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二章
688話
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釣道具は手作りだ。
枝をパンパンっと細い棒状に整えて、騎士さんがちょっと失礼ってどこかに行ったと思ったら、両手に一抱えの蜘蛛の糸採ってきた。
なんとかスパイダーの良い糸ですよね!?
釣り針は硬い木の実の皮をさくさくっと削って作った。
ポカーンと見てたら、魔の森じゃない場所の魚は弱いので適当な強度のもので十分なんだって。
逆に大物は槍とか腕力でワンパン入れれば簡単簡単って笑ってる。
魚を腕力で。
海に面してなくて、川魚も滅多に食べないから釣り道具は常備してないそうだ。
ちなみにうちはセバスチャンが何竿かマジックバッグに入れてたのを出してくれた。
多分、アズライトの池でエンジョイしてるんだと思う。
だって、ちゃんとした作りの竿に針が揃ってたんだよ。そのうちルアーとかプレゼントしてみようか?でもルアーって種類はどう違うのかわからないから無理かな?
キラキラしたボディーに羽根ついてるとかで良いかなぁ。一回は自分で使ってみないとダメかな。
この世界の捕食される側の魚を模せば?
浅知恵じゃ無理かも知んないね。
「おじいさま、あの辺りにいますね」
ラシードさまは目が良いみたいで、水中の魚もばっちり捕捉してる。
「よーし、ユーリア、あの辺りを狙おう」
「はいです」
ルシードさまがユーリアさまが水に落ちないよう支えて針を投げる。
ラシードさまは少し離れた場所に向かって、別の場所を弓で狙う。
弓で!!
「ふむ、あの年齢で威力のある矢を放てるなら将来が楽しみだな」
「俺の息子は剣の才能もあるぞ」
ジュリアスさまが褒めると、ラジェールさまが鼻高々になる。自慢の息子だもんね。
釣りをしない騎士さんたちが、休憩場で食べ物や飲み物を用意してくれて、釣った魚を焼くための火も起こしてくれる。
「おじいさま!そんなにくっついちぇいたらじゃまでしゅのよ」
竿をブンってしたい時にルシードさまの腕が邪魔だとお怒りだ。
確かにあのぶっとい腕が腰に回ってると動きが制限されるね。羨ましい光景だけど。
マクソンは笑いながら、ユーリアさまとルシードさまの横で竿を下ろしている。
私はジュリアスさまの膝に挟まれて、一緒に竿を持ってる。
は!私ってばユーリアさまと同じ扱いなんでは?
今更か。グレーデン家で一番小さいもんね。シエルも身長伸びてきたし。
私より小さい子がいないとこのままかも。
ニーナの子、生まれたら逃がさないよ。
託児室を食堂近くに作っておこう。
釣果は、二十センチ、三十センチがほとんどで、ラシードさまが弓で仕留めた五十センチ越えのが一番大きかった。
「むぅー」
「ユーリアのも立派だよ」
拗ねちゃったユーリアさまを慰めるラシードさま、十歳じゃなくて十五歳くらいなんでは?良い子すぎるよ。
「アテクチだって弓でやればできるもん!うぇぇん」
泣いちゃったら、ラジェールさまもルシードさまもワタワタしちゃう。
そこをスッと入って、ユーリアさまを抱き上げるマクソン。
あらやだ、イケメンだわ。スマートだわ。
「弓は腕を痛めるから腕立て伏せを頑張ってまずは百回出来るようにせねば。一緒に鍛えましょうか」
「!?」
え、マクソン、慰めるんじゃなくて、筋トレに誘うの!?
は?うんうんってみんな同意してる。
六歳に腕立て伏せ百回?
え、私は多分十回も出来ない。
ジュリアスさまを見上げると、
「背筋も鍛えないと威力が出ない。走り込みをして体力をつけないとな」
って、マシマシな提案が。
スパルタ過ぎない??
ラシードさまも普通の顔をしている。
まさかスパルタ式が常識なの?
腕立て伏せに背筋にランニングとかやってるんだ?十歳の可愛い少年が。
あ?でも十五歳くらいから見習い騎士になれるんだった。
そっか。辺境では早くから鍛えないと無理か。ナタ飛ばしてる子達も鍛えてるのかな。
って、あら?アランとジェイクが首を横に振ってる。
もっと緩い筋トレからだって。
アランとジェイクは、あのくらいの年から鍛え上げないとジュリアスさまボディになれないのかって遠い目になってた。
身体が育ち切ってないうちにムッキムキになるのはダメだと思うんだけど、この世界では違うのかも??
「マクソン!!アテクチはマクソンのようなからだなりましゅよ!!いっしょきたえるでしょ!!」
あれ!?好きって、憧れてるって、マクソンの肉体になの!?
「「それはダメだ」」
ラジェールさまとルシードさまが魂の叫びを放った。
「妹がマクソンになるのはちょっと嫌かも・・・」
・・・やめて!
女装したマクソンが「お兄様」とか「おじいさま」とか言うのを想像しちゃうから。
「鍛えるのは良いことだが身体が大きくなるのが強くなると言うことではないぞ」
ルシードさまの心からの苦言だ。可愛い孫がゴリゴリになるのは反対だね。
アンゼリカさまみたいに嫌でもドレスを着て社交に出る場面はあるだろうから、モリモリさせない筋トレをした方が良いかな。
枝をパンパンっと細い棒状に整えて、騎士さんがちょっと失礼ってどこかに行ったと思ったら、両手に一抱えの蜘蛛の糸採ってきた。
なんとかスパイダーの良い糸ですよね!?
