばしてしまう可能性も高い。だが、もうそんなことは言っていられない。
再び《大跳躍》と《フライ》で浮かび上がってみると、元気な四匹に邪魔されて、肌を焼け爛れさせているオーガリーダーを倒せずにいる状況が見て取れた。自分は【強化オイル】を取り出すと、滑空する形で現場へ近寄っていく。急がなければ《フライ》の効果が切れて、オーガリーダーの上に墜落してしまう、なんてこともありうる。
無事オーガリーダーの頭上に到着した自分は、大急ぎで声を張り上げた。
「今からこいつらを燃やすから、最前線の人は巻き込まれないように少し引いて盾を構えてくれ!」
準備が間に合うかどうかを確認することはできなかった。なぜなら、《フライ》の効果時間はあと数秒しか残されていなかったからだ。
焼け爛れているオーガリーダーには一本、それ以外のオーガリーダーには二本ずつ、【強化オイル】を投げつけた。その直後に滞空効果が切れて落下し始めたので、【双咆】の空撃ちによる空気の爆発を利用してオーガリーダーの頭上付近から無理やり退避する。
数秒後、自分は地面とキスするように墜落。HPの半分ほどを落下ダメージで持っていかれた。それでも、以前のゲヘナクロスとの戦争のときのように死ななかっただけ、はるかにマシだ。
後から聞いた話だと、ドゴンドゴン! とオーガリーダーの頭上や上半身で爆発が起きた後、一斉に炎上していったらしい。
簡単に鎮火されなかったのは、【強化オイル】が液体であったためのようだ。砕けた瓶から溢れ出した中身のオイルがオーガリーダーに纏わり付いたところで、もう一つの中身である【爆裂鉱石】が着火。近くにいた前衛の人も爆風で少々吹き飛ばしてしまったらしいが、ともかくオイルを振り払えず、燃え続けたということだ。
ちなみに、そのときの自分が理解できたのは……鼻を押さえつつ立ち上がったところ、でかい火柱が上がると共に、オーガリーダーのものと思われる悲鳴が響いたことぐらいだった。
【スキル一覧】
〈風迅狩弓〉Lv4(←1UP) 〈剛蹴〉Lv18 〈百里眼〉Lv21 〈製作の指先〉Lv98 〈小盾〉Lv20
〈隠蔽・改〉Lv1 〈武術身体能力強化〉Lv33(←1UP) 〈義賊頭〉Lv18
〈スネークソード〉Lv34 〈妖精言語〉Lv99(強制習得・控えスキルへの移動不可能)
追加能力スキル
〈黄龍変身〉Lv1
控えスキル
〈上級木工〉Lv17(←1UP) 〈鍛冶の経験者〉Lv4(←1UP) 〈上級薬剤〉Lv20
〈上級料理〉Lv49
ExP31
称号:妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 ドラゴンと龍に関わった者
妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相
託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊
プレイヤーからの二つ名:妖精王候補(妬) 戦場の料理人
3
「おお!? オーガリーダーが炎上したぞ! 今が好機だ、皆、全力で攻め立てよ!」
隊長の声が街の防衛者達に届く。
「変身できる奴は、ここで使ってブッ倒すのを手伝え! 俺が先陣を切ってやるからよぉ!」
続いて聞こえてきたグラッドの声に従って、プレイヤーの数名がワーウルフやビーストヒューマンに変身していった。
本音を言うなら、皆温存しておきたかったかもしれない。変身は時間制限があるからな……何せここの運営は、「やったか!?」→「げえっ、○○!」というどんでん返しの状況をよく作る。大幅に能力が強化される変身は、そういった状況に対する切り札になるはずだった。
だがここで押し切らなければ、状況がより悪くなるとグラッドは踏んだのだろう。そして、自分で言い出したからこそ、自ら先陣を切って周りを引っ張ろうと考えたに違いない。
グラッドと共に変身したプレイヤー数人は次々とオーガリーダーに襲い掛かり、剣や爪による攻撃を加えていく。オーガリーダーもそれらの攻撃に対抗しようと試みるが、グラッドの盾に阻まれたりワーウルフのスピードに追いつけず攻撃が空を切ったりと、戦闘はグラッド達が優勢で展開し始めた。そしてそんなグラッド達を見た衛兵と龍人の皆さんも、声を上げてもう一度オーガリーダーへの攻撃を再開する。
