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二章

628話

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 ワイバーンたちは屋内に入れないので門前にワイバーン用区域を作って、焼き場や調理場、料理を置く場所とお世話担当の騎士さんたちが一気に用意してくれる。

「ギュギャー」
「キューーーァァァ」
 みんな色は違うけど同じような顔なのに表情が豊かで個性があるんだ。大きいけど行動はニャンコみたいで可愛い。
 しかし大きいから門前の左ブロックはほぼワイバーンたちのお席だよ。

「ワイバーン隊にリーシャさまがいると楽そうですね」
「そだねー。僕なんか仲良くなるまでけっこうかかったよー」
「ふ、一年以上振られた俺に言うかね」
 ルークが呆れたように良い、クラウスさまはいじけ、アモンさんがやさぐれた。

「私はジュリアスさまの嫁でラヴァが気に入ってくれてるから」
「兄さんの弟の僕はなぜなのか・・・」
 フォローしきれなかった!

 集まれる人が大体揃ったところで、お義父さまがご挨拶。
「みんな、ワシの妻スノウリリィーが無事戻った祝いに!」
「うふふ、みんなお疲れ様ねぇ。いつも我が家に尽くして下さってありがとう♡」
「乾杯!!」
「「「「「「カンパーイ!!」」」」」」

 宴会好きなみんな嬉しそうにお酒を一気。
 ワイバーンたちもエールを飲んだ。イケる口なのだ。八岐大蛇とか酒好きだから爬虫類はお酒好きなんだと思う。
 アズライトも嬉しそうに飲む。
 ラヴァたちにちょっと離れると伝えて、お義父さまたちがいる庭に入る。

 ポムたちはお義母さまに付いてると一番お菓子が食べられるから今日はお義母さまに付いてるらしい。

『主!ハニーベア食べたいんだぞ!』
 ジャスパーがおねだりしたのでお義母さまに振る舞われた後に切り分けてもらう。
「リーシャも食べて」
 ハニーベアはほんのりお花が香る気がした。クマ、蜂蜜を相当食べてるんだろうか。

『甘くて美味しい。やわやわなんだぞ!』
 ステーキになったお肉は素材を活かして塩で焼いて主張しすぎないようにハーブのジュレソースにピリッとした胡椒を少し。
 もはや塩だけで良いと思う。

『これにパバブがいいのだの』
 アズライトは何にしてもパバブじゃん!

「ああ~美味しいわ。旦那さま!獲って来てくださってありがとうですわぁ」
 お義母さま、すでに数枚食べてのステーキの五段重ねはびっくりです。ホットケーキからインスパイアされたのかしら?
 それを見たお祖父さまも十段とか張り合い出した。
 他のお肉でまで真似し始める騎士さんたちが。
 大食い大会を開催したんだろうか。

「あ、ルルゥ!持って来てくれたの?」
「焼きたてよぉ~」
 ルルゥがニーナ用のたっぷり卵のピザ持って来てくれた。
「ニーナ、リーシャちゃんからよぉ♡」
 差し出される前から卵に釘付け。
「ん?卵が好きだったのか?」
「この少し半熟で味がしっかりしている感じの卵が美味しくて・・・」
 ルークも初めて知ったみたい。
「リーシャさま!一緒に食べましょう」
 八等分に切られたピザをジュリアスさまとルーク、アズライト、ジャスパーとルルゥって食べて、おかわりをお願いした。

「マヨネーズと照り焼きソース、最高に合うな」
「あらあらぁ!私も欲しいわぁ」
「プッキュウウ」
「モッキュン」
 ジュリアスさまが二枚目のピザを切り分けてくれてたらお義母さまに見つかっちゃった。
 あのステーキもうお腹の中に!?
 お義母さまの肩のポムとティム、お腹とほっぺにお肉詰めて来たのかな?

 食べたいものをちぃちょい食べてお酒コーナーに行ったら、マギー先生とロジャー先生筆頭にお酒でダメになる人たちが樽を抱えていたよ。
 スピネルさんとザイルさんもか。
 抱えてないけど、ドーリーとケビンもいい感じで酔いが回ってる。夜はまだこれからだよ?

 庭の中の人には大体顔を見せれたのでラヴァたちのところに戻った。

「ギャ!」
「ギューーーァァァ」
 大歓迎されたので、ジュリアスさまに手伝ってもらって、ラヴァたちのお口の中にお肉を運ぶ。

「みんなが持って来てくれたお肉一緒に食べようね」
「ギャーゥ!」
「ギュギャーォ」
『ルドガーの嫁みたいにたくさん重ねて欲しいそうだの』
 みんな見てたの?
 好きな人たちと同じことがしたいって言うのはわかるよ。
 でもラヴァたち用のサイズのステーキを重ねるのけっこうな重量だなぁ。

 私には無理なのでジュリアスさまやクラウスさま、アモンさん、チェイスさん、アラン、ジェイクとで焼いては積んでって感じで順番に食べてもらうの大変だった。

 アズライトがしれっとワイバーンサイズになって並ぶのダメでしょ。パール色で目立つし。
『楽しそうだでの』
 アズライトのこと知ってても元のサイズ知らない人多いんだから自重してください。
 って、ラヴァとジュエルたちがアズライトをジトッと見てる。
 存在としてはアズライトのが上位だよね。古代竜エンシェントアクアドラゴン。
 
「ギャギャ」
「ギャウ」
『美しさの秘訣?』
 いや何言ってんの?

 鱗の輝きや筋肉の張りがアズライトが美しすぎて、真似がしたいと言われたそうだ。
 魔力とかのせいじゃない?
 それか、パバブ。
 アズライト、パバブで栄養取ってるもん。

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