ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

644話

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 ウォレス領に行けることになって、先に送ってもらっていた木材や樹液の検査結果を離れで確認した。
 ジョシュー先生が魔道具にも使えないかと張り切ってくれてたようだ。

 端材も持ってきてもらって〈鑑定〉したよ。そもそも私に持ってきてくれたら早かったのに、家族はお仕事させたくないっぽいんだ。もう健康体だよ。

 二十種類の木材の中で、紙に使えそうな柔らかくて扱いやすい木と甘い樹液を出してる木はあったんだけど、ゴムとかプラスチックになれそうなのはなさげ?
 見落とされてるのかな?

 もしかしてもしかして、醤油のフリュアの実のようなゴムの実とかあるのかしら??
 その可能性をド忘れしてた。
 でもゴムの実なんてあって、食べちゃったら「ウベェ」とか「オゲェ」とかなるよね。
 ビヤの実のように捨て置かれた実になってるかも。
 
 いっそ美容の実とか出てきたら良いのにね!食べても塗っても良しなやつ。
 お義母さまたちが独占しそう。

 葉っぱが毒になるのもあるようなのでお取り扱い注意なのといらないのとバッテン付けて仕分け。
 ジョシュー先生は発見済みと言うか、昔から使われてる木材については、葉っぱや実、樹液などの特徴、注意点と入手出来る地域を書き込んでくれてる。
 魔導工房が使いたい木材なんかも「発注希望」とか付箋を付けてる。

 ふむふむ。魔法の馴染みが良いとかあるんだよね。この素材で紙が作れると最上かも。紙じゃ弱くなっちゃう?板の方がいいかしら?研究しなくちゃ。

 建材向きの木材もあるんだけど、グレーデンではわざわざ遠くから仕入れる必要がないかなぁ。魔の森のトレントとかあるしね。
 トレントは燃えにくいしかなり硬いので高級木材。
 グレーデンは屋敷とかは石材で、木材の使い道は限られる。

 端材に魔力通したり、削って水に浸したり、火で燃やしてみたりすると特徴はよくわかる。

 樹液も瓶に分けて入ってて、危なくないのだけ匂い嗅いだとり、スパチュラで出して粘りと香りの確認。
 
 香木と乳香があるのでこれは名産品になるのでは?

使えそうなものがあって嬉しいけど、ゴム!!パンツのゴム欲しいよ!

 樹液は人間が好むものはあるのか?
 あえて欲しいものだろうかね?
 送られたのは、サラサラな水みたいなのは省かれたのか粘度がそれなりにあるものだけなのでシロップになりそうなのは現地で発見かも?

 良い関係を築きたいので、ウォレス領に良い品が見つけたい。

 ウォレス領側からの説明書きには、どんな生き物が木に巣を作るか、実を食べるかまで書いてある。
 動物が食べるものなら美味しいのかなと思うんだけど、ポムたちのように辛い実が好きな子もいるからなぁ。〈鑑定〉は実の現物がないと。

 一通りチェックして、お腹が空いたのでニーナたちとオヤツタイムを取った。
 一週間ラヴァたちといるなら、美味しいお菓子があると喜ぶなぁとか、ウォレス家へのお土産とか色々思い浮かんじゃう。
 私もかなり旅行が楽しみなんだな。

 頭の切り替えにお菓子作りをする事にした。
 ポムたちもお手伝いーっと張り切ってる。

 なぜかルルゥが離れのキッチンにいるぞ。まだ何も匂い出してない。
「何か作るかもぉと思ってぇ☆」
 どんなアンテナが付いてるんだろうか?

 ルルゥがいてくれた方がたくさん作れるから良いんだけど。
 
 クッキー生地とお菓子パンの仕込みをしていたら、ニーナが「ウッ」っと呻いてお花摘みに走った。

「「!!!???」」
「プキュ?」
「モキュ?」
「ギュア?」
『ほう』

 突然のことに唖然とした。
 あのニーナが体調不良だと!?

「いいいいいいいしゃーーーーーーー!!!!!」
「あー・・・」

 あわわと動揺して厠に突撃しようとして、ハタッと気付いた。

 あれ?もしかしないか?

「アラン、マギー先生を呼んで」
「ああ、良いわ。ディディ、呼んできてくれる?」
「ギャ!」
 ルルゥが小さなメモのようなものをディディエに託した。

「さっぱりした飲み物は・・・」
「まずは水でうがいよぉ」
 ですね。

 ニーナが「申し訳ありません」って出てきた。気付いてないっぽい?
 私も適当なこと言えない。人間の〈鑑定〉はしないのだけど、改めてニーナを見るとニーナの魔力がちょっと揺らいでる気がする。

 アズライトは『ある程度育たんと魂が定着せんでの。やっと定着したところよの』って念話で話してきた。
 (定着したからアズライトにもわかる感じ?)
『ふむ。わざわざ見んが器が腹に落ち着けばなんとなく存在の揺らぎがわかるの』
 おほー!生命の不思議の瞬間が。
 
 マギー先生とルークの到着はほぼ同時だった。
「あら?何しにいらしたのです?」
 ワイバーンで来ちゃったルーク。
「ニーナの具合が悪いと・・・」
「あんたはちょっと下がってな」
 マギー先生がジッとニーナを見て、
「ちょっと隣に行くよ」
ってニーナを連れて行った。
「一体何事・・・」
 ニーナは鈍感?

「リーシャ!」
 ジュリアスさままで来てくれたよ。


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