737 / 764
二章
725話
しおりを挟む
夕刻、食事は大広間で取ることになった。
平服で良いといってあるけど、それなりな格好だろうね。
ところでダニエラさまは自分の侍女護衛を連れていないようだった。全部お一人でやってこられたのか?
王女さまたちにもダニエラさまにもグレーデン家から人をお出しするんだけど、自分の従僕がいた方が良いだろうにね。
時間が経って、まずはグレーデン家、マーベルハント家、リックさまが大広間に集まって、ナギ国ご一行とダニエラさまを迎える。
王女さまたち、ダニエラさま、そのあとナギの外交官たちと入ってきた。
今日は正式な晩餐になるのでお料理はコース料理的な感じで順番に出て来る。
でもここはグレーデン家なので量は必要、主なコースメニュー以外は特盛でドーンと置かれる感じだ。足りないからね!
『『お招きに感謝する』』
全員が着席をしたところで、ジュリアスさまが神と精霊に感謝の言葉を。
『この素晴らしき縁と、日々の恵みに神と精霊に感謝を』
『『『『『『感謝を!』』』』』』
私はジュリアスさまの横に若干高さのある椅子を使って座ってる。子供用じゃないよ?
王女さまたちも少し高めの椅子。
まぁね?グレーデン家の規格の家具はみんな普通より大きめなので来客用ってものは一応あるのよ。
客室は、大は小を兼ねるなベッドなどはそのままで、テーブルや椅子なんかは標準の家具に入れ替えたりしたらしい。
『殿下方がとても美味しいとおっしゃっていたので楽しみにしていたのだよ』
ダニエラさまが楽しそうに王女さまたちに話しかける。
基本の料理はナギの辛い料理をアレンジしたものを出した。
唐辛子たっぷりスープ、サラダは鶏ササミに辛い実とピクルスを刻んだソース。
お肉はビリビリ肉にスパイス漬けにした辛いソースがけ。
他国のおもてなしでは香辛料がどこまで使われていたかわからないけれど、ナギ国の基準まで使うのは困難なはずなので、うちではポムたちのおかげとデレード国からの入手で豊富に使えるからね。
私や辛いものがそこまで食べれない人用は通常メニューだ。
『『うむ!アッガスでの食事に始まって王宮までグレーデンの料理人が担当してくれた食事はかなり美味しかったのだ。また食べられて嬉しい。さすがの腕であるよ』』
王女さまたちはニコニコと食べてくれる。
『私はこのスープがお気に入りであるの』
『私は肉料理に使われているソースが良いと思う』
あ、色の好みが違うんだ。
『私はまたコーンスープが食べたく思っておるぞ』
すかさず、侍従が厨房に行ってコーンスープが出される。
日頃たくさん食べる家なのでストックと言うよりは、賄い分も含めてあらゆる料理が並行して作られている感じね。
ただ、一般の女性はスープをおかわりしないのだよ。お料理でお腹いっぱいになるから。
『『気が利くの!感謝する』』
あ、普通におかわり受け入れた。
私だけかもしれないけれど、コーンスープはとろみがあってお腹に溜まるから、おかずが食べられないよ。
『そんなに美味しいなら私もいただきたいね。お願いできるかな』
ダニエラさまもユエさまも他の人たちも続いた。
『辛いスープの後に飲むとまた格別に甘味を感じますね』
ユエさま、スープをまたおかわりした。
『この肉に使っている香辛料は不思議な味だな。初めての味だ』
ダニエラさまが言うにはネイマーシェは、塩、ハーブ系薬味を使った料理が基本で王宮でのみ、胡椒を使っているそうだ。
胡椒の独占良くないよ!
『我ら錬金術師はハーブとは相性が良いから味に困ることはないが、料理の段階で味を付けるのは深みが出て良いものよ』
よくわからないけれど、薬草系ハーブの扱い方に詳しいから、物足りない時は葉っぱを混ぜたり、乾燥した薬草を散らしたりして食べているらしい。
料理人が嫌がりそうだね?
って思えば、隠し部屋に籠ってる時は自炊だって。
オートミール粥と薬草スープが錬金術師の常食なんだとか。本当かな?ダニエラさまだけなのでは?