今回の敵と相性が悪い水系統の魔法使いは回復役に回り、他の属性魔法の使い手や弓使いはオーガリーダーの顔など前衛の攻撃が届きにくい場所に魔法攻撃と矢の雨を降らせていく。
そうして五分ぐらい戦った後、一番ダメージが溜まっていたと思われる一体の首へ、一本の剣が突き刺さった。その剣はそのまま容赦なくオーガリーダーの頭と胴体を切り離す。タフなオーガリーダーも、さすがに首を刎ねられては生きていられない。その巨体はドウッと音を立てて大地に沈み、光の粒子となって消失した。ついに一匹目が息絶えたのだ。
「オーガリーダーを一匹始末した! このままこいつらをブッ殺すぞ!」
再び前衛のほうからグラッドの声が上がると、皆も「「「「「おおっ!!」」」」」と応答する。
五匹の内の一匹が消えた今、ファスト防衛軍はオーガリーダー達を二匹ずつに分断することに成功していた。これなら背後にも回れるし、より手数を増やして攻めやすい。
その後ろに居るオーガ達には後衛がちょくちょく攻撃を飛ばし、前衛の背中を襲わせないよう牽制していた。オーガ達が戦意を失ったとはいえ、それは一時的なものに過ぎず、こちらが隙を見せたら遠慮なく牙を剥いてくることは皆が重々承知だ。だからこそ、少し離れた場所から戦場を見られる後衛が、踏み込んでくるなら殺すという宣言を無言のうちに行っている。
分断されて前後挟み撃ちの形を取られてしまったオーガリーダーは、多くの攻撃を受けて確実に弱っていった。あらゆる武器や魔法による攻撃で体力を削られる一方、【強化オイル】の炎を受けたせいで頼みの回復力は機能していない。いくら肉体的にタフでも、攻撃を受け続ければいつかは倒れる。そうして、龍人の振るう大太刀により二匹目が真っ二つになって絶命。続いて三匹目が炎の魔法によって塵と化した。
「残り二匹だ!」
もう隊長の声に絶望感はない。実際、オーガリーダーが減るごとに攻撃のチャンスは増え、逆に被弾率は下がっていくのだから当然だ。取り囲まれた二匹もよく粘ったが、四匹目は衛兵さんの振るう槍の渾身のひと突きを心臓に受けて息絶え、最後の五匹目はワーウルフに変身していたプレイヤーの爪攻撃を首に食らい、ゆっくりと倒れて光に還った。
「やったか!?」
プレイヤーと思われる誰かが死亡フラグを立てたように思われたが、そのフラグは成立しなかったようだ。オーガリーダーの全滅を見たオーガ達は一目散に逃げ出し、戻ってくることはなかった。
それからしばらく斥候を出して周辺を調べ、オーガが完全にどこかへ消え去ったことが確認されて、ようやく戦闘終了&勝利宣言が出されたのである。
「今、情報が入った。ファストの全ての門の防衛に成功、我々の完全勝利だ!」
隊長のこの言葉を聞いた途端、勝利の雄叫びを上げる者、やっと終わったかと座り込む者などなど、それぞれが緊張から解放された喜びを表して、北門前に穏やかな空気が漂い始めた。
「皆、よくやってくれた! 防衛に貢献してくれた皆は、記録水晶に記録済みだ! 後で役場から褒賞が出るはずなので、必ず受け取ってほしい!」
隊長はそう締めくくってから、指揮を取っていた高所から降りた。
そうして、自分が弓をしまいつつ腰に手を当ててふぅーっと大きく息を吐いていると、戦闘中【双咆】の音に抗議してきたエルフの男性が話しかけてきた。
「おつかれだな。しかしその弓、いちいち喧しい音が出るのはどうにかならないのかね?」
「おつかれです。色々訳ありでして、どうしてあんな音が出てしまうのかは分かっていないんですよ」
なぜ七割以上の力で弓を引くと銃声のような騒音が出るのかが分かれば、対処方法も考えようがあるのだが。
「エルフの森に飽きて飛び出してきたが、弓一つとってもまだまだ知らない物が多いな!」
やはり、彼の出身はそこなのか。
「森の生活よりも、刺激的な外の世界を楽しみたいというわけですか」
自分の質問に、「そうそう、それだ」とエルフの男性は頷く。
「無駄に長生きなものだから、退屈で仕方がない。外を回って見聞を広めるというのは実に楽しいな! 年老いるまで生きていられたら、それまでの冒険を一つの本として綴るつもりだ」
それを読んでみたい気もするが……エルフは場合によっては数千年生きるという。こっちの寿命が持たんな。
「そうそう、あまり見所はないかもしれないが、いつかエルフの森に行くことがあったら、是非のんびりしていってくれ。エルフの森に飽きたら、ダークエルフの谷を訪れてみるのもいいだろうな。ただし、ひとつだけ……忠告がある」
