ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

634話

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 ご出勤タイム。
 いつもより足取り重いセリウスさまとクラウスさまを、お祖父さまたちとお義父さまがガッチリ肩組みでお出掛け。

「「「「「行ってらっしゃいませ~」」」」」
 私とお義母さま、使用人さんそうででお見送りですよ。

「今日はみんなおかわりがいるからのぅ!」
「いっちょ鍛えてやらねば」
 ウキウキのお義父さまとお祖父さまとセリウスさまたちの落差が激しい。
 ジュリアスさまとルークは苦笑で。
 ジャスパーとシャムは、
『楽しそうなんだぞ!』
「きゃんきゃん」
って飛び跳ねてる。

 騎士さんたちはみんなお義父さまに憧れてるから直接ご指導は喜ぶと思うけど、「おかわり」は欲しいかなぁ?

 アランとジェイクも「しっかり鍛えねば」って巻き込まれた。
 今日はチェイスさんとアモンさんが私に付いててくれるそう。
「アラン、ジェイク、たまにはきちんと訓練をせんとな!頑張って来いよ」
 助かったって顔の正直者の二人には筋トレしてもらいたいじゃない?

「アモンさん、チェイスさん、私は今日は大人しくお菓子作りをするから、ルルゥとベンがいるから大丈夫!!訓練頑張って来てね☆」
 おほほ!若者だけを送り出したりしちゃいけないよね!
「えええ!?」
「ゲ!!」

「あらぁ!そうねぇ。リーシャちゃんは私がバッチリ守るから、チェイスとアモンも大旦那さまにしっかり鍛えてもらって来なさいよぉ♡」
 私の意図をしっかり把握のルルゥはニヤニヤと手を振る。
「ルーデウス!テメェ」
「お前!!覚えてやがれ!」
「あらぁお口が悪いわぁ!頑張ってぇ☆ふふ」
 絶望顔のチェイスさんとアモンさんもルークが良い笑顔で連れて行った。

「今日のお風呂はうちも騎士団棟も従者棟も筋肉痛に効く薬湯を使ってね」
「「「リーシャさま、お優しい」」」
 侍女ーズさんたちが褒めてくれたよ。

「うふふ。リーシャちゃん、今日は何を作ってくれるのかしらぁ!楽しみにしてるわねぇ」

 そんなわけで厨房でルルゥたちとおやつを作るよ。
 アズライト、ポム、ティム、ディディエはお菓子作りならば見張って一番に食べると腕まくり(ヌーディストなのに)してる。

 タルト用生地、パン生地はほぼ毎日と言うか常時あるんだけど、お餅の準備がしてあった。
「お餅、何する予定?」
「お汁粉とあんころ餅よぅ」
 なるほど、美味しそうだ。

「少しだけお煎餅にしても良い?」
「良いわよぉ~」
 豆煎餅とザラメが食べたい。

「お餅はお腹に溜まるからこの子たちのおやつに人気なのよぉ」
「お腹に溜まるか溜まらないかの基準がよくわからないよ」
 腹持ちは確かに良いかなって思うけど、みんな普段から山盛り食べてるから、いつお腹が空くんだろう??

「一、二時間で小腹空くっすよ?」
「一日八食は食べたい」
 え?私がおかしいの?
 八食!!?
 驚く私に、ベンたちが解せぬって顔なんだけど!

 いや、ひたすら厨房で料理してたらお腹空くかな?・・・私は作ってたら匂いでわりとお腹膨れる気がする。

「・・・筋肉に栄養が回ってるのか」
 そうだ。普通の食事量では、接種カロリーが追いつかないかも?
 ってことはお義母さまもかなり鍛えてるからホールケーキなのか・・・。

「うーん、物凄い動くし鍛えてるから、制限しない方が大きくなれるかなぁ?」
「なぁに?」
 思わず考えが口に出ちゃった。

「食べすぎると普通は太るじゃない?でもみんな太らないから太りやすい食材を省くとかは考えなくて良いのかなぁって?」
 豆腐やササミで低カロリーとか必要ないもんね。

「太りやすい人もいるわよぉ?」
「いるの!?」
 グレーデンで極端に太ましい人に出会ったことないよね。

「でも魔法ぶっ放すか走れば大丈夫よぉ♡」
 あ、脳筋だった。

 魔法ぶっ飛ばすだけダイエット・・・メグミのやれてたら良かったなぁ。
 マッチョ見るのは好きだけどダイエットは嫌いだもん。

 食材を色々確認した結果、昨日はお肉祭りだったからお魚メニュー中心にして、オヤツはフルーツいっぱいヨーグルトムースとおはぎとお汁粉、豆煎餅にした。
 組み合わせは無視だよ。だって色々食べちゃうしね。
 
 焼きたて煎餅に甘しょっぱい醤油タレを塗って赤い海苔を貼る。

「プッキュウ」
「モッキュ」
 ポムとティムは頬に入れて「あちっ」ってなった。焼きたてだから・・・。

 アズライト用にワサビ砂糖醤油の煎餅にしてみたら大喜びで海苔をパバブの葉っぱに変えちゃって、ポムたちも気に入っちゃって。

「これは良いんじゃないかしらぁ?」
 ルルゥたちも気に入った。
 なるほど。

 唐辛子煎餅もカレー粉煎餅もやってみたら、ポムたちがクネクネ。

 みんな刺激敵なものが好き過ぎる。

 塩味オンリーの弊害?は大きいねぇ。

「酒が進みそうで良いですね」
 ベンたちが追加の餅米を水につけ出しちゃった。

「あらぁ私もぉお味見したいわぁ☆」
 久しぶりに匂いに釣られて、お義母さまが来ちゃった。

「プッキューーーン」
「モッキューン」
 ポムとティムがお義母さまにお煎餅を「はい!どうぞ!」って差し出したので、ベンニックス、ニーナが蹲っちゃって、お義母さまが大感激でパバブ味と唐辛子味を二枚同時に口に入れちゃった。




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