ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

712話

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 数日経って、日常に戻った。

 私が離れに行っちゃうとニーナが付いて来られず、寂しげな顔になっちゃうので、屋敷でやれることは屋敷の私用書斎で、錬金術はお部屋でやることにして、ニーナには適度に休んでもらうことにした。
 ニーナは私の活動限界時間を判断できるので、重要な仕事として側に座っててくれれば良いとジュリアスさまとルークに言われて、手持ち無沙汰な時間は侍従侍女さんたちの使う備品など縫い物をしたり、私宛お手紙の簡易チェックをすることに。
 侍女仕事はサラとメルが中心。まだメイドさんだけどランクアップを目指して勉強中だそう。
 シエルも私が書類仕事中は側に控えてくれることに。ハロルドはお義父さまの執事で、お義母さまの補佐と執事長としても忙しいのとセバスチャンはジュリアスさまの執事なので、屋敷内と騎士団と行ったり来たりなのだ。
 まだ領主夫人として本格的な仕事をしていない私のお手伝いなら、シエルがこなせるようになったとハロルドのお墨付きだ。

 グレーデン領内の料理学校や中等学校、魔道工房の増築、色々進捗が上がってきてて楽しい。
 コックさんは貴族家に仕えてる人、仕える予定の人は雇用主の貴族家が学費を出す。当然教えるレベルも高いので高額。
 一般向けは学費が控えめで基礎を中心に、レシピの制限があるよ。
 学校で学んでから雇用先を探す場合は奨学金制度を使って、後の雇用主が払うか、グレーデンで数年奉公するか。
 奉公って、グレーデンのコックさんの元で修行ができてかなり美味しい気がするけど、グレーデン領で暮らす期間が長引くのは嫌がるかも?

 中等学校は村の学校を出てさらに学ぶ気がある子が王都の学園に行くための勉強や、領内で役所や商店のような高い能力が望まれる仕事に就く子を育てる予定。
 卒業者は、領内の工場、工房、騎士団でも引く手数多になるはず。

 カンガリー教授とジョシュー先生が猫獣人のネオとジジを引き取って、魔導師として育てることになって、魔導工房の一角で工房の人たちも希望者だけ夜間に指導してくれることに。
 
 お手紙には、「この歳になって子供を引き取るのもまた面白かろう」って。
 カンガリー教授の子になって、ジョシュー先生も保護者として登録してるそうだ。
 これはちょっと羨ましいね。
 
 王都の方の奨学金制度はテスト的に三名受けれたそう。
 能力があればネイマーシェに留学も出来るのだ。みんな頑張れ。
 
 ナギの王女さまたちからもお手紙が来てた。
 四カ国めでちょっと疲れてきたって。
 私は外国は隣国キャベルルン戻ったカマランにしか行ったことがないので羨ましいような?でも何ヶ月もは辛いね。

 ちなみに他国では魔法鳥は飛ばせないので冒険者便で届いた。冒険者ギルドで転移させるヤツ。
 他国間のやり取りはお値段がめっちゃ高い。
 だけど便利だよね。
 
 今回のお手紙には「後ニヶ月程度でグレーデンに訪ねる」ってお知らせだ。
 おもてなしの準備をしないとだね。

 おいでになるのを楽しみに待ってます、道中の無事を祈ってますと返事を出した。
 お義母さまが張り切って可愛い衣装を用意しましょうって、またマダムが召喚されちゃったよ。

 
 ニーナはマギー先生とロジャー先生がばっちり見守ってくれてて心配ないんだけど、マデリーさまの方が少し体調が崩れがちと知らせを受けてマギー先生がアッガスに出張になった。

「心配ないわよぉ~、マデリーちゃんは身体を鍛えてるしねぇ」
 筋肉は妊婦も裏切らないのだろうか。全く動かないような場合よりは確実に良いかもだけど。

 お義父さまとお祖父さまが「うまいもん食べたら元気になる」って言って狩りに行っちゃって、そのままアッガスに向かうそうだ。
 あの熱量で行っちゃうと大変って思ったけど、マデリーさまはアンゼリカさまの側近だった人だ。耐性があるかも。

「うちの男どもは暑苦しいやね」
「うふふ、関心無しより良いですわぁ」

 レオルカさまも不安だろうってセリウスさまがちょっとお手伝いに向かうことに。
 ルルゥにお願いして山ほどデザートと、私特製の栄養剤をセリウスさまに預けた。

 次の報告までみんなそわそわしちゃった。

 早産とかにはならず、マデリーさまの体調が安定したと知らされて、みんなホッとした。

 ホッとしたのも束の間、ついにサーキス家にニーナの妊娠がバレちゃって、夫人とお姉さんがグレーデンに物凄いお土産持って訪ねてきたよ。





 
 
 

 
 







 
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