釣り針は硬い木の実の皮をさくさくっと削って作った。
ポカーンと見てたら、魔の森じゃない場所の魚は弱いので適当な強度のもので十分なんだって。
逆に大物は槍とか腕力でワンパン入れれば簡単簡単って笑ってる。
魚を腕力で。
海に面してなくて、川魚も滅多に食べないから釣り道具は常備してないそうだ。
ちなみにうちはセバスチャンが何竿かマジックバッグに入れてたのを出してくれた。
多分、アズライトの池でエンジョイしてるんだと思う。
だって、ちゃんとした作りの竿に針が揃ってたんだよ。そのうちルアーとかプレゼントしてみようか?でもルアーって種類はどう違うのかわからないから無理かな?
キラキラしたボディーに羽根ついてるとかで良いかなぁ。一回は自分で使ってみないとダメかな。
この世界の捕食される側の魚を模せば?
浅知恵じゃ無理かも知んないね。
「おじいさま、あの辺りにいますね」
ラシードさまは目が良いみたいで、水中の魚もばっちり捕捉してる。
「よーし、ユーリア、あの辺りを狙おう」
「はいです」
ルシードさまがユーリアさまが水に落ちないよう支えて針を投げる。
ラシードさまは少し離れた場所に向かって、別の場所を弓で狙う。
弓で!!
「ふむ、あの年齢で威力のある矢を放てるなら将来が楽しみだな」
「俺の息子は剣の才能もあるぞ」
ジュリアスさまが褒めると、ラジェールさまが鼻高々になる。自慢の息子だもんね。
釣りをしない騎士さんたちが、休憩場で食べ物や飲み物を用意してくれて、釣った魚を焼くための火も起こしてくれる。
「おじいさま!そんなにくっついちぇいたらじゃまでしゅのよ」
竿をブンってしたい時にルシードさまの腕が邪魔だとお怒りだ。
確かにあのぶっとい腕が腰に回ってると動きが制限されるね。羨ましい光景だけど。
マクソンは笑いながら、ユーリアさまとルシードさまの横で竿を下ろしている。
私はジュリアスさまの膝に挟まれて、一緒に竿を持ってる。
は!私ってばユーリアさまと同じ扱いなんでは?
今更か。グレーデン家で一番小さいもんね。シエルも身長伸びてきたし。
私より小さい子がいないとこのままかも。
ニーナの子、生まれたら逃がさないよ。
託児室を食堂近くに作っておこう。
釣果は、二十センチ、三十センチがほとんどで、ラシードさまが弓で仕留めた五十センチ越えのが一番大きかった。
「むぅー」
「ユーリアのも立派だよ」
拗ねちゃったユーリアさまを慰めるラシードさま、十歳じゃなくて十五歳くらいなんでは?良い子すぎるよ。
「アテクチだって弓でやればできるもん!うぇぇん」
泣いちゃったら、ラジェールさまもルシードさまもワタワタしちゃう。
そこをスッと入って、ユーリアさまを抱き上げるマクソン。
あらやだ、イケメンだわ。スマートだわ。
「弓は腕を痛めるから腕立て伏せを頑張ってまずは百回出来るようにせねば。一緒に鍛えましょうか」
「!?」
え、マクソン、慰めるんじゃなくて、筋トレに誘うの!?
は?うんうんってみんな同意してる。
六歳に腕立て伏せ百回?
え、私は多分十回も出来ない。
ジュリアスさまを見上げると、
「背筋も鍛えないと威力が出ない。走り込みをして体力をつけないとな」
って、マシマシな提案が。
スパルタ過ぎない??
ラシードさまも普通の顔をしている。
まさかスパルタ式が常識なの?
腕立て伏せに背筋にランニングとかやってるんだ?十歳の可愛い少年が。
あ?でも十五歳くらいから見習い騎士になれるんだった。
そっか。辺境では早くから鍛えないと無理か。ナタ飛ばしてる子達も鍛えてるのかな。
って、あら?アランとジェイクが首を横に振ってる。
もっと緩い筋トレからだって。
アランとジェイクは、あのくらいの年から鍛え上げないとジュリアスさまボディになれないのかって遠い目になってた。
身体が育ち切ってないうちにムッキムキになるのはダメだと思うんだけど、この世界では違うのかも??
「マクソン!!アテクチはマクソンのようなからだなりましゅよ!!いっしょきたえるでしょ!!」
あれ!?好きって、憧れてるって、マクソンの肉体になの!?
「「それはダメだ」」
ラジェールさまとルシードさまが魂の叫びを放った。
「妹がマクソンになるのはちょっと嫌かも・・・」
・・・やめて!
女装したマクソンが「お兄様」とか「おじいさま」とか言うのを想像しちゃうから。
「鍛えるのは良いことだが身体が大きくなるのが強くなると言うことではないぞ」
ルシードさまの心からの苦言だ。可愛い孫がゴリゴリになるのは反対だね。
アンゼリカさまみたいに嫌でもドレスを着て社交に出る場面はあるだろうから、モリモリさせない筋トレをした方が良いかな。
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