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二章

651話

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 途中休憩で立ち寄ったのはラヴァたちが好きな崖の天辺で、ジュリアスさまたちも訓練や遠征時には良く使っている場所らしい。

 ビョォオオオオオオオオーーー!!!

 めっちゃ風吹いてる音が響いてるんだけど、広範囲結界で安全なんだそう。

 ワイルドだなぁ。

 ラヴァたちにお水とオヤツタイムなので、私も給餌に参加した。

「グルゥー」
「ギャオ」
 
 雄々しいワイバーンと崖の上、背景音って劇画タッチで描かれそうな場面ぽくて面白い。

 そこで居並ぶマッチョ騎士。

 マッチョ仲間&同人仲間が見たら、クミちゃんと一緒にお札のネックレスをものすごい勢いで作ってそうだ。
 
 今回、女性はサラとメルだけなんだけど、ワイバーンのゴンドラでも、こんな崖上に降ろされても、楽しそうなのでさすがグレーデン育ちと言ったところか。
 まさかナタ飛ばさないだろうね?
 ・・・使いシーンがなくて何よりだったけど、ニーナは太ももと袖口に、小型ナイフ仕込んでるんだよ。これは旧オレイユ在住の頃からね。
 ちなみにグレーデン家の侍女ーズさんたちはもっと物騒なものを持ち歩いてるらしい。

 まだ少女のサラとメルもナイフ仕込んでるのかと思うとドキドキ。
 二人ともグレーデン出身在住の騎士の子なので、実は強いのかも。
 
 二人ともラヴァたちを怖がりはしないけど、口が近いと一瞬たじろぐ。
 ふむぅ。あれが女子の反応なのか。

 アズライトのおかげで感情や言ってる事がわかるから噛まれないの分かってるし、懐いてくれて可愛いから怖くないんだよ。

 ちなみに若くて可愛い子が二人いるわけだけど、モテないわけはなく、水面下では誰が口説き落とすかって言うところだけど、父親が騎士団にいて目を光らせているので、覚悟を持って口説かないと危険だ。
 俺より弱い男にやらんとか言われそう。

 サラとメルは綺麗系男子が好きだそう。ムサイ男は見飽きてるらしい。
 見飽きるほどのマッチョの中でお育ちですよ!羨ましい。隣の芝生は青いのだった。
 今はまだ結婚を意識してないとのことで恋に恋してる乙女たち。可愛いね。

 セリウスさまやクラウスさまはグレーデンの中では綺麗系だと思うんだけど、「成長期を迎えたらゴツくなりますよね?」って。
 グレーデン的筋肉の成長期は二十代だそう。

 ジュリアスさまは最盛期なんだろうか?

 ちょ!お義父さまとお祖父さまの最盛期は今より・・・!?うはぁ。

「リーシャさまってば、大奥様と張り合える筋肉好きですよね。若手の侍女の間で一番モテてるのはルルゥさんですけど、不動の男前ランキングはずっとロジャー先生です」
 ふぉぉ!?何ランキングだろう。
 綺麗系イケメンってこと??
 ルルゥは美人だけど体格的にはセリウスさまやルークよりマッチョですよ?
 ロジャー先生は・・・ルークよりちょっとマッチョかなぁ?

「ルルゥさんはあの見た目で逞しくて、料理とお菓子がめっちゃ美味しいので」
 乙男ですが。
「私たちも細いよりは逞しい人が好きですけど、暑苦しい人は嫌ですもん」
 
 ほんのり聞き耳立ててる若い騎士さんたち撃沈。ルルゥと張り合える男子はなかなかいないよ。
 
 ルルゥとセリウスさまは少し離れてるので聞こえてないと思うけど、ジュリアスさまは苦笑いだ。

「でもお母さんたちはロジャー先生とハロルドさんが好きですよ」
 えっとほどほど逞しくて脳筋では無さげな男性がモテてるようです。

「でも父さんはゴツいから好みと好きになる人は違うんですよね」
 あはは。私はマッチョ大好きでガチマッチョな旦那様ゲットなのだ。
 でもメグミの時はなぜかヒョロいチャラメンと付き合ってた。自分から行けなくてグイグイ来る人に絆されちゃうんだよ。ダメだね。

「ふふ、ロジャー先生は確かにかっこいいけど」
 グレーデン家の男性たちが出ないのは、恐れ多いからランキングに混ぜれないそうだ。
 
「あ、憧れの男性はみんな大旦那様ですよ!一番強くて妻一筋で!領民思いで優しいですから」
 これは世代交代するとジュリアスさまになるかな?全部当てはまるもん。

「男の憧れは大奥様だよなぁ?」
 力説するサラとメルの背をポンポンと叩いたのはチェイスさん。
「美人でやり手で旦那一筋~、いつまでも若々しくてナイスバディって」
 体目当てか!?って、私もマッチョボディ目当てなとこある。

「大奥様と奥様はウルトラレアだからなぁ。サラとメルが言うのが一番当てはまるぜ」
 チェイスさんとアモンさんが言うには、グレーデンの女性には、ルルゥやセリウスさまくらいの体格で、多少亭主関白がモテるんだそう。

「チェイスさんモテないの?」
 アモンさんは当て嵌まってるし、優しげな顔なのでモテそう。
「ばっか!!俺は夜のお店でモテモテだから良いんだよぉ!!」
 それはモテてると言うんだろうか?

「俺たちは身を固める気がないんで良いんですよ」
 アモンさんも夜のお姉さんでいいらしい。

「もー、そう言って逃げまくってるとお爺さんになっちゃうますよ」
「ジジイになっても遊び人でいいんだよ俺は」
 
 パフパフをおねだりするおじいちゃんを思い浮かべた。それはセクハラになるよ。

 若手の騎士さんがしょんぼりしちゃった休憩だった。


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