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二章
700話
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「ふごっ!!」
ジュリアスさまの呻きで目が覚めた。
私の体勢を見れば何が起こったか一目瞭然なのだ。
「「キュキュキュ!!」」
『嫁はなぜ寝ているのにベッドででんぐり返しをするのかなんだぞ』
ポムとティムがプギャーって笑って、ジャスパーは呆れ声だ。
『見事な蹴りであったの』
アズライトはダメ押ししてきた。
「ジュリアスさま、ごめんなさい」
私の踵がミラクルヒットしてて私はジュリアスさまの上で大の字状態だったのだ。
今回はガッチリされたなかったのか。
慌てて上から退いて謝る。
「いや・・・大丈夫だ」
顎をちょっと抑えてるので痛かったはず。
「ふむ、顎は鍛えていなかったな」
顎は鍛えられるもの?
もし筋トレとかして表情筋とか鍛えたら顔もゴツくなるのかな。
ゴリッゴリの顔になったジュリアスさまはちょっとヤバいかも。
普通の旦那さまなら怒って共寝出来なくなってるよね。
「気にしなくて良いぞ」
訓練で顔に当たることもあるからそれに比べたらどうとでもないらしい。
「さぁ着替えようか」
サラとメルを呼んだらニーナも来ちゃってて、ルークも付いてきたようだ。
が、寝起きの私がいるわけで、ニーナが扉の向こうで「入るな」って怒ってるよ。
ルークが諦めるまでニーナも入ってこれないよ。
「ルークさま、ニーナさんがお仕事しようとすると着いて回るんですよ」
うわぁ。
胎教に良くないよ。
「前はちょっと怖かったけど、今は可愛い人だって思います」
可愛いって・・・。メルはあのルークが可愛く見えちゃうんだね。
「ははは、仕事モードになれば大人しくなるだろう」
親友の様子に一番驚いてるジュリアスさまは、希望的観測で答えた。
「ジュリアスさま、甘いですよ~。十時のおやつ、昼食、三時のおやつ、って一緒に食べようって戻ってきますよ」
ノンノンってサラが首を振った。
嘘だろ。マジか。
「仕事の鬼が変わるものだねぇ」
ジュリアスさまがサボりたがると引きずっていった人だよ。
「子供が出来ると豹変する男の人が多いですよ。うちの父も爺様もいつも亭主関白ってやつですけど、弟ができた時は母に動くな、飯は自分が作る、とにかく無事に産めって言って何もさせなくなったりして」
「そうですよー。うちの従兄なんか結婚は失敗だーとかお酒飲んで愚痴ってたのに妊娠した途端、嫁が一番とか言い出して」
グレーデンの男性、実は優良物件ってやつなんでは。
いや、妊娠前まではクズ寄り?
「命の重みを知っているから、命を宿した伴侶は大事だな」
ジュリアスさまが言う。
妊娠する前から大事にしてくれたらパーフェクトなんだけど、それはそれなのか。
「暴力はもってのほかだが、家の主人としての立場は多少主張したいものだろう」
んー、程度によるかな?
「子煩悩ですけど、ちょっとうざいですよねー」
「でもある程度育つとわりとあっさりになりますね」
どうも子供は宝だから、小さくて弱い間は守る意識が高いけど、大丈夫ってなるとスイッチが切り替わるようだ。
野生の生き物みたいに思うのは私だけ?
お話ししてる間に着替えは済んで髪も緩く結ってもらった。
「マダム・シフォンがいらっしゃるので脱ぎやすい衣装にしました」
はい。ちゃんと覚えてますよ。
「さて、ルークはまだごねてるのか?」
扉を開くとクドクドと起こっているニーナとシュンとしてるルークがいた。
いつか私のやらかしを叱っていたルークがニーナに叱られている。
「ルーク、怒らせるのも胎教に悪いんだよ」
妊婦大事にってわかるけど、あまりに行動を制限しちゃうとストレスになっちゃう。
「タイキョウ?」
あ、そう言う考え方はないのね。
「お腹の赤ちゃんはお母さんが嫌な思いとかしてるとわかっちゃって赤ちゃんの教育や成長に良くないんです」
まさにガーーーンと言った顔になった。
「お母さんが穏やかな気持ちで過ごすことが一番大事だからニーナもそんなに怒らないでね?」
「はい」
ニーナの胸元にポムとティムを乗せたよ。
「ルーク、子供が嬉しいのはわかるけど、妊婦さんも少しは運動しないとお産が大変になるらしいから行動制限は程々にね?」
多分マギー先生が安静とか言ってないから大丈夫なはず。
「ルークも、嫁に構いすぎると嫌われるぞ」
「そんなことはありません!」
うーん?ニーナを見上げると無表情だった。
どの感情なの!?
「ルークさま、ご主人様が戻られたのですから夕方までしっかり補佐をしてくださいね?」
ニーナが口角を上げて言う。
笑ってないよ。ひんやり攻撃はルークに似ちゃったの?
「そんな・・・」
まだ折り返しまで来てないのにこのテンションであと半年とか大変だよ。
「まぁ食堂に行こうか」
ジュリアスさまがルークの方をポンッと叩いて促した。
______________
あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとって良い一年でありますように。
今年もよろしくお願いいたします。
ジュリアスさまの呻きで目が覚めた。
私の体勢を見れば何が起こったか一目瞭然なのだ。
「「キュキュキュ!!」」
『嫁はなぜ寝ているのにベッドででんぐり返しをするのかなんだぞ』
ポムとティムがプギャーって笑って、ジャスパーは呆れ声だ。
『見事な蹴りであったの』
アズライトはダメ押ししてきた。
「ジュリアスさま、ごめんなさい」
私の踵がミラクルヒットしてて私はジュリアスさまの上で大の字状態だったのだ。
今回はガッチリされたなかったのか。
慌てて上から退いて謝る。
「いや・・・大丈夫だ」
顎をちょっと抑えてるので痛かったはず。
「ふむ、顎は鍛えていなかったな」
顎は鍛えられるもの?
もし筋トレとかして表情筋とか鍛えたら顔もゴツくなるのかな。
ゴリッゴリの顔になったジュリアスさまはちょっとヤバいかも。
普通の旦那さまなら怒って共寝出来なくなってるよね。
「気にしなくて良いぞ」
訓練で顔に当たることもあるからそれに比べたらどうとでもないらしい。
「さぁ着替えようか」
サラとメルを呼んだらニーナも来ちゃってて、ルークも付いてきたようだ。
が、寝起きの私がいるわけで、ニーナが扉の向こうで「入るな」って怒ってるよ。
ルークが諦めるまでニーナも入ってこれないよ。
「ルークさま、ニーナさんがお仕事しようとすると着いて回るんですよ」
うわぁ。
胎教に良くないよ。
「前はちょっと怖かったけど、今は可愛い人だって思います」
可愛いって・・・。メルはあのルークが可愛く見えちゃうんだね。
「ははは、仕事モードになれば大人しくなるだろう」
親友の様子に一番驚いてるジュリアスさまは、希望的観測で答えた。
「ジュリアスさま、甘いですよ~。十時のおやつ、昼食、三時のおやつ、って一緒に食べようって戻ってきますよ」
ノンノンってサラが首を振った。
嘘だろ。マジか。
「仕事の鬼が変わるものだねぇ」
ジュリアスさまがサボりたがると引きずっていった人だよ。
「子供が出来ると豹変する男の人が多いですよ。うちの父も爺様もいつも亭主関白ってやつですけど、弟ができた時は母に動くな、飯は自分が作る、とにかく無事に産めって言って何もさせなくなったりして」
「そうですよー。うちの従兄なんか結婚は失敗だーとかお酒飲んで愚痴ってたのに妊娠した途端、嫁が一番とか言い出して」
グレーデンの男性、実は優良物件ってやつなんでは。
いや、妊娠前まではクズ寄り?
「命の重みを知っているから、命を宿した伴侶は大事だな」
ジュリアスさまが言う。
妊娠する前から大事にしてくれたらパーフェクトなんだけど、それはそれなのか。
「暴力はもってのほかだが、家の主人としての立場は多少主張したいものだろう」
んー、程度によるかな?
「子煩悩ですけど、ちょっとうざいですよねー」
「でもある程度育つとわりとあっさりになりますね」
どうも子供は宝だから、小さくて弱い間は守る意識が高いけど、大丈夫ってなるとスイッチが切り替わるようだ。
野生の生き物みたいに思うのは私だけ?
お話ししてる間に着替えは済んで髪も緩く結ってもらった。
「マダム・シフォンがいらっしゃるので脱ぎやすい衣装にしました」
はい。ちゃんと覚えてますよ。
「さて、ルークはまだごねてるのか?」
扉を開くとクドクドと起こっているニーナとシュンとしてるルークがいた。
いつか私のやらかしを叱っていたルークがニーナに叱られている。
「ルーク、怒らせるのも胎教に悪いんだよ」
妊婦大事にってわかるけど、あまりに行動を制限しちゃうとストレスになっちゃう。
「タイキョウ?」
あ、そう言う考え方はないのね。
「お腹の赤ちゃんはお母さんが嫌な思いとかしてるとわかっちゃって赤ちゃんの教育や成長に良くないんです」
まさにガーーーンと言った顔になった。
「お母さんが穏やかな気持ちで過ごすことが一番大事だからニーナもそんなに怒らないでね?」
「はい」
ニーナの胸元にポムとティムを乗せたよ。
「ルーク、子供が嬉しいのはわかるけど、妊婦さんも少しは運動しないとお産が大変になるらしいから行動制限は程々にね?」
多分マギー先生が安静とか言ってないから大丈夫なはず。
「ルークも、嫁に構いすぎると嫌われるぞ」
「そんなことはありません!」
うーん?ニーナを見上げると無表情だった。
どの感情なの!?
「ルークさま、ご主人様が戻られたのですから夕方までしっかり補佐をしてくださいね?」
ニーナが口角を上げて言う。
笑ってないよ。ひんやり攻撃はルークに似ちゃったの?
「そんな・・・」
まだ折り返しまで来てないのにこのテンションであと半年とか大変だよ。
「まぁ食堂に行こうか」
ジュリアスさまがルークの方をポンッと叩いて促した。
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あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとって良い一年でありますように。
今年もよろしくお願いいたします。
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