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二章
668話
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お散歩にはルルゥはいなかった。
ハンメルさまや侍従長の息子さんが昔馴染みで美味しい肉を焼いてくれとかグレーデンで評判のスープを飲みたいと厨房に連れて行ってしまった。
リュフェリー家のお庭は、王宮の雰囲気に近いかな?と思えば、ルシードさまの母君が降嫁された王女で、父君が愛妻のために居心地の良い空間を作ったんだそう。
建物もどうりでってことか。
この建物とお庭を魔獣や隣国の脅威を跳ね退けて、維持管理してるのもすごいことだと思う。
カリーナ夫人も王都のご令嬢だった方なので、一応政略結婚だけど、学園入学前のお茶会でラジェールさまを見かけて憧れていたんだそう。少年期のラジェールさまもマッチョ育成前でキラキラした貴公子だったそう。ラシードさまを見ればわかります。
辺境三家と言われるお家に嫁ぐ時は覚悟をもって来たけど、ちょっと拍子抜けしたそうだ。思っていたより静かで長閑だったから。
常に戦ってそうに思ったのかな。
でもってマッチョいっぱいに囲まれて最初の頃はビクッとしてたのよって笑う夫人と横で苦笑いのラジェールさま。
「肉体美はご褒美よってスノウリリィーさまに教わってから毎日が楽しいの」
お義母さまに洗脳されてる!
「うふふ、王都の騎士団を応援に行くのだって本当は端ないでしょう?でも皆様こぞって観戦にいくのはやっぱり強い男性が好きなのよ?私たちは辺境三家の最強の男性を夫にもってるの。でも皆様は羨ましいだなんて言えないから辺境は恐ろしいとか言うのだと思うのよ」
うはは、いろんな好みの人がいるのでなんとも言えないけれど。
グレーデンのフォッフォで一緒に雄叫びあげてる私とお義母さまを見たら、都会の女性は倒れるのでは。
ところでこのリュフェリー家の美麗なお庭、当然バーベキュー広場もキャンプ場もない。普通のお貴族さまのお庭だ。
もしグレーデン風ガーデンパーティを開くことになったら、騎士団の訓練場とか借りるのかしら?
こんなこと考えちゃうとフラグが立っちゃう?
でも絶対お義父さまとかに聞いてて、夜の宴会を開きたがると思うんだ。
リュフェリー騎士団にも妙な踊りあるかな?宴会は是非とも見てみたい。
ちなみにこの度のお庭散歩もジュリアスさまが私を抱っこしようとして、お子様二人がいるのでゆっくり歩くの大丈夫でしょうって止めたよ。
ラジェールさまが、
「ジュリアスは甘やかしたいタイプか」
って揶揄うと、
「お前も新婚の頃や妊娠中はいつも抱き上げて運んでいたであろうが」
ってルシードさまがツッコミを入れた。
おおぅ、カリナ夫人は可愛いものね。
「ふふ、力が有り余ってるからか筋力を使う場面を求めちゃうのかしら?」
筋トレ用ダンベル扱いでしょうか?
「愛情が有り余ってるのでは」
ラジェールさまさまのちょっとした不満顔で思わず言ってしまったら、カリナ夫人が「あら?」って頬を染めて、夫妻の間にラブな空気が。
「おとしゃまはアタクチにいっぱいチスをするのでアタクチをいちばんあいちてるのですよ」
唐突に割り込むユーリアさまが、また可愛いことを言ってる。
そう言えば第二王子も公用語で言葉がちょっと可愛くなっちゃってたなと思い出す。
小さい子の背伸びは可愛いよね。
「お父様はお母様もラシードもユーリアもみんな愛してるよ」
「まぁ!アタクチがいちばんっていつもいってくれまちゅのに!」
膝をついてユーリアさまの目線に合わせようと背を丸めるラジェールさまのお口をポムで塞いじゃった!
