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二章

632話

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 お義父さまとジュリアスさまが本気出すと風が巻き起こっちゃうの???

 お祖父さまとの時はお休みがかかって無かったから本気じゃなかったのかな?

 ドンとぶつかり合う度に砂埃が舞う。
 いつの間にか私とお義母さまの周りにルーク、ルルゥ、アラン、ジェイク、チェイスさん、アモンさん、ドーリーさん、スピネルさん、マルゴさんに囲まれてて、前が見にくいよ!

 ジュリアスさまとお義父さまの闘いが見れない~!!
 でも半裸のマッチョに囲まれてるぅ!!悲しむべきか喜ぶべきか、感情の振り幅が大きくなって混乱。
 やっぱ旦那さまを応援したいよーって思ったんだけど、風が砂を巻き込んで視界不良だ。

「「「「フォッフォッフォッフォッ」」」」
「「「「「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ」」」」」

 こんな状況でもフォッフォ言うのねー!!

 ポムはちゃっかり巨乳の侍女さんにしがみついてる!君は雄っぱいにしがみつきなさいよ!!

 ティムとディディエは風の加護持ちなので平気みたいで、アズライトとジャスパーはお祖父さまとザイルさんの後ろにいる。ちゃっかり盾にしてるよ。

 お義父さまもジュリアスさまも普段は本気にならないと言うかなれないから楽しくなってきちゃったらしい。

「息子と筋肉で対話ができる喜び!!」
 お義父さまが嬉しそうに一撃入れる。ジュリアスさまが腰を落として耐える。

「「なんだそれ・・・」」
 セリウスさまとクラウスさまが「筋肉対話」にドン引きしてる。
 お義父さま・・・、筋肉留学でもしますかね?

「俺はとにかく休みが欲しい!!」

 ドゥン!!

 魂の叫びだ。お義父さまがサクッと引退してからずっと頑張ってきたから!!
 でもお義父さまもお祖父さまにサクッと隠居されちゃったのでそう言う家系みたい。

「ははは!セリウスかクラウスに押し付けるか、シグルドかレオルカの子に期待するかじゃのぉ!!!」

 ズゥン!!

 お義父さま、「押し付ける」って言っちゃった!!!?
 辺境伯位派嬉しくないものの代表扱いだよ!

「良いぞー!若ーー!次は弟に任せるかー!?」 
「俺たちゃ戦えればそれで良いぞー」
「先代~、返り咲きもおもしれーぜぇ!!」

 セリウスさまとクラウスさまが真顔で首を横に振った。
 お義父さまが、
「嫌じゃー」
とジュリアスさまに張り手!
「引退が早すぎなんだよ!!」
 ジュリアスさまがタイキックみたいな蹴り。

 風と砂埃とマッチョ壁で見にくいけど、白熱してるよ。

「我が家は後継が成人(十六歳)していたら引退してもいいんじゃー」
 
 バァン!!

 んーむ!仮に私が今妊娠していても十七年後か!?
 これは最短ルートはシグルドさまの長男狙い!!まだ十歳未満!!

「俺の後はクラウスで良いだろうが!!」
 ジュリアスさまの八歳下だから良い具合だね!!ジュリアスさま、クラウスさまに押し付けたかったんだ。

「嫌だよ!!」
 クラウスさまが絶叫しちゃった。セリウスさま、ホッとしてるけど、ジュリアスさまがお怪我で引退とかになると問答無用で後継だよ?多分。

 従兄弟のシグルドさまもレオルカさまも権力に興味がないタイプだし、みんな遠慮ってグレーデン辺境伯位って罰ゲームなのかな!?

「「「「フォッフォッフォッフォッ」」」」
「「「「「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ」」」」」

 すごい風の中まで一糸乱れないのは感動だけど空気呼んで!!

 結局、ジュリアスさまとお義父さまの仁義なき闘いはお義父さまの勝ちだった。
 
「筋力が尽きたのぅ」
 なんだその筋力って。

「スタミナが足りんぞぅ!肉をもっと食うが良いぞぉ」

 スーパーサイ○人状態を維持する感じ??

「先代ー!!容赦ねぇなー」
「若ー!!先代にあそこまで付き合えただけですげぇぞーー」

「ギャギャーーー!!」
「ギャゥウーーー」
 ワイバーンたちも激闘を褒め称えたようだ。

「若ー、踊ろうぜー」
「団長ーかっこよかったですーーー」

 汗だくのジュリアスさまをマッチョたちが取り囲んで、さらにはこっちで筋肉壁をしていたセリウスさまとクラウスさま、ルークたちを引っ張っていって。

「「「「フォッフォッフォッフォッ」」」」
「「「「「フォッフォッフォッフォッフォッフォッーーーーーーーーォ!!!」」」」」
 
 お義父さまを囲んで一番の盛り上がりだ。

 戦闘民族、勝利を讃える舞?

 女性陣も輪に混ざってお義父さまの勝利とジュリアスさまの健闘を讃える。

「ギャギャギャーーーー」
「ギャギャギャギャギャギャーー!!」
 ラヴァたち、ワイバーンの声も響いてる。

 お隣の領まで響いていたら、深夜なので恐怖だろうなぁ。

 避難させていた料理やお酒が再び並んだ。

 筋肉祭りを十分堪能したにで私も飲もう!!

「リーシャさま、もうじき夜が明けますので一杯だけですよ?睡眠取らずに飲むのはお身体に悪いですから」

 ガーーーン!

 楽しんだ後の一杯、の後のおかわりを飲んで盛り上がるんじゃないの!
 ニーナ、こんな時間も職務に忠実だった。

 筋肉祭りの熱気が落ち着いたら、ポムたちのもふもふダンスタイムが始まった。

 ノリが良いみんなは朝まで行くぜーって盛り上がり。

 お義母さまは、
「私の旦那さまが一番よぉ♡」
とご機嫌で、お義父さまと一緒にポムたちの踊りに参加したよ。

「ジュリアスさまもカッコよかったです」
「そうか・・・」
 お休みゲットならずで落ち込んじゃったけど、ウォレス領に行く時は少し羽目を外そうね。

 日が登り始めた頃、みんなはまだまだ楽しくと言って踊ってたけど、私とジュリアスさま、一部の人は少し寝ると部屋に戻った。



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