忠告? と自分が首をかしげると、エルフの男性は「ああ、そうだ」と前置きをしてから話を続ける。
「森の大いなる守護樹すらよりも変にプライドが高い、ハイエルフという連中が居るんだ。奴らにはまず話が通じないと思ったほうがいい。我々エルフやダークエルフにも高圧的に出るが、他の種族に対してはもはや差別主義者だ。万が一エルフの森で出会ってしまったら、適当におだてて行ってしまうのを待つことをお勧めするよ。まあ彼らも、自分達のテリトリーから滅多に出てこないがね……」
それでも一応の忠告をしておくよ、とエルフの男性は言う。それに、自分は頭を下げて感謝の意を示した。エルフの男性は最後に「また出会ったら、そのときは一緒に食事でもしよう。君の顔は覚えておくよ」と言って街の中に立ち去っていった。
そして自分も帰るかと街方面に足を向けたところ、再び呼び止められる。
「おいお前……ツラ貸してくれよ」
足を止め、声が聞こえてきた方向をゆっくり振り向くと、黒い鎧に赤いマントを装備したグラッドと、そのPTメンバーだと思われる人達が立っていた。
「自分に何か御用ですか?」
もしかして、【強化オイル】で吹き飛ばしたことに対する抗議か? だがそんな心配をよそに、グラッドは兜を脱いで自分の素顔をさらした後で、こう問いかけてきた。
「たぶんそうじゃねーかと思ったんだがよ、あんた、アースじゃないのか? フェアリークィーンをブッ倒した……」
ふーむ、懐かしいな。あのときと同じ【強化オイル】を使ったところからばれたのかもしれない。まあ逃げる必要もないので、こっちも兜をアイテムボックスに戻して、外套のフードを取る。それから頬当ても外して、素顔を見せた。
「確かに自分はアースですが……グラッドさんとは、こうやって会話をするのは初めてになるのかな。あの妖精イベントのときは、近くにいたとはいえ、会話らしい会話は一切しなかったですから」
自分が戦う直前にクィーンに負けて打ちのめされた彼を、こっちとしても少々心配したものだ。今はこうやって仲間を見つけて冒険している姿を見て、自分は少しほっとしていた。
「そういや、そうかもな……だが、妖精を連れ歩いていない様子に加えて、あの爆炎を見てほぼ間違いないと思ってよ。あの手のアイテムを作る職人は多いが、あそこまで大きく炎上させる性能のものは、まだ作り手も使い手も多くはねぇからな」
そうなのか。確かに自爆する可能性もあるし、前衛にせよ後衛にせよ両手がふさがっていることがほとんどで手が空くことはあまりないから、扱いにくいだろうな。
「──それに、お前がフェアリークィーンをブッ倒したときの動画は何度も見返した……声を聞き違えることも、もうねぇぜ」
それはまた……
「ついでによ、個人的に聞いておきたいことが一つあってな。以前、『死者の挑戦状』とかいうダンジョンがあったのは覚えてんだろ?」
「もちろん。あそこでは散々罠も踏んで、痛い思いもしています」
あれは復活しないのかねえ……ローグライクなダンジョンも幾つかあると楽しいのだが。
「そして、あのダンジョンの隠し条件をクリアした六つのPTによるバトルロイヤルがあったことも、忘れてねえよな?」
「それも、もちろん覚えていますよ。見に行くことはできませんでしたが」
「そんときに、単独クリアの条件を果たした人間が、出場を辞退しやがったんだが……あれはもしかして、てめえじゃねえのかよ?」
「さて、どうでしょうか? 正解と言うにも間違いと言うにも、証明する方法がありませんからね……」
やれやれ、随分と前のことを引っ張り出してきたものだ。だがまあ、ここは適当にとぼけておこうか。グラッドに言った通り、答えを証明する方法自体が消滅している。
「そうか……俺はてめえだと睨んでたんだがな」
「一流プレイヤーのグラッドさんにそこまで評価してもらえるのは嬉しいですけど」
掲示板で現時点の最強は誰かという話題になると、グラッドの名前がほぼ確実に上がる。加えて、(「爆ぜろ」のおまけコメント付きで)ツヴァイ、シルバーのおじいちゃん、弓ギルドのアヤメさん、「炎槍舞」ランダさんあたりか。おそらくグラッドの後ろに居るメンバーも、グラッドに近い実力を持つ強豪プレイヤーなのだろう。
