ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

714話

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 お義父さまとお祖父さまたちは、ボアやバッファローなどお肉をばっちり狩って来て、キノコや木の実もたくさん採ってきてくれた。

 夕食の席に現れたサーキス夫人とアルヴィナ夫人はお肌も髪もかなりうる艶になっていた。

「ニーナの様子を見にきたのに私たちが幸せになっちゃって申し訳ないわ」
「ええ、こんなに素敵な思いをさせていただいてしまって」
 お二人がうっとりと自分の頬や髪を触ってる。
 旅はリュフェリー騎士団の魔馬が引く馬車で三日ほどだったそうだけど、お疲れだろうからお風呂にスペシャルエステはとても幸せなはず。

「うふふ、心が潤えば気持ちも穏やかに過ごせますわぁ」
 お義母さまも一緒にエステでつるるんとなってる。日々美容ケアをしてるお義母さまとお祖母さまは三十代前後に見えるかも。
 私はお義母さまたちの美しさには慣れちゃってるから正確な判断が出来てるかわからないよ。

「王妃さまも公爵夫人も皆さまグレーデンの美容液に夢中でしてよ」
「ええ、私たちもルークに送ってもらってますけど、グレーデン家でエステを受けたなんて言ったら!!」
 あ、物凄く自慢できる出来事なのか。うちのエステ隊は凄いんだぞ!って事だ。うむ!

「喜んでいただけて嬉しいわねぇ、リーシャちゃん」
 あふん。こっちに振らないでいただけると。
 美しい貴族夫人の会話についていける気がしないので。

 
 夕食は普段より盛り付けがエレガントになってた。
 でも食べる量は変わらないのでどんどん消費され、出てくるお皿にはサーキス夫人とアルヴィナ夫人はポカーンだった。

「騎士はよく食べるとは知っていましたが皆さま健啖家でいらっしゃるのね」
「ルークもこんなに食べていたかしら?」
 グレーデン領の魔素たっぷりなお肉は美味しく頂いけているようだけど、グレーデン家の面々が食べる量を見慣れてる私にはとても少食に感じる。
 慣れって恐ろしい。
 
 私の食べる量をみんなが小鳥の餌ほどって言ってたのを思い出す。
 お義母さまがペロリと五皿のお肉を食べてる間に一皿すら減っていない。

「私たちは食べた分腰やお腹に付いてしまうから」
「そうです。あっという間にドレスが入らなくなります」
 わぁ。一着百万以上のドレスが無駄になっちゃうのは泣ける。

「魔素が多い食物は消費も早いよ。太ることだけが問題なら気にせずお食べなさいな」
 お祖母さまがそう促した。
 えー、魔素が多いと太らないの!?だからお義母さまはスマートなまま!?

「お祖母様、嘘はよくないよー。魔力をいっぱい放出しないとダメじゃないかー」
「そうそう、出すものは出さないとー」
 ん?嘘なの!?

「嘘って事はないよ。普通の食材よりは消化が早いんだからね」
 どうやら普通(王都近隣の基準)の食材に比べたら倍くらいは食べてもいい感じ。

 ・・・みんなの食事は十倍以上だけどね!?

「お菓子の材料もかしら?」
「それだと嬉しいですわね」
 どこの女性もデザートが大事。

「うふふ、私とデリアお義母さまを見てくださいなぁ」
 騎士出身のお祖母さまと日々マッチョを弾き飛ばそうと挑戦をしてるお義母さまと、ごく普通の貴婦人のエネルギー消費量は違うと思いマッスル。

 お二人はニーナのことも気にしつつ、グレーデンの食生活を念入りに尋ねた。

「ここで良い食生活をしている母親から生まれるならグレーデンの騎士のように逞しくて健康な子が生まれそうですね」
「ルークより大きくなるかもですわ」
 ぬ?男の子の期待は大きい感じかな。

「女の子でしたらニーナのような柔らかい感じを受け継ぐと素敵ですね」
「本当に。ルークや私たちに似たら目つきが冷たいとか取っ付きにくいって言われてしまいますもの」
 えー、こんな美形を捕まえてそんなこと言う人がいるの。
 あ、私もルークのこと氷原の貴公子って思ってるんだった。

 でもサーキス夫人とアルヴィナ夫人は行動のせいか冷たい印象はないんだけど。

「まぁ!フローラちゃんやルシェリーちゃんに似た女の子ならリーシャちゃんと並べて可愛がっちゃうわぁ」
 私も!?

 お義母さまは子供が生まれたら可愛いって大喜びで、ニーナに似ててもルークに似てても着せ替え人形コースになると思う。

「そうね。希望はニーナに良く似た子供で健康であると言うことないですわ」
「元気が一番ですわ」

 超マッチョなルークはちょっと見たいと思っちゃった。
 健康第一。お二人はルークが嫌がるほど嫌な方達ではないと判断。

「男の子でも女の子でも可愛い格好はできるからぁシフォンちゃんとデザインをいっぱい考えましょうねぇ」
 お義母さまの一言でお二人はギラッと目を光らせた。

 ジュリアスさまたち兄弟とルークは気を遠くにしちゃったよ。

「ほうほう、ではスパイダーをいっぱい狩って来ねばだの」
 スパイダーシルク・・・。

 カニがいっぱい手に入るねって思って流しておこう。

 途方もない金額なんだけど、お義父さまたちが狩ってくる分にはプライスレスだ。

 ニーナはちょっと焦ってるけど、ルークもグレーデン脳になってるので森に行けば手に入る高級品についてはあんまり気にしないと思う。

 そのノリで私が作るポーションも普通枠で流してくれたらって思っちゃうけど、それはそれなんだよね。




 
 




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