653 / 765
二章
642話
しおりを挟む
悲報、シャムの賢さは上がったんじゃなくて下がったんだった。
葡萄みたいな皮が弾けちゃう系は何回か食べて気をつけるようになってるし、なんなら剥いてあげたりしてるんだけど、ポムたちの食い意地に煽られると我を忘れちゃうんだって。
鳥頭?実際の鳥はわりと頭いいよねぇ。
「うふふ、ぶしゃってなった時のシャムってば可愛いわよねぇ」
お義母さま、さり気なくドSです。
乾かされて戻ってきたシャムが、オコになってポムたちに突撃ドリルしてる。八つ当たりだよ~。
「ぎゃんぎゃん!!」
「ププキュ」
「モキュッ」
ポムたちが「やーいやーい」って揶揄うからシャムは「きぃきききゃーーーーん」ってプンスコと追いかける。
「ご飯食べるとこで暴れたら食堂から追い出すよ」
そう言うとピタって止まった。
『若さというものは良きものよの』
アズライトおじいちゃん、若さっていうかただの食いしん坊ですわ。
セリウスさまとクラウスさまが着替えから戻ってきて、夕食タイム突入。
本日はフーゴで採れた新鮮野菜をふんだんに使ったサラダとスープ、お肉とお魚のソテー。
「美味しいわねぇ、王都のお店で食べたディナーは昔より良くなってたけど野菜の鮮度はやっぱり問題ねぇ」
マジックバッグ便は、お高いし冒険者の荷物持ちの方が儲かるから、食材配達に雇えない事が多くて、当てに出来ないから近隣の農家を頼ってるけど、王都周辺ではまだ農業改革進んでないみたい。
エグい野菜はねぇ・・・。
各領主の裁量だから、品種改良、土壌改良とか外野からとやかく言えないもんね。
「王家と王宮の賄い用は、菜園を独自に作ったようだし、うちから転移陣便で出荷しているからな」
管理料や輸送料で高級食材になってても、役人や職員も食べてれば予算が出やすいそうだ。自分たちにも益があるかって大事よね。
元々、王族や高位貴族は王都近隣の魔素の少ない食材では体内魔力の維持が難しいから、辺境三家から魔獣肉を買ってるので野菜が多少増えたところで問題ない。
「このお魚美味しいな」
お祖父さまが食べてるのはタイみたいな白身のお魚を揚げ焼き。脂が乗ってるけど淡白なのでソース?スープかな?ナギの辛い実とゴマ油っぽいの、香味野菜でめっちゃ良い感じに仕上がってる。
お魚は大きいので切り身だけどね。
「魚がうまく感じるなんて俺たちも歳だなぁ」
このウチ、お肉至上主義みたいなとこあったよね。
「馬鹿だねぇ、美味しく食べられるものが増えただけだよ」
そうそう、お魚が手に入るようになって選択肢が増えただけ。
「だが昔行った先で食べた魚は臭かったんだよ」
「あれなー、沼の味がした」
スピネルさんはなぜ沼の味を知ってるのかしら?
「泥抜きしなかったか臭み取りのハーブ入れてないんじゃないですか?」
そんな店あるの?って感じなんだけど。
「「「「「あーーーー!!!」」」」」
お祖父さまたちが「そう言うことか」って。
自分たちで捕まえた魚を焼いて食べたんだって。
近くが沼だったと納得している。
うーん。
「あれ以来、自分たちで料理する時は魚は食べるのやめたんだよ」
まぁ、処理できないで食べるのは怖いからやめたほうがいいよね。
この世界、今の所は寄生虫がいないっぽいけど、毒持ちはいるから。
「沼の味ってー」
「腐ったような生臭いなんとも言えん味だ」
川魚は種類によるよね。
食事中にはやめてほしい話だよ。
「臭みはハーブでだいたい誤魔化せますよぉ」
ルルゥが追加の魚の唐揚げを持ってきた。
「誤魔化す前提・・・」
「元々はお肉の野生味をどうにかしたかったのよぉ」
ルルゥのハーブとスパイス研究の発端は野生味。
「野菜も多少食べやすくなるしねぇ」
エグ味も誤魔化そうとしていた!
「お肉もお魚もハーブをお腹に埋めて焼いたら大体いけるねぇ」
ハーブの味の方がキツくなちゃうけど。
「今はそこまでダメな食材ばっかじゃないわぁ」
魔獣の野生味は変わらないんじゃ?ルルゥの腕が上がってるんだよ。
「今は色々な味を試せてありがたいわぁ」
「俺たちは美味いものが食えて嬉しいぞ」
「そうよぉ♡ルルゥがいてくれて毎日幸せよぉ」
ウィンウィンな関係で良い感じで嬉しい。
「そう言えば、ジュリアス、リーシャちゃん、ウォレス領には来週向かってくれるかのぅ」
およよ?
「ジュリアスの休暇込みじゃがの。あちらの都合も良いようじゃで三週間ほど休暇じゃ」
ほぼお仕事っぽいですが。
ジュリアスさまが嬉しそうなので良いかな。
今回はポムたちもアズライトも行けるから楽しくなりそう。
「兄さん、剣と拳どっちでやるー?」
「ふ、今回は俺がもらう」
あれ?セリウスさまとクラウスさまがどっちが同行するかって言い出した。
「あー、今回は危険度が低いでのぅ、二人は行かんでようだろう」
「「ええええーーーーー!!!!」」
二人が絶望な顔しちゃった。
葡萄みたいな皮が弾けちゃう系は何回か食べて気をつけるようになってるし、なんなら剥いてあげたりしてるんだけど、ポムたちの食い意地に煽られると我を忘れちゃうんだって。
鳥頭?実際の鳥はわりと頭いいよねぇ。
「うふふ、ぶしゃってなった時のシャムってば可愛いわよねぇ」
お義母さま、さり気なくドSです。
乾かされて戻ってきたシャムが、オコになってポムたちに突撃ドリルしてる。八つ当たりだよ~。
「ぎゃんぎゃん!!」
「ププキュ」
「モキュッ」
ポムたちが「やーいやーい」って揶揄うからシャムは「きぃきききゃーーーーん」ってプンスコと追いかける。
「ご飯食べるとこで暴れたら食堂から追い出すよ」
そう言うとピタって止まった。
『若さというものは良きものよの』
アズライトおじいちゃん、若さっていうかただの食いしん坊ですわ。
セリウスさまとクラウスさまが着替えから戻ってきて、夕食タイム突入。
本日はフーゴで採れた新鮮野菜をふんだんに使ったサラダとスープ、お肉とお魚のソテー。
「美味しいわねぇ、王都のお店で食べたディナーは昔より良くなってたけど野菜の鮮度はやっぱり問題ねぇ」
マジックバッグ便は、お高いし冒険者の荷物持ちの方が儲かるから、食材配達に雇えない事が多くて、当てに出来ないから近隣の農家を頼ってるけど、王都周辺ではまだ農業改革進んでないみたい。
エグい野菜はねぇ・・・。
各領主の裁量だから、品種改良、土壌改良とか外野からとやかく言えないもんね。
「王家と王宮の賄い用は、菜園を独自に作ったようだし、うちから転移陣便で出荷しているからな」
管理料や輸送料で高級食材になってても、役人や職員も食べてれば予算が出やすいそうだ。自分たちにも益があるかって大事よね。
元々、王族や高位貴族は王都近隣の魔素の少ない食材では体内魔力の維持が難しいから、辺境三家から魔獣肉を買ってるので野菜が多少増えたところで問題ない。
「このお魚美味しいな」
お祖父さまが食べてるのはタイみたいな白身のお魚を揚げ焼き。脂が乗ってるけど淡白なのでソース?スープかな?ナギの辛い実とゴマ油っぽいの、香味野菜でめっちゃ良い感じに仕上がってる。
お魚は大きいので切り身だけどね。
「魚がうまく感じるなんて俺たちも歳だなぁ」
このウチ、お肉至上主義みたいなとこあったよね。
「馬鹿だねぇ、美味しく食べられるものが増えただけだよ」
そうそう、お魚が手に入るようになって選択肢が増えただけ。
「だが昔行った先で食べた魚は臭かったんだよ」
「あれなー、沼の味がした」
スピネルさんはなぜ沼の味を知ってるのかしら?
「泥抜きしなかったか臭み取りのハーブ入れてないんじゃないですか?」
そんな店あるの?って感じなんだけど。
「「「「「あーーーー!!!」」」」」
お祖父さまたちが「そう言うことか」って。
自分たちで捕まえた魚を焼いて食べたんだって。
近くが沼だったと納得している。
うーん。
「あれ以来、自分たちで料理する時は魚は食べるのやめたんだよ」
まぁ、処理できないで食べるのは怖いからやめたほうがいいよね。
この世界、今の所は寄生虫がいないっぽいけど、毒持ちはいるから。
「沼の味ってー」
「腐ったような生臭いなんとも言えん味だ」
川魚は種類によるよね。
食事中にはやめてほしい話だよ。
「臭みはハーブでだいたい誤魔化せますよぉ」
ルルゥが追加の魚の唐揚げを持ってきた。
「誤魔化す前提・・・」
「元々はお肉の野生味をどうにかしたかったのよぉ」
ルルゥのハーブとスパイス研究の発端は野生味。
「野菜も多少食べやすくなるしねぇ」
エグ味も誤魔化そうとしていた!
「お肉もお魚もハーブをお腹に埋めて焼いたら大体いけるねぇ」
ハーブの味の方がキツくなちゃうけど。
「今はそこまでダメな食材ばっかじゃないわぁ」
魔獣の野生味は変わらないんじゃ?ルルゥの腕が上がってるんだよ。
「今は色々な味を試せてありがたいわぁ」
「俺たちは美味いものが食えて嬉しいぞ」
「そうよぉ♡ルルゥがいてくれて毎日幸せよぉ」
ウィンウィンな関係で良い感じで嬉しい。
「そう言えば、ジュリアス、リーシャちゃん、ウォレス領には来週向かってくれるかのぅ」
およよ?
「ジュリアスの休暇込みじゃがの。あちらの都合も良いようじゃで三週間ほど休暇じゃ」
ほぼお仕事っぽいですが。
ジュリアスさまが嬉しそうなので良いかな。
今回はポムたちもアズライトも行けるから楽しくなりそう。
「兄さん、剣と拳どっちでやるー?」
「ふ、今回は俺がもらう」
あれ?セリウスさまとクラウスさまがどっちが同行するかって言い出した。
「あー、今回は危険度が低いでのぅ、二人は行かんでようだろう」
「「ええええーーーーー!!!!」」
二人が絶望な顔しちゃった。
585
お気に入りに追加
1,876
あなたにおすすめの小説
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
【完結】伯爵令嬢が効率主義の権化だったら。 ~社交の輪を広げてたらやっぱりあの子息が乱入してきましたが、それでも私はマイペースを貫きます~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「『和解』が成ったからといってこのあと何も起こらない、という保証も無いですけれどね」
まぁ、相手もそこまで馬鹿じゃない事を祈りたいところだけど。
***
社交界デビューで、とある侯爵子息が伯爵令嬢・セシリアのドレスを汚す粗相を侵した。
そんな事実を中心にして、現在社交界はセシリアと伯爵家の手の平の上で今も尚踊り続けている。
両者の和解は、とりあえず正式に成立した。
しかしどうやらそれは新たな一悶着の始まりに過ぎない気配がしていた。
もう面倒なので、ここで引き下がるなら放っておく。
しかし再びちょっかいを出してきた時には、容赦しない。
たとえ相手が、自分より上位貴族家の子息であっても。
だって正当性は、明らかにこちらにあるのだから。
これはそんな令嬢が、あくまでも「自分にとってのマイペース」を貫きながら社交に友情にと勤しむ物語。
◇ ◆ ◇
最低限の『貴族の義務』は果たしたい。
でもそれ以外は「自分がやりたい事をする」生活を送りたい。
これはそんな願望を抱く令嬢が、何故か自分の周りで次々に巻き起こる『面倒』を次々へと蹴散らせていく物語・『効率主義な令嬢』シリーズの第4部作品です。
※本作品までのあらすじを第1話に掲載していますので、本編からでもお読みいただけます。
もし「きちんと本作を最初から読みたい」と思ってくださった方が居れば、第2部から読み進める事をオススメします。
(第1部は主人公の過去話のため、必読ではありません)
以下のリンクを、それぞれ画面下部(この画面では目次の下、各話画面では「お気に入りへの登録」ボタンの下部)に貼ってあります。
●物語第1部・第2部へのリンク
●本シリーズをより楽しんで頂ける『各話執筆裏話』へのリンク
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる