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私、リィン・マートムは5歳の時に急に前世の記憶を思い出した。
それから、自分の環境や立ち位置を確認して、異世界転生らしいことは分かったけど、何の物語?ゲーム?かはわからなかった。
わからないって事は私重要人物じゃないよね。
生まれ変わった私は、ちょっと貧乏なマートム子爵家の第三子長女として誕生。
弟のルカとは二卵性の双子。いや検査される訳じゃないから知らんけど、男女の双子だもの。
それでもルカと私は結構なそっくりさん。
父ハインツ、母ソニア、長男ジョン、次男ベン、私リィンと双子の弟ルカ、妹ファナ、弟ネルのちょっとした大家族。
こんな不衛生っぽい世界で子沢山な母さんはすごいよ。
田舎で領地収入も赤字スレスレでハッキリ言って余裕がないから、10歳になった時ルカと一緒に冒険者になった。親には内緒。
薬草摘んで売って小銭稼いでる程度の話だけして頻繁に外に出てた。
腐っても爵位持ちなので、13歳から18歳までに最低でも四年は王都の学園に通わなくちゃいけない。我が家にタウンハウスなど無いので、兄たちは寮に入ってギリギリ仕送りで通ってたけれど、私たちは冒険者活動を続けたかったから、貴族街の外れで部屋を借りて通学することにして。
スキップは可能なので最速で卒業することを目指して2人で頑張った。
そして16歳、最低限の四年。周りが18までのんびりしている中、卒業資格を得た。
今夜は卒業記念パーティー。頑張った!
「貴様とは婚約破棄だ!可愛気も優しさもない女なんぞと結婚はできん!」
ついにお約束のシーンだ。
本当にやっちゃうんだねぇ。
この国の第一王子とゆるふわ女と公爵令嬢。王子の側近候補だろう令息3名。
ど定番っ!
私は、学園で悪役令嬢と王子様を見かけて《乙女は幸せな夢を見る》の世界だって気がついたけど、接点もないし、モブなら話しかけるのも変だから、完全に傍観者になった。
だってスチルの静止画像で顔もぼんやりとしたモブオブモブ。ゲームの中でセリフも役割もない顔すらはっきり描かれてない隅っこにいるただのモブ。いやモブどころか景色よ。
卒業が被らないようにスキップしなければ良かったと気がついた時には、単位も取れてて冒険者としての活動も順調だったから突っ切ってしまったのだけど、この茶番を見ちゃってやらかした感はある。
今更なんでルカと2人で遠くの騒ぎを聞きながら、立食コーナーにあるケーキを貪り食べるよ。
ルカはローストビーフとテリーヌ。
こんな良い食事は地元に戻ったら中々食べられないもん。タッパー欲しいっすわ。
他に食べてる人がいないんだ。もったいないね。
「・・・お前もあそこに居る女くらい面白ければ相手をしてやったものを」
もぐもぐ。
ケーキうま~。もう王都のパーティとか出る気はないから食べ納め!!!
田舎を拠点にルカとあちこち巡るからね。お貴族さん生活も卒業だー。
結婚とかめんどくさいから除籍か何かしてもらうつもり。要らないって言われるかもだけど下の兄弟たちの学費くらいは仕送りを続けるよ。
なんかざわざわしてるけどモブなので気にしない。
「リィン、お肉も食べときなよ」
いや肉は自力で調達すればいつでも食べれるじゃん!このソースとかは無理だけど。
おしゃれケーキはお高いし、田舎のお店じゃ売ってないんだもん。
「ちょっと、もう少し周りを気にしなさいよ」
スッと隣に来た子にコソリと注意を受けた。
「うぐう?」
「むごむぐ?」
ルカと2人でさっき騒いでた方を見てみるとなぜか私たちを大勢で見ている。
一応〈認識阻害〉しててぼんやりした印象のはずなのに誰もいないところでガツガツ食事してたら目立っちゃった?
真ん中に婚約破棄って言い出したアホボンと抱っこちゃん人形なあざと系女、少し離れて脳面のようになってる迫力美女。
それを遠巻きにしている人たちでこっちを微妙な顔で見てる。
さっきの面白い女って私!?
ただ食べてただけじゃん!
腕に女ぶら下げておいて、見知らぬ私に流れ弾撃ってくるとかなんなの?
「ルカ、これ私に関係ある?」
「んにゃ全く」
「どうしよう?」
「ほっとけば、何も言いようがない」
「だよねぇ」
また食事に戻ったら、
「え、ちょっと・・・」
ってまた騒ついた。
「殿下、婚約破棄承知致しましたわ。関係のない人を引き合いにするのはおやめください。では、ごきげんよう」
さっきまで能面になってた美女がこちらを見て、フワッと笑って去っていかれた。
ふおー、美女の笑顔サイコー。
なんで抱っこちゃんを選ぶかなー。不思議。
どうやら騒ぎを聞きつけた教師や王室関係者が入ってきて、王子と抱っこちゃんと取り巻き?っぽいのを連れて出て行った。
パーティは有耶無耶になって終了。
無事?卒業したのでルカと私は、借りた部屋を引き払って領地に戻るよ。
ついに本格的に冒険者活動に入るんだ。
王都に残ってもめんどくさそうだから田舎を拠点にあちこち回ろうって。
学園の休みに王都のギルドで依頼たくさん受けたのでお金もそこそこ貯まったし、Cランクになったので受けられる仕事も増えた。
一応転生者特典でそこそこチートなんだけど、目立つと面倒だから当面はCランク維持する予定。
何気にルカも規格外でこっちのがチートじゃん?って思ってる。
ゲームは卒業式で終わりだから、傍観者ももうお役御免。
それから、自分の環境や立ち位置を確認して、異世界転生らしいことは分かったけど、何の物語?ゲーム?かはわからなかった。
わからないって事は私重要人物じゃないよね。
生まれ変わった私は、ちょっと貧乏なマートム子爵家の第三子長女として誕生。
弟のルカとは二卵性の双子。いや検査される訳じゃないから知らんけど、男女の双子だもの。
それでもルカと私は結構なそっくりさん。
父ハインツ、母ソニア、長男ジョン、次男ベン、私リィンと双子の弟ルカ、妹ファナ、弟ネルのちょっとした大家族。
こんな不衛生っぽい世界で子沢山な母さんはすごいよ。
田舎で領地収入も赤字スレスレでハッキリ言って余裕がないから、10歳になった時ルカと一緒に冒険者になった。親には内緒。
薬草摘んで売って小銭稼いでる程度の話だけして頻繁に外に出てた。
腐っても爵位持ちなので、13歳から18歳までに最低でも四年は王都の学園に通わなくちゃいけない。我が家にタウンハウスなど無いので、兄たちは寮に入ってギリギリ仕送りで通ってたけれど、私たちは冒険者活動を続けたかったから、貴族街の外れで部屋を借りて通学することにして。
スキップは可能なので最速で卒業することを目指して2人で頑張った。
そして16歳、最低限の四年。周りが18までのんびりしている中、卒業資格を得た。
今夜は卒業記念パーティー。頑張った!
「貴様とは婚約破棄だ!可愛気も優しさもない女なんぞと結婚はできん!」
ついにお約束のシーンだ。
本当にやっちゃうんだねぇ。
この国の第一王子とゆるふわ女と公爵令嬢。王子の側近候補だろう令息3名。
ど定番っ!
私は、学園で悪役令嬢と王子様を見かけて《乙女は幸せな夢を見る》の世界だって気がついたけど、接点もないし、モブなら話しかけるのも変だから、完全に傍観者になった。
だってスチルの静止画像で顔もぼんやりとしたモブオブモブ。ゲームの中でセリフも役割もない顔すらはっきり描かれてない隅っこにいるただのモブ。いやモブどころか景色よ。
卒業が被らないようにスキップしなければ良かったと気がついた時には、単位も取れてて冒険者としての活動も順調だったから突っ切ってしまったのだけど、この茶番を見ちゃってやらかした感はある。
今更なんでルカと2人で遠くの騒ぎを聞きながら、立食コーナーにあるケーキを貪り食べるよ。
ルカはローストビーフとテリーヌ。
こんな良い食事は地元に戻ったら中々食べられないもん。タッパー欲しいっすわ。
他に食べてる人がいないんだ。もったいないね。
「・・・お前もあそこに居る女くらい面白ければ相手をしてやったものを」
もぐもぐ。
ケーキうま~。もう王都のパーティとか出る気はないから食べ納め!!!
田舎を拠点にルカとあちこち巡るからね。お貴族さん生活も卒業だー。
結婚とかめんどくさいから除籍か何かしてもらうつもり。要らないって言われるかもだけど下の兄弟たちの学費くらいは仕送りを続けるよ。
なんかざわざわしてるけどモブなので気にしない。
「リィン、お肉も食べときなよ」
いや肉は自力で調達すればいつでも食べれるじゃん!このソースとかは無理だけど。
おしゃれケーキはお高いし、田舎のお店じゃ売ってないんだもん。
「ちょっと、もう少し周りを気にしなさいよ」
スッと隣に来た子にコソリと注意を受けた。
「うぐう?」
「むごむぐ?」
ルカと2人でさっき騒いでた方を見てみるとなぜか私たちを大勢で見ている。
一応〈認識阻害〉しててぼんやりした印象のはずなのに誰もいないところでガツガツ食事してたら目立っちゃった?
真ん中に婚約破棄って言い出したアホボンと抱っこちゃん人形なあざと系女、少し離れて脳面のようになってる迫力美女。
それを遠巻きにしている人たちでこっちを微妙な顔で見てる。
さっきの面白い女って私!?
ただ食べてただけじゃん!
腕に女ぶら下げておいて、見知らぬ私に流れ弾撃ってくるとかなんなの?
「ルカ、これ私に関係ある?」
「んにゃ全く」
「どうしよう?」
「ほっとけば、何も言いようがない」
「だよねぇ」
また食事に戻ったら、
「え、ちょっと・・・」
ってまた騒ついた。
「殿下、婚約破棄承知致しましたわ。関係のない人を引き合いにするのはおやめください。では、ごきげんよう」
さっきまで能面になってた美女がこちらを見て、フワッと笑って去っていかれた。
ふおー、美女の笑顔サイコー。
なんで抱っこちゃんを選ぶかなー。不思議。
どうやら騒ぎを聞きつけた教師や王室関係者が入ってきて、王子と抱っこちゃんと取り巻き?っぽいのを連れて出て行った。
パーティは有耶無耶になって終了。
無事?卒業したのでルカと私は、借りた部屋を引き払って領地に戻るよ。
ついに本格的に冒険者活動に入るんだ。
王都に残ってもめんどくさそうだから田舎を拠点にあちこち回ろうって。
学園の休みに王都のギルドで依頼たくさん受けたのでお金もそこそこ貯まったし、Cランクになったので受けられる仕事も増えた。
一応転生者特典でそこそこチートなんだけど、目立つと面倒だから当面はCランク維持する予定。
何気にルカも規格外でこっちのがチートじゃん?って思ってる。
ゲームは卒業式で終わりだから、傍観者ももうお役御免。
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