ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

678話

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 カリナ夫人は自分も夜食なつまみ食いをしちゃってるので怒るに怒れず。

 ちょっとずつ、小皿に盛って。
「お味見だけですわよ?」
 っと、食堂に移動させて食べさせることに。
 ポムたちも「カモン!!」っと別の席に待機している。

「母上~!!これ美味しいですね」
「アテクチはこのオイモがしゅきでしゅ」
 唐揚げを美味しそうに頬張るラシードさまとフライドポテトをもっもっとどんどんお口に入れるユーリアさま。

「あらあら、そんなにお口に入れたら飲み込めなくてよ」
「もひー」
「もごご?」
 ユーリアさまを抱っこしていたハンメルさまも頬がぱんぱん。そっくりか!!

「んぐっ!だって美味しいしこの時間にこれは辛抱たまんない」
「そうねぇ、寝る前にお肉に油は罪深いですわね」
 ハンメルさまはユーリアさまのお口を拭いてあげながらも自分の口には唐揚げを入れてる。

「いーなー。グレーデンでは夜食も食べ放題なんだろう?」
「それはいいでしゅね!」
 セリウスさまを二人でじっと見つめる。何を話したんだろう??

「食べ放題っていうか~、夜食はクラウスとさー」
 あー、夜間も鍛錬とかしててお腹すいちゃうやつかな?
「厨房にずっと誰かいるってことか?」

「ルルゥたちはスパイスやパンの改良とか毎日何かやってる~、あとはスープやソースの煮込みをずっとやってるから交代で見てるよー」
 ルルゥはいつ休んでるのレベルで料理してるし、ソースやコンソメはずっと火の番が付いてる。
 そもそもグレーデン一家の食事量はとんでもないしね。
 あれだけ食べて、夜食がいるのもすごいんだけど。

「常に良い匂いしてるから、ヤバイよー」
「羨ましいような、そうでもないような・・・やっぱ羨ましいぞ」

 ここのコックさんたちは深夜にコトコトには驚いていた。コンソメのレシピの煮込み時間が長いから、朝作り始めて夜終えるでやってたらしい。
 それで回ってるならいいと思う。
 
「うちも結構食べてるけど、ハンパないねー」
「んー?沢山いるし、仕方なくない~?」
 うん、お祖父様たちも離れに暮らすようになっても食事は本邸だしねー。

「確実に以前より食べるようになったけど~。その分いっぱい鍛えてるよー」
「あら?やっぱり食べたら鍛えないとダメかしら?」
 カリナ夫人が真剣な顔で訊ねる。

「そうだねー。気を抜くと腹と腕はやばいよー」
 セリウスさまがムッキンとさせた二の腕の下側を撫でる。振袖の気配はありません!嫌味かってなるほど素敵な上腕二頭筋だよ。

「まぁ!」
「まぁ!アテクチのこちがふとってちまうでしゅの!」
 唐突なユーリアさまの乱入にカクッとなる。
 これは、カリナ夫人が日常的に腰のくびれを心配してるに違いないよ。

「セリウスは去年より上手く筋肉が育ってるだろう?」
「そうかな?」
「あれか?ジュリアス兄さんやルドガーさま見てたらわからなくなる?」
 あー、自分より大きい人を目標にしてると自分の成長に気付きにくいかも。
 私は毎日見てるから、逆に気付けない。

 マッチョ好きならば、育った筋肉を観察して喜ばなくてどうする!!
 自分にちょっとショックだ。
 でもジュリアスさまの些細な筋肉変化には気付くよ。毎日ハグしてるからね!

「あ、そろそろあなたたちはお休みなさいな。遅い時間ですよ」
 カリナ夫人が子供たちの寝る時間を思い出して慌てて注意をする。
「まぁ!おかしゃまもねないとアテクチはいやでしゅの」
「ユーリア、今日はにぃにと寝よう」
「にぃさまと?」
 あらら、お母さまを真似てプイッとそっぽを向いたユーリアさまが途端にモジモジ。
 ラシードさまのお兄さまっぷりが尊い。

「明日はお昼から騎士を見にいくからたっぷり寝ないと応援できないよ」
「あぅ、そうでしたわ。マクソンをおうえんしないとでしゅの」
 おや?推しの騎士さまがいらっしゃるのかな。

 ハンメルさまがお部屋まで送ってくるとお二人を連れて出て行った。

「マクソン・・・渋くないかー?」
 セリウスさまが微妙な顔で見送る。
「ご存知のお方?」
「そうだねー。俺は勝てない人だよー」
 え、とても強い感じ。
「ええ、お義父様の側近の元騎士団長で今はラジェールさまの師匠で護衛ですの」
 おお、かなりの年上の殿方ですな。

「渋くて、声が素敵なオジさまですのよ。ユーリアったらマクソンに会うと右腕のここに抱きついちゃって離れないんですの」
 上腕二頭筋に!抱っこちゃんのような状態かな。

 もしかしたら将来有望なマッチョ好きかも。

 明日お会いできるかな??

 そのあとは、セリウスさまも手伝ってくれてみんなで準備をした。

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