722 / 764
二章
710話
しおりを挟む
目が覚めたらお昼過ぎていた件。
とりあえず「起きたよー」の呼び鈴を鳴らす。
サラとメルが入って来て着替えと髪を整えてもらう。
「ニーナさんはマギー先生とルークさまのご希望でお休みです」
大事をとってだね。無茶しまくって周りも困るのは本意ではないだろうから。
「軽く昼食をいただいてから離れに行くね」
「承知しました」
メルが先に食堂に連絡に行ってくれた。
「よく寝てたのねぇ」
ルルゥが笑いながらサンドイッチとスープを用意してくれた。
「ジュリアスさまが起こしてくれなかった」
優しさだけど、ちょっと悲しい。
「うふふ、リーシャちゃんはいっぱい寝た方がいいのよぉ」
もう健康だよ!みんな過保護なんだ。
「今日は大人しくここにいるのぉ?」
「ハンドクリームと美容クリームとか作りに離れに行くよ」
正確には離れ横の訓練場内の錬金部屋ね。
素材がいっぱい置いてあるから。酒蔵もチェック出来るしね。
「食べ物じゃないのねぇ」
そんなにがっかりしなくても。
「あ。ハンドクリームって匂い無しのも出来るかしらぁ?」
「油成分だけって感じかな」
料理人なルルゥたちはキツい香りは使わない。
ただね。ルルゥからはいつも良い匂いがしてるけど体臭らしいよ。
羨ましいよね!
「料理する時と寝る時とかで分ける?」
「それも良いわねぇ」
香り付きが嫌ではないのに無香料だけじゃ気分が上がらないよ。
「あ!」
今日のルルゥは「あ」ばっかりだ。
「あのね?お代は払うから姪用に柔らかい香りのボディクリームと母と姉用に少し高価めな香りのついた美容クリームを作ってほしいわぁ」
おふぅ!美に熱意のある身内がいると大変だね。
渋い顔でお願いしてくる。
ん?ルルゥの姪?
「姪?」
「ああ、私には兄もいてね。兄のところにも姉のところにも姪と甥がいるわよぉ。兄の方の姪っ子が最近お肌がかぶれやすいみたいでぇ」
うはぁ。美形なんだろうなぁ。侯爵家の皆さま。
姪は十二歳だって。お年頃かな。
「肌かぶれなら症状に合わせたもののほうが良いんじゃないかな?」
ベビーローションとかで良いなら作れるけど。
「薬師には見せてるそうだからぁ、補う系?荒れて跡になりそうな部分を補助できたらどうかしらぁ?」
ふぅむ。大人が使う美容クリームの弱めなので良いかな。
若いのに今から強制ぶるんぷるんにしたら自然治癒力が下がりそう。
私が使ったのは栄養失調でお肌の潤いが枯渇してたからね。
自分で作れるから治癒力落ちても作り続けれるし。
「じゃぁ作っては見るね」
「よろしくねぇ」
逆に私は精霊王に捧げる用デザートとアイテムボックスに入れておく用のポムたちのクッキーをたくさん用意してくれるように依頼した。
アランとジェイク、サラとメルを連れて離れ横の訓練場に向かった。
まずはマイ酒蔵チェック。
ごっそり棚から消えたね。
タンクにはしっかり次のお酒が仕込まれている。ケビンありがとう。
最短で仕上がるタンクに次は精霊王用にハーブのお酒と果実酒になる素材を仕込んでくれるようにメモを貼っておいた。
二階に上がって、アランとジェイク、サラとメルは休憩しててと伝えて錬金釜と素材を準備。
一番簡単なハンドクリームから作った。
蜜蝋を使ったタイプと植物油タイプ。
香り有りはハーブで、無しは脂のみにして鍋一杯の中に百目ポーションを一滴。
高価な方は百目を二滴。香りは百合にした。精製が面倒だったので錬金術で一気に。
お祖父さまたちやお義父さまが魔獣素材や変わった木の実や果実を集めてくれてるのでその中から漁って、美容クリーム用に見つけたのはサーペントの肝とアボカドに似た実。
どんだけサーペント獲ってくるんだ。
アボカドもどきは今までで三種類くらい出て来たな。
食べれるのとちょっとクセがあるのがあって。今回のはクセがある方。
実も種も余すことなく使う。
ルルゥに頼まれた母と姉用はお義母さまやお祖母さまたちの分も含めて、サーペントの卵膜も使った。予算度外視。だって卵を消費したいから。
仕上がったものはねっとりしちゃった。
エステマッサージの時に温めて使えば、よりしっとりするはず。
ニーナたち妊婦さん用はお腹を刺激しないよう極力薄く、ほぼ保湿オンリーにした。
妊婦に良くない成分はお母さまの薬術書を確認しつつ。
皮膚が割れてもポーションで治せると思えば、美容クリームはあまり意味がないかな。
夕食の時間までひたすらクリームを練ってたよ。
とりあえず「起きたよー」の呼び鈴を鳴らす。
サラとメルが入って来て着替えと髪を整えてもらう。
「ニーナさんはマギー先生とルークさまのご希望でお休みです」
大事をとってだね。無茶しまくって周りも困るのは本意ではないだろうから。
「軽く昼食をいただいてから離れに行くね」
「承知しました」
メルが先に食堂に連絡に行ってくれた。
「よく寝てたのねぇ」
ルルゥが笑いながらサンドイッチとスープを用意してくれた。
「ジュリアスさまが起こしてくれなかった」
優しさだけど、ちょっと悲しい。
「うふふ、リーシャちゃんはいっぱい寝た方がいいのよぉ」
もう健康だよ!みんな過保護なんだ。
「今日は大人しくここにいるのぉ?」
「ハンドクリームと美容クリームとか作りに離れに行くよ」
正確には離れ横の訓練場内の錬金部屋ね。
素材がいっぱい置いてあるから。酒蔵もチェック出来るしね。
「食べ物じゃないのねぇ」
そんなにがっかりしなくても。
「あ。ハンドクリームって匂い無しのも出来るかしらぁ?」
「油成分だけって感じかな」
料理人なルルゥたちはキツい香りは使わない。
ただね。ルルゥからはいつも良い匂いがしてるけど体臭らしいよ。
羨ましいよね!
「料理する時と寝る時とかで分ける?」
「それも良いわねぇ」
香り付きが嫌ではないのに無香料だけじゃ気分が上がらないよ。
「あ!」
今日のルルゥは「あ」ばっかりだ。
「あのね?お代は払うから姪用に柔らかい香りのボディクリームと母と姉用に少し高価めな香りのついた美容クリームを作ってほしいわぁ」
おふぅ!美に熱意のある身内がいると大変だね。
渋い顔でお願いしてくる。
ん?ルルゥの姪?
「姪?」
「ああ、私には兄もいてね。兄のところにも姉のところにも姪と甥がいるわよぉ。兄の方の姪っ子が最近お肌がかぶれやすいみたいでぇ」
うはぁ。美形なんだろうなぁ。侯爵家の皆さま。
姪は十二歳だって。お年頃かな。
「肌かぶれなら症状に合わせたもののほうが良いんじゃないかな?」
ベビーローションとかで良いなら作れるけど。
「薬師には見せてるそうだからぁ、補う系?荒れて跡になりそうな部分を補助できたらどうかしらぁ?」
ふぅむ。大人が使う美容クリームの弱めなので良いかな。
若いのに今から強制ぶるんぷるんにしたら自然治癒力が下がりそう。
私が使ったのは栄養失調でお肌の潤いが枯渇してたからね。
自分で作れるから治癒力落ちても作り続けれるし。
「じゃぁ作っては見るね」
「よろしくねぇ」
逆に私は精霊王に捧げる用デザートとアイテムボックスに入れておく用のポムたちのクッキーをたくさん用意してくれるように依頼した。
アランとジェイク、サラとメルを連れて離れ横の訓練場に向かった。
まずはマイ酒蔵チェック。
ごっそり棚から消えたね。
タンクにはしっかり次のお酒が仕込まれている。ケビンありがとう。
最短で仕上がるタンクに次は精霊王用にハーブのお酒と果実酒になる素材を仕込んでくれるようにメモを貼っておいた。
二階に上がって、アランとジェイク、サラとメルは休憩しててと伝えて錬金釜と素材を準備。
一番簡単なハンドクリームから作った。
蜜蝋を使ったタイプと植物油タイプ。
香り有りはハーブで、無しは脂のみにして鍋一杯の中に百目ポーションを一滴。
高価な方は百目を二滴。香りは百合にした。精製が面倒だったので錬金術で一気に。
お祖父さまたちやお義父さまが魔獣素材や変わった木の実や果実を集めてくれてるのでその中から漁って、美容クリーム用に見つけたのはサーペントの肝とアボカドに似た実。
どんだけサーペント獲ってくるんだ。
アボカドもどきは今までで三種類くらい出て来たな。
食べれるのとちょっとクセがあるのがあって。今回のはクセがある方。
実も種も余すことなく使う。
ルルゥに頼まれた母と姉用はお義母さまやお祖母さまたちの分も含めて、サーペントの卵膜も使った。予算度外視。だって卵を消費したいから。
仕上がったものはねっとりしちゃった。
エステマッサージの時に温めて使えば、よりしっとりするはず。
ニーナたち妊婦さん用はお腹を刺激しないよう極力薄く、ほぼ保湿オンリーにした。
妊婦に良くない成分はお母さまの薬術書を確認しつつ。
皮膚が割れてもポーションで治せると思えば、美容クリームはあまり意味がないかな。
夕食の時間までひたすらクリームを練ってたよ。
512
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる