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二章
624話
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夕食はポムたちもみんな揃って頂く。
食事中、お義母さまがこの一週間のことをたっぷりお話ししてくれた。
王妃さまとフーゴの村やディゴーの街に向かって、辺境の街の賑やかさ、工場や畑の広さに驚いたこと、子供の教育について、興味があることは全て詳しく訊ねて、女官さんたちと領民を激励してくださったこと。
お宿の料理や露天風呂、異国風の建物には感嘆の声をあげて、王様はまだ知らないと聞いて「よっしゃー」と淑女らしからぬ声を聞かなかったふりをしたこと。
今グレーデン一家にバラしちゃってますが大丈夫そう?
「うふふ!リーシャちゃんが届けてくれたパックで王妃さまったら十代に戻ったようだったわ~♡私も三十代に見えるかしらぁ」
アワアアア・・・お祖母さまの目と厨房窓からルルゥの目がギラってなってるよ。
「スノウリリィーは出会った時から美しいまま変わらないぞぅ」
「あらぁ♡旦那さまも一生かっこいいですわぁ」
なんとお義父さまたちは留守の寂しさからかいつもよりラブ度がお高めです!お砂糖がお口の中でじゃりじゃりしそうです。
「母上は他所の夫人よりずっと若いままじゃんー」
「辺境の魔女って言われてるでしょー」
「まぁ!辺境の魔女はデリアお義母様とマギー師のことよぉ☆」
三角帽子とホウキ持ったお祖母さまと淑女マギー先生、似合いすぎる。
「おやまぁ?私は二十年留守だったんだよ?あんたのことだろうね」
「まぁ?」
あら?嫁姑の確執なんかないと思ってたんだけど実はあったのかしら??
「デリアもスノウリリィーも美しく若く見えると言うことだろう」
そうそう。とても大きな息子がいるようには見えませんって。
お祖父さまが止めてくれた。
「プッキュン」
「モッキュン」
「きゃんきゃん」
「グギャ」
『生き物は肉と皮を剥いだら皆同じ骨だと言っておるの』
アズライトたちに元も子もないことを言われてしまった。
「そうねぇ?」
「骨になったら頑丈さで勝負するかね」
骨密度勝負?
お義母さまはまた旅のお話に戻した。
カイダールまではうちに転移陣を使っていく予定が、ミルゼさんたちが付いてくれたのでワイバーンで向かったんだそう。
アーロンお兄さまとシェザール伯父さまがびっくりしただろうなぁ。
「王妃さまはお空の旅が気に入ってしまったのよぉ」
ジュリアスさまがお義父さまをジッと見つめてお義父さまはちょっと首をそらして視線を避けた。
「ワイバーンには旦那さまにたまに乗せていただくけど、カイダールまでは初めてで景色もこの辺りとは全く違うからとっても楽しかったわぁ」
お義母さまもミルゼさんに同僚に乗せて貰って、女官さんたちの女騎士さんが足りないので移動用ゴンドラに乗ったそう。
初めてでゴンドラは怖かったんじゃないかなぁ?
「カイダールってハーブ畑が多いでしょう?途中からとっても良い香りがしてねぇ」
素敵だけどワイバーンたちは匂い平気なのかな?ジュリアスさまにこそっと聞いたらよほどの悪臭じゃなければ平気みたい。
「こんなに綺麗なお花畑を空から見ることなんてそうそうないからって王妃さまったらワイバーンに三週くらいしてもらったのよぉ」
いくら空が平気だったとして初めて長距離乗ってるのにすごい人だなぁ。
楽しそうなお義母さまの姿をお義父さまと三兄弟が優しく見てるの、良いねぇ。
イダルンダのハゲ親父一家とはやりたいと思わないけど、お父さまとお母さまが健在だったらこんな雰囲気だったかな。
「カイダールにはマーベルハント翁のいらっしゃって解析中の魔導書のお話が聞けたり、アーロン様の試作中の薬について聞けたり有意義だったわぁ」
お祖父様もいらしたのね。王妃さまのご来訪に焦っただろうなぁ。
「旅館ではハーブのお茶やお菓子をいただけて、お風呂もハーブがふんだんに使われていてねぇ、自分もお花の中の一輪になれた気がしたわぁ」
それは素敵~。お祖母さまも羨ましそう。
「王妃さまはここに住みたいとまで仰ってねぇ。大変だったわぁ」
王宮は煌びやかだけど癒しはなさそう。偏見?
「それで王都に帰るならワイバーンでって言い出しちゃってさすがに王都まではミルゼたちの負担も大きいからってカイダールにギリギリまで泊まらせて貰って、魔法陣を使わせて頂いたの」
王妃さま、よほどお空の旅が好きになっちゃったのね。
アーロンお兄さまたちには何かお贈りしないとだよ。
転移装置の補充用魔石もだね。王家から貰えるかもだけど。
「王妃陛下もずっとお休みがない状態であったろうから一気に弾けたんだろうな」
お祖父さまが言う。
「そうだねぇ、あのやんちゃ王太子だった陛下を支えるのは大変だったろうね」
王様、即位前からあんな感じだったのか。
「ファティマ殿下に継いでいただけば早期に隠居もできただろうけど、王子さま方がお生まれになって女性である殿下に重責を背負わせることを避けられてねぇ」
自分たちが楽をする事より、王女殿下の未来を優先した結果、デレード国に行ってしまわれたのでこの国にとって正解だったかはまだわからないけど、親としては複雑だったろうなぁ。
王子さまたちが健やかかつ、良き為政者に育ってもらえると良いね。
その先で、国王夫妻がグレーデンで余生とかあるかも??
食事中、お義母さまがこの一週間のことをたっぷりお話ししてくれた。
王妃さまとフーゴの村やディゴーの街に向かって、辺境の街の賑やかさ、工場や畑の広さに驚いたこと、子供の教育について、興味があることは全て詳しく訊ねて、女官さんたちと領民を激励してくださったこと。
お宿の料理や露天風呂、異国風の建物には感嘆の声をあげて、王様はまだ知らないと聞いて「よっしゃー」と淑女らしからぬ声を聞かなかったふりをしたこと。
今グレーデン一家にバラしちゃってますが大丈夫そう?
「うふふ!リーシャちゃんが届けてくれたパックで王妃さまったら十代に戻ったようだったわ~♡私も三十代に見えるかしらぁ」
アワアアア・・・お祖母さまの目と厨房窓からルルゥの目がギラってなってるよ。
「スノウリリィーは出会った時から美しいまま変わらないぞぅ」
「あらぁ♡旦那さまも一生かっこいいですわぁ」
なんとお義父さまたちは留守の寂しさからかいつもよりラブ度がお高めです!お砂糖がお口の中でじゃりじゃりしそうです。
「母上は他所の夫人よりずっと若いままじゃんー」
「辺境の魔女って言われてるでしょー」
「まぁ!辺境の魔女はデリアお義母様とマギー師のことよぉ☆」
三角帽子とホウキ持ったお祖母さまと淑女マギー先生、似合いすぎる。
「おやまぁ?私は二十年留守だったんだよ?あんたのことだろうね」
「まぁ?」
あら?嫁姑の確執なんかないと思ってたんだけど実はあったのかしら??
「デリアもスノウリリィーも美しく若く見えると言うことだろう」
そうそう。とても大きな息子がいるようには見えませんって。
お祖父さまが止めてくれた。
「プッキュン」
「モッキュン」
「きゃんきゃん」
「グギャ」
『生き物は肉と皮を剥いだら皆同じ骨だと言っておるの』
アズライトたちに元も子もないことを言われてしまった。
「そうねぇ?」
「骨になったら頑丈さで勝負するかね」
骨密度勝負?
お義母さまはまた旅のお話に戻した。
カイダールまではうちに転移陣を使っていく予定が、ミルゼさんたちが付いてくれたのでワイバーンで向かったんだそう。
アーロンお兄さまとシェザール伯父さまがびっくりしただろうなぁ。
「王妃さまはお空の旅が気に入ってしまったのよぉ」
ジュリアスさまがお義父さまをジッと見つめてお義父さまはちょっと首をそらして視線を避けた。
「ワイバーンには旦那さまにたまに乗せていただくけど、カイダールまでは初めてで景色もこの辺りとは全く違うからとっても楽しかったわぁ」
お義母さまもミルゼさんに同僚に乗せて貰って、女官さんたちの女騎士さんが足りないので移動用ゴンドラに乗ったそう。
初めてでゴンドラは怖かったんじゃないかなぁ?
「カイダールってハーブ畑が多いでしょう?途中からとっても良い香りがしてねぇ」
素敵だけどワイバーンたちは匂い平気なのかな?ジュリアスさまにこそっと聞いたらよほどの悪臭じゃなければ平気みたい。
「こんなに綺麗なお花畑を空から見ることなんてそうそうないからって王妃さまったらワイバーンに三週くらいしてもらったのよぉ」
いくら空が平気だったとして初めて長距離乗ってるのにすごい人だなぁ。
楽しそうなお義母さまの姿をお義父さまと三兄弟が優しく見てるの、良いねぇ。
イダルンダのハゲ親父一家とはやりたいと思わないけど、お父さまとお母さまが健在だったらこんな雰囲気だったかな。
「カイダールにはマーベルハント翁のいらっしゃって解析中の魔導書のお話が聞けたり、アーロン様の試作中の薬について聞けたり有意義だったわぁ」
お祖父様もいらしたのね。王妃さまのご来訪に焦っただろうなぁ。
「旅館ではハーブのお茶やお菓子をいただけて、お風呂もハーブがふんだんに使われていてねぇ、自分もお花の中の一輪になれた気がしたわぁ」
それは素敵~。お祖母さまも羨ましそう。
「王妃さまはここに住みたいとまで仰ってねぇ。大変だったわぁ」
王宮は煌びやかだけど癒しはなさそう。偏見?
「それで王都に帰るならワイバーンでって言い出しちゃってさすがに王都まではミルゼたちの負担も大きいからってカイダールにギリギリまで泊まらせて貰って、魔法陣を使わせて頂いたの」
王妃さま、よほどお空の旅が好きになっちゃったのね。
アーロンお兄さまたちには何かお贈りしないとだよ。
転移装置の補充用魔石もだね。王家から貰えるかもだけど。
「王妃陛下もずっとお休みがない状態であったろうから一気に弾けたんだろうな」
お祖父さまが言う。
「そうだねぇ、あのやんちゃ王太子だった陛下を支えるのは大変だったろうね」
王様、即位前からあんな感じだったのか。
「ファティマ殿下に継いでいただけば早期に隠居もできただろうけど、王子さま方がお生まれになって女性である殿下に重責を背負わせることを避けられてねぇ」
自分たちが楽をする事より、王女殿下の未来を優先した結果、デレード国に行ってしまわれたのでこの国にとって正解だったかはまだわからないけど、親としては複雑だったろうなぁ。
王子さまたちが健やかかつ、良き為政者に育ってもらえると良いね。
その先で、国王夫妻がグレーデンで余生とかあるかも??
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