そんなことを思っていたとき、再び中央役場からの声が届いた。
──通達します。現時点を以て、ファストに押し寄せていた魔物達の完全排除を宣言します。町の皆様は普段通りの生活にお戻りください。防衛に協力してくださった各国の冒険者の皆様には、後日褒賞をお渡しします――
これを聞き、周りの人達が一様にほっとした表情を浮かべる。しかし、話にはまだ続きがあった。
――……そして、更なる報告があります。ファストは解放されましたが、ネクシアは門直前まで魔物達に押し込まれており、サーズも未だ戦闘続行中との情報が入っております! もしまだ余力が残っている冒険者様がおられましたら、どうか救援をお願いします! もちろん強制ではありませんが、魔物に街を破壊され、略奪されますと、復興自体が難しくなってしまいます! どうか、可能な限り救援に向かってください!――
なんだと!? サーズは滞在中のプレイヤーが多いから持ちこたえられるかもしれないが、ネクシアはそういうこともない分、押し切られてしまうかもしれない。
【ちょっと、アース君、今の放送を聞いた!?】
ノーラからPTチャットが入った。グラッドに対して「すまない、ちょっと失礼する」と断りを入れて、ノーラに対応する。
【ああ、聞こえていたよ】
【あたしはサーズに行こうと思うんだけど、アース君はどうするの?】
【自分はネクシアに行こうと考えているかな】
【そう、じゃあPTはここで解散ね……お互いもうひと頑張りしましょ】
【だな。じゃあまた今度】
ノーラとの話を終えて、PTを解除した。さて、こっちも行動を再開しないと。
「お待たせした。そして申し訳ないが、今からネクシアに行くのでここで失礼させてもらいます」
そう告げてグラッド達の前から立ち去ろうとしたのだが……グラッドはこう提案してきた。
「そうか……なら、ネクシア救出までの間だけ、こちらのPTに入ってみるか? 枠は一つ空いているぜ?」
なんと……?
【スキル一覧】
〈風迅狩弓〉Lv5(←1UP) 〈剛蹴〉Lv18 〈百里眼〉Lv21 〈製作の指先〉Lv98 〈小盾〉Lv20
〈隠蔽・改〉Lv1 〈武術身体能力強化〉Lv33 〈義賊頭〉Lv18 〈スネークソード〉Lv34
〈妖精言語〉Lv99(強制習得・控えスキルへの移動不可能)
追加能力スキル
〈黄龍変身〉Lv1
控えスキル
〈上級木工〉Lv17 〈鍛冶の経験者〉Lv4 〈上級薬剤〉Lv20 〈上級料理〉Lv49
ExP31
称号:妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 ドラゴンと龍に関わった者
妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相
託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊
プレイヤーからの二つ名:妖精王候補(妬) 戦場の料理人
──だが、そのオーガリーダーは五匹とも健在であった。しかも最初に炎を食らって再生能力が低下したはずの二匹の内一匹は、なんとすっかり回復してしまっていた。前衛も炎の魔法使いも必死で攻撃を加えているが、効果的な一撃は出ていないようだ。
その上、こっちも炎の魔法を使う魔法使い達の大半が力なく座り込んでいる。理由はMP切れである。もちろんMP回復のポーションも飲んでいたにせよ、飲み過ぎれば[ポーション中毒]になり、命に関わる。回復を促進するスキルを使いながら少しでも休息を取り、自然回復を待つしかない状況なのだろう。とにかく彼らのMPが回復するまで、前衛がこらえ続けなければならない状態に追い込まれつつあった。
しかし、ここまで戦ってきた疲労で集中力が低下しているのか、一人、また一人とオーガリーダーの一撃で吹き飛ばされる前衛の姿が、MPを回復中の自分の目に嫌でも入ってくる。
それでも、アイテムや魔法で回復させてやれる範囲ならまだいい。即死して蘇生薬を投与されている者もいるし、更には受けたダメージがあまりにも重過ぎて、蘇生薬を投与してもらっても光となって消えていく者も残念ながら見受けられた。
プレイヤーの蘇生方法は未だ不明のままで、この蘇生薬投与を受けられるのはこっちの世界の人だけだ。しかも成功しても、プレイヤーの死に戻りと同じく蘇生直後は能力が下がるようで、戦闘には復帰できない。こうして、前衛の数は確実に削られていった。
「まだMPは戻らないか!?」
隊長もかなり焦って座り込んでいる魔法使い達に呼びかけるが、それに応えて立ち上がる者はごく僅か。そうして少しでも前衛を助けようとあがいても、オーガ相手に無双していたときとは状況が違い、徐々に嫌な空気が立ち込めてくる。
「くっ、せめて未だ肌を焼け爛れさせているあのオーガリーダーを屠ることができれば、展望が見えてくるのだが……!」
隊長は悔しそうにそう声を漏らす。衛兵のほとんどは戦闘不能状態になるか完全に死亡してしまっていて、生き残りはごく僅か。現時点で戦線を支えているのはプレイヤーと龍人である。
いよいよという状況になって、MPを回復した自分はアイテムボックスにしまっておいた【強化オイル】を使う決意をした。またこいつに頼ることになってしまうが、ここで押し込まれたらオーガ達に勢いがついて、北門からファストの街に入られてしまう。北門を崩すにも時間が足りない。
街の人々が蹂躙されるなんて展開は回避しないと、ここまで戦ってきた意味がないし、死んでしまった人も報われない。【強化オイル】を惜しむわけではないが、後衛担当の自分が前に出ることは連携的によくないし、爆発の衝撃で味方を吹き飛ばしてしまう可能性も高い。だが、もうそんなことは言っていられない。
再び《大跳躍》と《フライ》で浮かび上がってみると、元気な四匹に邪魔されて、肌を焼け爛れさせているオーガリーダーを倒せずにいる状況が見て取れた。自分は【強化オイル】を取り出すと、滑空する形で現場へ近寄っていく。急がなければ《フライ》の効果が切れて、オーガリーダーの上に墜落してしまう、なんてこともありうる。
無事オーガリーダーの頭上に到着した自分は、大急ぎで声を張り上げた。
「今からこいつらを燃やすから、最前線の人は巻き込まれないように少し引いて盾を構えてくれ!」
準備が間に合うかどうかを確認することはできなかった。なぜなら、《フライ》の効果時間はあと数秒しか残されていなかったからだ。
焼け爛れているオーガリーダーには一本、それ以外のオーガリーダーには二本ずつ、【強化オイル】を投げつけた。その直後に滞空効果が切れて落下し始めたので、【双咆】の空撃ちによる空気の爆発を利用してオーガリーダーの頭上付近から無理やり退避する。
数秒後、自分は地面とキスするように墜落。HPの半分ほどを落下ダメージで持っていかれた。それでも、以前のゲヘナクロスとの戦争のときのように死ななかっただけ、はるかにマシだ。
後から聞いた話だと、ドゴンドゴン! とオーガリーダーの頭上や上半身で爆発が起きた後、一斉に炎上していったらしい。
簡単に鎮火されなかったのは、【強化オイル】が液体であったためのようだ。砕けた瓶から溢れ出した中身のオイルがオーガリーダーに纏わり付いたところで、もう一つの中身である【爆裂鉱石】が着火。近くにいた前衛の人も爆風で少々吹き飛ばしてしまったらしいが、ともかくオイルを振り払えず、燃え続けたということだ。
ちなみに、そのときの自分が理解できたのは……鼻を押さえつつ立ち上がったところ、でかい火柱が上がると共に、オーガリーダーのものと思われる悲鳴が響いたことぐらいだった。
【スキル一覧】
〈風迅狩弓〉Lv4(←1UP) 〈剛蹴〉Lv18 〈百里眼〉Lv21 〈製作の指先〉Lv98 〈小盾〉Lv20
〈隠蔽・改〉Lv1 〈武術身体能力強化〉Lv33(←1UP) 〈義賊頭〉Lv18
〈スネークソード〉Lv34 〈妖精言語〉Lv99(強制習得・控えスキルへの移動不可能)
追加能力スキル
〈黄龍変身〉Lv1
控えスキル
〈上級木工〉Lv17(←1UP) 〈鍛冶の経験者〉Lv4(←1UP) 〈上級薬剤〉Lv20
〈上級料理〉Lv49
ExP31
称号:妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 ドラゴンと龍に関わった者
妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相
託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊
プレイヤーからの二つ名:妖精王候補(妬) 戦場の料理人
3
