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二章

631話

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 お祖父さまとジュリアスさまは、筋肉度が近しい(リーシャ調べ)ので、名勝負になるはず!!
 あーー!!焚き火の灯りが作り出す陰影が辛抱たまらないよう。

 胸筋はジュリアスさまの勝ち!背筋はお祖父さまかなぁ!?
 滅多に見られないジュリアスさまのイキイキした筋肉を目に焼き付けるよ。
 平常時の筋肉も好きだけど、やっぱ身体を動かす時にグンッと盛り上がったり伸びたりするの最高♡

 しかもお祖父さまとぶつかり合うんだよ。両方ナイスマッスル!!

「「「「フォッフォッフォッフォッ」」」」

 合いの手?が入ると一撃。ドゥン!と地鳴りみたいな揺れが響くよ。

「「「「「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ」」」」」

「いけー!団長~!老体に思い知らせてやれー」
「まだまだ若いのに負けるなぁ!ジジィパワーを見せてやれー」
 ジュリアスさまの応援、ちょっと暴言が!お祖父さまは七十前後だけど実際は五十前後の肉体のままだよー!!

「若様ー!!右側ガラ空きだぜー」
「団長ー、ケツ締めていけー」
 お義父さま世代は応援なのかな??煽りが入ってる気がする。
「クラウド~!!負けたらデリアの特訓だぞー!!」
「まだまだ下に負けちゃいかんぜー」
 お祖父さまはマルゴさんとザイルさんから言われて、一瞬お祖母さまを見てクワッと目に力を入れた。お祖母さまが怖いのね。

 でも私もジュリアスさまに勝ってもらいたいのだ。

「ジュリアスさま~!!お祖父さまを投げちゃってぇー!!」
 あ、お相撲さんでもプロレスでも無いから投げ技ないんだっけ?

「ジュリアス!!勝ったら休みを調整してやるぞ!!」
 ぬお!?ルークさんや。素が出てるよ!?
 しかも調整出来るならいつもやってあげて!?

 だけどルークの言葉に発奮したジュリアスさまが、お祖父さまを押し出して倒したよ。

「「「「「きゃーー!!!!!」」」」」
「「「「「「うぉおおおおおお!!!」」」」」」

 どんだけお休みを欲していたかわかるね。涙が出ちゃう。

 私はジュリアスさまに飛びついたよ。でも決め手がルークってちょっと拗ねる!
 でもパンプアップしたジュリアスさまサイコー☆

 ジュリアスさまの周りで勝利のお祝い。
 女性陣も足並み揃えて動く。みんな動きが染みついちゃってる。

「「「「フォッフォッフォッフォッ」」」」
「「「「「フォッフォッフォッフォッフォッフォッーーーーーーッ!!!!」」」」」

 お祖父さまにはお祖母さまのいい笑顔でとザイルさんたちの同情的な苦笑いだ。

「孫が俺を超えたんだから祝いだろうが!!!」
 嬉しさとお祖母さまへの怖さが同居の雄叫びだ。

「ジュリアスはもう名実共にグレーデンのトップだよ!!」

「「「「おおおおーーーーーー!!!」」」」

 えっとまだ真打のお義父さまが待ち構えてるよ。

「旦那さま~!青臭い息子に負けてはダメよぉ」

 わぉ!ジュリアスさまが勝ち上がり扱いでお義父さまとになっちゃった。
 お義母さま、青臭いってなんで!

「わはは!まだまだ息子に負けてはおれぬぞぅ」

 お祖父さまと白熱の戦いしたばっかりでお義父さまって鬼過ぎない??

「「「「フォッフォッフォッフォッ」」」」
「「「「「フォッフォッフォッフォッフォッフォッーーーーーーーーォーーーゥ!!!」」」」」

 ジュリアスさまは悟りを開いたような顔で私を下ろすと再び戦場(大袈裟)へ。

「息子の成長は喜ばしいが俺はまだ負けんぞぅ」
「父上、俺が勝ったら一ヶ月仕事変わってください」
「それは嫌じゃ」

 嫌なんかーい!ジュリアスさまがガチで凹んじゃう。

「旦那さまぁ!ジュリアスに負けたら私もお手伝いするから受けてあげてぇ♡」
「ルドガー!負けたら俺も手伝ってやるが絶対勝てよー」

 先代と先先代、絶対お仕事したくないマンだよ。

「お祖父さまは負けたからもうお手伝い確定でしょ!?」
「なんと!!!!リーシャちゃん手厳しー!!」
 お祖父さまがガーンって顔した。後出しだけどお義父さまの勝利を賭けるならそうなるでしょ!

「「「「「わはは、ご隠居の負けだな」」」」」
「「そうだそうだー!!」」

 半裸のおじさまたちが後押ししてくれる。
 ありがとうーーー!!眼福な景色もありがとー♡

「ではやるかのぅ」
「父上、胸を借ります」

 口笛と空樽の音で開始~!!

 まずは様子見のドーン!!

「いけー」
「最初から一気に潰せー」

 他の対戦より盛り上がる。

「「「「フォッフォッフォッフォッ」」」」
「「「「「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ」」」」」

 肩と肩がバンッとぶつかり合ってから組み合う。
 お義父さまの盛り上がった上腕二頭筋がバッキバッキに!
 肩周りも胸周りもどんどん盛り上がって行く。
 これって服着ていたらケン○ロウみたいに破けちゃう勢い!?

「「「「フォッフォッフォッフォッ」」」」
「「「「「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ」」」」」

 応援の踊りが始まっちゃう。
 ジャスパーもポムたちもちゃんと踊ってる。
 ジャスパー、四本足なのにちょいちょい二本立ちしてポーズしてるよ。器用!!


 ズォォオン!!

 ぶつかり合うと足元が砂の波紋と土埃が起きて、衝撃が流れてくる。

「みんなー、ちゃんと衝撃に備えてー」

 ええ!?周りも危ない状況!?







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