ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

724話

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 お客さまたちにお部屋や旅館への移動、お風呂などご案内して。

 リックさまとお祖父様たち、そしてグレーデン家で緊急会議をした。

 まさかネイマーシェから一門の人がやって来るのは想定外。
 留学経験のあるリックさま曰く、ダニエラさまの婚家らしいシャンテ侯爵家は、クリスタニア公爵家ほど古い家ではないけれど、ネイマーシェ国では五本の指に入る名家の魔導師家系だそう。
 魔力量と実家の影響力などの関係でシャンテ家に嫁いだであろうダニエラさまに、私の魔力やアズライト、ジャスパーの存在を変に隠し立てする方が悪手だろうって。

 そもそも目的があるのか、本当にナギ国に向かうついでかもわからないので、特に隠し立てしない方向でってことに。

 シエルに関しては、ダニエラさまは悪意のある視線や態度では無かったものの、少し心配。
 羽人族の関係でネイマーシェに連れて帰るとか言われたらどうしようかって。

 シエル本人にどうしたいか確認を取って、なるべく距離を取って接待には加わらない方向にした。
 今更、両親のルーツとか祖国について何か知りたいとかもないそうだ。

「あとは話が何かによるかな」
 魔力関係はリックさまでも対抗できる気がしないほど、シャンテ家やクリスタニア家の魔導師は凄いそうで、万が一敵対的な行動をとられたら無理!だそう。
 一応理由なき侵略などは大陸協定で認められないけど、離脱とかあるから。
 (ちなみにリュフェリーの隣国は協定に入ってないので近隣国から距離を取られている)

「まぁ何かしら悪意がある感じでは無かったぞ」
「そうだね。何かしら企んでいたら殺気みたいなのは漏れ出るからね」
 お祖父さまとお祖母さまが言う。
「うむ。嫌な感じではないかのぅ」
 お義父さままで加わって、野生の感っぽくて安心できる。

「忘れてはいけませんよ。ここにいる誰よりもお歳を召した老獪な夫人ですよ」
「「「「!!!?!!?」」」」
 そうだった。

 え、マーベルハントのお祖父様もクラウドお祖父さまも、ん?ハロルドも年下ってことか。

 ダニエラさまは、二十代前半に見えるとんでもない美魔女なんだった。魔導師なので本物の魔女って言えるかも。

「お祖父様、ダニエラさまはセラーナお祖母様に似てらっしゃるの?」
 お母さまよりはクールな感じで、記憶にないお祖母様は学園や王宮で教育に携わっていたお話から、敏腕秘書的なお姉様のイメージなんだけど、そうなるとダニエラさまとお祖母様は似てる感じ。

「ん、そうだな・・・・・・色合いは似ているが見た目だけならば、セラーナは近寄りがたい雰囲気はあったがあれでいてドジでもあって可愛らしい女性だったからな。ダニエラ夫人は隙がない感じで雰囲気は全く違うと思うぞ」
 お祖父様が懐かしむような温かい目をして話す。

「父上、ドジなんて可愛らしく言うのは貴方くらいですよ」
「そうですよ。厳しい時と優しい時の落差が激しくってよく泣きました」
 おお、お祖母様ってそんな感じなのか。

 ドジってどれくらいだろう?
 お母さまは薬術や錬金術はしっかりできるのにお茶やスープはよくこぼしたりしてた記憶。

「ダニエラ夫人は母上より優しげに見せておいてキツい人だと思いますよ。年嵩の高位貴族的な人かと」
 伯父様はそう判断したのね。

「貴族らしい考え方の方なら理不尽な部分が出てもおかしくないので、私たちが言動に気をつけてしっかり受け応えるしかないわね」

 結局はわからないことを論じても仕方ないのでちょっと気を張りつつ過ごすことに。


 王女さまたちはお風呂が気に入ってしばらく出てこなかった。
 ダニエラさまはおもてなしエステ。
 長旅の疲れを飛ばしてゆっくりしていただきます。

 ユエさまたちは警備の確認やなにかでお忙しい。
 セリウスさまといっしょに屋敷の内外、近隣のチェックに余念はなかった。

「安全圏なので余程危険はないんですー」

 チェックが終わったので従者も休憩を取るようにユエさまに順番に休みようにしてもらうように伝えた。

『ありがたいことです』
 ユエさまは少し窶れてるかも。
 ユエさまにもスペシャルエステを味わって頂こう。







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