683 / 765
二章
672話
しおりを挟む
朝食後にリュフェリー領の中の大きな街に連れて行ってもらうことに。
ハンメルさまとラシードさまが案内係になってくれて、騎馬と馬車を連ねて出発。
アズライトたちはみんなお留守番のセリウスさまが預かってくれた。さすがに街中にジャスパーやカラフルなモニパルは目立つからね。
街並みは中世ヨーロッパの田舎寄りなのはグレーデンと大差はないんだけど、水路、街道はとても整っていた。
王都に近しい雰囲気にするのは屋敷や庭だけじゃなく、街もだったのか。
大掛かりだ。
住民もおしゃれで洗練されてる気がする。
グレーデンが水路を作ってないのは水が少なかったからで、地下水が豊富と分かった今なら、この街づくりを真似るのも良いかなぁ。砂で埋まらないようにとかだと用水路の方がいいかなぁ?
今まで困ってないから、必要ないのかな?
必要なら、筋力と魔法でガンガン作ってるもんね。
グレーデンと一緒の辺境扱いなのに、危険区域って感じはしないんだ。
穏やか~って雰囲気。
ハンメルさまにも押しかけ令嬢がいっぱい来てもおかしくないね。グレーデンより野蛮だった田舎だとかのハードルが低い。
セリウスさまより少し上出て未婚は、キッツい令嬢ホイホイになってそう。
ハンメルさまがお勧めしてくれたお店に陶器のお店があった。
カラフルなお花柄は色出しが難しく、高級品らしい。
私的に気に入ったのは、色一色に白い紋様か金の紋様か。
めっちゃエレガントだ。
これは美容液やクリーム入れに使えちゃう。
「リーシャ、気に入ったのか?」
「珍しいね。女性はお花とか可愛らしい絵が入ってるのを喜ぶよ」
えー、それは(日本の)喫茶店とかで見慣れてると言うか普通なんだもの。
「そうだな、手の込んだ図柄の方が貴族的と言われる。だが俺もこちらの方が趣があって好きだな」
ジュリアスさまが私に合わせてくれた。
「店主、こちらのデザインのを出せるだけくれるか」
陶器屋さんの主人がびっくりしちゃった。
「ちょっと、すごい買うねぇ」
「リーシャが気に入るものは母上やお祖母様が気に入ると思う」
え、お義母さまはお花柄のが好きじゃないかな??
「ヒェ・・・」
「グレーデン辺境伯・・・」
あら、有名人って、ハンメルさまが連れてるお客様で、マッチョに真っ赤な髪はバレるに決まってるか。
お店の店員さん総出で在庫を出してくれて、私が欲しいものチェック。
優しい水色、桃色や温かいオレンジ色、レモン色、美しい翠色や蒼色と全部が気に入っちゃって、うっとり見てたら、セバスチャンが購入手続きしちゃった。
私の口座からとか言うのは、誰も聞いてくれないと勉強したので「ありがとうございます」ってジュリアスさまに伝えるとニコッとされた。
全部包み終わったら、リュフェリー家に届けてくれることになった。
「グレーデン辺境伯夫人のお気に入り、とか書かれそうっすね」
護衛について来たチェイスさんが笑う。
「私?私の名前で売れるかな」
「売れる売れる」
グレーデン漁ならともかくここはリュフェリー領だよ。
陶器屋の次はドレスショップ。裕福な夫人向けで貴族専用ではなく、ちょっとしたパーティやディナーに着るくらいの格だそう。
「男性陣はつまらなくないですか?」
「うちの布地が気に入ってもらえるチャンスなので」
ハンメルさまがそう言うとラシードさまが「そうなんですか」って。次期領主の教育が始まってるー。
「リーシャさまはもちろん、スノウリリィーさまに気に入って頂けると大儲けですよ」
しっかりしてるなぁ。
「それを言ってしまうのはどうなんだ」
「ふふ、ジュリアスさまには素直に接するのが良いってわかってますから」
要領のいいセリウスさまと仲がいいだけあるなぁ。
ジュリアスさまも嫌な気はしないもんね。
ドレスの生地はなんだかんだ言ってもマダム・シフォンが気に入らないとダメなんだけど。
ドレスショップの店員・・・店主さんが走り出て来て、ハンメルさまに挨拶した後、後ろにいたジュリアスさま見て「!?」って、表情の変化がすごかった。
しばらく脳内で「何事」か考えた後に目線が彷徨って「ふぁあ!?」っと私の存在に気が付いた。
「お嬢様のドレスでございますね!?」
場を持ち直そうとした店主さんに、
「グレーデン辺境伯夫人だ」
ってハンメルさまが伝えると「ふぁあああ!?」っとテンパっちゃった。
男性陣にはお茶を飲んでなってもらって、私は一応ドレスを見せてもらう。
リュフェリー領も基本的に大きめな体格の人が多いので私の着れるサイズは子供向け・・・。
冷や汗をかいてる店主さんがお気の毒だ。
それでも生地は良い物だったのでオーダーで作ってもらうことに。
採寸のために今着ているドレスを脱がしてもらった。
「ヒヤアッッサァァアアアア!!?」
ドレスの内側の刺繍を見て店主さんが謎の悲鳴を上げた。
「シシシシシシ・・・フォォォォン・・・」
ドレスを持ったまま腰を抜かしてドスンっと崩れた。
「何事だ!?」
フィッティングルームのカーテンをザァァ!!っと開けたジュリアスさまとハンメルさまと、びっくりなキャミソールとドロワーズな下着姿の私。
その状況を真っ青になってさらにアワワとなった店主さん。
私はこの姿は別に恥ずかしく無いんだけど、ハンメルさまが真っ赤になって「すまない!?」って出て行った。
ハンメルさまとラシードさまが案内係になってくれて、騎馬と馬車を連ねて出発。
アズライトたちはみんなお留守番のセリウスさまが預かってくれた。さすがに街中にジャスパーやカラフルなモニパルは目立つからね。
街並みは中世ヨーロッパの田舎寄りなのはグレーデンと大差はないんだけど、水路、街道はとても整っていた。
王都に近しい雰囲気にするのは屋敷や庭だけじゃなく、街もだったのか。
大掛かりだ。
住民もおしゃれで洗練されてる気がする。
グレーデンが水路を作ってないのは水が少なかったからで、地下水が豊富と分かった今なら、この街づくりを真似るのも良いかなぁ。砂で埋まらないようにとかだと用水路の方がいいかなぁ?
