ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

685話

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 お酒が出始めたと言うことで、ラシードさまとユーリアさまがご退場なわけだけど、イヤーってなるよね。
 ラシードさまは見習い騎士になれたら参加出来るって言われてるので、それを楽しみに待つって理解してるようで、ユーリアさまを宥めて。

 二人を、マクソンとハンメルさまが寝かせつけてくるんだそうで、マクソン一緒なら良いとユーリアさまはムギュッとマクソンの胸にしがみ付いてにっこりしてた。
 マッチョの魅力が分かる六歳。あと十年育っていたら、マッチョライバルだったかも。
 友達って穏便な仲じゃなくて、どっちの推しが良いかって張り合う感じだ。
 仮に好みが被ってたら、ジュリアスさまを狙われちゃうからね。
 マクソンが好みだとザイルさんかマルゴさん、大穴でドーリーさん辺りがユーリアさま好みかな?
 でも知的なマッチョ・・・、ハロルドか?

 って、全部年齢が高い。
 若手で筋肉特盛ってなるとジュリアスさまやアモンさん・・・。
 あ、これでもユーリアさまから見たらかなり年上だ。

 うん!特上マッチョは若手にはまだいないか。マクソンレベルの完熟した筋肉マンになるのは三十超えじゃないとだ。
 
 脳内マッチョ図鑑を検索していたら、ジュリアスさまにポンと背を叩かれて我にかえる。

 酒が行き渡って乾杯って言う頃には、薄着のマッチョマンたちが肩組んで牧歌的な歌を口ずさんだり、組み手したり。

 マッチョたちが組んず解れずしてる!!!!

 脳内図鑑漁ってる場合じゃ無かった!

 リアル!!生が!!!

 クミちゃぁぁぁーーーん!!!!

「なんてこったい」
「どうした?」
 は!思わず口に出てた。

 鼻息荒く、鼻血出さんばかりの美少女ってヤバいよねー。
 自分で美少女言うなってば。でもメグミの顔じゃないから良いよね!

 私に鼻息をかき消すような音楽が流れていて良かった。


 グレーデンでの祭りも素晴らしかったけど、ちょっと毛色が違うマッチョたちが見れちゃうリュフェリーも良い。

 なんてったって、グレーデンは日焼けして健康的なマッチョがいっぱいで、リュフェリーは、レイドラアースに多い金髪、茶髪の一般的な肌色なマッチョ。
 ちなみにホーンは色白で髪色は薄金か赤茶、茶髪かな?

 色とりどりのマッチョが見られるのは辺境だけ!!なんちゃって。

 私はセバスチャンから「四杯までですよ」と言われて、ジュリアスさまに一種類ずつ半分ずつで飲もうって言ってもらった。ヤッホーイ!
 大好き!!

 呆れた顔のセバスチャン。
 ずっと密かにジュリアスさまの後ろに控えてるもんだから、ルークがいない分、ルークの代わりに私のことをやらかさないかチェックしてるの忘れてたよ。

「グレーデン家より、リーシャ夫人の造られた特上の酒を振る舞って貰ったぞ、心して飲めー!!!」
 あらかた酔っ払いが出て来た頃合いに出すのは、最初から良い物を飲んじゃうと、いつもの酒じゃ物足りなくなる対策かな?

「「「「「おおおおおっぉーーー!!」」」」」
「「「「ありがとうございます!!!」」」」

 地鳴りみたいな歓声が起こったよ。
 太鼓やドラもズドドーンと鳴った。

「ギュオー!?」
 ワイバーンたちもビクってなるくらい。

 そうして、ついにその時は来た。

「ーーーーゥォーーーーオオオォ!!!」

 ザッザッザ、ダッダダ!

 ドドドドドド~バァーン!

「ンッハァーーーーー!!!」

 唐突に足を高く上げて行進が始まった。

 騎士さんたちが列にドンドン加わって二列に進んで、左右に別れていく。

 ザッザッザザッザッザザッザッザ!
 
「ハーーーァーーーー!!」

 ドドンダン!!

「ゥオーーーー!!ハァーーーーー!!」

 腿高く行進して横に広がっていって参加者全員並んだあたりで、今度は先頭の人を中心に円形に並び始めた。

「ハッハッハァーーーーーッ」
「ハッハッハッハッフッフッフゥー」
「フォーー!!!フォーーーーーーォ!!」
 順番に腰を落として、お相撲さんポーズみたいになったと思ったら、隣り合う人同士が腕を組み合って、腰を落としたまま、横歩き、右左した後、前後。
 これは足腰弱いと脱落してそこから仲間ごと崩れていく感じかなぁ?

「ハッハッハッハッフッフッフゥー」
「フォーー!!!フォーーーーーーォ!!」
 唐突にハード○イが出て来た気が!

「ハッハッハッハッ!!!フッフッフゥー!!!」
「ハッハッハッハッ!!!フッフッフゥー!!!」 
 「フォーーーーォ」で縦に伸びて、ウェーブが起きる。

 セリウスさまやチェイスさん、アモンさん、アランとジェイクは連れて行かれたので真ん中付近で「ヒヒヒッゥ」みたいな悲鳴が。キツイよ。これはかなり腰と膝にきそう。

「ハッハッハッハッフッフッフゥー」
「フォーー!!!フォーーーーーーォ!!」

 太鼓やドラもずっと鳴ってる。
 ついでにワイバーンたちも音に合わせて、
「グォーグォッ!!ギャヒャー♪」
とご機嫌に歌ってるので、隣国の門近くに人が住んでたら恐ろしい思いをしてると思う。
 さすがに長く争っていた土地で、見張りの部隊しか駐在はしてないらしいけど、ワイバーンの声やマッチョたちの雄叫びは、遮るものが少ないこの場所ではかなり遠くまで響くよね。

「ハッハッハッハッフッフッフゥー」
「フォーー!!!フォーーーーーーォ!!」

 なんだろう。マッチョたちの後ろ姿を眺める会みたいな。

 ジュリアスさまは私にくっ付いていたので連れて行かれなかったことをホッとしてるような。

 途中で戻って来たマクソンとハンメルさまが、なんと中に入っちゃった。

 マクソン!!膝が死んじゃうよ!!!

 物凄いんだけど、「フォッフォッ」以上のインパクトが無いような。

 どっちがハードなんだろう!?
 グレーデンもかなり筋肉を酷使してるけど、こっちの巻き添えスタイルはヤバい。

「うふふ、真ん中にいる方が楽なんですってよ」
 カリナ夫人が楽しそうに指差す場所にラジェールさまが。

 左右の動きやウェーブの先頭は確かに楽かも??

 あえて酷使したい人が外周りにいるわけかしら?


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