「ッキュゥ・・・」
小さな子に怒れないポムが可愛い。
「ぐぅふ!!」
ラジェールさまは毛が鼻と口に入っちゃったようでくしゃみのような声を出したものの、ポムもユーリアさまも可愛いようで目が垂れ下がってるよ。
一番って多分カリナ夫人に話してるのを聞いてるのでは?ユーリアさまにも言ってるかな?話だけ聞くと二股のようだ。
一番がいっぱいあるのダメだけど、妻と子供に言うのはノットギルティ。
みんな一番って言いきれちゃう家族愛って良いね。
庭の東屋近くに金属製のベンチタイプのブランコが置いてある。
「あれはルドガーがラシードとユーリアに贈ってくれたのだよ」
「おじいさまと一緒に乗れるんだよ。ジャスパーも一緒に乗ろう」
ラシードさまがルシードさまの手を引っ張って、ジャスパーを連れて嬉しそうにかけて行った。
「うちでたくさん試作した結果だなー」
セリウスさまが笑う。
大きなマッチョたちが安全に乗るためにたくさん作ったんだよ。アスレチック用も公園の遊具系も耐久性を追求した結果、木製はトレントとか魔物素材で、金属はタングステンとかを混合させた強度のある物を使っている。
普通の子供用なら、そこまでの素材じゃなくても耐久性はあるんだけど、辺境ではパワー有り余るマッチョが使う想定をしないとダメなのだった。
「ブランコは空中で一回転させる遊具じゃないですよ」
「そうだっけー」
金属製になった結果、勢いつけて漕ぐとグルンと一周回れる金具になってるんだよ。
ラシードさまも辺境三家の子供なのでキャッキャ言って回ってるし、その後にラジェールさまとユーリアさまも三回転させてる。
怪我しないなら良いんだけど、普通は回したら危険だからね。
優雅なお庭散策かと思ったのに、なぜか賑やかにブランコで何回回るか勝負が始まって、カリナ夫人まで参加しちゃってた。
スカートですよーーーーーーーーォ!!!
ちゃんと下に履いてるパニエで中まで見えないけど、足首も基本は見せたらダメなやつ~。
あ、私はグレーデン家内ではくるぶしは見えても良いのだ。淑女じゃないし、離れと本邸の行き来しかしてないからね!
__________________
いっぱいは書けなかったですがいつもくらいまでかけました。
頭痛は少しマシになってます。
いつもエール、良いね、ありがとうございます。
ハンメルさまや侍従長の息子さんが昔馴染みで美味しい肉を焼いてくれとかグレーデンで評判のスープを飲みたいと厨房に連れて行ってしまった。
リュフェリー家のお庭は、王宮の雰囲気に近いかな?と思えば、ルシードさまの母君が降嫁された王女で、父君が愛妻のために居心地の良い空間を作ったんだそう。
建物もどうりでってことか。
この建物とお庭を魔獣や隣国の脅威を跳ね退けて、維持管理してるのもすごいことだと思う。
カリーナ夫人も王都のご令嬢だった方なので、一応政略結婚だけど、学園入学前のお茶会でラジェールさまを見かけて憧れていたんだそう。少年期のラジェールさまもマッチョ育成前でキラキラした貴公子だったそう。ラシードさまを見ればわかります。
辺境三家と言われるお家に嫁ぐ時は覚悟をもって来たけど、ちょっと拍子抜けしたそうだ。思っていたより静かで長閑だったから。
常に戦ってそうに思ったのかな。
でもってマッチョいっぱいに囲まれて最初の頃はビクッとしてたのよって笑う夫人と横で苦笑いのラジェールさま。
「肉体美はご褒美よってスノウリリィーさまに教わってから毎日が楽しいの」
お義母さまに洗脳されてる!
「うふふ、王都の騎士団を応援に行くのだって本当は端ないでしょう?でも皆様こぞって観戦にいくのはやっぱり強い男性が好きなのよ?私たちは辺境三家の最強の男性を夫にもってるの。でも皆様は羨ましいだなんて言えないから辺境は恐ろしいとか言うのだと思うのよ」
うはは、いろんな好みの人がいるのでなんとも言えないけれど。
グレーデンのフォッフォで一緒に雄叫びあげてる私とお義母さまを見たら、都会の女性は倒れるのでは。
ところでこのリュフェリー家の美麗なお庭、当然バーベキュー広場もキャンプ場もない。普通のお貴族さまのお庭だ。
もしグレーデン風ガーデンパーティを開くことになったら、騎士団の訓練場とか借りるのかしら?
