ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

699話

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 お茶タイム後は侍女ーズさんたちに捕まって、スペシャルなエステを受けることに。
 ジュリアスさまは領主としての書類をチェックしてくるって逃げちゃった!ズルい。

 ニーナもエステ隊に参加したいと言い出したので、サラとメルを補佐にしてポムたちのエステをお願いした。

 侍女さんたちもそっちが良いと言うかと思えば、「それはそれ」なんだって。 
 ニーナも嬉しいけれど、私のお世話は大事だって。嬉しいけれど今は忍耐の時。

「お若いですから変化はないように見えるのでしょうが気温が違う場所にワイバーンで移動なのですから乾燥や日焼けからは逃げられませんよ」
 ヒー。
 ちょっとくらい日に焼けても良いよぅ。

 丸洗い、蒸し焼き、ごぼう洗い、燻製、揉み込み、照りつけみたいな流れでフルコースを受けた。

「私たちのプルプル餅肌がガサガサになってますわ」
「やはり若くてもケアは大事なのですよ」
 美容液をたっぷりモミモミ肌に浸透させて、最後は美容オイルローションでテカッテカになった。

「お髪もたっぷり癒しましょうね」
「サラとメルにもしっかりテクニックを仕込んでありますがやはり旅先では思うようにいきませんね」
 あぅー、ジュリアスさまとイチャイチャお風呂タイムを優先するから、朝の準備とかお着替えが必要な時にちょっとだけやってもらってたから・・・。

 サラとメルのせいではないのだと伝えると、
「わかっておりますよ。でもそこをうまくやるのがベテランに至る一歩なのです」
 いつかサラとメルも圧のすごい侍女になるのかなぁ。純粋で可愛いメイドさんのままがいいな。私のわがまま。

 私が高級な香りに包まれている中、少し離れた場所でニーナがポムたちを籠絡していた。

「プッキュ・・・」
「モキュゥー」
『そこはダメなんだぞ』
『我の逆鱗には触れんでくれるかの』

 だる~んと伸びてるー。侍女ーズさんたちもつい目が行っちゃってほっこり。

 頭の中で「ここがええのんか」って悪代官のようなセリフが浮かぶよ。
 それくらいにニーナの顔が、普段見ない顔になってる。
 ポーカーフェイスを維持しすぎて表情筋が硬いのかな。ニヒルになってるぞ。

「さぁ、これでキュルキュルなお髪に戻りましたよ」
 美容院でふぁっさふぁっさして煌めきと滑らかさを確かめるみたいにふわっとされた。
 良い香りになってうる艶です。

「ありがとう」
 シャンプーのCMみたいに首を振ってサラァっとさせちゃう。

「久しぶりに腕を振るうことが出来ました」
 ごめんなさい。尽くしがいがないよね。
「明日はマダムがお見えですのでたっぷり遊・・・ゴホン、お衣装選びに腕を振るわせていただきます」
 遊ばせてもらうって言いかけたよね?
 欲望がダダ漏れなのはお義母さまの教育って感じだよ。

 ニーナはエステをしたんではなく施した方なのにツヤツヤしてた。
 もふもふ成分充電できた感じだね。

 誰かがジュリアスさまに報告をしたのか、ルークがニーナを迎えにきて、私はジュリアスさまが迎えにきてくれたので一緒にお部屋に戻った。

「愛妻家と言うのか、父上で見慣れてはいるがルークがそうだとは、何か見てはいけないものを見た感じだ」
 んー、このグレーデン、みんな女性を大事にしてる感じじゃないかな?
 
 みんななぜか結婚願望が少ないけど。

 お部屋ではお酒とフルーツが用意されていた。ひゃっほう。わかってるね!

「休みが終わったのは悲しいが我が家に無事帰ったことに乾杯しようか」
「はい。楽しい旅でしたが我が家が一番ですね」
「「乾杯」」

 お酒は軽めのシャンパンだった。
 おいしー。
 最初はアズライトはお酒、ジャスパー、ポム、ティムは果物にしたんだけど、私がシャンパンにイチゴを入れたのを見て、みんな真似っこに。
 
「ははは、みんな欲張って入れると味がわからなくならないか」
 ジュリアスさまが、プルルンやメロンまで入れようとしたポムに言うと「!?」って顔でちょっとだけお酒につけて味を確認したりする。

「キューーン?」
 ポムとティムが味がよくわからなくなって悩むポーズをするのを、ジュリアスさまと眺めながら美味しくお酒を飲むのだった。



________________

 今年もお付き合いありがとうございました。
 皆様の温かいいいね、エールで書き続けることが出来ました。

 来年も楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします。

 良いお年を。

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