「おお!? オーガリーダーが炎上したぞ! 今が好機だ、皆、全力で攻め立てよ!」
隊長の声が街の防衛者達に届く。
「変身できる奴は、ここで使ってブッ倒すのを手伝え! 俺が先陣を切ってやるからよぉ!」
続いて聞こえてきたグラッドの声に従って、プレイヤーの数名がワーウルフやビーストヒューマンに変身していった。
本音を言うなら、皆温存しておきたかったかもしれない。変身は時間制限があるからな……何せここの運営は、「やったか!?」→「げえっ、○○!」というどんでん返しの状況をよく作る。大幅に能力が強化される変身は、そういった状況に対する切り札になるはずだった。
だがここで押し切らなければ、状況がより悪くなるとグラッドは踏んだのだろう。そして、自分で言い出したからこそ、自ら先陣を切って周りを引っ張ろうと考えたに違いない。
グラッドと共に変身したプレイヤー数人は次々とオーガリーダーに襲い掛かり、剣や爪による攻撃を加えていく。オーガリーダーもそれらの攻撃に対抗しようと試みるが、グラッドの盾に阻まれたりワーウルフのスピードに追いつけず攻撃が空を切ったりと、戦闘はグラッド達が優勢で展開し始めた。そしてそんなグラッド達を見た衛兵と龍人の皆さんも、声を上げてもう一度オーガリーダーへの攻撃を再開する。
今回の敵と相性が悪い水系統の魔法使いは回復役に回り、他の属性魔法の使い手や弓使いはオーガリーダーの顔など前衛の攻撃が届きにくい場所に魔法攻撃と矢の雨を降らせていく。
そうして五分ぐらい戦った後、一番ダメージが溜まっていたと思われる一体の首へ、一本の剣が突き刺さった。その剣はそのまま容赦なくオーガリーダーの頭と胴体を切り離す。タフなオーガリーダーも、さすがに首を刎ねられては生きていられない。その巨体はドウッと音を立てて大地に沈み、光の粒子となって消失した。ついに一匹目が息絶えたのだ。
「オーガリーダーを一匹始末した! このままこいつらをブッ殺すぞ!」
再び前衛のほうからグラッドの声が上がると、皆も「「「「「おおっ!!」」」」」と応答する。
五匹の内の一匹が消えた今、ファスト防衛軍はオーガリーダー達を二匹ずつに分断することに成功していた。これなら背後にも回れるし、より手数を増やして攻めやすい。
その後ろに居るオーガ達には後衛がちょくちょく攻撃を飛ばし、前衛の背中を襲わせないよう牽制していた。オーガ達が戦意を失ったとはいえ、それは一時的なものに過ぎず、こちらが隙を見せたら遠慮なく牙を剥いてくることは皆が重々承知だ。だからこそ、少し離れた場所から戦場を見られる後衛が、踏み込んでくるなら殺すという宣言を無言のうちに行っている。
分断されて前後挟み撃ちの形を取られてしまったオーガリーダーは、多くの攻撃を受けて確実に弱っていった。あらゆる武器や魔法による攻撃で体力を削られる一方、【強化オイル】の炎を受けたせいで頼みの回復力は機能していない。いくら肉体的にタフでも、攻撃を受け続ければいつかは倒れる。そうして、龍人の振るう大太刀により二匹目が真っ二つになって絶命。続いて三匹目が炎の魔法によって塵と化した。
「残り二匹だ!」
もう隊長の声に絶望感はない。実際、オーガリーダーが減るごとに攻撃のチャンスは増え、逆に被弾率は下がっていくのだから当然だ。取り囲まれた二匹もよく粘ったが、四匹目は衛兵さんの振るう槍の渾身のひと突きを心臓に受けて息絶え、最後の五匹目はワーウルフに変身していたプレイヤーの爪攻撃を首に食らい、ゆっくりと倒れて光に還った。
「やったか!?」
プレイヤーと思われる誰かが死亡フラグを立てたように思われたが、そのフラグは成立しなかったようだ。オーガリーダーの全滅を見たオーガ達は一目散に逃げ出し、戻ってくることはなかった。
それからしばらく斥候を出して周辺を調べ、オーガが完全にどこかへ消え去ったことが確認されて、ようやく戦闘終了&勝利宣言が出されたのである。
「今、情報が入った。ファストの全ての門の防衛に成功、我々の完全勝利だ!」
隊長のこの言葉を聞いた途端、勝利の雄叫びを上げる者、やっと終わったかと座り込む者などなど、それぞれが緊張から解放された喜びを表して、北門前に穏やかな空気が漂い始めた。
「皆、よくやってくれた! 防衛に貢献してくれた皆は、記録水晶に記録済みだ! 後で役場から褒賞が出るはずなので、必ず受け取ってほしい!」
隊長はそう締めくくってから、指揮を取っていた高所から降りた。