こんなこと考えちゃうとフラグが立っちゃう?
でも絶対お義父さまとかに聞いてて、夜の宴会を開きたがると思うんだ。
リュフェリー騎士団にも妙な踊りあるかな?宴会は是非とも見てみたい。
ちなみにこの度のお庭散歩もジュリアスさまが私を抱っこしようとして、お子様二人がいるのでゆっくり歩くの大丈夫でしょうって止めたよ。
ラジェールさまが、
「ジュリアスは甘やかしたいタイプか」
って揶揄うと、
「お前も新婚の頃や妊娠中はいつも抱き上げて運んでいたであろうが」
ってルシードさまがツッコミを入れた。
おおぅ、カリナ夫人は可愛いものね。
「ふふ、力が有り余ってるからか筋力を使う場面を求めちゃうのかしら?」
筋トレ用ダンベル扱いでしょうか?
「愛情が有り余ってるのでは」
ラジェールさまさまのちょっとした不満顔で思わず言ってしまったら、カリナ夫人が「あら?」って頬を染めて、夫妻の間にラブな空気が。
「おとしゃまはアタクチにいっぱいチスをするのでアタクチをいちばんあいちてるのですよ」
唐突に割り込むユーリアさまが、また可愛いことを言ってる。
そう言えば第二王子も公用語で言葉がちょっと可愛くなっちゃってたなと思い出す。
小さい子の背伸びは可愛いよね。
「お父様はお母様もラシードもユーリアもみんな愛してるよ」
「まぁ!アタクチがいちばんっていつもいってくれまちゅのに!」
膝をついてユーリアさまの目線に合わせようと背を丸めるラジェールさまのお口をポムで塞いじゃった!
「ッキュゥ・・・」
小さな子に怒れないポムが可愛い。
「ぐぅふ!!」
ラジェールさまは毛が鼻と口に入っちゃったようでくしゃみのような声を出したものの、ポムもユーリアさまも可愛いようで目が垂れ下がってるよ。
一番って多分カリナ夫人に話してるのを聞いてるのでは?ユーリアさまにも言ってるかな?話だけ聞くと二股のようだ。
一番がいっぱいあるのダメだけど、妻と子供に言うのはノットギルティ。
みんな一番って言いきれちゃう家族愛って良いね。
庭の東屋近くに金属製のベンチタイプのブランコが置いてある。
「あれはルドガーがラシードとユーリアに贈ってくれたのだよ」
「おじいさまと一緒に乗れるんだよ。ジャスパーも一緒に乗ろう」
ラシードさまがルシードさまの手を引っ張って、ジャスパーを連れて嬉しそうにかけて行った。
「うちでたくさん試作した結果だなー」
セリウスさまが笑う。
大きなマッチョたちが安全に乗るためにたくさん作ったんだよ。アスレチック用も公園の遊具系も耐久性を追求した結果、木製はトレントとか魔物素材で、金属はタングステンとかを混合させた強度のある物を使っている。
普通の子供用なら、そこまでの素材じゃなくても耐久性はあるんだけど、辺境ではパワー有り余るマッチョが使う想定をしないとダメなのだった。
「ブランコは空中で一回転させる遊具じゃないですよ」
「そうだっけー」
金属製になった結果、勢いつけて漕ぐとグルンと一周回れる金具になってるんだよ。
ラシードさまも辺境三家の子供なのでキャッキャ言って回ってるし、その後にラジェールさまとユーリアさまも三回転させてる。
怪我しないなら良いんだけど、普通は回したら危険だからね。
優雅なお庭散策かと思ったのに、なぜか賑やかにブランコで何回回るか勝負が始まって、カリナ夫人まで参加しちゃってた。
スカートですよーーーーーーーーォ!!!
ちゃんと下に履いてるパニエで中まで見えないけど、足首も基本は見せたらダメなやつ~。
あ、私はグレーデン家内ではくるぶしは見えても良いのだ。淑女じゃないし、離れと本邸の行き来しかしてないからね!
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いっぱいは書けなかったですがいつもくらいまでかけました。
頭痛は少しマシになってます。
いつもエール、良いね、ありがとうございます。
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