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本編
両家の父は仲良しです
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お父様と私は馬車いっぱいに結納品やお土産を詰めてシルバーリーフにやってきた。
婚約成立前だけどほぼ確定だし、何度も行き来するのはお父様もまだ忙しいので一回で済ませたい。
シルバーリーフ家の皆さんが総出で出迎えてくださって。
早速本題に入ると
「サファイア嬢の相手としてなら長男でも次男でも婿に出しましたぞ!そのひねくれ者でいいのかい?」
お父君が冗談のフリして他の兄を勧めてくる。
「ほっほ、婿に来てもらうのが嫡男では申し訳なかろう。レイニード殿は学友としてよくサファイアを助けてくれたと言うから気が会いましょうな」
「サファイア嬢ならこっちに嫁入りでも大歓迎なんだがなぁ」
元王都でタッグを組んでた二人が笑顔でやりやってますが何か怖い。
「サファイアちゃん、私のことお義母さまって呼んでくださる?」
男3人育て上げた美貌の奥様がかわいいおねだりを!コクコクと頭を振ると
「うふふ、女の子欲しかったから嬉しいわ~♡」
「お式のドレス何枚か作るでしょ?1着は私に任せて欲しいの、でもサファイアちゃんドレス工房も持ってるのよねぇ?」
指を組んで左右に体を揺らして楽しそうなお義母さまをガッカリなんてされれませんわ。
「いろんなデザイナーの衣装が着られるなんて嬉しいですわ」
「そうよねー!」
「サファイア、これ婚約誓約書」
レイから渡された書類をザッと確認。
特に罠的な仕掛けもない。
浮気や暴力など禁止事項、財産の管理など一般的な内容なのでお父様と一緒にサイン。
婚姻式は半年後。シルバーリーフとアーバンで2回。パーティの飾り付けや食事の手配楽しみ♫
レイは荷物がまとまったら、アーバンに来ちゃうんだって。新居間に合いませんがな。
「そういえばのう、スイートポテトだったかが拘束されたぞ」
あら美味しそうね?
「国境に辿り着けなかったか?」
「そもそもあの妙なリボンまみれのドレスで辻馬車乗ってたらカモだろうよ、有金全部巻き上げられて路上に捨てられてたらしいぞ。結構ボロボロで」
「そりゃ女一人で行動してたらなぁ・・・」
真実の愛とか一番愛しいとか言ってたはずな王子様とはどうなさったのかしら?
一人だけ脱出しちゃうなんて。
やっぱり愛なんて軽いものね。
ん?スイートポテトさんは一度も愛とか言ってなかったかも??
「いやぁん、殿下ったら素敵♡」
「えー☆殿下ぁ~カッコいい~♫」
「ポメラもぉあのネックレスがぁほ・し・いな♡」
いけない。イラッとしてきた。
いつも見かけると殿下の腕にぶら下っってブリブリっと上目遣いで何かしら褒めたりおねだりしたり。
そんな姿しか思い出せないわ。
「ああ、ポメラは可愛いな」
「あの女と違って素直だ」
「愛らしいな、ポメラは本当に愛おしい」
今まで散々侍女や下級貴族の令嬢に手をつけておいてどの口が言うの?って思ったけど。誉め殺してくれる子がスイートポテトさんしかいなかったのかしらね?
どっちにしてもおねだり女の愛もチヤホヤされたいだけの男の愛もしょうもないわ。
今頃王子はなにを思ってるんでしょうね?
婚約っていう良いお話の時に思い出すんじゃなかったわ。
「おお~これはアーバンの滴ではないか!」
お土産を開いた元宰相さまが喜声を上げる。
手に持っているのはケース入りの一番オススメのお酒プレミアものです。これも製法が歴史に埋もれちゃってたので再現まで大変でした。主に職人さんが。
プレミアは数が少ないのと一番に埋もれた歴史の番人だった村の人たちとお世話になった職人に配ったので一般販売数が少ないことでついちゃった付加価値。
「あらぁこれはフィオーラの吐息ね!」
高級美容液の瓶を掲げて大喜びのお義母さま。相当テンションが高い!
ちなみにフィオーラはお母様のこと。いつまでも綺麗なお母様にあやかってお名前をいただきましたわ。
次に出す美容クリームはお義母さまのお名前がいいかしら?お義母さまも相当な美人ですもの。早速こっそり打診したら、お義母さまにぎゅうぅって抱きしめられて、
「ぬわんて可愛い娘かしら?レイナード!あなたはとっととアーバンに行ってサファイアちゃんはここに残して!!!!」
やや!婿だけ向かうとかなにそれー!
化粧品に目がないって本当だったのね、って思ったらレイがため息ついて、
「母上が美しいから化粧品に名前つかわせろって言ったらそうなるだろう?最上級の讃美だろうが」
あ、そっか。お母様もご機嫌だったわ。
「もう逃げられないからな?」
ん?なんか一瞬目の奥が光ってた気がするけど気のせいかしら?
婚約成立前だけどほぼ確定だし、何度も行き来するのはお父様もまだ忙しいので一回で済ませたい。
シルバーリーフ家の皆さんが総出で出迎えてくださって。
早速本題に入ると
「サファイア嬢の相手としてなら長男でも次男でも婿に出しましたぞ!そのひねくれ者でいいのかい?」
お父君が冗談のフリして他の兄を勧めてくる。
「ほっほ、婿に来てもらうのが嫡男では申し訳なかろう。レイニード殿は学友としてよくサファイアを助けてくれたと言うから気が会いましょうな」
「サファイア嬢ならこっちに嫁入りでも大歓迎なんだがなぁ」
元王都でタッグを組んでた二人が笑顔でやりやってますが何か怖い。
「サファイアちゃん、私のことお義母さまって呼んでくださる?」
男3人育て上げた美貌の奥様がかわいいおねだりを!コクコクと頭を振ると
「うふふ、女の子欲しかったから嬉しいわ~♡」
「お式のドレス何枚か作るでしょ?1着は私に任せて欲しいの、でもサファイアちゃんドレス工房も持ってるのよねぇ?」
指を組んで左右に体を揺らして楽しそうなお義母さまをガッカリなんてされれませんわ。
「いろんなデザイナーの衣装が着られるなんて嬉しいですわ」
「そうよねー!」
「サファイア、これ婚約誓約書」
レイから渡された書類をザッと確認。
特に罠的な仕掛けもない。
浮気や暴力など禁止事項、財産の管理など一般的な内容なのでお父様と一緒にサイン。
婚姻式は半年後。シルバーリーフとアーバンで2回。パーティの飾り付けや食事の手配楽しみ♫
レイは荷物がまとまったら、アーバンに来ちゃうんだって。新居間に合いませんがな。
「そういえばのう、スイートポテトだったかが拘束されたぞ」
あら美味しそうね?
「国境に辿り着けなかったか?」
「そもそもあの妙なリボンまみれのドレスで辻馬車乗ってたらカモだろうよ、有金全部巻き上げられて路上に捨てられてたらしいぞ。結構ボロボロで」
「そりゃ女一人で行動してたらなぁ・・・」
真実の愛とか一番愛しいとか言ってたはずな王子様とはどうなさったのかしら?
一人だけ脱出しちゃうなんて。
やっぱり愛なんて軽いものね。
ん?スイートポテトさんは一度も愛とか言ってなかったかも??
「いやぁん、殿下ったら素敵♡」
「えー☆殿下ぁ~カッコいい~♫」
「ポメラもぉあのネックレスがぁほ・し・いな♡」
いけない。イラッとしてきた。
いつも見かけると殿下の腕にぶら下っってブリブリっと上目遣いで何かしら褒めたりおねだりしたり。
そんな姿しか思い出せないわ。
「ああ、ポメラは可愛いな」
「あの女と違って素直だ」
「愛らしいな、ポメラは本当に愛おしい」
今まで散々侍女や下級貴族の令嬢に手をつけておいてどの口が言うの?って思ったけど。誉め殺してくれる子がスイートポテトさんしかいなかったのかしらね?
どっちにしてもおねだり女の愛もチヤホヤされたいだけの男の愛もしょうもないわ。
今頃王子はなにを思ってるんでしょうね?
婚約っていう良いお話の時に思い出すんじゃなかったわ。
「おお~これはアーバンの滴ではないか!」
お土産を開いた元宰相さまが喜声を上げる。
手に持っているのはケース入りの一番オススメのお酒プレミアものです。これも製法が歴史に埋もれちゃってたので再現まで大変でした。主に職人さんが。
プレミアは数が少ないのと一番に埋もれた歴史の番人だった村の人たちとお世話になった職人に配ったので一般販売数が少ないことでついちゃった付加価値。
「あらぁこれはフィオーラの吐息ね!」
高級美容液の瓶を掲げて大喜びのお義母さま。相当テンションが高い!
ちなみにフィオーラはお母様のこと。いつまでも綺麗なお母様にあやかってお名前をいただきましたわ。
次に出す美容クリームはお義母さまのお名前がいいかしら?お義母さまも相当な美人ですもの。早速こっそり打診したら、お義母さまにぎゅうぅって抱きしめられて、
「ぬわんて可愛い娘かしら?レイナード!あなたはとっととアーバンに行ってサファイアちゃんはここに残して!!!!」
やや!婿だけ向かうとかなにそれー!
化粧品に目がないって本当だったのね、って思ったらレイがため息ついて、
「母上が美しいから化粧品に名前つかわせろって言ったらそうなるだろう?最上級の讃美だろうが」
あ、そっか。お母様もご機嫌だったわ。
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