ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

649話

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 屋敷に戻るとお義母さまが突撃して来た。
 もちろん私を押すことはないのでガバッと抱き上げられたよ。

「おかえりなさぁい」
「ただいま戻りました」

 ジュリアスさまたちは残業で、お義父さま、お祖父さまたちもお手伝いだそう。

 ぐるぐる~っと回されて、下ろしてもらう。

 夕食まで少し時間があったので、お義母さまに赤ちゃん、子供用品のお話をした。
 当然と言うかノリノリでお義母さまがハロルドを呼んで、マダム・シフォンに連絡を入れるようにとお願いした。
 マダムはすでに忙しいので、お仲間を紹介してもらう方向だそう。
 まだ土台も出来てないのに良いのかしら。

「この抱き枕やお靴なんかは良いわねぇ」
 ご自身の妊娠期間を思い出すと腰が痛いのと靴が浮腫みと体重変化で履けなくて困ったと教えてくれる。
 クラウスさまの時は十五キロくらい増えたんだそう。初めての子のジュリアスさまの時はとにかく食べて食べて食べまくっても太らなかったのにって。
 これも体内魔力の関係かしら?

 そしてやっぱり子供服の食いつきは半端なかった。
「可愛いものを大人しく着せていられるのは五歳までよぉ」
 周りの人たちと同じような格好をしたがるようになるまでは親の好みでイケるのにぃて。
 おしゃまな女の子なら三歳くらいで抵抗する気がするなぁ。

「このゴムっていうのがあれば着せやすいのねぇ?」
 おパンツやオムツが楽になる提案書にはウエストゴムの説明も。

「ウォレスで良い素材が見つかると良いのですが」
「そうねぇ、伸びる素材は聞いたことがないわぁ」
 何か足さないと伸びないですが。

 リーシャが持ってる文献や魔導書にも出てこないんだよねぇ。
 魔導書にはいろんな素材が載ってるのに。
 フェアリードラゴンアイとか入手不可能なものみたいなファンタジー素材はどの国のどこどこに棲んでるとか載ってるのにぃ。
 
 ま、蔵書を全部読みきれてる訳じゃないけど、欲しい情報の書物を出してくれる本棚からは出てこなかったよ。
 全く違うアプローチで出てくる可能性はあるかな??

 ハロルドが私たちが子供服の話をしている間に、ウォレス領用の書類を確認してくれた。
 大きな問題はなかったようで多少赤ペンならぬ注意書きが入った程度で済んだ。
 あとはジュリアスさまたちに見て貰えば良いかな。
 商業的なことは基本的にお義父さま、クラウスさまが担当なのだけど、今回はセリウスさまが一緒に行くので、ウォレス領に関する木材関係はセリウスさま担当になるんだろう。
 お義父さまはお酒、美容品、チョコ、穀物関係、魔道具関連で、クラウスさまは知育玩具や学校関連でいっぱいだしね。

 夕食の時間になったので、着替えに戻ってから食堂に向かうとニーナが廊下にいた。

「ニーナ!」
「リーシャさま」
「動いて大丈夫?」
「はい、パンや焼きお菓子の匂いがあるとダメなようで」
 あらら。
 悪阻が終わるまで食堂にいられそうにないね。粉物がダメなら、果物と野菜スナックとかが良いかな。

「ニーナがいないと寂しいけど、サラとメルがちゃんとやってくれてるから心配ないよ」
「はい・・・、ですが隠し部屋や錬金術をお使いになる時はくれぐれもお気をつけて」
 ぐふ。
 私がやらかしこうなことは全部サラとメルに伝えておきますって言われちゃった。 

 やだなぁ。ちゃんと自重しますから~。

「ニーナこそ、無理したらダメだよ。何かあったらすぐマギー先生に言ってね」
 私の留守中はちゃんと休んで欲しい。
「ルークがウザかったら、お義父さまにルークをダンジョンに連れてって貰えば良いから」
 そしたら一週間くらい潜ってくれるかも。

 ニーナは苦笑しつつ、頷いた。ウザいんだ。
「予定は狂いましたが、ジュリアスさまに発破がかけられたなら良いです」
 んー・・・、かかったかなぁ?微妙だけど、一応頷いておこう。

 私としてはいつでも歓迎だけど、慎重なジュリアスさまの気持ちも嬉しいよね。

「皆様がおっしゃるには魔力が高い子は魔素の高い食べ物を欲するそうですから、悪阻が落ち着いたら、ルークにはお肉を山ほど取って来てもらうつもりです」
 わぁ!これはみんな張り切って森やダンジョンに行ってくれそう。

「ポムたちも魔素の高い果物を育ててくれるよ」
「嬉しいです」
 にっこり微笑むニーナ、お肉よりポムたちからの贈り物のが栄養とれそうだなぁ。

「それでは私は失礼させていただきますね」
 食堂に近付くと匂いでやられちゃうので、別れることに。
 あんまり歩き回らないように言うと「退屈です」って。

 アランにニーナを部屋まで付き添うようにお願いして食堂に入った。


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