・・・そう言えば、お母さまの用意してくれる料理はそんなだったかも。
あ、旧オレイユ領、現カイダール領でお母さまと暮らしていた時ね。財産や収益はすでにイダルンダが握ってたので最低限の従者しかいなかったの。
(お母さま名義の貯金や隠し部屋に物凄い価値のある物はあったんだけどね)
おぼろげだけど、ニーナが来るまでほぼ自給自足のような暮らしをしてたと思う。
薬草畑の薬草はほとんど実験に使っていて、薬は頼まれたら領地の人に配る程度で。
だからかご近所さんがおかずを持ってきてくれたりしてたんだね。
『思えばこんなに大勢で食事を取るのも久方ぶりか』
ダニエラさまは旦那さまはもう亡くなっていて、息子が後を継いでるから気ままに好きなことをしているそうだ。
貴族的な集まり自体はネイマーシェでは滅多に無いらしい。何それ羨ましい。
『皆、実験バカよな』
ダニエラさまが笑っている中、お祖父様とリックさまが遠い目になってる。
留学してた時代を思い出してるのかな。
『『だが街並みは素晴らしく整っていて国力の高い、賢者の集う国であろう』』
『そう言ってもらえると嬉しいけれど、いかに楽に効率的に暮らせるか考えた結果があれだよ』
おお、どんな街並みか気になるね。
______________________
昨夜も寝落ちで、今日は難産でした
今夜はかけるかな
毎日書くがズレてしまったのでやさぐれます
平服で良いといってあるけど、それなりな格好だろうね。
ところでダニエラさまは自分の侍女護衛を連れていないようだった。全部お一人でやってこられたのか?
王女さまたちにもダニエラさまにもグレーデン家から人をお出しするんだけど、自分の従僕がいた方が良いだろうにね。
時間が経って、まずはグレーデン家、マーベルハント家、リックさまが大広間に集まって、ナギ国ご一行とダニエラさまを迎える。
王女さまたち、ダニエラさま、そのあとナギの外交官たちと入ってきた。
今日は正式な晩餐になるのでお料理はコース料理的な感じで順番に出て来る。
でもここはグレーデン家なので量は必要、主なコースメニュー以外は特盛でドーンと置かれる感じだ。足りないからね!
『『お招きに感謝する』』
全員が着席をしたところで、ジュリアスさまが神と精霊に感謝の言葉を。
『この素晴らしき縁と、日々の恵みに神と精霊に感謝を』
『『『『『『感謝を!』』』』』』
私はジュリアスさまの横に若干高さのある椅子を使って座ってる。子供用じゃないよ?
王女さまたちも少し高めの椅子。
まぁね?グレーデン家の規格の家具はみんな普通より大きめなので来客用ってものは一応あるのよ。
客室は、大は小を兼ねるなベッドなどはそのままで、テーブルや椅子なんかは標準の家具に入れ替えたりしたらしい。
『殿下方がとても美味しいとおっしゃっていたので楽しみにしていたのだよ』
ダニエラさまが楽しそうに王女さまたちに話しかける。
基本の料理はナギの辛い料理をアレンジしたものを出した。
唐辛子たっぷりスープ、サラダは鶏ササミに辛い実とピクルスを刻んだソース。
お肉はビリビリ肉にスパイス漬けにした辛いソースがけ。
他国のおもてなしでは香辛料がどこまで使われていたかわからないけれど、ナギ国の基準まで使うのは困難なはずなので、うちではポムたちのおかげとデレード国からの入手で豊富に使えるからね。
私や辛いものがそこまで食べれない人用は通常メニューだ。
『『うむ!アッガスでの食事に始まって王宮までグレーデンの料理人が担当してくれた食事はかなり美味しかったのだ。また食べられて嬉しい。さすがの腕であるよ』』
王女さまたちはニコニコと食べてくれる。
『私はこのスープがお気に入りであるの』
『私は肉料理に使われているソースが良いと思う』
あ、色の好みが違うんだ。
『私はまたコーンスープが食べたく思っておるぞ』
すかさず、侍従が厨房に行ってコーンスープが出される。
日頃たくさん食べる家なのでストックと言うよりは、賄い分も含めてあらゆる料理が並行して作られている感じね。
ただ、一般の女性はスープをおかわりしないのだよ。お料理でお腹いっぱいになるから。
『『気が利くの!感謝する』』
あ、普通におかわり受け入れた。
私だけかもしれないけれど、コーンスープはとろみがあってお腹に溜まるから、おかずが食べられないよ。
『そんなに美味しいなら私もいただきたいね。お願いできるかな』
ダニエラさまもユエさまも他の人たちも続いた。
『辛いスープの後に飲むとまた格別に甘味を感じますね』
ユエさま、スープをまたおかわりした。
『この肉に使っている香辛料は不思議な味だな。初めての味だ』
ダニエラさまが言うにはネイマーシェは、塩、ハーブ系薬味を使った料理が基本で王宮でのみ、胡椒を使っているそうだ。
胡椒の独占良くないよ!
『我ら錬金術師はハーブとは相性が良いから味に困ることはないが、料理の段階で味を付けるのは深みが出て良いものよ』
よくわからないけれど、薬草系ハーブの扱い方に詳しいから、物足りない時は葉っぱを混ぜたり、乾燥した薬草を散らしたりして食べているらしい。
料理人が嫌がりそうだね?
って思えば、隠し部屋に籠ってる時は自炊だって。
オートミール粥と薬草スープが錬金術師の常食なんだとか。本当かな?ダニエラさまだけなのでは?
・・・そう言えば、お母さまの用意してくれる料理はそんなだったかも。
あ、旧オレイユ領、現カイダール領でお母さまと暮らしていた時ね。財産や収益はすでにイダルンダが握ってたので最低限の従者しかいなかったの。
(お母さま名義の貯金や隠し部屋に物凄い価値のある物はあったんだけどね)
おぼろげだけど、ニーナが来るまでほぼ自給自足のような暮らしをしてたと思う。
薬草畑の薬草はほとんど実験に使っていて、薬は頼まれたら領地の人に配る程度で。
だからかご近所さんがおかずを持ってきてくれたりしてたんだね。
『思えばこんなに大勢で食事を取るのも久方ぶりか』
ダニエラさまは旦那さまはもう亡くなっていて、息子が後を継いでるから気ままに好きなことをしているそうだ。
貴族的な集まり自体はネイマーシェでは滅多に無いらしい。何それ羨ましい。
『皆、実験バカよな』
ダニエラさまが笑っている中、お祖父様とリックさまが遠い目になってる。
留学してた時代を思い出してるのかな。
『『だが街並みは素晴らしく整っていて国力の高い、賢者の集う国であろう』』
『そう言ってもらえると嬉しいけれど、いかに楽に効率的に暮らせるか考えた結果があれだよ』
おお、どんな街並みか気になるね。
______________________
昨夜も寝落ちで、今日は難産でした
今夜はかけるかな
毎日書くがズレてしまったのでやさぐれます
497
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
【完結】身勝手な旦那様と離縁したら、異国で我が子と幸せになれました
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
恋愛
腹を痛めて産んだ子を蔑ろにする身勝手な旦那様、離縁してくださいませ!
完璧な人生だと思っていた。優しい夫、大切にしてくれる義父母……待望の跡取り息子を産んだ私は、彼らの仕打ちに打ちのめされた。腹を痛めて産んだ我が子を取り戻すため、バレンティナは離縁を選ぶ。復讐する気のなかった彼女だが、新しく出会った隣国貴族に一目惚れで口説かれる。身勝手な元婚家は、嘘がバレて自業自得で没落していった。
崩壊する幸せ⇒異国での出会い⇒ハッピーエンド
元婚家の自業自得ざまぁ有りです。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/07……アルファポリス、女性向けHOT4位
2022/10/05……カクヨム、恋愛週間13位
2022/10/04……小説家になろう、恋愛日間63位
2022/09/30……エブリスタ、トレンド恋愛19位
2022/09/28……連載開始


ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる