656 / 710
二章
645話
しおりを挟む
正式な診断の前に迂闊なことは言えないので、ニーナは無事かと聞かれても微妙な顔しかできないよ。
親友で腹心のルークの妻で、私にとって姉のような存在なので、何かあったら一大事だとジュリアスさまはとても混乱しているらしい。
ルルゥもアズライトも言う気はなさそうなので、シーンなのだ。
ルークだけ、顔色が悪い。ルークも魔力が強い方なので自分で気付きそうなものだけど、身内ほど気が付かないかも?ヤバい病気とかなら気付くかな?
「みんな入って良いよ」
マギー先生の声に、ゾロゾロ入って良いものか?と思いつつ、隣室に入る。
「ルーク、あんたが親になる想像はしてなかったねぇ」
「「「「「・・・!?」」」」」
確定です!ルークはギルティです!
「おおよそ十週前後かねぇ。当面は仕事や長距離移動は禁止さね」
うぉ!?
ルークとジュリアスさまはカチンと停止中で、ルルゥとジャスパーは「『やったー』」と喜び、ポムとティムはバンザイポーズ。
「私はリーシャさまの乳母になりたいので調整したいと申し上げてましたよね?」
ビクンとなったのはルークだけじゃなくて、私とジュリアスさまも。
ひんやりしたニーナの声に震える。
「仕事ももちろん遠出にも付き添いたいと・・・」
にょーーー。私はその気持ちは嬉しいけど、ニーナの子供は楽しみだよ。
「それは」
ルークが冷や汗だ。珍しい。
でもこの世界の避妊ってどうやってるの?確実なの?
「あー、ニーナ、乳母なら二、三年は乳が出ていればイケるさね?なんなら二人目三人目とだ」
マギー先生が助け舟を出す。
「私はリーシャさまのお子と私の子が仲良く育つのを楽しみにしていたのに」
それは私も素敵だと思うけど、年上の幼馴染も良きだよぅ。
「ニーナ!俺は別に今すぐどうとか思っていなかったが、出来れば良いなと思っていたぞ!このヘタレを待っていたら十年は待つ事になるんだぞ!」
わぁ。素が出てますよ。ルーク。
「旦那さまがヘタレなのは分かってますし、リーシャさまの成長をもう少し待っているのも理解出来るでしょうが!?」
ヘタレ二連発。
流れ弾がビュンビュンなので、ジュリアスさまが瀕死だよ。
「だが!避妊薬なんか続けてたら身体に悪いだろう!?」
あー、ルークの勝ちだ。それはダメだ。変な薬だと妊娠不可になる可能性が。
「そんな粗悪品使うの?」
思わず聞いちゃう。怖いのだ。
「いえ、ですが使い過ぎると・・・」
ま!!使い過ぎるってどう言う事ですか、奥さん!!
「リーシャになんて事言うんだ!!」
「聞かれたから答えたんだよ!」
ジュリアスさまが私の耳を抑えたけど手遅れだよ。
ルークは素だとタメ口。珍しいからちょっと見ちゃうね。
うむぅ。この世界はコンドーさまが無いのですね。身体に優しい避妊薬・・・って薬はどんなに頑張っても副作用があるしなぁ。
「ニーナ、乳母は嬉しいけど、私はニーナの子供、楽しみだよ?私オバになれるね?」
まずはおめでたいんだって。
「でも来週からウォレス領に行く予定で」
どこでも着いてきてくれるつもりでいてくれるのも嬉しい。
「ウォレスは一週間だし、とりあえず赤ちゃんのために休もう?可愛いおしめとかスタイ、作ってみたり」
「ですが・・・」
「ニーナがいてくれるのが当たり前に思ってたけど、お休みも取ってくれないと」
今後もずっと一緒にいられる(よね?)んだし、自分の人生も楽しんで貰わないと。
「赤ちゃん、嬉しくない?」
「嬉しいです・・・」
初めての妊娠で混乱しちゃったかなぁ。
「マギー先生、しばらくは安静がいいよね?」
「そうだね。軽く散歩くらいは良いけど」
そんなわけで安定期が過ぎるまで休暇で落ち着いたら時短勤務で納得してもらった。
ルークにはまだ怒ってるみたいだけど。
「ヘタレ・・・」
ジュリアスさま、それは多分結構みんな思ってる気がする。嫁が私でごめんね?
