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二章
683話
しおりを挟む最終的にはラジェールさまとジュリアスさまや、隊長たちが残って順当過ぎる有様。
本気を出すと色々壊れちゃうので、剣舞の形で競うことに。
計八人、元団長、現団長、大隊長、部隊長って錚々たるメンバーの剣舞。
ちょっとクミちゃん!マッチョたちの競演だよ!鼻血出る。
マクソンの右腕に抱き付いて、くしゃくしゃに泣いてたユーリアさまも、マクソンにしがみついたまま、ラジェールさまとルシードさまの剣舞をガン見だ。
ジュリアスさまとセリウスさまも残っているので当然参加。
うちの旦那さまと義弟、すんばらし!
いつもならルークも混ざってたかも。
ルルゥも参加してたらいけたかも。
「おとうさまがいちばんきれいでしゅ」
「そうね。お父さまが一番ね」
「マクソンのおどりもみたかったでしゅ」
「それは申し訳ない」
ユーリアさまがマクソンの胸を人差し指でムイムイ押していじけてる。
何それ、うらやまけしからん!
ジュリアスさまのお胸もバインだけど、マクソンのお胸もパンパンに詰まってるぞ。
舞台脇では若手がラシードさまと一緒に、舞台の様子を必死に見てて、リュフェリーの未来も安泰に思えるよ。
勝敗って言うか、剣舞に勝ち負けがあるのか?って思うんだけど、型の美しさと気迫が勝ったらって事で、ルシードさまの圧勝だ。
隠居したらダメじゃん!
お義父さまと同じで有事の際には戦いに参加するにしても、現役感がさ。めっちゃあるんだもの。
「ははは!若い者にはまだ負けぬぞ」
ルシードさまがここに有りってだけで、仲間は鼓舞されるんだろうなぁ。
若手とラシードさまに尊敬の目で見られてるし。
お義父さまも訓練に参加するとみんなのやる気が漲るもん。
「マクソン、ちゅぎはいちばんになるんでしゅよ」
「我が蕾の君に勝利を捧げましょう」
ま!!渋カッコいいぞ。ステ○ーブン・セガール。
マクソンの膝は治癒魔法で一応は治っているそうだ。
なんて言っても体重と戦闘の負荷などで古傷痛む状態になりやすい。
ポーションは傷に使うとかに強いけど、身体の中となると超級や特級を使う。
希少なので、欠損などの時のために備蓄してある分はどこの騎士団も使わない。
筋断裂とかだと治療は終わっても引退する騎士は多い。一瞬の油断で仲間を危険に晒すから。
馬屋番のドーリーさんみたいに第二の人生をエンジョイしつつ、有事には参戦するし、魔の森での食糧調達には率先して出て行くみたいな。
仮に私がバンバン超級ポーション作ってもう備蓄にしそうだし、私は各国から狙われちゃう状況になるからグレーデンが大変になっちゃう。
ルークが絶対ダメって言うのはそう言うことを含めてなので、私もうっかり作りますとか言えない。
リュフェリー家は絶対漏らさないだろうけど、現状は欲しはしないだろう。
どこも気軽に手に入るって思えば、隙ができる。治せるから怪我しても大丈夫になっては困るのだ。
なんても思ってたら、ジャスパーの背中にいたシャムがマクソンの膝をガブッと齧った。
「ふぉ!?」
「え?」
「「「「えええ~」」」」
マクソンはユーリアさまを抱っこして下を見てなかったし、私たちもお互いの顔や胸元くらいまでしか見てないもん。
「きゃん!!」
「プキュ?」
「きゃんきゃん」
『筋肉の炎症を治したらしいの』
(お?炎症なの?)
アズライトから念話だったので、念話で返した。
そう言えば、シャムは治癒魔法を持ってるんだった。
『筋を痛めておったんだろうがの、治すそばから体重の負荷が掛かるから癖になっておる感じかの』
(嫌なスパイラルだ)
「申し訳ありません」
「いや、大したことではない」
アランがシャムをプラーンと掴んでマクソンに謝る。
「マクソン、うちの子がごめんなさい。傷は大丈夫でしょうか?」
セリウスさまがいないので私が責任者だ。
「何、一瞬びっくりしたが全く痛くないし、元の違和感が薄れたような気もする」
わぁ、効果があったみたい。
これはシャムが治したとか言わないほうがいいよね。多分完治とかじゃなく炎症だけ治したんだよね?ね?
シャムが特別な存在とかバラすのも良くないので、シャム、今だけ我慢ね。後からオヤツあげよう。
アズライトがシャムにコソッと教えてるのでこれ以上は何もしないだろう。
とりあえず、演習は終わったので、バーベキュー的な食事タイムが始まる。
ジュリアスさまたちが私たちの場所に戻って来た。
「カッコ良かったです」
「そうか」
さすがに右腕にぶら下がりはしないけれど、ハグして腰に手を当てて寄り添う。
セリウスさまにはシャムがマクソンの膝を噛んだことを伝えて、コソッと治癒魔法のことを話した。
あー、って顔しつつ、マクソンに謝罪して許されてこの話は終わった。
夕方まではフリータイムだ。
みんな楽しそうに肩を組んで食事のテーブルに向かう。
「グルォー」
ワイバーンたちにもご飯の場が用意されてるので、私とジュリアスさまはラヴァたちの近くに行くことにしたよ。
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