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二章
670話
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ラジェールさまもうジュリアスさまも嫌なことは訓練や討伐で鬱憤を晴らしてたし、祖父母や家族は愛情過多だから、反抗期が無かったタイプだと、ルシードさまが昔を懐かしんで笑う。ご自分の愛情も重い自覚があるらしい。
出来すぎた兄がいたハンメルさまとセリウスさまは、ちょっとグレた時期があったと聞いて興味津々になっちゃう。
「やめてくださいよー」
セリウスさまが恥ずかしそうにするのは珍しいなぁ。
「歳が違うって言っても兄上が強いし、頭もいいってなると下はキツいんだよ」
「だよなぁー、顔は似てるのにとか言われてガッカリされるのって俺たちに責任かーってねー」
弟たち、苦労してるのね。
「誰がそんなことを」
「そんなことを言われていたのか?」
お兄ちゃんズが怖い顔になっちゃった。
「まぁさー、うちの栄光が気に入らないから弱そうなとこに来るんだって気付いてからは言い返してるよー」
「そうそう、つまんないこと言う連中に限って借金苦とか領地運営に行き詰まってるんだよ」
二人はニヤッと笑って、相当ウザい感じだった相手には自滅するように動いたらしい。
敵に回しちゃいけないタイプだった。
「領地や騎士団については兄上がしっかり気張ってくれてるから、隙間や足元狙う輩はこっちが蹴散らすんだよ」
「そうそうー、しょうもないのは潰しちゃうよねー、羽虫は碌な事しないしー?」
どうやら、柔和な仮面を被っていながらも怒らせたらルークより怖いっぽいぞ。
お義父さまもわりとおおらかに見えていざとなったらシビアだし、お義母さまは貴族的な考えもある人だから、セリウスさまはその考え方を受け継いでるんだ。
「リーシャちゃん、引いてるー?でもクラウスはもっと怖いよー」
え!?もっと!?
「うふふ、自分たちの安寧が実は下に見ている者に守られてるって気付かないお馬鹿さんは守る価値がないですものね」
カリナ夫人が手を頬に当てて、お義母さまばりに黒い笑顔だ。辺境の奥様はこうでないといけないんだ。私もいつかお義母さまのようにならないと。
「そうそう、文句言うなら自分たちのことは自分で守らないと」
要するに辺境騎士団の助けなく、魔の森の脅威や野党討伐をしないとってことだね。
辺境を馬鹿にするのなら、騎士団を呼ぶ必要が無い安全な土地かとても強い戦力があるのでしょう。
「じぶんのことはじぶんでしゅる!!でちゅのよ!」
ポムたちとクッキーを食べていたユーリアさまが突然立ち上がって叫んだ。
どうやら話の一部を理解して知ってる言葉を言ったみたい。
フンスッとした胸とお顔と手にはクッキーの粉が。おませさんなのにそこは子供らしいの。
大人たちは子供が二人いるところでブラックでダークな会話をした事を反省したよ。
ラシードさまがユーリアさまの手を拭いてあげて、ジャスパーがお顔をベロンと舐めて、ポムとシャムがお胸の粉をパンパンと払ってあげた。
いや~ん!もふもふと可愛いが大渋滞だ。
ルシードおじいちゃんがその様子を見てユーリアさまとラシードさまを抱きしめに行っちゃった。
「おじいしゃま!!わるものはぎったんばったんのスパーンでしゅよね!!」
「ああ!!そうだとも!阿呆な悪者はおじいちゃまが全部倒して開けるぞぅ」
嘘だろ。あの人、伝説の三英雄なんだぜ。
思わずそんなセリフが頭を過った。ギャップが物凄くて。
ま、辺境家の当主はほとんど伝説の英雄だ。
「孫が出来るとああなるものなのか・・・」
「どうだろうねー」
これ以上悪いお話を聴かせないように、解散になった。
私はカリナ夫人とエステだ。
大理石の浴室&エステ室ですよ。
案内されてポカーンとなっちゃった。
「ふふ、すごいでしょう?この辺りは石材がよく採れるのよ」
うはー!石か~。グレーデンでも探せばありそうだけど、食べれないものへの興味が薄いよね。
「嫁いできた時はお屋敷もお庭もここも全部びっくりしたのよ」
王宮に近い暮らしをさせてあげといと言う先代の思いがすごい。
「なので私も私のための離れを作っていただいたの、お時間がある時に案内させていただくわね」
「楽しみです」
エステの前に体を清めて湯に浸かる。
お風呂の中に噴水があるスタイル。
ライオンの口より上があった。
エステ台もエレガントな彫刻が施されている大理石だ。室内は温められてるので、冷たいとかは無かった。
エステ担当の侍女さんたちが早速頭と肩腰、足元に。
「グレーデンのは美容液より効くものは無いけれど、リラックス効果は抜群なのよ」
魔の森で取れる果物や樹のエキスを搾ったオイルだそうで、なんて言うかサンダルウッドにマンダリンな感じでした。
懐かしい感じでうっとりだ。
カリナ夫人がいっぱいお話ししてくれるけど、ウトウトしちゃうよ。
出来すぎた兄がいたハンメルさまとセリウスさまは、ちょっとグレた時期があったと聞いて興味津々になっちゃう。
「やめてくださいよー」
セリウスさまが恥ずかしそうにするのは珍しいなぁ。
「歳が違うって言っても兄上が強いし、頭もいいってなると下はキツいんだよ」
「だよなぁー、顔は似てるのにとか言われてガッカリされるのって俺たちに責任かーってねー」
弟たち、苦労してるのね。
「誰がそんなことを」
「そんなことを言われていたのか?」
お兄ちゃんズが怖い顔になっちゃった。
「まぁさー、うちの栄光が気に入らないから弱そうなとこに来るんだって気付いてからは言い返してるよー」
「そうそう、つまんないこと言う連中に限って借金苦とか領地運営に行き詰まってるんだよ」
二人はニヤッと笑って、相当ウザい感じだった相手には自滅するように動いたらしい。
敵に回しちゃいけないタイプだった。
「領地や騎士団については兄上がしっかり気張ってくれてるから、隙間や足元狙う輩はこっちが蹴散らすんだよ」
「そうそうー、しょうもないのは潰しちゃうよねー、羽虫は碌な事しないしー?」
どうやら、柔和な仮面を被っていながらも怒らせたらルークより怖いっぽいぞ。
お義父さまもわりとおおらかに見えていざとなったらシビアだし、お義母さまは貴族的な考えもある人だから、セリウスさまはその考え方を受け継いでるんだ。
「リーシャちゃん、引いてるー?でもクラウスはもっと怖いよー」
え!?もっと!?
「うふふ、自分たちの安寧が実は下に見ている者に守られてるって気付かないお馬鹿さんは守る価値がないですものね」
カリナ夫人が手を頬に当てて、お義母さまばりに黒い笑顔だ。辺境の奥様はこうでないといけないんだ。私もいつかお義母さまのようにならないと。
「そうそう、文句言うなら自分たちのことは自分で守らないと」
要するに辺境騎士団の助けなく、魔の森の脅威や野党討伐をしないとってことだね。
辺境を馬鹿にするのなら、騎士団を呼ぶ必要が無い安全な土地かとても強い戦力があるのでしょう。
「じぶんのことはじぶんでしゅる!!でちゅのよ!」
ポムたちとクッキーを食べていたユーリアさまが突然立ち上がって叫んだ。
どうやら話の一部を理解して知ってる言葉を言ったみたい。
フンスッとした胸とお顔と手にはクッキーの粉が。おませさんなのにそこは子供らしいの。
大人たちは子供が二人いるところでブラックでダークな会話をした事を反省したよ。
ラシードさまがユーリアさまの手を拭いてあげて、ジャスパーがお顔をベロンと舐めて、ポムとシャムがお胸の粉をパンパンと払ってあげた。
いや~ん!もふもふと可愛いが大渋滞だ。
ルシードおじいちゃんがその様子を見てユーリアさまとラシードさまを抱きしめに行っちゃった。
「おじいしゃま!!わるものはぎったんばったんのスパーンでしゅよね!!」
「ああ!!そうだとも!阿呆な悪者はおじいちゃまが全部倒して開けるぞぅ」
嘘だろ。あの人、伝説の三英雄なんだぜ。
思わずそんなセリフが頭を過った。ギャップが物凄くて。
ま、辺境家の当主はほとんど伝説の英雄だ。
「孫が出来るとああなるものなのか・・・」
「どうだろうねー」
これ以上悪いお話を聴かせないように、解散になった。
私はカリナ夫人とエステだ。
大理石の浴室&エステ室ですよ。
案内されてポカーンとなっちゃった。
「ふふ、すごいでしょう?この辺りは石材がよく採れるのよ」
うはー!石か~。グレーデンでも探せばありそうだけど、食べれないものへの興味が薄いよね。
「嫁いできた時はお屋敷もお庭もここも全部びっくりしたのよ」
王宮に近い暮らしをさせてあげといと言う先代の思いがすごい。
「なので私も私のための離れを作っていただいたの、お時間がある時に案内させていただくわね」
「楽しみです」
エステの前に体を清めて湯に浸かる。
お風呂の中に噴水があるスタイル。
ライオンの口より上があった。
エステ台もエレガントな彫刻が施されている大理石だ。室内は温められてるので、冷たいとかは無かった。
エステ担当の侍女さんたちが早速頭と肩腰、足元に。
「グレーデンのは美容液より効くものは無いけれど、リラックス効果は抜群なのよ」
魔の森で取れる果物や樹のエキスを搾ったオイルだそうで、なんて言うかサンダルウッドにマンダリンな感じでした。
懐かしい感じでうっとりだ。
カリナ夫人がいっぱいお話ししてくれるけど、ウトウトしちゃうよ。
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