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二章
727話
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朝食はスパイシーなカレーだった。
私はカレーはお昼以降が良いな。
だけどとっても美味しいので問題は無い。
王女さまたちの側近以外は旅館の方に宿泊なので今朝は王女さまたち、ユエさま、ダニエラさまだけ。
側仕えや外交官トップ陣は別室にてお食事だ。
朝食後、お茶タイムに私はダニエラ様とお話なので、王女さま二人はお義母さまが私のドレスで着せ替えごっこするそうだ。
まだ私のサイズでいけるのね。ほ。
午後からマダム・シフォンが来てくれることになっってるそうだ。
慣れてるかもだけど、頑張って!
そんなわけで、私とマーベルハント家三名、リックさまと我が家代表でセリウスさまと一緒にお話を聞くことに。
ジュリアスさまが残ると言ってたけど、お仕事忙しいそうなので。
応接室で、テーブルを囲む感じで座る。
ハロルドと侍女長がお茶とお菓子をセットしてくれて壁際に待機。
『随分過保護にされてるのね』
そればっかりは否定できないんだな。
『まぁ良いわ。マーベルハントの小僧よ。私の妹はずいぶん早く逝ってしまったな?』
お祖父様を小僧って。
そしてお祖母様の死因はなんだったのか?
『大切な妹君を守れず申し訳ないと思っています』
お祖父様は、お祖母様がネイマーシェより魔素度が低い暮らしの中、子を四人生み育て、子供たちが結婚して落ち着いた頃、流行病に罹ってあっという間に亡くなったことを伝えた。
魔力が豊富な人間にとって、魔素が薄い地域での暮らしは堪えるのだそう。
ネイマーシェの人間は通常魔素をたっぷり蓄えてるので病気に罹りにくいんだと言う。
先祖に羽人やエルフ族がいるのもあって、二百年三百年は普通に生きることが出来るのだとか。長生き過ぎぃ。
『この国で生きて死ぬことを受けれたのはセラーナ自身。責める気はない。ただ娘も早くに亡くなっておるのであろう?』
淡々とした表情で聞いてくる。
『亡くなったのはこのリーシャの母です。魔素の関係もありましょうが、夫カイダールが長く行方不明であったことで心労もあったのでしょう』
お母さまも伯父様、叔父様も長生きが出来るかもな血筋だったのね。
お母さまはダニエラさまにしてみたらヒヨコのうちに亡くなってしまった。
『それでだね。そこのハナッタレ二人、子供もいるのかい?』
『います』
『俺はいないが姉にはいます』
伯父様と叔父様が答える。
『魔力が強いんならネイマーシェに来ないかと誘いたいのだ』
セラーナお祖母様の子と孫が長生き出来ないかもと心配らしい。
『特にリーシャ、その魔力量、共にいる古龍、気なるね』
アズライトは私の肩にいる。トカゲじゃないのはあっさりバレてる。
『錬金術を扱うならネイマーシェに来た方がタメになるしね』
学園に入って錬金術を極めること、その上の魔導院に入って、生涯研究に携わることは誉れだと言う。
『私は結婚してますし、錬金術は今は気ままにやってるので』
いくらなんでもネイマーシェに移住する気はない。
『お前たちもその道に進んだなら極めたいであろう?』
どうやら伯父様、叔父様も一家ごと連れて帰りたいっぽい。
『ネイマーシェならば、この大陸開闢以来のありとあらゆる知識が学べるのだぞ』
あ、叡智のマーベルハント家がグラいちゃってる。
レアな古文書とか出てきたら気になって夜しか眠れないよ。
『どうだ?セラーナの愛し子たち。ネイマーシェの親族にもあっていただけると皆喜ぶ』
一族代表で出てきたのかな。
知らない国で一から生活基盤を作れと言われても困るね。
『来てくれさえすれば住む場所くらいは用意する』
ネイマーシェへの勧誘か~。
『この話はクリスタニア公爵は知ってのことですか?一門の総意なのでしょうか?』
お祖父様はちょっとキツイ目になってる。
『いいや?私が亡くしたセラーナの分を宗家に補充したいのさ。私たちの国の人間は長命であるがゆえか、子が生まれにくい。出て行ったセラーナが生んだ子をネイマーシェに返してくれたら嬉しいんだがね』
返すも何も国籍はレイドラアースにあってすでにネイマーシェ人ではないのに。
『それでだね。お前たち。私がナギに出かけている間にネイマーシェに行くかよく考えて欲しいのさ』
これ、いまバッサリ断っちゃっていいんだろうか?