今まで困ってないから、必要ないのかな?
必要なら、筋力と魔法でガンガン作ってるもんね。
グレーデンと一緒の辺境扱いなのに、危険区域って感じはしないんだ。
穏やか~って雰囲気。
ハンメルさまにも押しかけ令嬢がいっぱい来てもおかしくないね。グレーデンより野蛮だった田舎だとかのハードルが低い。
セリウスさまより少し上出て未婚は、キッツい令嬢ホイホイになってそう。
ハンメルさまがお勧めしてくれたお店に陶器のお店があった。
カラフルなお花柄は色出しが難しく、高級品らしい。
私的に気に入ったのは、色一色に白い紋様か金の紋様か。
めっちゃエレガントだ。
これは美容液やクリーム入れに使えちゃう。
「リーシャ、気に入ったのか?」
「珍しいね。女性はお花とか可愛らしい絵が入ってるのを喜ぶよ」
えー、それは(日本の)喫茶店とかで見慣れてると言うか普通なんだもの。
「そうだな、手の込んだ図柄の方が貴族的と言われる。だが俺もこちらの方が趣があって好きだな」
ジュリアスさまが私に合わせてくれた。
「店主、こちらのデザインのを出せるだけくれるか」
陶器屋さんの主人がびっくりしちゃった。
「ちょっと、すごい買うねぇ」
「リーシャが気に入るものは母上やお祖母様が気に入ると思う」
え、お義母さまはお花柄のが好きじゃないかな??
「ヒェ・・・」
「グレーデン辺境伯・・・」
あら、有名人って、ハンメルさまが連れてるお客様で、マッチョに真っ赤な髪はバレるに決まってるか。
お店の店員さん総出で在庫を出してくれて、私が欲しいものチェック。
優しい水色、桃色や温かいオレンジ色、レモン色、美しい翠色や蒼色と全部が気に入っちゃって、うっとり見てたら、セバスチャンが購入手続きしちゃった。
私の口座からとか言うのは、誰も聞いてくれないと勉強したので「ありがとうございます」ってジュリアスさまに伝えるとニコッとされた。
全部包み終わったら、リュフェリー家に届けてくれることになった。
「グレーデン辺境伯夫人のお気に入り、とか書かれそうっすね」
護衛について来たチェイスさんが笑う。
「私?私の名前で売れるかな」
「売れる売れる」
グレーデン漁ならともかくここはリュフェリー領だよ。
陶器屋の次はドレスショップ。裕福な夫人向けで貴族専用ではなく、ちょっとしたパーティやディナーに着るくらいの格だそう。
「男性陣はつまらなくないですか?」
「うちの布地が気に入ってもらえるチャンスなので」
ハンメルさまがそう言うとラシードさまが「そうなんですか」って。次期領主の教育が始まってるー。
「リーシャさまはもちろん、スノウリリィーさまに気に入って頂けると大儲けですよ」
しっかりしてるなぁ。
「それを言ってしまうのはどうなんだ」
「ふふ、ジュリアスさまには素直に接するのが良いってわかってますから」
要領のいいセリウスさまと仲がいいだけあるなぁ。
ジュリアスさまも嫌な気はしないもんね。
ドレスの生地はなんだかんだ言ってもマダム・シフォンが気に入らないとダメなんだけど。
ドレスショップの店員・・・店主さんが走り出て来て、ハンメルさまに挨拶した後、後ろにいたジュリアスさま見て「!?」って、表情の変化がすごかった。
しばらく脳内で「何事」か考えた後に目線が彷徨って「ふぁあ!?」っと私の存在に気が付いた。
「お嬢様のドレスでございますね!?」
場を持ち直そうとした店主さんに、
「グレーデン辺境伯夫人だ」
ってハンメルさまが伝えると「ふぁあああ!?」っとテンパっちゃった。
男性陣にはお茶を飲んでなってもらって、私は一応ドレスを見せてもらう。
リュフェリー領も基本的に大きめな体格の人が多いので私の着れるサイズは子供向け・・・。
冷や汗をかいてる店主さんがお気の毒だ。
それでも生地は良い物だったのでオーダーで作ってもらうことに。
採寸のために今着ているドレスを脱がしてもらった。
「ヒヤアッッサァァアアアア!!?」
ドレスの内側の刺繍を見て店主さんが謎の悲鳴を上げた。
「シシシシシシ・・・フォォォォン・・・」
ドレスを持ったまま腰を抜かしてドスンっと崩れた。
「何事だ!?」
フィッティングルームのカーテンをザァァ!!っと開けたジュリアスさまとハンメルさまと、びっくりなキャミソールとドロワーズな下着姿の私。
その状況を真っ青になってさらにアワワとなった店主さん。
私はこの姿は別に恥ずかしく無いんだけど、ハンメルさまが真っ赤になって「すまない!?」って出て行った。
532
お気に入りに追加
1,876
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる