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王宮の前庭にやっと到着した。
ギルマスと密室っていうのは何気にストレスだった。
基本、二人きりでいるから仕方ないね。
馬車寄せは貴族が使う場所よりちょっと手前。
地味に差をつけられてる。
貴族女性のような嵩張るドレスじゃないから、ちょっと歩くくらいは良いけど、呼びつけておいてって言う気分の悪さよ。
白夜のアウルたちを筆頭にゾロゾロと王宮に向かう姿は珍しいんだろう。
馬車列の方からかなりの視線が集まる。
ギルマスも〈白夜の梟〉も伝説級だもの、憧れの目線は仕方ない。
視線慣れしすぎと言うか興味もないらしいギルマスたちはサクサク進む。
開宴までの待機室はランク毎に与えられた。
「貴族が出揃うまでは暇だわ」
ウェルカムドリンクとフードはそれなりの物だった。白夜のおかげだろうな。
「多分、宴会でメシ食うの無理だから腹入れとけよ」
マジか。
コルセットなしで食べ放題ヤッホーだと思ってたのに。
「油ぎったじじいやギラついた令嬢がひっきりなしでやってくるぞ。食欲なんかでんだろう」
ギルマスがケッと言いつつ、ご教授くれた。
ルカの顔見て、(どんな状況でも食えるもんは食うよね?)ってアイコタンタクト。
(当然)って返ってきた。
「せっかく貴族の料理楽しみだってんのに食えないんすか?」
リュートとコールたちもガッカリしてるよ。
「お前ら・・・」
そばで話を聞いていた侍従がメイドに何か頼んで、少ししてからキッチンカートで料理を運んできてくれた。
「宴ではほとんど手をつけられませんので、見栄えで出す以外のものを先にご用意しました」
料理長が特別に盛り付けてくれたそうだ。
せっかく料理作っても無駄になるのって虚しいもんね。融通が効く人たちがいて良かった。
他の部屋にも同じようにしてくれたらしい。
「ありがとうございます」
ジャックたちが大喜びで食べ始める。
「うめぇ」
マナーとか無視なので宴会でやらかさずに済んだのは良かったな。
ギルマスがちょっと遠い目したわ。
「若さってやつかよ」
貴族との付き合いがストレスで食欲が湧かないらしいけど、胃や消化器官も衰えちゃったんじゃないかな。
私たちも遠慮なく食べる。
ちょっといい肉もある~。ラッキー。
どうもパーティで出しても見向きもされずに固くなるままだから、出してくれたみたい。
いっそダミーフード並べててもバレないもんね。貴族のパーティだと。
今日は平民出身な冒険者がいっぱいだから食べる人もいると思うんだけど、場馴れしてないと食べれないかな?
白夜がいるから、侍女たちが浮つかないのを選んであるみたいだけど、やっぱ目がハートだなぁ。ルカを見る目もムカづく。
私も今は男装だから見られてるけど、なんて言うか、強そうなジャックとかのが人気あるぽっい。ジャックたちなら好きなだけ見ろ。
「そろそろ、身繕いしておけ」
侍従が時間を知らせてくれて、もうじき、会場に呼ばれるそうだ。
すでに貴族たちは集まってて、後から迎え入れる冒険者を讃えることで今回のゴブリン他の退治の感謝の意を示してくれる感じだって。
まずは下級ランクのパーティから入っていき、ちょっとした騒めきが起きる。
普段近くでは見ない冒険者を見て楽しんでるんだろう。
下位の子たちはまだ若い子が多いし。
燻ってるD、Eランクの中堅は多少ガラが悪い。
危険なく見物できて良い見せ物なんだと思う。
その中に前回見た乗馬服を煌びやかマシマシにした衣装のジュリーさんとマグナムさんがいた。
その後、C、B、と進んで。
私とリュカ、爆炎と進んで、白夜とギルマスが会場に入ると歓声が上がった。
白夜のみんなのおかげで私たちへの視線が少なく済んだ。白夜と爆炎とまとまっていたおかげでインパクトがあったから、まだ個々への関心が向ってきていない。
「さぁ、国の危機を救ってくれた冒険者たちに最大の感謝を!」
宰相の言葉を受けて、下位貴族側からは大きな拍手が上級側からはまばら。わかりやすいなぁ。
「先日ゴブリンの発見から始まった大討伐はまさにスタンピードと言っても過言ではない状態であった。その!!大変な!!!現場に偶然居合わせた我が娘!!!ジュリエッタをはじめ、多くの冒険者がサーペントやオーガキングなどと言う恐ろしい魔獣から人類の危機を救った我が娘!!!そして!!!冒険者たちを讃えて!!!」
やたら〈娘〉に力入れて話すなぁ。
婚約破棄されて泥つけられた娘の名誉回復をしたいんだろうけど、ジュリーさんのことはあの現場でいい印象持ってる冒険者少ないと思うよ。
結界を張ってくれてたのは確かに良かったけどさ。
引き合いに出されてるお嬢様が、冒険者たちの視線を受けて居心地悪そうだからやめてあげなって。
宰相の演説の後に、王は前に出てきて話しはじめた。
「皆、よう集まってくれた。此度の大討伐は場所柄的にまだ気付かれずにゴブリンやオーガの巣がもっと育っていた可能性がある。さすれば今回の比ではない人命を失うことになっておった」
あのおバカ王子の父親かぁって目で見ちゃったけど、わりとまともそう。
「冒険者たちに深く感謝をし、我が国から報奨金を出すこととなった。受け取って欲しい」
冒険者サイドから雄叫びに近い歓声が上がる。
「そして、嬉しいことに我が国にAランクの冒険者が二組増えた」
ゲ。お披露目されちゃうの?
「〈爆炎の翼〉〈白銀の双竜〉よ」
名指しで呼ばれてしまって、王の前に連れ出された。
冒険者は国民ではあるけど、王に仕えるものではないので跪く必要はない。
が、礼はとる。
王や宰相、大臣たちは私とルカの顔を見て、一瞬目を見開いたけれど、それ以上の行動は取らなかった。
「そなたたちの働きで此度の魔獣の営巣についての解明を進めることが出来た。今後も協力を願う」
さすがに励めとか協力せよとか言う言い方じゃなかった。
「「ありがたく」」
この後、ギルマスが呼ばれて、褒章と報奨金の目録を受け取った。
「さぁ、心ばかりの食事を皆で楽しんでくれ」
宰相がそう声を出すと宴が始まった。
ギルマスと密室っていうのは何気にストレスだった。
基本、二人きりでいるから仕方ないね。
馬車寄せは貴族が使う場所よりちょっと手前。
地味に差をつけられてる。
貴族女性のような嵩張るドレスじゃないから、ちょっと歩くくらいは良いけど、呼びつけておいてって言う気分の悪さよ。
白夜のアウルたちを筆頭にゾロゾロと王宮に向かう姿は珍しいんだろう。
馬車列の方からかなりの視線が集まる。
ギルマスも〈白夜の梟〉も伝説級だもの、憧れの目線は仕方ない。
視線慣れしすぎと言うか興味もないらしいギルマスたちはサクサク進む。
開宴までの待機室はランク毎に与えられた。
「貴族が出揃うまでは暇だわ」
ウェルカムドリンクとフードはそれなりの物だった。白夜のおかげだろうな。
「多分、宴会でメシ食うの無理だから腹入れとけよ」
マジか。
コルセットなしで食べ放題ヤッホーだと思ってたのに。
「油ぎったじじいやギラついた令嬢がひっきりなしでやってくるぞ。食欲なんかでんだろう」
ギルマスがケッと言いつつ、ご教授くれた。
ルカの顔見て、(どんな状況でも食えるもんは食うよね?)ってアイコタンタクト。
(当然)って返ってきた。
「せっかく貴族の料理楽しみだってんのに食えないんすか?」
リュートとコールたちもガッカリしてるよ。
「お前ら・・・」
そばで話を聞いていた侍従がメイドに何か頼んで、少ししてからキッチンカートで料理を運んできてくれた。
「宴ではほとんど手をつけられませんので、見栄えで出す以外のものを先にご用意しました」
料理長が特別に盛り付けてくれたそうだ。
せっかく料理作っても無駄になるのって虚しいもんね。融通が効く人たちがいて良かった。
他の部屋にも同じようにしてくれたらしい。
「ありがとうございます」
ジャックたちが大喜びで食べ始める。
「うめぇ」
マナーとか無視なので宴会でやらかさずに済んだのは良かったな。
ギルマスがちょっと遠い目したわ。
「若さってやつかよ」
貴族との付き合いがストレスで食欲が湧かないらしいけど、胃や消化器官も衰えちゃったんじゃないかな。
私たちも遠慮なく食べる。
ちょっといい肉もある~。ラッキー。
どうもパーティで出しても見向きもされずに固くなるままだから、出してくれたみたい。
いっそダミーフード並べててもバレないもんね。貴族のパーティだと。
今日は平民出身な冒険者がいっぱいだから食べる人もいると思うんだけど、場馴れしてないと食べれないかな?
白夜がいるから、侍女たちが浮つかないのを選んであるみたいだけど、やっぱ目がハートだなぁ。ルカを見る目もムカづく。
私も今は男装だから見られてるけど、なんて言うか、強そうなジャックとかのが人気あるぽっい。ジャックたちなら好きなだけ見ろ。
「そろそろ、身繕いしておけ」
侍従が時間を知らせてくれて、もうじき、会場に呼ばれるそうだ。
すでに貴族たちは集まってて、後から迎え入れる冒険者を讃えることで今回のゴブリン他の退治の感謝の意を示してくれる感じだって。
まずは下級ランクのパーティから入っていき、ちょっとした騒めきが起きる。
普段近くでは見ない冒険者を見て楽しんでるんだろう。
下位の子たちはまだ若い子が多いし。
燻ってるD、Eランクの中堅は多少ガラが悪い。
危険なく見物できて良い見せ物なんだと思う。
その中に前回見た乗馬服を煌びやかマシマシにした衣装のジュリーさんとマグナムさんがいた。
その後、C、B、と進んで。
私とリュカ、爆炎と進んで、白夜とギルマスが会場に入ると歓声が上がった。
白夜のみんなのおかげで私たちへの視線が少なく済んだ。白夜と爆炎とまとまっていたおかげでインパクトがあったから、まだ個々への関心が向ってきていない。
「さぁ、国の危機を救ってくれた冒険者たちに最大の感謝を!」
宰相の言葉を受けて、下位貴族側からは大きな拍手が上級側からはまばら。わかりやすいなぁ。
「先日ゴブリンの発見から始まった大討伐はまさにスタンピードと言っても過言ではない状態であった。その!!大変な!!!現場に偶然居合わせた我が娘!!!ジュリエッタをはじめ、多くの冒険者がサーペントやオーガキングなどと言う恐ろしい魔獣から人類の危機を救った我が娘!!!そして!!!冒険者たちを讃えて!!!」
やたら〈娘〉に力入れて話すなぁ。
婚約破棄されて泥つけられた娘の名誉回復をしたいんだろうけど、ジュリーさんのことはあの現場でいい印象持ってる冒険者少ないと思うよ。
結界を張ってくれてたのは確かに良かったけどさ。
引き合いに出されてるお嬢様が、冒険者たちの視線を受けて居心地悪そうだからやめてあげなって。
宰相の演説の後に、王は前に出てきて話しはじめた。
「皆、よう集まってくれた。此度の大討伐は場所柄的にまだ気付かれずにゴブリンやオーガの巣がもっと育っていた可能性がある。さすれば今回の比ではない人命を失うことになっておった」
あのおバカ王子の父親かぁって目で見ちゃったけど、わりとまともそう。
「冒険者たちに深く感謝をし、我が国から報奨金を出すこととなった。受け取って欲しい」
冒険者サイドから雄叫びに近い歓声が上がる。
「そして、嬉しいことに我が国にAランクの冒険者が二組増えた」
ゲ。お披露目されちゃうの?
「〈爆炎の翼〉〈白銀の双竜〉よ」
名指しで呼ばれてしまって、王の前に連れ出された。
冒険者は国民ではあるけど、王に仕えるものではないので跪く必要はない。
が、礼はとる。
王や宰相、大臣たちは私とルカの顔を見て、一瞬目を見開いたけれど、それ以上の行動は取らなかった。
「そなたたちの働きで此度の魔獣の営巣についての解明を進めることが出来た。今後も協力を願う」
さすがに励めとか協力せよとか言う言い方じゃなかった。
「「ありがたく」」
この後、ギルマスが呼ばれて、褒章と報奨金の目録を受け取った。
「さぁ、心ばかりの食事を皆で楽しんでくれ」
宰相がそう声を出すと宴が始まった。
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