ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

626話

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 離れの庭では庭師さんたちが野菜や果物を収穫していた。
 もう庭師さんのお仕事じゃないのよね。

「今夜は新鮮な野菜も食べてくだっさーせ!」
「ありがとう!」
「果物も採れたてですぞー」
「いつもありがとうー」

 おかげさまで毎日美味しいもの食べれています。
 アズライトが通りがけにプルルンの実をガプッと食べてる。デッカいなぁ。前は手のひらサイズだったんだけど、ポムたちが舞をするから巨大化していく。

 美味しいから良いんだけどね。
 フルーツケーキって輪切りやくし形切りとか色々あるじゃん、ほぼ乱切りみたくされちゃうよ。大きいから。
 ケーキにイチゴや葡萄をドーンって置けなくなるから普通サイズも欲しいね。

 私の歩調でゆっくり屋敷に戻るとお庭ではすっかり設営が済んでた。

「リーシャちゃん、ラーメン食べるぅ?」

 ルルゥがキッチン馬車から声をかけてきた。
 ラーメン仕込んでたのね。

「チャーシュー盛り盛りで!」
「「俺も!オニギリ付きで」」
「私は卵を二つつけてください」
『我にはパバブも付けるのだの!!』
 アランもジェイクもニーナもラーメンの頼み方に慣れたね。

 賑やかなお庭で屋台ラーメンみたいなお昼ご飯だ。居住区、ディゴーやヘルン、フーゴには夜に屋台が出現する噂を聞いたのでいつか行ってみたいな。

 私たち以外もラーメンを食べたそうにしてる騎士さんや侍従さんがいた。

「あんたたちには食堂に用意されてるわよぉ」
 賄いもラーメンだったのかな。バーベキューでもキッチン馬車で出す気だよね?
 一日三食ラーメンの猛者も現れているかも?

「どうかしらぁ?」
「チャーシュー美味しいよ」
 ローストビーフみたいでとても良い感じに大きくて味が染みてて美味しい。
 ルルゥは「うふふん♪」とご機嫌だ。
「マジでこのスープと合っててうまいです」
「汁おかわりしたいです」
 スープを飲み干すと太るって本当かなぁ?美味しいんだから気にせず飲んじゃうよね。

「卵もうひとつ」
『パバブの葉っぱをもっと刻んでくれ』
 ニーナが卵星人になってる。

 お昼からも野菜やお肉にお魚、お酒とどんどん運ばれてきて、今日も豪勢だなぁとちょっと他人事みたいに思っちゃった。

 ちょっとだけニーナと離れてもらって、キッチン馬車に入り込んで、ルルゥにニーナのために卵がたっぷりのピザを作ってくれるようにお願い。
 コレステロールは気にしない。毎日じゃなきゃ良いよね?

 まずは照り焼きマヨネーズピザを焼いてその上に半熟卵を潰して散らし、その上に輪切りの半熟卵、さらにマヨネーズって言うカロリーは気にしないピザ。半熟卵うま~なの!

「うふふ、美味しそうねぇ」
 ニーナが一番に食べた後は配っても構わないよ。私も食べたい。

 あ、ラーメンの煮卵が好きだった可能性もあるかな。そういえば今まで特別に卵卵言ってなかったかも?

 でも卵のピザもオススメだし、きっと好きになってくれるよ。

 キッチン馬車からおろして貰って、ニーナと合流。
「新しい料理を思いつかれましたか?」
「新しくはないけど、好物を盛り盛りにして幸せにしてもらうのを思いついたの!!」
「それは素敵ですね!」
 
 そういえば、今日はラヴァたち来るかな?来ちゃったら大騒ぎで大変だけど可愛いから楽しいよね。

 アランに聞いてみたら、
「浮かれていたら何かあるとバレるんで来るんじゃ無いですかねぇ」
だって。みんな飲める日はご機嫌だからバレバレだね。

 慌てて厨房に行ってデザートの増産をお願いすることに。私も手伝おうかな。

「プッキュンキュ♪」
「モッキュンキュン♬」
「ギッギャオー♩」

 言うまでもなく、ベンがポムたちにデザート作りを要求されていたよ。ディディエまで参加してる。
 
「ポム、ティム、ラヴァたちの分も用意出来そう?」
「プッキュン!」
 首を縦に振ってるので「もっちろん」かな。
「良い子だね」
「プッキュン」
「モッキュン」
「ギャ!」
 胸を張ってるので「当然」かな。
 ニーナが「かわいいいかわいいいいいい」ってちょっと怖くなっちゃった。

「ベン、ニックス、お菓子もで大変だと思うんだけど、ラヴァたちが喜んでくれる食事も少しお願いね」
 みんなにもお願いしたよ。

 お義母さまの帰還の宴なのでデザートには特に気を使って貰いたい。

 私はニーナたちとクッキーの型抜きやパイ生地を伸ばすのをお手伝い。
 ポムたちが手形を付けるの可愛い。
 手や身体の〈洗浄〉はもちろんしてるけど、この毛が飛んだり汚れないのって不思議なんだ。加護とか精霊のおかげかな??
 
 オーブンがフル稼働で、厨房がめっちゃ暑い。コックさんたちは慣れてて平気だそうだけど、冷房みたいな魔道具があれば良いのにって言えば、オーブンの温度やコンロの火加減が終わっちゃうからこのままでいいんだって。
 暑さ耐性、すごいよね。

 速乾タグみたいな冷却タグも体感温度が狂うからいらないんだそう。
 感覚って大事なのねぇ。

 良い時間になって、お義父さまたちが戻ってくるって先ぶれがあったのでお出迎えに行く前に簡易ドレスから簡易ワンピースに着替える。
 今夜は動きやすくってことでニーナが軽装を許してくれたよ。





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