ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
728 / 764
二章

716話

しおりを挟む
 朝早くジュリアスさまの声とジャスパーの肉球、アズライトの尻尾、ポムとティムがお腹の上でジャンプってフルコースで起こしてくれた。
 サービス満点の目覚ましだよ。

「おはよう?起きるのをやめるか!」
「プキュ」
「モキュ」
 ジュリアスさまの優しい声とポムとティムの「無理でしょ」っぽいニュアンスの声。

『朝日に光る筋肉美を見なくて良いのかの』
『嫁ー起きろー』

 いつもの時間ならすっきり起きてるほうなんだけど、朝五時はやばいね。
 
「起きます~」
 絶対にマッチョ見たい。

 お着替えに人を呼ぶとサラとメルが入ってきた。

「早く起こすようにしちゃったね?」
「大丈夫ですよ。休憩をちゃんといただきますので」
 私(主人)が希望するだろうことを先回りして準備するのが当たり前だって。
 朝めっちゃ早くて夜めっちゃ遅いとか終業時間不定とかメグミだったら居酒屋で絶対愚痴る。

 ラフな簡易ワンピース、ポニーテールにリボンを付けてもらってお着替え完了。
 ジュリアスさまは運動するのでシャツとズボンだけ。
 いつかニット生地みたいなのを作って、ランニングシャツ着せてみたい。 
 さすがにビキニパンツはセクハラだよね。

 ジュリアスさまとリュフェリー騎士団の宿泊した別棟の庭に向かった。

 すでに結構な人数が揃って腹筋や腿上げしてる。
 
「おはようございます!!筋トレルームやアスレチックゥが素晴らしいですね」
「スパも最高っした!」
 騎士団棟や従者棟の施設もバッチリ堪能したとのこと。

 リュフェリーにもそれなりに技術提供や情報は流してるはずなんだけど、本場?は違うそうだ。

 岩盤浴では爆睡する人がいっぱい出たらしい。脱水で死んじゃうので一緒に入っていたうちの騎士さんたちが外に出したりしたって。

「温度の限界を試したくなって」
「自分に挑戦って感じが良いです」
 サウナも楽しかったようだ。
 ただ何でも我慢大会になりがち。

「剣の腕では勝てないけど我慢強さなら誰にも負けない」
 はたして、サウナで桃源郷を見たとして何の役に立つのか。

「忍耐強さは大切だ。心身ともに鍛えないとな」
 ジュリアスさまがそう励ますと「俺百度に挑戦します」って。
「ん?」
 ジュリアスさま的にも「頑張るのそっち?」ってなったみたいだ。

「兄上ー、打ち合いしよう~」
 すでに一汗かいたクラウスさまが寄ってきた。

「リーシャ、ここで座って見てるといい」
「はい!」
 騎士さんたちが休憩に使う木製の椅子にジャスパーと座る。
 アズライトは肩にポムとティムは私の膝に座る。
 リュフェリーの騎士さんたちは、魔獣や聖獣の存在に特別な反応はしないので隠さなくても良い。
 訓練は模造刀。
 クラウスさま、セリウスさまがジュリアスさまに挑む。
 年の功か難なくジュリアスさまが捌いちゃう。
 剣の腕の良さは私には判断できないけど、剣道とかで言えば師範が弟子を鍛えてる感じだと思う。

 熟練から年若い騎士さんまでみんなジュリアスさまをキラキラした目で見つめる。

 うんうん。私の旦那さまはすごいでしょ。カッコいいでしょ。自慢げにしちゃう。

 リュフェリーの騎士さんもうちの騎士さんもマッチョ各種取り揃えてます!!
 細身、成長期、隆盛期ってもう垂涎だ。

 ちょっと鍛え方が足りなくてポコってるお腹も良き。

 マッチョさんたちは気分が盛りがってくると上のシャツを脱ぎがち。
 下履きはさすがに脱がないけど、ミッチミチに腿筋が浮き出てる皮パンとか最高!!

 同じ枠かはわからないけどグラビアのお姉さんをじっとりと見るメンズの方たちとマッチョのセクシーラインをうっとり見る私は大差ないエロスはなず。

「ふぅ、朝から幸せだぁ」
 鼻血が出そう。むくつけき男の汗、みんなハーブの香り☆スパを堪能してくれた嬉しい。
『男の肉体美を見るより我のこの胸から腹のくびれを見るがいいんだぞ!』
 ジャスパーはお腹ペロンと出して撫でろって要求。可愛かね。

 ポムとティムが木の枝を持ってみんな真似を始めた。手足が短いのでリーチが合わなくて終了だ。

 走り込みと剣の打ち合い、反復横跳び、アスレチィックの動きは楽しくできる。

 朝食の時間までみんなで激しめに訓練をした。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

ラスボス姫に転生したけど、ドS兄貴はシスコン設定になっていたようです

ぷりりん
ファンタジー
転生ラスボス姫がドS兄貴の溺愛に大困惑する、ラブコメファンタジー

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...