『特にリーシャ、ネイマーシェへ留学生を送ってくるならその場所はどんな環境か確認しにくるべきだよ』
あれ、留学生のこと知ってた。
『ネイマーシェに暮らさなくとも安全と勉学のレベルを確認しにくるべきではないかね』
基金でお金だけ出せばいいってことでもないって突きつけられた。
私はカレーはお昼以降が良いな。
だけどとっても美味しいので問題は無い。
王女さまたちの側近以外は旅館の方に宿泊なので今朝は王女さまたち、ユエさま、ダニエラさまだけ。
側仕えや外交官トップ陣は別室にてお食事だ。
朝食後、お茶タイムに私はダニエラ様とお話なので、王女さま二人はお義母さまが私のドレスで着せ替えごっこするそうだ。
まだ私のサイズでいけるのね。ほ。
午後からマダム・シフォンが来てくれることになっってるそうだ。
慣れてるかもだけど、頑張って!
そんなわけで、私とマーベルハント家三名、リックさまと我が家代表でセリウスさまと一緒にお話を聞くことに。
ジュリアスさまが残ると言ってたけど、お仕事忙しいそうなので。
応接室で、テーブルを囲む感じで座る。
ハロルドと侍女長がお茶とお菓子をセットしてくれて壁際に待機。
『随分過保護にされてるのね』
そればっかりは否定できないんだな。
『まぁ良いわ。マーベルハントの小僧よ。私の妹はずいぶん早く逝ってしまったな?』
お祖父様を小僧って。
そしてお祖母様の死因はなんだったのか?
『大切な妹君を守れず申し訳ないと思っています』
お祖父様は、お祖母様がネイマーシェより魔素度が低い暮らしの中、子を四人生み育て、子供たちが結婚して落ち着いた頃、流行病に罹ってあっという間に亡くなったことを伝えた。
魔力が豊富な人間にとって、魔素が薄い地域での暮らしは堪えるのだそう。
ネイマーシェの人間は通常魔素をたっぷり蓄えてるので病気に罹りにくいんだと言う。
先祖に羽人やエルフ族がいるのもあって、二百年三百年は普通に生きることが出来るのだとか。長生き過ぎぃ。
『この国で生きて死ぬことを受けれたのはセラーナ自身。責める気はない。ただ娘も早くに亡くなっておるのであろう?』
淡々とした表情で聞いてくる。
『亡くなったのはこのリーシャの母です。魔素の関係もありましょうが、夫カイダールが長く行方不明であったことで心労もあったのでしょう』
お母さまも伯父様、叔父様も長生きが出来るかもな血筋だったのね。
お母さまはダニエラさまにしてみたらヒヨコのうちに亡くなってしまった。
『それでだね。そこのハナッタレ二人、子供もいるのかい?』
『います』
『俺はいないが姉にはいます』
伯父様と叔父様が答える。
『魔力が強いんならネイマーシェに来ないかと誘いたいのだ』
セラーナお祖母様の子と孫が長生き出来ないかもと心配らしい。
『特にリーシャ、その魔力量、共にいる古龍、気なるね』
アズライトは私の肩にいる。トカゲじゃないのはあっさりバレてる。
『錬金術を扱うならネイマーシェに来た方がタメになるしね』
学園に入って錬金術を極めること、その上の魔導院に入って、生涯研究に携わることは誉れだと言う。
『私は結婚してますし、錬金術は今は気ままにやってるので』
いくらなんでもネイマーシェに移住する気はない。
『お前たちもその道に進んだなら極めたいであろう?』
どうやら伯父様、叔父様も一家ごと連れて帰りたいっぽい。
『ネイマーシェならば、この大陸開闢以来のありとあらゆる知識が学べるのだぞ』
あ、叡智のマーベルハント家がグラいちゃってる。
レアな古文書とか出てきたら気になって夜しか眠れないよ。
『どうだ?セラーナの愛し子たち。ネイマーシェの親族にもあっていただけると皆喜ぶ』
一族代表で出てきたのかな。
知らない国で一から生活基盤を作れと言われても困るね。
『来てくれさえすれば住む場所くらいは用意する』
ネイマーシェへの勧誘か~。
『この話はクリスタニア公爵は知ってのことですか?一門の総意なのでしょうか?』
お祖父様はちょっとキツイ目になってる。
『いいや?私が亡くしたセラーナの分を宗家に補充したいのさ。私たちの国の人間は長命であるがゆえか、子が生まれにくい。出て行ったセラーナが生んだ子をネイマーシェに返してくれたら嬉しいんだがね』
返すも何も国籍はレイドラアースにあってすでにネイマーシェ人ではないのに。
『それでだね。お前たち。私がナギに出かけている間にネイマーシェに行くかよく考えて欲しいのさ』
これ、いまバッサリ断っちゃっていいんだろうか?
『特にリーシャ、ネイマーシェへ留学生を送ってくるならその場所はどんな環境か確認しにくるべきだよ』
あれ、留学生のこと知ってた。
『ネイマーシェに暮らさなくとも安全と勉学のレベルを確認しにくるべきではないかね』
基金でお金だけ出せばいいってことでもないって突きつけられた。
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