ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

二章

６４８話

　ニーナは休みっていうのに慣れなくて、今朝も出勤しようとしてたと、ルークがジュリアスさまに愚痴ってた。

　ジュリアスさまたちは、ウォレス領に行く前に急ぎの書類を片付けたり、お義父さまとクラウスさまに引き継ぎしたりで忙しい。

　私は、ウォレス領に素材がある前提でお役立ち魔道具の案とその素材についてどう取り扱いたいかの説明書を下書きしつつ、こっそりニーナに良さげな妊婦グッズを考えようと離れで唸っている。

　サラとメル、アランとジェイクには待機中は休憩って伝えてる。

　結局ニーナの方に思考が寄っちゃうのは許してほしい。
　妊娠中のワンピースや抱き枕・・・、お腹に塗るクリームと腰帯？
　太りにくいかつ、栄養のあるスイーツ・・・、あ、まだこれから悪阻っぽいからスッキリするゼリーとかが良いねぇ。
　って、食べ物はルルゥのが上手で、私の縫い物の腕は破壊的レベルで、やれることがないよ☆
　デザインだけ考えてマダム・シフォンにお願いした方がみんな幸せだな。

　ポムたちに似た手触りの毛皮で大きな抱き枕作ってもらおう。そこに安眠用のポプリとか入れて・・・、ポムの匂いとかの方が好きそう。

　すぐ動きたくなっちゃうニーナには、足が浮腫んでも大丈夫な靴とかも欲しいねぇ。

　出産後の方も授乳用ケープとかブラとかあると良いかなぁ？乳母雇うかしら。
　出来れば、ウォレスで樹液見つけて、哺乳瓶の先っちょとか作れると良いんだけど。
　プルルの実だけでも出来たら良いのに？

　この世界で赤ちゃんって接触したことがないから楽しみだなぁ。

　あ、マデリーさまにも用意出来るね。二ヶ月くらいの違いかなぁ？
　マデリーさまにはジェイデンのおばさまがハッスルしてるかも。

　腰帯はマジックテープが無いから、コルセットをアレンジする感じかなぁ。
　
　ああ～、可愛いだろうなぁ。でもルークに似た顔でムスッとしてたらどうしよう。
　めっちゃフリルで飾って「パパにそっくりですねぇ」ってしちゃおうかな。

　あ！マダムに幼児ロリータ服お願いしよう。ボンネットにドレス～！！
　赤ちゃん、この世界は男女動き出すまでワンピースみたいな作りの服だけど、可愛くしても良いよね。
　
　今から子供ラインを用意してもらって十歳までのゴスロリとか絶対可愛い～！！
　男の子に半ズボンにニーハイとか！
　女の子はあくまでもフリフリ。
　
　ルークそっくりの男の子だったらゴスロリで、女の子だったら甘ロリ～！！
　
　お義母さまに相談してしまえば、専門店出来るまで待ったなし！！
　私が投資しちゃうっていう手もアリなのだ。

　赤ちゃん用品専門店は今のところない。みんな自分の衣装をお願いするお店とかでオーダーメイドだし。
　よし！ニーナの子が生まれる前に形を作ってしまえ。
　商品にはポムとティムのマークつけちゃお。
　アズライトとジャスパーもディディエも自分のが無いと怒るかな。みんなのモチーフ使ってデザインの系統を変えるのも良いかも。

　やっぱ、ゴムは絶対欲しいな。着せ替えが楽になるもん。
　あとマジックテープも。

　絶対見つけて帰ろう！
　
　オムツ用の吸収性ポリマーも頑張れば作れるはず！！使える樹脂をゲッチュするぞ。
　錬金術でどうにか出来なかったら、研究開発は丸投げだ。
　紙の素材も不織布とか夢はいっぱい。

　どこまでウォレス領に開示して良いのかわからないからセリウスさまに下書きを見てもらわないとな代物になった。
　グチャグチャ書き殴ったので清書しないと。

　途中でサラがお茶を用意してくれたので休憩を取った。
　まだ私の体調変化の見極めが出来ないからとこまめに休憩の誘いがあった。
　ニーナは私の魔力放出状況とかもチェック出来てたからね。自分でも気をつけるようにしないと。

　ルルゥにお願いするゼリーと豆乳クッキー、胸焼けする時用のさっぱりスープの提案もざっくりレシピを書いておいた。
　ダイエットレシピと筋肉育成レシピは、筋肉ガチ勢の会話によく出てたけど、うろ覚えだよ。私は体重は健康体重よりちょっと上だったけど、食べるの好きだからダイエットなんかしなかったし、筋肉は愛でる方で自分は鍛えてなかったから。
　
　ニーナはダイエットは必要ないだろうけど、やっていたトレーニングが出来なくなるし、体重は赤ちゃん分以上増えるから、太り出したと悩む心配が出ちゃうだろうからね。
　
　侍女さんには先輩ママさんがいっぱいいるから、心配はないかな。

　はぁ。ウォレス領に行く前にわかってよかったね。途中で気付いたりとか気付かないまま無理しちゃったりがあったら大変だったよ。

　しかし、ニーナ、あの旦那で良かったのかしら。わりと愛情重めだよ。予想外。

　あちこち思考が飛びながらなんとか、ウォレス領向き説明書とルルゥに渡すレシピを書き上げて、本邸に戻った。