ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

675話

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 お屋敷に戻って、少し休憩したら夕食の時間になった。

 エレガントな食堂のテーブルに、ボア丸焼き肉やパンタワーがドドンっと登場したよ。

「今日はルーデウスに頼んでグレーデン家の日常にしてもらったんだ」
 ニコニコと笑うルシードさまは、私たちがウォレスで二週間ほど過ごして、そろそろ自宅が恋しいだろうと言うお心遣いをしてくれたみたい。

 ロココ調な室内にあまりにも合わない丸焼きのインパクト。

「あはは、とても香ばしくてスパイシーだ。この匂いでお腹がぺこぺこになるな」
 ラジェールさまは、嬉しそうにお肉を見てて、
「これがスノウリリィーさまの日常のお食事ですのね」
 カリナ夫人はちょっと不思議な感動で震えてる。

「アテクチはあのおれんじいろのパンをいただきたいのでしゅわ」
 ルシードさまのお膝に座っているユーリアさまは、ニンジンやカボチャを練り込んだパンの色が気になる様子で、
「パンがかわいくてすてきな色でしゅね!アテクチいっぱいたべれましゅ」
と、フンスっと張り切っている。
「お祈りをしてからお祖父様が取ってやるからな」
 
 と言うことで、みんな揃ってから、神様と精霊に感謝をしてお食事開始です。

「おじいしゃま!!みどりいろはかわいくないのでしゅよ」
「おお?そうなのかい」
 ほうれん草は可愛くないそうだ。

「お祖父様、僕は緑色をいただきます」
 ラシードさまがユーリアさまが嫌っと断ったパンを食べる。可愛い兄妹だよぅ。

「ラシード、お父様がいっぱい食べるから好きなのを取りなさい」
「みんなおいしいですから」
 
 パンのインパクトでスルーされてるけれど。スープはミルクスープだ。子供たち用に優しいお味で美味しいよ。
 サラダはバーニャカウダ風で食べやすくなっていた。

「さ、お肉を切り分けようか」
 ルルゥ特製スパイスたっぷり、油がジュワッと滴るお肉はとても美味しそう。
 追加でバッファローのステーキも。
 よく食べるのはリュフェリー家も一緒なので、たくさん出てくる。

 アズライトやポムたちも別の席でガブガブ食べてる。
 どうやらリュフェリー家のメイドさんたちももふもふの虜になったようで、一匹に二人くらいお世話が付いてる。ハーレムができているの。ジャスパーもアズライトもまんざらでもないらしい。

「きょうのごはんはふしぎなあじがいっぱいでしゅね」
「そうだね、食べたことがない味だね」
 子供たちが初体験だろうスパイスや、パンに野菜が混ざってるとは思わないだろうから色によって味が違うことが気になってるよ。

「坊っちゃま、こちらの色のついたパンはみんな野菜を練り込んで作ってます」
 コックさんが説明して、野菜を見せると唖然としている。
「ユーリアが嫌いな野菜だ」
「えー!?」
 ユーリアさまは、ニンジンが嫌いだったようで、オレンジ色のパンを絶望した顔で見ている。
「あ、あじちがいましゅよ」
「あらあら、ユーリア、食べられるのは良いことですよ。食べられて凄いわ。良かったわね」
 褒められて嬉しいけれど納得いかない、そんな様子がとても可愛いけれど、本人的には微妙かな?

「ユーリア、少し大人になれたな」
「おとなでしゅか?おじーしゃま?」
 ハンメルさまが子供心をくすぐる魔法の言葉を使った。
「おとな!アタクチはかわいいおとなのおんにゃですのね」
 誰が教えたの?大人の女・・・。

「はは、一瞬で大人になれるねー」
 セリウスさま、追撃は要らないのにそんなことを言うから、ユーリアさまがルシードさまにお願いしてオレンジ色のパンを三つも取ってもらったじゃん。

「モグ?おにゃじいろ、あじちがいまひゅ」
「あら、お口に入れたまま話してはダメよ」
「あい」
 ニンジン味じゃないのはお芋か豆かな?
 野菜は私の知る日本のとは、色合いがチグハグなので、食べてみないとわからない。
 ニンジンはオレンジ色と紫色があるの。

 デザートもホールケーキがたくさん出てきた。
 あ、一人三ホールは余裕ですか。

 ユーリアさまもラシードさまも初めて食べる生クリームたっぷりケーキに大喜びだった。

「グレーデンはすごいですね」
「これは止まらないな」

 ルルゥの腕が良いのだ。

 カリナ夫人は四ホール食べちゃった。もしお義母さまが六は食べるって言っちゃったら、挑戦しちゃうかな??


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