そうして、自分が弓をしまいつつ腰に手を当ててふぅーっと大きく息を吐いていると、戦闘中【双咆】の音に抗議してきたエルフの男性が話しかけてきた。
「おつかれだな。しかしその弓、いちいち喧しい音が出るのはどうにかならないのかね?」
「おつかれです。色々訳ありでして、どうしてあんな音が出てしまうのかは分かっていないんですよ」
なぜ七割以上の力で弓を引くと銃声のような騒音が出るのかが分かれば、対処方法も考えようがあるのだが。
「エルフの森に飽きて飛び出してきたが、弓一つとってもまだまだ知らない物が多いな!」
やはり、彼の出身はそこなのか。
「森の生活よりも、刺激的な外の世界を楽しみたいというわけですか」
自分の質問に、「そうそう、それだ」とエルフの男性は頷く。
「無駄に長生きなものだから、退屈で仕方がない。外を回って見聞を広めるというのは実に楽しいな! 年老いるまで生きていられたら、それまでの冒険を一つの本として綴るつもりだ」
それを読んでみたい気もするが……エルフは場合によっては数千年生きるという。こっちの寿命が持たんな。
「そうそう、あまり見所はないかもしれないが、いつかエルフの森に行くことがあったら、是非のんびりしていってくれ。エルフの森に飽きたら、ダークエルフの谷を訪れてみるのもいいだろうな。ただし、ひとつだけ……忠告がある」
忠告? と自分が首をかしげると、エルフの男性は「ああ、そうだ」と前置きをしてから話を続ける。
「森の大いなる守護樹すらよりも変にプライドが高い、ハイエルフという連中が居るんだ。奴らにはまず話が通じないと思ったほうがいい。我々エルフやダークエルフにも高圧的に出るが、他の種族に対してはもはや差別主義者だ。万が一エルフの森で出会ってしまったら、適当におだてて行ってしまうのを待つことをお勧めするよ。まあ彼らも、自分達のテリトリーから滅多に出てこないがね……」
それでも一応の忠告をしておくよ、とエルフの男性は言う。それに、自分は頭を下げて感謝の意を示した。エルフの男性は最後に「また出会ったら、そのときは一緒に食事でもしよう。君の顔は覚えておくよ」と言って街の中に立ち去っていった。
そして自分も帰るかと街方面に足を向けたところ、再び呼び止められる。
「おいお前……ツラ貸してくれよ」
足を止め、声が聞こえてきた方向をゆっくり振り向くと、黒い鎧に赤いマントを装備したグラッドと、そのPTメンバーだと思われる人達が立っていた。
「自分に何か御用ですか?」
もしかして、【強化オイル】で吹き飛ばしたことに対する抗議か? だがそんな心配をよそに、グラッドは兜を脱いで自分の素顔をさらした後で、こう問いかけてきた。
「たぶんそうじゃねーかと思ったんだがよ、あんた、アースじゃないのか? フェアリークィーンをブッ倒した……」
ふーむ、懐かしいな。あのときと同じ【強化オイル】を使ったところからばれたのかもしれない。まあ逃げる必要もないので、こっちも兜をアイテムボックスに戻して、外套のフードを取る。それから頬当ても外して、素顔を見せた。
「確かに自分はアースですが……グラッドさんとは、こうやって会話をするのは初めてになるのかな。あの妖精イベントのときは、近くにいたとはいえ、会話らしい会話は一切しなかったですから」
自分が戦う直前にクィーンに負けて打ちのめされた彼を、こっちとしても少々心配したものだ。今はこうやって仲間を見つけて冒険している姿を見て、自分は少しほっとしていた。
「そういや、そうかもな……だが、妖精を連れ歩いていない様子に加えて、あの爆炎を見てほぼ間違いないと思ってよ。あの手のアイテムを作る職人は多いが、あそこまで大きく炎上させる性能のものは、まだ作り手も使い手も多くはねぇからな」
そうなのか。確かに自爆する可能性もあるし、前衛にせよ後衛にせよ両手がふさがっていることがほとんどで手が空くことはあまりないから、扱いにくいだろうな。
「──それに、お前がフェアリークィーンをブッ倒したときの動画は何度も見返した……声を聞き違えることも、もうねぇぜ」
それはまた……
「ついでによ、個人的に聞いておきたいことが一つあってな。以前、『死者の挑戦状』とかいうダンジョンがあったのは覚えてんだろ?」
「もちろん。あそこでは散々罠も踏んで、痛い思いもしています」
あれは復活しないのかねえ……ローグライクなダンジョンも幾つかあると楽しいのだが。
「そして、あのダンジョンの隠し条件をクリアした六つのPTによるバトルロイヤルがあったことも、忘れてねえよな?」
「それも、もちろん覚えていますよ。見に行くことはできませんでしたが」
「そんときに、単独クリアの条件を果たした人間が、出場を辞退しやがったんだが……あれはもしかして、てめえじゃねえのかよ?」
「さて、どうでしょうか? 正解と言うにも間違いと言うにも、証明する方法がありませんからね……」
やれやれ、随分と前のことを引っ張り出してきたものだ。だがまあ、ここは適当にとぼけておこうか。グラッドに言った通り、答えを証明する方法自体が消滅している。
「そうか……俺はてめえだと睨んでたんだがな」
「一流プレイヤーのグラッドさんにそこまで評価してもらえるのは嬉しいですけど」
掲示板で現時点の最強は誰かという話題になると、グラッドの名前がほぼ確実に上がる。加えて、(「爆ぜろ」のおまけコメント付きで)ツヴァイ、シルバーのおじいちゃん、弓ギルドのアヤメさん、「炎槍舞」ランダさんあたりか。おそらくグラッドの後ろに居るメンバーも、グラッドに近い実力を持つ強豪プレイヤーなのだろう。
そんなことを思っていたとき、再び中央役場からの声が届いた。
──通達します。現時点を以て、ファストに押し寄せていた魔物達の完全排除を宣言します。町の皆様は普段通りの生活にお戻りください。防衛に協力してくださった各国の冒険者の皆様には、後日褒賞をお渡しします――
これを聞き、周りの人達が一様にほっとした表情を浮かべる。しかし、話にはまだ続きがあった。
――……そして、更なる報告があります。ファストは解放されましたが、ネクシアは門直前まで魔物達に押し込まれており、サーズも未だ戦闘続行中との情報が入っております! もしまだ余力が残っている冒険者様がおられましたら、どうか救援をお願いします! もちろん強制ではありませんが、魔物に街を破壊され、略奪されますと、復興自体が難しくなってしまいます! どうか、可能な限り救援に向かってください!――
なんだと!? サーズは滞在中のプレイヤーが多いから持ちこたえられるかもしれないが、ネクシアはそういうこともない分、押し切られてしまうかもしれない。
【ちょっと、アース君、今の放送を聞いた!?】
ノーラからPTチャットが入った。グラッドに対して「すまない、ちょっと失礼する」と断りを入れて、ノーラに対応する。
【ああ、聞こえていたよ】
【あたしはサーズに行こうと思うんだけど、アース君はどうするの?】
【自分はネクシアに行こうと考えているかな】
【そう、じゃあPTはここで解散ね……お互いもうひと頑張りしましょ】
【だな。じゃあまた今度】
ノーラとの話を終えて、PTを解除した。さて、こっちも行動を再開しないと。
「お待たせした。そして申し訳ないが、今からネクシアに行くのでここで失礼させてもらいます」
そう告げてグラッド達の前から立ち去ろうとしたのだが……グラッドはこう提案してきた。
「そうか……なら、ネクシア救出までの間だけ、こちらのPTに入ってみるか? 枠は一つ空いているぜ?」
なんと……?
【スキル一覧】
〈風迅狩弓〉Lv5(←1UP) 〈剛蹴〉Lv18 〈百里眼〉Lv21 〈製作の指先〉Lv98 〈小盾〉Lv20
〈隠蔽・改〉Lv1 〈武術身体能力強化〉Lv33 〈義賊頭〉Lv18 〈スネークソード〉Lv34
〈妖精言語〉Lv99(強制習得・控えスキルへの移動不可能)
追加能力スキル
〈黄龍変身〉Lv1
控えスキル
〈上級木工〉Lv17 〈鍛冶の経験者〉Lv4 〈上級薬剤〉Lv20 〈上級料理〉Lv49
ExP31
称号:妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 ドラゴンと龍に関わった者
妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相
託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊
プレイヤーからの二つ名:妖精王候補(妬) 戦場の料理人
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