成長待たれてるだとかはちょっと困る。身長は伸びないみたいだし。お胸に肉が付くまで待ってるのかなぁ。つかない気がする。
「ま、私がいるんだ。何も心配はないんだがね?」
マギー先生、それはニーナに対してか私に対してか意味ありげだね?
「ヘタレ・・・」
せっかく休暇でご機嫌だったのに。
「ジュリアス、俺は心配で長期留守ができない。来週はセリウスに変わってもらう」
「あ・・・そうか。そうだな」
ん?妊娠初期に旦那が仕事を投げたぞ。
「変わらなくて良いです!!邪魔なので仕事に行ってください!!私が着いていけないのでしっかりお守りしてくれずにどうするんですか!?」
ありゃ。妊娠初期ってガルガルしちゃうの?その辺りの知識がゼロだ。
ルークは喜びたいのに困っちゃってるね。
「さすがに分かったばかりで離れるにはダメだ」
うん。まぁ休めるなら休むのもアリでは無いかな。
「旦那さまに休暇を与えないのに自分は気楽に休みますか?」
ニーナの侍女、使用人の矜持は果てしなく高かった。
休暇は与えてないんじゃなくて、仕事が詰まってるんだし、そこは許してあげて。
「う!」
いや、心配で落ち着かないのも困るし、休んでもらう方が安心だよ。
結局、ルークは通常業務を行い、セリウスさまに変わってもらう事に。
ニーナは自分の理想の人生設計があったようで、ちょっと混乱してたけど、赤ちゃんは嬉しいとお腹を撫でた。
ルーク、強行突破せず、ちゃんと話し合った方がって思ったけど、ニーナの予定は私次第になってたから、これが正解だったかも。
さすがに十年後とかは無いと思いたい。
親友で腹心のルークの妻で、私にとって姉のような存在なので、何かあったら一大事だとジュリアスさまはとても混乱しているらしい。
ルルゥもアズライトも言う気はなさそうなので、シーンなのだ。
ルークだけ、顔色が悪い。ルークも魔力が強い方なので自分で気付きそうなものだけど、身内ほど気が付かないかも?ヤバい病気とかなら気付くかな?
「みんな入って良いよ」
マギー先生の声に、ゾロゾロ入って良いものか?と思いつつ、隣室に入る。
「ルーク、あんたが親になる想像はしてなかったねぇ」
「「「「「・・・!?」」」」」
確定です!ルークはギルティです!
「おおよそ十週前後かねぇ。当面は仕事や長距離移動は禁止さね」
うぉ!?
ルークとジュリアスさまはカチンと停止中で、ルルゥとジャスパーは「『やったー』」と喜び、ポムとティムはバンザイポーズ。
「私はリーシャさまの乳母になりたいので調整したいと申し上げてましたよね?」
ビクンとなったのはルークだけじゃなくて、私とジュリアスさまも。
ひんやりしたニーナの声に震える。
「仕事ももちろん遠出にも付き添いたいと・・・」
にょーーー。私はその気持ちは嬉しいけど、ニーナの子供は楽しみだよ。
「それは」
ルークが冷や汗だ。珍しい。
でもこの世界の避妊ってどうやってるの?確実なの?
「あー、ニーナ、乳母なら二、三年は乳が出ていればイケるさね?なんなら二人目三人目とだ」
マギー先生が助け舟を出す。
「私はリーシャさまのお子と私の子が仲良く育つのを楽しみにしていたのに」
それは私も素敵だと思うけど、年上の幼馴染も良きだよぅ。
「ニーナ!俺は別に今すぐどうとか思っていなかったが、出来れば良いなと思っていたぞ!このヘタレを待っていたら十年は待つ事になるんだぞ!」
わぁ。素が出てますよ。ルーク。
「旦那さまがヘタレなのは分かってますし、リーシャさまの成長をもう少し待っているのも理解出来るでしょうが!?」
ヘタレ二連発。
流れ弾がビュンビュンなので、ジュリアスさまが瀕死だよ。
「だが!避妊薬なんか続けてたら身体に悪いだろう!?」
あー、ルークの勝ちだ。それはダメだ。変な薬だと妊娠不可になる可能性が。
「そんな粗悪品使うの?」
思わず聞いちゃう。怖いのだ。
「いえ、ですが使い過ぎると・・・」
ま!!使い過ぎるってどう言う事ですか、奥さん!!
「リーシャになんて事言うんだ!!」
「聞かれたから答えたんだよ!」
ジュリアスさまが私の耳を抑えたけど手遅れだよ。
ルークは素だとタメ口。珍しいからちょっと見ちゃうね。
うむぅ。この世界はコンドーさまが無いのですね。身体に優しい避妊薬・・・って薬はどんなに頑張っても副作用があるしなぁ。
「ニーナ、乳母は嬉しいけど、私はニーナの子供、楽しみだよ?私オバになれるね?」
まずはおめでたいんだって。
「でも来週からウォレス領に行く予定で」
どこでも着いてきてくれるつもりでいてくれるのも嬉しい。
「ウォレスは一週間だし、とりあえず赤ちゃんのために休もう?可愛いおしめとかスタイ、作ってみたり」
「ですが・・・」
「ニーナがいてくれるのが当たり前に思ってたけど、お休みも取ってくれないと」
今後もずっと一緒にいられる(よね?)んだし、自分の人生も楽しんで貰わないと。
「赤ちゃん、嬉しくない?」
「嬉しいです・・・」
初めての妊娠で混乱しちゃったかなぁ。
「マギー先生、しばらくは安静がいいよね?」
「そうだね。軽く散歩くらいは良いけど」
そんなわけで安定期が過ぎるまで休暇で落ち着いたら時短勤務で納得してもらった。
ルークにはまだ怒ってるみたいだけど。
「ヘタレ・・・」
ジュリアスさま、それは多分結構みんな思ってる気がする。嫁が私でごめんね?
成長待たれてるだとかはちょっと困る。身長は伸びないみたいだし。お胸に肉が付くまで待ってるのかなぁ。つかない気がする。
「ま、私がいるんだ。何も心配はないんだがね?」
マギー先生、それはニーナに対してか私に対してか意味ありげだね?
「ヘタレ・・・」
せっかく休暇でご機嫌だったのに。
「ジュリアス、俺は心配で長期留守ができない。来週はセリウスに変わってもらう」
「あ・・・そうか。そうだな」
ん?妊娠初期に旦那が仕事を投げたぞ。
「変わらなくて良いです!!邪魔なので仕事に行ってください!!私が着いていけないのでしっかりお守りしてくれずにどうするんですか!?」
ありゃ。妊娠初期ってガルガルしちゃうの?その辺りの知識がゼロだ。
ルークは喜びたいのに困っちゃってるね。
「さすがに分かったばかりで離れるにはダメだ」
うん。まぁ休めるなら休むのもアリでは無いかな。
「旦那さまに休暇を与えないのに自分は気楽に休みますか?」
ニーナの侍女、使用人の矜持は果てしなく高かった。
休暇は与えてないんじゃなくて、仕事が詰まってるんだし、そこは許してあげて。
「う!」
いや、心配で落ち着かないのも困るし、休んでもらう方が安心だよ。
結局、ルークは通常業務を行い、セリウスさまに変わってもらう事に。
ニーナは自分の理想の人生設計があったようで、ちょっと混乱してたけど、赤ちゃんは嬉しいとお腹を撫でた。
ルーク、強行突破せず、ちゃんと話し合った方がって思ったけど、ニーナの予定は私次第になってたから、これが正解だったかも。
さすがに十年後とかは無いと思いたい。
524
お気に入りに追加
1,792
あなたにおすすめの小説
三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
鳥花風星
恋愛
常に何かを食べていなければ魔力が枯渇してしまい命も危うい令嬢ヴィオラ。小柄でいつも両頬に食べ物を詰めこみモグモグと食べてばかりいるのでついたあだ名が「小リス令嬢」だった。
大食いのせいで三度も婚約破棄されてしまい家族にも疎まれるヴィオラは、ひょんなことからとある騎士に縁談を申し込まれる。
見た目は申し分ないのに全身黒づくめの服装でいつも無表情。手足が長く戦いの際にとても俊敏なことからついたあだ名が「黒豹騎士」だ。
黒豹に睨まれ怯える小リスだったが、どうやら睨まれているわけではないようで…?
対照的な二人が距離を縮めていくハッピーエンドストーリー。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
もふきゅな
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる