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二章

643話

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 朝はドナドナだったジュリアスさまはあからさまに機嫌が良くなった。

 大浴場で岩盤浴と薬湯を堪能。
 ポムたちが岩盤浴でうつ伏せでデローンとしてるのが可愛い。
 ジャスパーは腹天でいびきだよ。もふもふ天国。
 アズライトは熱すぎるのはダメだと水風呂に浮いてる。

「やっと書類から解放される」
 しみじみと呟くジュリアスさまをヨシヨシしちゃう。
「だが今回は契約もあるだろうからルークとセバスチャンという鉄壁の布陣だ」
 うひゃ!セリウスさまとクラウスさまのどちらか来るのがいつものことだったのに不思議だなって、セバスチャン!!

 私が樹液を欲したばかりに。
 お役立ちなものを作るので許してね。

 途中でマッサージのためにエステ台に乗ってもらうと、
「美容は必要ないんだが」
って言われちゃったけど、ぴちぴちもちもちのお肌になって欲しいのって言えば受け入れてくれた。優しい!!
 オイルっぽいトロトロな美容液を首の後ろや肩周りにたっぷり塗り込むと「ウッ」「っはぁ」ってセクシーな吐息が漏れるからおいら滾っちゃうよ!
 もちろん筋膜リリースに肩甲骨はがしも頑張る。鍛えてるジュリアスさまの筋肉さまにも労りを。
 首、腕と脹脛はバキバキなので優しく優しく。腕回して、アキレス腱も伸ばしてー。
 「うっ」「ぁぐっ」「あ"ー」って良い声頂きました。ぐふふ。

 ついでに髪の毛も抜けないくんを使って労る。
 ストレス大敵!ハゲてもかっこいいと思うけど、ジュリアスさまが落ち込んじゃうと可哀想でしょ。お祖父さまとお義父さまにダレス伯父さまもふさふさだから心配はしてないけど☆

「髪用も作ったのか?」
「これは殿方の毛の健康?用です」
「髪も健康・・・?」
 うふふ、詳しくは言わないのだ。

「ジュリアスさまにずっとかわ・・・かっこよくいて欲しいので」
「そうか?」
 危ない。可愛いは褒め言葉じゃないね。
 ムキムキマッチョで可愛くてカッコいいなんて、クミちゃんが荒ぶって太い本書いちゃう。
 クミちゃんならジュリアスさまより、ロジャー先生やハロルド持ってきてお義父さま総受けとかしそうだけど。(腐ってない人はスルーしてね!)

 ジュリアスさまが私も軽くマッサージしてくれて背中に美容液に塗ってくれて。

 ジャスパーやポムもティム、アズライトまで美容液塗りを所望したのでジュリアスさまと手分けしてヌリヌリ。
 ・・・鱗はともかく毛皮に美容液は必要なのかなぁ?
 ペット用リンシャンを作れば納得かしら?

 お風呂から出て全員〈速乾〉してからお部屋に戻った。
 ニーナが冷たい飲み物とお酒を用意してくれてた。ラブ!
 ポムとティムはニーナと一緒に出て行ったよ。今日は馬屋の小屋で寝るんだって。あの小屋使ってたんだ。

「はぁ、来週なのに今から嬉しい」
 お休みが滅多に取れないばかりに。ほろり。
「時間を有効に使うためにラヴァたちで行けるかウォレス卿に連絡しよう」
 わぁ!ワイバーンの接待要員いらっしゃるかなぁ?先に準備隊出すとか?

「なに、ラヴァたちは場所が無くても近場の魔の森でも待機してくれるしな」
 おっと、わりとデンジャラスな解決方法だった。
 いや魔獣の方がアンラッキーかも。
「それにリーシャと旅行の方がラヴァたちもいつもより喜ぶだろう」
 お空の旅も・・・かなり上空の旅だけど楽しそう。

「目一杯お休みを楽しむ感じですか?」
「そうだな、空を飛んでラヴァとリーシャでこっそり脱走したい」
 それってルークに氷魔法で氷結されたり、セバスチャンに何かされちゃうよ。

「リーシャはリュフェリーに行ったことがないから寄るか?」
「リュフェリーはどんなところですか?」
 そう言えば行ったことがなかった。
「そうだな・・・ホーンが真冬でグレーデンが真夏だとするとリュフェリーは中間といったところか。湿度が高い気がする」
 湿度が!それはちょっといやんだね。

「毛が長い魔獣が多い」
 もふもふパラダイスかと喜んだのも束の間、顔が可愛くないと聞いて萎え~だった。
「肌触りが良い布が買えるから買って帰るか?」
 それはまたお義母さまがドレス着せ替え大会が開催しちゃうのでノーです。
 私の顔を見たジュリアスさまがバツが悪そうに、
「母上は娘が欲しくてなぁ。俺もセリウスもクラウスも背が伸びるまでは可愛らしい格好をさせられたものだ」
と説明してくれた。
 フリフリ襟のシャツに、半ズボンとか絶対みたい!!

「アンゼリカがドレスを嫌がっていたから、リーシャに色々着せるのが嬉しいんだろう」
 アンゼリカさまは物心着く頃には、上の兄と同じがいい、伯父様(お義父さまのこと)と一緒がいいと男装していたそうだ。

 今夜は休暇にテンションが上がったジュリアスさまがご機嫌でジャスパーのお腹を揉みながら、遅くまでお酒を楽しんだよ。


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